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本概要については、追って修正する場合がございます。
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<質疑応答>
【問】 来週改造が予定されておりまして、現体制としては最後の閣議だと思いますが、実質今日で最後だと思われますが、これまで振り返られて感想は。
【石原大臣】 まだ任期がございますので。今日もこの後外国からの大臣との会談、公益法人室との打ち合わせなど、仕事が残っておりますので、残された数日間かもしれませんけれども、全力で仕事に取り組んでいきたいと思います。2年5か月近くこの職にありまして、いろいろなことがあったと思います。思い返しますと、特殊法人の整理合理化計画を取りまとめ、そしてまた道路民営化委員会で道路公団の分割民営化(の具体案)をお決めいただき、さらには公益法人等々でこれまでは認可であったものを準則で設立し、優遇政策については別途考える、即ち2階建てにしていくということを決めるなど、公益法人改革は100年余りもいじらなかった問題でありますし、特殊法人改革につきましても一挙にこれだけのものをこのように変えていくということはなかったと思いますし、また財政面でも2年間で1兆4,000億円の削減、公益法人についても平成17年度までに1,100億円の経費を削減すると、道路公団に至っては建設コストを4兆円も削減すると。言葉を返しますと、それだけ無駄があったということでありますので、これからもこの無駄が出ていかないようにしっかりと監視をしていかなければならないのではないか、こんな印象を持っております。
【問】 総理も改革はまだ道半ばだと仰ってまして、行政改革・規制改革も道半ばかと思いますが、今後に向けて、大臣がどうなるかまだ分からないと思うんですが、意欲としてこの改革をどういうふうにしていこうと思われますか。
【石原大臣】 これは結局いつも言うように頂上がないんですよ。台場にくるだけであってずっと先があるんですね。私も党の方の規制改革チームの金融財政の主査を5年間やって、1,500項目くらい5年間で規制緩和やりましたけど、それでも終わってないのと同じように、日本の社会全体に、規制についても、行政がやっている仕事についても、無駄というものはついてまわるし、特に行政に関係している部分の方がこの無駄を削ぎ落としにくい状態になっていると、そういう状態は変わってませんので、これもよく言う話ですけれども、ダイエットのリバウンドと同じでちょっと油断をしますと逆に太ってしまいますので、そういうことのないようにどんな立場にあろうとも監視をしていかなければならないんじゃないか。また皆さん方もトピックスのときは取材をされますけれども、絶えずそれで動いているわけですから、今度特殊法人については独法という、中期目標を決めて、中期目標の段階で達成率、あるいは仕事がもう民に、地方に任せられるようなものは法人自体をやめられるような新しい仕組みにしておりますので、この10月1日からスタートするのでちょっと気が早いといえば気が早いんですけれども、そういうものもしっかりフォローアップしていく仕組みも、参与会議という形で特殊法人本部の下に優れた識者に集まっていただいておりますので、そういう方々のリサーチとか意見というものもフォローアップをしていかなければならない重要な問題だと思っております。
【問】 特殊法人改革の一番の柱である道路公団の改革についてですけれども、現在は来年の通常国会に法案を出していくという途中なんですが、今年に入ってからなかなか国交省の法案化作業も進んでいない状況で、そのことについていかがお考えですか。
【石原大臣】 これはやっぱり小泉総理が再選されるとスピードは増してくると思います。通常国会に法案を出すということにしておりますので、民営化委員会の意見を基本的に尊重して、分割民営化をして、無駄な道路は作らないと。無駄というのは有料道路体系でペイしないものは有料道路としては作らないと、しかし必要なものは直轄で作ると大きく方向転換しましたし、一方で来年度予算の中にも大阪の環状線の一部、これはやはり建設コストが非常に高いわけですから、逆に重要であるけれども有料道路収入ではペイしない、そういうものについても国の予算が初めて要求されておりますし、概算レベルですから予算が通らないと現実には動かないんですけれども、新しい道路の在り方というものもやっと芽が出てきたと思いますので、そういう方向でしっかりと、作るものは作るけれども、無駄なものはもう作らないと、そこがポイントではないかと思います。
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<冒頭発言>
本日ですが、一般案件3件。公務員の給与改定、これは総務大臣の方から詳しく説明があると思います。
発言ですが、福田長官、片山大臣より、公務員の給与改定について、人勧どおり実施するというものでございます。片山大臣よりもう一点、公益法人白書についてございました。
公務員給与の改定についてですが、私の方に関係するものは2つあるのですが、独法の中期目標の設定・評価に当たって、役職員数も含めてより一層の事務運営の効率化を図る旨、明記していただきました。2点目は、独法の役職員の給与の水準なんですけど、公務員の方々の給与と比較出来る方法で分かりやすく公表するという旨が明記されております。公益法人白書ですが、こちらも総務大臣より詳しいお話があると思いますが、閣僚懇の中で、総理から「公益法人改革は、これからやることがあるから、所管の(公益法人の)対策について各閣僚は十分に取組むように」という指示がありました。公益法人白書を拾ってみますと、いい点悪い点が両方書いてあるんですけど、国から公益法人への事務委託は、88の事業について廃止を含める措置を講じるとされておりますけれど、その中で出来ているのは7割ちょっと。公益法人に交付されている補助金(の見直し)については、365のうち237の措置、これは8割弱と。ですから、やれと言ってまだやれていないところもあります。平成8年の閣議決定をひっくり返してみたのですが、公益法人の理事ですね、所管省庁出身者の割合が3分の1を超えてはならないとなっているのですが、これを超えている法人が、国所管で2つ、都道府県に至っては523も残っている。ちゃんとやっているとことやっていないところの差が出てきているのだと思います。また、国出身の理事における、(最終)官職を付記していない法人が366も残っています。役員の報酬・退職に関する報酬規定を整備しろということになっているんですけど、それを整備していない法人が150ぐらいある。公益法人改革は道半ばであると。これからいよいよ本番。そういう感じを持っております。私の方からは以上です。
<質疑応答>
【問】 閣僚懇の中で、総理から公益法人についてお話があったということで、総理からの指示、発言についてもう少し具体的に。
【石原大臣】 公益法人改革について、これから所掌でやることが多いから、関係閣僚はしっかりやるようにと。その一言で、そのあとすぐに話が阪神の方に行っちゃいまして、この話のリアクションがこなくて、阪神の話のリアクションばかりになったというのが正体でございます。
【問】 公益法人の話ですけど、まだ道半ばというお話もあったのですけれど、そういった意味で、まだまだと。所管省庁から地方(都道府県所管法人で、理事に占める所管官庁出身者の割合が3分の1を超えている法人数)は523もある。これは母数が大きいからということもあるんでしょうけれど、これからどのように。
【石原大臣】 難しいのは、公益法人は民法法人なんですよね。指導しても、特殊法人ですと指導が割と落ちるんですけれども、こと小さな公益法人、地方所管の公益法人は沢山ありますよね。こういうところに(指導が)落ちていない。しかしそれは、やるということを国家として決めているわけですから、所管しているところでしっかり見てもらわない限りは、しっかり見ていけない、ということだと思います。
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<冒頭発言>
閣議、犯罪対策閣僚会議のあとに、上智大学名誉教授の花見忠さんに内閣官房参与の辞令が交付されました。詳細につきましては官房長官からお話があると思いますが、花見先生は、国際労働問題を含むいわゆる労働問題一般、公務員制度改革等々についての高い御見識をお持ちの方でございまして、私も度々お話を聞かせていただいてきた関係でございます。公務員制度改革につきましては、御承知のとおり、この9月1日に、室長の下に新しい2人の次長を設けてチームの強化を図ったわけでございますが、花見先生の参与就任に伴いまして、チーム全体心強い味方を得たことになるのではないかと考えております。花見参与の大所高所からの御指示・御指導・お力をお借りしつつ、この問題につきましては積極的に改革を推進していかねばと今考えているところでございます。
<質疑応答>
【問】 花見さんの件ですが、花見さんは労働法の分野にきわめて明るい専門家であり、また、ILOの問題にも詳しい方です。連合ともこれまで調整が難航してきましたが、そういった点での期待はどうでしょうか。
【石原大臣】 いつも申しておりますが、公務員のみなさんが公務員のみなさんのために公務員の手によって改革をすると、国民のための改革とは必ずしも一致しないと私は思っております。そういう意味で、国際労働環境、あるいは連合の方とも太いパイプを持っているエキスパートの花見参与から、内閣に対して公務員制度改革で適切なアドバイスを頂戴できるものと期待しております。これまでも、さきほどお話しさせていただきましたように、何度かお話を聞かせていただいたのですが、こちらからお願いして来ていただいていた形です。これからは行政の側に立って、日本の公務員制度改革を今よりもいいものにしていくために御尽力を願えるものと考えております。
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<質疑応答>
【問】 閣僚懇では。
【石原大臣】 閣僚懇では、私が、今お話が出た独法について、一般管理費の削減は1割から2割という、参与会議の御指摘を受けて改善が見られましたけれど、昨日、飯田座長が会見されていたのと同じように、経常経費の部分の削減、特に小泉内閣の行政改革は、「民間に任せられるものは民間に、地方に委ねられるものは地方に」でありますので、独法化した意味を、各閣僚、十分に認識していただきたい、という話をさせていただきました。外部委託の比率が高い法人等々もございますので、そういうものは法人の存在自体も、3年から5年の中期計画の後、見直していただく。そこまで踏み込んだものにしていただくように、要請させていただきました。これを受けまして、小泉総理から、「各省所管の法人の積極的な合理化、経費の削減、民間委託をやるように」と、強い口調で指示をしていただきました。そして、総理の言葉の中で「閣僚のみなさんは、見抜くことが重要だ」と。役所に言うと、「必要だ、必要だ」と言うんだから、「何が必要か、必要でないかを見抜くことが大事だ」と、総理よりお話がございました。これに対して坂口大臣からも、「一律カットの案が出てきて、パーセンテージが同じということは何もやっていないのではないか。今、中身を精査しているので、我々としても気をつけていきたい」というお話がございました。以上です。
【問】 閣僚懇での大臣の発言に関連してなんですけれど、小泉内閣で独法化した意味を認識して欲しい、という発言について、もう少し具体的にお願いします。
【石原大臣】 もう少し詳しく言いますと、特殊法人というのは、一本一本法律によって設立されていますが、独法は3年から5年の中期目標を立てて、中期目標の達成具合や仕事がなくなった場合は、その法人を簡単に改組したり、なくすことが出来るわけです。そういうことを踏まえて、特殊法人から独法になったことで改革が終わったのではなくて、これから改革がスタートするんだ、という気持ちを持って(欲しい)。これは所管省庁がしっかり見ていただく必要がある。予算のときには財務省等々でスクリーニングしますし、行革相がいる間は、参与会議等々を通じて細かくフォローできますが、パーマネントではありませんので、所管大臣がしっかり見ていただくことが大切である、ということを言ったわけであります。
【問】 昨日の飯田座長の会見でも飯田座長が指摘されていたのですが、今回の各法人が出してきた経費削減額は、法人の言い分によりますと、大臣が閣議で要請した「10%から26%」というふうに言ってきているのですが、実態としては人件費を除いた中での10%から26%と言っているわけで、人件費も込めた(一般)管理費で見ると10%を切るような低い数字になる法人があると。このように、実態として、なかなか合理化しようという意思が見られない、という状況ですが、この辺はどのように。
【石原大臣】 一般管理費から人件費や退職金を除外するというのは、非常にナンセンスだと昨日の参与会議でも出ましたし、また、私も言及させていただきましたが、経常経費は4兆3300億強あるんですけど、一般管理費は1913億。そのうちの削減額は189億と、全体のボリュームが小さいわけです。しかし、外部委託が半分以上ある法人もあるし、事業が必要ないものもあるし、民間で代われるものもあるわけですから、そのための独法化である。なぜ独法化したのか、独法化して終わりではなくて、総理の言うところの、「積極的な合理化、削減」というものがやりやすくなったわけです。一方で、総理がおっしゃったように、役所は必要だ必要だと言う。それは、しっかり所管大臣が、坂口大臣の言葉に象徴されると思いますが「一律パーセンテージが一緒になるということは、やってない(に等しい)」と。こういうものを細かく見ていかなければならないと思っております。
【問】 閣議終了後、残られていたのは。
【答】 9月1日から、公務員チームを強化いたしました。まだ、第2弾、3弾と強化策を考えているのですけれど、その御報告をさせていただきました。
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<冒頭発言>
閣僚の発言ですが、塩川財務大臣より、概算要求の基本方針について。竹中大臣より同じく。片山大臣から、機構と定員の要求を厳しく抑制して欲しいという話と、政策評価の本予算への反映の推進について。また、地方財政においては三位一体路線でやって欲しいと。これについて総理より、歳出改革路線の建議が必要である、というお話がありました。
続いて私の方から、10月1日から設立されます独立行政法人の中期目標について、目標を低く設定しようとしている動きがある、これは参与会議でも指摘されておりますので、そういうことのないように、中期目標の期間や経費の内容に応じて、最低1割、2割の削減をしていただくようにお願いをいたしました。私自身も、各省庁の取組み状況を確認させていただきたい、ということも言っておきました。それを受けて総理より、特殊法人改革の趣旨にふさわしいものとなるように、また、先行独法についても同等に厳しく、という指示をいただきました。坂口大臣より、厚労白書について。世代間のワークシェアリングを目指していかなければならないのではないか、というお話でした。川口大臣より、スリランカへの無償資金協力、また、カナダでのWTOでの非公式閣僚会議への出席について。平沼大臣、亀井大臣より同じく。最後に総理より、閣僚の海外出張期間中の代理についてお話がありました。閣議は以上でございます。
御存知の方もいらっしゃると思いますが、今日、公益法人改革について、スケジュールに則って改革の作業を円滑に進めていくために、内閣官房と、税の問題が大きなウエイトを占めますので財務省、また、民法法人ですので法務省、そういう関係省庁と協力して取り組む必要があるということで、局長クラスからなる第1回の連絡協議会を、本日15時半から、5階の特別会議室で開催することにいたしました。この連絡協議会の場を活用して、この問題は100年以上手を付けてこなかった大きな問題ですので、政府全体で改革を推進していく必要があると考えております。
<質疑応答>
【問】 独立行政法人の中期目標について、他の閣僚から何か。
【石原大臣】 他の閣僚からはございません。
【問】 (大臣の発言は)閣議の中でですか。
【石原大臣】 閣議の中でです。予算にも関係しますので。
【問】 10%〜20%の経費の削減については、総理の方からも同じように発言があったのですか。
【石原大臣】 総理の方からは、特殊法人改革の趣旨にふさわしいものになるように、各大臣が先頭に立って作業をしろと、強い口調でありましたし、既存独法の中期目標についても、もう見直し期間がやってくるわけですので、10月1日設立の独法と同程度に厳しいものになるようにしっかり指示しろ、という指示を総理よりいただいております。
【問】 各省庁の取組みをチェックしていくということでしたが、今日総理と大臣の指示を受けて、各省庁、法人が実際どのくらい経費を削減しようとするのか、その結果はどうされるのですか。
【石原大臣】 改革推進本部の事務局に中期目標の設定案を、概算要求に合わせて8月下旬に提出していただいて、それを見て、それが行革相、総理の指示に合ってるか(どうかをチェックする)。全部が1割に合わせてきたら問題ですし。法人によって違いますから、そういうメリハリもちゃんと見ていきたいと思っております。
【問】 中期目標の期間が3年から5年と幅があるのですが、そうすると当然、単年度の削減の幅にも幅が出ると思うのですが、その辺りはどのようにお考えですか。
【石原大臣】 各法人が(中期目標を)出してくる8月下旬を見守りたいと思います。今日言いましたので。今までは1%とか言ってるわけですから、かなり大変な作業だと思います。
【問】 これは、行政改革推進本部が了承する、という形になるのでしょうか。
【石原大臣】 これは、特殊法人等改革推進本部を開くか開かないかということも含めて、指示に従って納得できるものであれば、改めて会議を開くものではないのでしょうか。見てみないことには何とも言えないと思います。ここまで言って、どの程度のものを出してくるか。これまでは毎年1%と言っているわけですから。これは誤差の範囲でしかない。
【問】 総理大臣の要請ということでよろしいのでしょうか。
【石原大臣】 中期目標について、参与会議の方からもこういう話が上がっているということは総理にも報告しておりますし、そもそも独法とは何かという、そもそも論になるわけですね。特殊法人の弊害を除去するために中期目標を設定して民間並の自由度を与える反面、厳しく運営してもらうと。そういう線に則ってやってくれと担当相が言って、総理が関係閣僚にちゃんとやりなさいと指示を出されたのだと思います。
【問】 道路公団の関係なのですが、昨日、道路公団が、片桐さんを解任しましたけれど・・・。
【石原大臣】 解任ではないでしょ。降格じゃないかと。私も新聞ベースでしか聞いてないですけれど。副支店長から調査役というのは、普通は降格だけれども、組織がどうなっているのか私もはっきりしていないので、後で問い合わせておきましょう。
【問】 公務員制度改革の関係で、自民党の部会等での「読み人知らず」の文書の件ですが、調査の結果について事務局長の方から何か御報告ございましたでしょうか。
【石原大臣】 報告がありました。今言われた文書につきましては、行革推進事務局の公務員制度改革推進室の関係者が原稿を作成して、出身省の若手職員に、ワープロの文書化を依頼したものだ、ということであります。推進室で組織的に関与したという事実はない。本人からも話を聞きましたが、自分個人で作成したということでした。関係者には私から厳しく厳重に注意を行うつもりでございます。詳細については、私からよりも、会見が終わりまして、御関心のある方がいらっしゃいましたら、事務局長の方からお話をさせていただいても構いません。お問い合わせをいただいても構いません。どちらでも結構です。
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<質疑応答>
【問】 昨日国会が閉会しましたけれども、今通常国会を振り返っていかがでしょうか。
【石原大臣】 190日間は長かったなという印象です。閣法で言いますと、121本中118本が成立いたしましたし、その中には成田空港の民営化等特殊法人関連が10本、公益法人関連が10本成立して改革が一歩進んだなと。しかしこれも何度も申し上げておりますけれども、特殊法人で言えば、平成13年の整理合理化計画の作成が第1章でありまして、法案化が第2章。法案が成立してこれから法人の組織体が変わっていくわけですけれども、独法化された法人について民間企業的なセンスを入れて組織の自由度を増す代わりにしっかり責任を取ってもらう、また10月1日にスタートする独法は中期目標等々で厳しく自己抑制をしてもらうと。これは参与会議でもきつく意見が出ておりますし、総理もその通りだなと言っている点ですので、しっかりと見ていかなければならないと思っております。
【問】 公務員制度改革について、自民党の部会で明らかになりましたシナリオ、例の怪文書の調査結果はいつ頃でしょうか。
【石原大臣】 そろそろ、今日・明日に聞こうかなと思っています。事務局長に直接指示してありますので。
【問】 では次の会見くらいには。
【石原大臣】 聞いていると思います。今週説明に来るという話を先週金曜日に事務局長が言っておりましたが、まだ来ておりません。
【問】 道路公団の幻の財務諸表について内部調査結果が明らかになりましたが、内容についてはどのように。
【石原大臣】 公式に作ったのか作ってないのかということは別にして、バックデータはあるんじゃないのかなという印象を持ちました。公団が正式に示している財務諸表というものがありますし、その財務諸表自体も、監査法人が監査自体の入札を辞退するという事態になってしまいまして、こちらとしては確認する術というのがなくなってしまいました。そこが改革の一里塚でありますので、公団自らがしっかりと世間の批判に耐えうるものを示し、国民の皆さん方の納得を得る重要な責任があるんだと思います。といいますのは通行料金を払って国民の皆さん方は利用しているわけですから、その結果が企業体としてどうなっているのか、特に民営化法案が出てきて民間会社化されるときのことを考えますと、そこに対する責任というのはより強まったんではないかと。内輪もめをしている余裕は全くないと思っております。
【問】 調査結果の内容を見ると、証言の食い違いが見られますが。
【石原大臣】 若い人は上の人には報告したと言うけれども、上の方は、課長さんになると聞いていないとかですね、そういうところが責任の重要なところではないでしょうか。立証責任は公団側にあるわけですから、そこははっきりとしていただかなくてはならない重要なポイントだと思います。
【問】 公務員制度改革について、公務員制度改革大綱で、年限のメドが区切られていて、今年中にということだったと思いますが、それらを実現していくメドというのはお持ちでしょうか。
【石原大臣】 メドも何も、自民党の方からも5項目の宿題が出てます。あの5項目の宿題を解決しない限りは前に進めない、即ち関係者の理解を得るという作業を進めていかなければならないと思います。
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<冒頭発言>
閣僚懇では、防災担当大臣より、九州の暴雨災害について、死者が21人、行方不明者が2名だそうです。私の方からは、国家公務員制度改革関連法案の今国会提出を見送らざるを得ないという話をしました。あとは特にございません。
<質疑応答>
【問】 国家公務員制度改革関連法案の提出を見送らざるを得ないという発言について、他の閣僚から何か発言はありましたか。
【石原大臣】 ありません。
【問】 公務員制度改革について、振り返られて、何が出せなかった要因だとお考えでしょうか。
【石原大臣】 一言で言うと、関係者の理解が得られなかったということです。
【問】 具体的には。
【石原大臣】 国会等々の答弁で、人事院の方々が、私の答弁と逆さまの答弁をなされたということは、行政の中で話がついていなかったと言えますし、与党の方も、自民党も含めまして、十分に御理解が得られなかったと思います。
【問】 それは、法案の内容的にこれから何か修正しなければならないのか、時間をかけて説明していけば、今の法案で理解が得られるというのか、どうお考えでしょうか。
【石原大臣】 改革をしなければならないという総論は賛成だけれども、各論になると、どんな行政改革等々でも同じように、権限を持っている側は権限を手放したくないし、権限がない側は権限が欲しいという、本質的な話で折り合いがついていない。公務の世界にも能力等級等々を導入して信賞必罰にしていこうという方向は当然だろう、ということは思ってはいただいていると思いますが、その先は利害関係が発生しているんだと思います。
【問】 今年中に法案を提出するということが大綱に書かれているのですが、そうなると、秋の臨時国会に提出するということをお考えなのでしょうか。
【石原大臣】 これは総理もおっしゃられていますが、法案を提出するには、通る法案じゃないと意味がないわけですね。法案が通ると言うことは、関係各位の理解がない限りは、法案は提出も出来ませんし、与党の御了解を得なければ法案の提出も出来ませんし、また、国会の論戦の中で、論戦に耐えうるものでなければ、ただ出しただけ、というような話になってしまう。そういうことがあってはいけないと思いますので、自民党の方からも宿題をいただいておりますし、法案をよりよいものにして国会提出を目指すという方針で、今後とも、関係各位の皆様方と緊密に連絡を取り合いながらやっていかなければならない重要な問題だと認識しております。
【問】 重要法案でもありますし、臨時国会などで今年中に何が何でも、というより、今大臣がおっしゃったような条件を一つ一つクリアしながら確実な状況になった段階で、来年の通常国会に提出するということもありうべし、と。
【石原大臣】 通常国会がまだ終わってなくて、臨時国会もまだ決まっていませんので、そこのところは今の段階では何とも申すことが出来ないと思います。
【問】 道路公団の問題についてですけど、財務諸表の問題について、国交相が公団に対して外部監査をするようにと、8月下旬にその結果を出すようにと指示をしていましたが、監査法人が、会計基準が曖昧で無理だと、入札さえ行われないという状況になっておりますが、先月出された財務諸表自体も揺らいでくる結果になると思うのですが、それについて、どうお考えでしょうか。
【石原大臣】 これは、かなり深刻な問題だと私は考えております。何度も申し上げているように、民営化をする上で、その企業体の抱える資産、状況というものが明らかにならない限りは先に進めない。バックデータを手に入れることができませんので、私どもの特殊法人のチームでもそれを検証することが出来ない。ましてや今回、監査法人側がああいう決断をされたということは、次の段階として、監査法人による報告書が出てきたとしても、それは財務諸表を作成する過程においてミスがなかったことをただ確認するような、検算の域を出ないものになってしまうわけです。そもそも今回の財務諸表をめぐる問題というのは、計算が合ってる、間違っているというレベルの話では、本来はないわけで、計算の前提そのものがどうなのか、バックデータ、すなわち、再調達原価で出ていますが、取得原価(を記したデータ)が本当にないのか、ここをもう一度公団側は古い資料を徹底的に精査して、本当にどこも残っていないのか。全国にありますから。全国のどこかには、古いものばかりではなく、新しいものもあるわけですね。毎年毎年、道路を作っているわけですから。そういうものを見つけていただいて、少しでも公に耐えうる財務諸表だということを示さないと。財務諸表は、民営化の基礎ですから。公団自体が「正しい、正しい」と力んでも、それをマーケットが正しいと認めない限り、民営化できないんですよね。公団の民営化への取組みの姿勢そのものが、この問題で問われていると思います。
【問】 民営化推進委員会で、藤井総裁への不信任決議を行い、公団側では(片桐さんらに対する)提訴を検討している。このように混乱が続いていて、民営化への取組みそのものへの支障になってくると思うのですが。
【石原大臣】 一言で言って、泥試合ですね。総裁というのは社長なわけですから、自分の会社で泥試合をしている余裕はないと。そういうところをしっかりと総裁は御認識されて、マーケットに認められるものを示す責任があると私は思います。
【問】 公務員の関係ですが、自民党の部会での怪文書について調査をされているかと思いますが、結果というのは。
【石原大臣】 一両日中にははっきりとしてきますけれど、読み人知らずのものではなかった、ということは分かってきました。ただ、どういう目的で、どういうふうな形でああいう物が外に流出したのかというところまではまだ調べがついておりませんので、そこが一つのポイントだと思いますので、そこもしっかりと調べてもらうように、事務局長に指示を出しております。
【問】 公務員制度改革について、4大臣で「(今国会に法案を)出す」ことを5月に確認して、それが履行されなかったことについて、どのように受け止められていますか。
【石原大臣】 関係各位の理解が得られない限りは出せませんので、関係各位の理解を得るべく努力をするしかないと思っております。
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<質疑応答>
【問】 今日民営化委員会の中で、民営化委員会が行ったアンケートが一応公表する形になりまして、中身は高速道路を赤字でも建設続行しても良いというのは7割くらいが反対されていて、重み付けについては社会的波及というのが一番低くなっていますがそれについてはいかがでしょうか。
【石原大臣】 今日議論することになっているんだと思います。新聞に出ていたのは承知しておりますし、私も報告は受けておりますが、今日議論する話をコメントしてしまうと問題があるのではないでしょうか。一般論としては、有料道路ですから不採算の道路というのは原則的には抑制的になるという答えになるのは当然のことだと思います。
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<質疑応答>
【問】 昨日、国土交通省の、いわゆる森地委員会で、高速道路の建設基準について、一応の結論を出したわけですが、(基準を)一つにすることが出来ませんで、計算式を16種類示すに止まりました。本来の基準の意味をなさない結果となってしまいましたが、こういう結果について、どのようにお考えでしょうか。
【石原大臣】 これは、中村先生が民営化委員会で示された中村基準が基になっているわけですけれど、このときは、指標が3つくらいだったと思います。どこにウエイトを置くか、採算性を重くすればするほど、田舎に道路はつくれない。社会的な影響、そこで話題になったのは、基幹病院への時間、距離ですが、こういうものを重くすれば、地方に道路ができる。いわゆる指標のウエイトをどこに置くかで、道路の順位が左右されることは前から分かっていて、それを学者、専門家の世界で「どれが正しいとは言えない」というのは、予想された結果ではないかと思います。そういうものを政治が決めていかなければならない。国土全般を見て、国民の皆様方から支持される指標のウエイト付け、重点化、重み付けでなければならないと、私は思っております。
【問】 そうしますと、民営化委員会でも参考にしていく要因となるということでしょうか。その辺はどうお考えでしょうか。
【石原大臣】 大都会で話をすれば、「無駄な道路は作るな」。一方、地方に行きますと「いや、道路はなきゃ困るんだ」。地域間の利害が錯綜しているというのも、道路の難しいポイントではないかと思います。
【問】 片桐さんが『文芸春秋』に寄稿したのに端を発して、その後、藤井総裁が国会で質問され、事実を否定する答弁をしています。官房長官も、今回の混乱については「経営者の責任が大きい」と発言をされています。国会では、空接待の疑惑が新たに指摘されたりしておりますが、こういう混乱についての経営者の責任などについて、どのようにお考えでしょうか。
【石原大臣】 公団という組織、企業体のトップとしてあるまじき行為が頻繁に見受けられ、企業体の体をなしていない、というのが印象としてあります。民営化委員会の席でも、協力すると言って非協力的であったことは、取材された方は御承知のことだと思いますし、財務諸表の問題にしましても、「組織ぐるみで作っていない」と言いながら、全国の組織が動いてデータを収集していることから見ても、国会の答弁等々にも疑義があると言わざるをえないと思っております。もし、粉飾決算、すなわち債務超過であり、それを隠したことが明らかになるならば、企業体の体をなしていない、またその責任者として、混乱の責任よりももっと重い、犯罪だと私は思います。
【問】 公務員制度改革についてですが、今国会への対応の結論は出たのでしょうか。
【石原大臣】 与党の協議会が来週早々にも開かれると伺っております。与党の協議会での結論を待って、政府として最終的な判断をすることとなりますが、国会の中でも答弁させていただいておりますように、物理的、時間的な限界にきていると認識しております。
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<冒頭発言>
本日は一般案件1件、政令5件です。今日公布の法律として成田国際空港株式会社法が成立し、決定いたしました。これによって特殊法人等整理合理化計画に基づいて作成され、今国会に提出されました10本の法案がすべて成立したことになります。整理合理化計画に立ち返りますと、計画の策定時に特殊法人77と認可法人86の合計163ありましたが、現状を維持するというNHK等の5法人を加えますと、132法人について、この成田の民営化で終わったことになります。一昨年の暮れの計画の策定を第1章としますと、8割の法人について改革の第2章が刻まれたと、今日はそんな感じを持っております。まだ課題は多いですね。昨日も決算行政監視委員会ですか、藤井総裁が色々言っておられた道路関係四公団や、残っております八つの政策金融、これについてどうするのか。そしてまた先週の金曜日に飯田座長、朝倉代理とともに参与会議の皆様方と総理を訪ねて参与会議の指摘事項をお渡しして、色々問題が出てきたわけですけれども、いわゆる独法として生まれ変わるものについてですね、無駄な事業をしていないか、コストがかかっていないか、やはりもう少し丁寧にもう一回徹底的に見直す必要が、私も参与会議の御指摘の通り、あると思います。特に中期目標ですね、中期目標を作ることがポイントであったはずなんですけれども、参与会議の指摘を見るまでもなく、抽象的です。コストも1年1%(削減)で、中期目標が3年から5年で5%(削減)というのは誤差の範囲でしかなくて、道路公団だって2割削減すると言っているのに、独法はほぼ誤差の範囲でしかない。あるいはサービス向上、独法になるということは民間により近くなるのに、サービス意識が、国民の皆さんに対する意識というものが非常に低い。改善の余地は多いはずだと思います。独法のそもそもの制度設計は特殊法人の弊害を取り除くというところに最大の目的があって、中期目標も作るし、定期的な見直しの結果、法人自体をなくすこともあり得る仕組みになっているわけですから、所管している大臣の皆さんには、また機会をみてですね、私からも、厳しく所管する独法を見ていただきたいという話をしなければならないと、今日の成田空港の民営化法の公布をみまして強く感じたところでございます。
<質疑応答>
【問】 今お話のありました独法の件ですけれども、先日の参与会議の指摘では、経費の削減はやはり3年で5%では少ないということで、10%から20%くらいの経費の削減が必要だと、また統合しても統合のメリットとしての合理化が不十分ではないかという指摘がございましたが、その点に関してはいかがでしょうか。
【石原大臣】 その点は先程も申しましたように、なぜ独法にするのかというのは、民間に任せられないで公的なセクターとしてやる仕事であるから、特殊法人から独法に変えると。特殊法人は設置法がございまして、法人格を失うにはその法律を改正しなければならない。独法は中期目標があってその中期目標に沿って運営計画を立てて、中期目標期間終了後に業務・組織を見直して、その結果、組織を廃止することもできると、そういうものですから、最初からハードルを低くおいていると思われても仕方ないものがあるというような御指摘を参与会議からいただき、私も見させていただくと、そう言われても仕方ないものが多々あるなという印象を持っておりますので、やはりそういうものを、何のための整理合理化計画であったのかということを、予算と関連いたしますので、機会をみて、私の方からも、所管しておりますのは関係閣僚でございますので、関係閣僚の皆様に言わなければならないなと、そんなことを考えております。
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<質疑応答>
【問】閣議終了後に官房長官と会われていましたが、どんなお話を。
【石原大臣】今週8日、9日と、自民党行革本部の総会、野中委員会が開かれまして、そこで議論が対立し了承に至らなかった点について、御報告をさせていただきました。
【問】 政府の立場としては、今国会中の成立を目指すという立場に変わりはありませんか。
【石原大臣】 与党と政府はこの問題について車の両輪ですので、これまでも協力し合いながら改革を進めてきたと思っておりますし、これからもこのスタンスをとっていきたいと考えております。そうしますと、法案の成立のためには与党の皆様方に法案の内容を納得していただくことが不可欠でございますし、その行方を注意深く見守っているというのが現状でございます。
【問】 総会の運営のあり方に言及した文書についてですが・・・。
【石原大臣】 私も8日に、そういうペーパーがあることを承知しないまま会議に臨みまして、林事務局長と私は、何を言っているか分からなかった。「林さん用」と言われている林さんも全く知らなかったし、私も全く知らなくて、何を指しているんだろう、という印象でした。「そんなものがあるのか」と事務局に確認したところ、「事務局としては作っていない」と事務局長が言っておりました。しかし、その後いろいろ調べてみますと、十数枚のペーパーは私も見まして、「一体誰がこれを書いたんだ」ということで、詳しく調査するように太田本部長からも事務局長に指示を出していますし、私も事務局長に対して指示を出しております。事務局長も、初日(8日)には一切承知していなかった。誰が一体どういう意図をもって作ったのか調べるように指示しております。
【問】 道路公団に関連してですけれど、昨日発売の『文芸春秋』に、去年の段階で既に財務諸表を出していて、それによると6千数億円の債務超過、という記事が載っておりますが、この記事についてどのようにお考えですか。
【石原大臣】 記事の内容の真偽については、現段階で確認する方法がないのでコメントできません。しかし、私が何度も何度も民営化委員会の中で申し上げてきましたように、財務諸表は民営化のための基礎の基礎なんですね。その企業体がどういう資産を持っていてどういう運用をしているのか、というのは非常に重要なことだと思っております。民営化の方針を決めていくための第一歩だと思います。その財務諸表について、雑誌で報道されているように改ざんや隠ぺいが仮に行われているならば、これは重要な問題だと思います。今回の指摘は、公団(職員)の片桐さんの指摘であり、公団としては職員の告発ですから、もしそれが事実でないとするならば、職員を処分しなければならないことになります。一日も早く事実関係を徹底的に調査して、片桐さんの告発が真実なのか真実じゃないのか、その根拠も含めて、調査結果を、昨日の記者会見のような何を言っているのか分からない記者会見ではなくて、はっきりと国民に示す義務と責任があると思います。
【問】 今回の問題は、今回の改革にどのような影響を与えると思いますか。
【石原大臣】 分かりません。
【問】 影響はあると思いますか。
【石原大臣】 大きく影響すると思います。
【問】 真実でないならば、片桐さんの処分もありうるということですが、仮にこれが真実であるならば、幹部の処分も・・・。
【石原大臣】 もし、片桐さんの告発が真実であるならば、犯罪といわれても仕方がないほど重要なことだと私は思います。現段階では、どちらが正しいのかは残念ながら確認する術がありません。国交省に問い合わせても、国交省の側からは「公団からの資料をもとに作ったもので、その資料をもとに作ってある以上はあのとおりです」という説明しかございません。
【問】 先ほどのメモの話ですけれども、現在調査中ということですが、ファックスのカバーレターがついているのを大臣も御覧になったと思いますが、それの真偽について現在調査中ということですが、調査結果は明らかになった段階で、我々の前に公開していただけるのでしょうか。
【石原大臣】 調査中です。調査結果が出た段階で聞いていただければ、全部言います。
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<質疑応答>
【問】 閣議の後、官房長官とどんなお話を。
【石原大臣】 公務員制度改革について党の方の議論がスタートしてですね、今日は3部会+行革本部の総会が開かれて私も出席して話を聞いて参りますと。これまでの党の方の議論の中でも、一致して今回の公務員制度改革案に賛成という形には必ずしもなっていなくて、問題点が提示されています、というような現状報告をして参りました。
【問】 それに対して官房長官からは何か。
【石原大臣】 フムフムと。
【問】 党の方で一致して賛成されていなくて問題点が提示されていますということでしたが、具体的にはどういったことでしょうか。
【石原大臣】 複数の委員の方が先日の野中委員会で発言があったという話を私はメモで承知しておりますので、発言した方を御存知だと思いますので、取材していただければと思います。
【問】 今、各省協議に入っていると思いますが、今日は正式協議に入るといった話は官房長官とされたのでしょうか。
【石原大臣】 特にそういう具体的な話はしておりません。各省から大きな問題提起があったという話は私のところにはまだきておりません。何か問題があれば、各省からこういう問題があるという大きな提起があれば、私の耳にも入ってくると思いますが、今のところまだきていません。
【問】 各省協議の締め切りはいつまででしょうか。
【石原大臣】 昨日まで。
【問】 人事院を含めて何か意見の提示はありましたでしょうか。
【石原大臣】 まだ私のところには報告はきていません。
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<質疑応答>
【問】 道路公団に関連してですが、別納制度について、昨日国土交通相が見直しを指示するなど問題になっておりますけれど、かなりの額に上っておりまして、一部では不適正な分を直すことによって料金値下げにつながるのではないかと言われていますが、どうお考えですか。
【石原大臣】 過去10年間、平成4年から13年ベースで見ても、別納制度を利用している者の推移は、人数は半減しているんですが、組合を作っている方は200件くらい増えている。その結果、割引金額が1300億から2200億くらいにと、6割ちょっと増えている。この部分が全部不正だとは申しませんけどね。これだけの割引、年間の道路料金収入の約1割まけているということですから、全く頭の体操ですが、これを適正に一般ユーザーに開放すれば1割下げなければならない、という話です。そういう部分は、しっかりともう一度洗いなおしていく必要はあると私も感じております。値下げの余地があるということが明らかになったということが大きいのではないでしょうか。
【問】 そういった部分というのは、もういちど適正にしていくという・・・。
【石原大臣】 不透明過ぎますよね。
【問】 そういった組合によっては、それによって得た利益でモーターボートを所有したり、という事例がありますが。
【石原大臣】 個々の事例はちょっと承知していないのですが、そういうことがあったとしたら、許されざるべき問題だと思います。
【問】 公務員制度改革についてですが、昨日、与党に政府の案を示されたわけですけれど、今国会への提出に向けた作業の一環としてとらえてよいのでしょうか。
【石原大臣】 5月に関係4大臣が集まりまして、今国会への提出に向けて努力していくという意見の一致を見たまま変更はなく、これまで取組んできて、今週になりまして政府の原案が固まりましたので、与党の皆様に見ていただき、御了解が得られれば今国会に提出したいと。会期末も近付いておりますし、様々な方々と協議をさせていただいております。ギリギリの調整を続けているということに、何ら変わりはありません。
【問】 公明党は慎重な姿勢をとられていますけど。
【石原大臣】 先週、実務者協議で「店じまいしていた」という御発言があったわけですね。会期が延長された中で出すのはどうか、という話だったと思いますが、我が党はそういう考えに立っていないということは、その場でも太田本部長、林事務局長からお話があったところです。法案もできていませんでしたから、法案を見てどう御判断されるか、ということだと思います。
【問】 関連して、連合との協議機関の話ですけれど、法案提出前に行うのでしょうか、法案提出後になるのでしょうか。
【石原大臣】 この問題については、スキームは政府としては1ヶ月前に固まっていて、非公式で連合側に話をさせていただいております。笹森会長は、6月13日の定例記者会見の中で、「どういう形で公務員制度が扱われていくかであるが、協議機関の設置等については、先行していろんなマスコミ報道がなされているが、連合の基本的な考え方としては、方向性の一致が無い協議機関の設置というのは意味がないと考えているので、慎重に政府側との事前的な話し合いを進めていきたい。協議機関の枠組みを決め、メンバーを決めても、何を扱うのかといったことが決まらないで、形をつくりながらもっていくということは私はできれば避けたい。そういった基本的な方向性について確認されないで形だけ作るのはちょっと避けたい。さらに、それをすることによって、閣議決定をされた今の大綱の内容で、法案上程として突っ走るきっかけを与えることになりかねないということも考えると、協議機関の枠組み先行ということは避けたいと思っている。」と発言されている。どういう事かと言うと、私との折衝では、「連合としては法案を提出することには反対だが、法案提出権は政府にある。協議機関で協議する内容については、その中で議論して決めていく」という話でした。しかし、会長が御発言されたことによりまして、連合側の主張は、@協約締結権の付与が前提である、A今国会には法案を提出してはならない、協議機関で整った段階で法案を提出すべきである、という政府側としてはとうてい容認できない内容を指摘されているわけです。
【問】 与党の了解が得られれば、連合との協議は打ち切るということですか。
【石原大臣】 そんなことは言ってません。
【問】 原案を自民党側に示した段階ではあるのですが、内容について、再就職の部分で、大臣承認制にしながらも内閣承認ということを条件に付けていますが、この点について。
【石原大臣】 内閣の総合調整機能という権能から、二重三重にどう規制をかけていくかという考えのもとで法律に書き込む。これを政令に書き込むという考えもありますけれど、政令ですと、分からないところで内閣の承認(の規定)を変えてしまう、取ってしまうこともありますが、法律事項ならば法律改正をやらなければなりませんので、法律に明記をするように私の方から指示を出させていただいております。
【問】 それに関連してですが、内閣承認が「当分の間」とされている理由は何ですか。
【石原大臣】 白地に絵を描けば、内閣ができて、一内閣一閣僚で4年間ぐらい一つの内閣が責任を持って仕事をする体制が整えば、人事権をしっかり持って全部を掌握することができる。そういう理想型を、大綱は考えているわけです。しかし今、小泉内閣で2年3ヶ月閣僚が変わらないというのは、日本では異例である。そうすると、これからどういう政治体制になるかは分かりませんが、1年で定期人事で変わるとなると、大臣がそこまで責任を持てるかと言えば、持てる方もいらっしゃるでしょうが、内部を掌握するのは1年では難しい。理想は大臣承認制、行政の責任者である大臣が人事についても全て責任を持つような体制にもっていくのが望ましい、という大綱の精神は正しいと思うんですけれど、現実はどうかと考えると、法律でしっかりと、内閣全体で責任を持つという形のほうが望ましいと考えましたので、「当分の間」と。いろんな法律の書き方があって、「別途政令で定める期間」というのがオーソドックスなやり方ですが、政令部分は閣議にはかかりますけれど、法律改正であると、国会でそういう時期に来た、来ないという判断が公になりますので、「当分の間」法律でしっかりと縛って、大臣が全てのことに責任を持ってできる望ましい体制ができたならば、法律改正をして、その部分を内閣の総合調整機能の権能を弱め、大臣の責任に一元化していくのが理想だと思っております。今はそういう時期ではない。
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<質疑応答>
【問】 国土交通省のほうが、道路4公団から子会社、関連会社に天下りしている問題について明らかにしましたが、その点についてはいかがでしょうか。
【石原大臣】 その点については、扇大臣が明らかに全員を辞めさせると発言されていましたので、大臣の言うことを聞いて頂きたいというのが率直な感想です。
【問】 日曜日に黒部で開かれたタウンミーティングで、20代の女性からでしたが、北陸道ですか、ほとんど車が走っていないのに料金が高いと、電車の2倍位すると。もっと安くして、道路公団も民間企業並みに、例えば薄利多売であるとか、そういった利用者のことを考えた政策にすべきじゃないかという意見もありましたが、その点はいかがですか。
【石原大臣】 私もその女性の発言にちょっとびっくりしました。何か薄利多売の御職業に従事されているというお話でしたけれども、民営化委員会の中でも出てきましたように、やはり利用の非常に低いところが地方の道路では特にあると思うんですけれども、そういうところはデッド・ウエイト・ロス(の発生の最小化)という、学問としても確立された公共公物の利用方法についての取組みというものを道路公団も早急に検討して、年内にも実験的に料金を下げるという話は非公式に聞いているんですけれども、そういう話が出るということは国民の方々の中にそういう潜在的な声があるということですので、そういう方向でやるということに私も賛成だという旨はタウンミーティングでも話させて頂きましたし、そういう考え方に何ら変わりはございません。
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<質疑応答>
【問】 公益法人改革についてですが、今日、基本方針が閣議決定されましたが、その中で焦点になりました税制について、原則として課税とするのか非課税とするのかということについて引き続き検討ということになっていますが、それについての現在のお考えと、今後についての大臣のお考えをお聞かせください。
【石原大臣】 今ご質問の基本方針は閣議決定いたしましたが、ご存知のように、民法制定から100年ぶりの大改革でありまして、今後のわが国の非営利法人制度の骨格を決める以上、ただいまご質問がありましたような問題についても拙速を避け、関係者の意見を十分に斟酌した結果として、当初の予定より時間がかかりました。税制についても、読んでいただければ意図するところが分かると思いますが、途中で原則課税、原則非課税みたいな二元論の話になって、かなり混乱したと思います。そういうことにも配慮しております。準則で法人が設立される、考えてみていただけると簡単なんですが、株式会社をつくる、有限会社をつくる、非営利法人をつくる、全部原則課税です。原則非課税は、日本の税法上、ありえない。そういうことは全く変わっておりません。本日、抜本改革への第一歩を踏み出したことは、与党の方々をはじめ、有識者の皆様方、関係者の皆様のご協力があったからであり、感謝を述べたいと思います。公益法人に関しては、民間企業でもやられている仕事を公益法人がやって民業を圧迫する、また、天下りの数も特殊法人ほどクリアになっていませんでした。官庁と結びついて仕事を独占している、費用が不当に高いなど批判が絶えないわけですね。それらについては、一昨年に行った(行政委託型公益法人)改革によって大きく変わってきたわけです。
これまでは、所管省庁が公益性があると判断したら公益法人として(設立の)認可をする、というものだったんですけれど、今回の抜本改革で所管省庁制度を廃止しましたし、新たな非営利法人制度、これは、準則で誰でも法人格の取得はできるというもので、かなり新しい画期的な概念だと思っております。届出によって法人ができます。これが一階部分です。この中で、一定の公益性を持つ法人が階段を上って二階にあがる。こういう構成なんですね。現にある法人は、公益性があるから公益法人になっているんですけど、これを、移行の段階で所管省庁がもう一度デマケをすることになると思いますが、(公益性があれば)二階部分に上がっていって二階部分を構成することになる。現にある法人が本当に公益活動をやっているんだったら、そのまま二階に上がっていく。原則非課税で、33事業については課税、となる。新制度においても、いわゆる二階部分に移行していくことになる。ですから、原則課税、原則非課税というのは極端な議論であって、誤解を招いておりますし、登記で設立される法人が課税されるというのは当たり前のことなんですね。こういうところに誤解があったので、そういう言い方は避けている、ということでご理解いただきたいと思います。一方、公益の美名に隠れて営利活動をやっている法人もあるわけです。こういう法人は、移行の中で、二階に上がることができず、原則課税となる。これも当たり前といえば当たり前だと思います。
今後のスケジュールですけれど、基本方針の制定に当たりまして、「制度の枠組みは分かったけれども税制の関係が不明確である」という今のご質問も、結論を12月に先送りしているじゃないか、というものだったと思うんですが、新制度の設計にあたりましては、税制のあり方についても、今度は財務省、法務省、総務省の関係省庁からなる連絡会議を早急に設置して、早急に結論を得るべく努力しろと事務方に指示したところです。夏休みの前に、スケジュールと協議会を立ち上げろと。結局、税制については財務省の所管なんですね。内閣官房に置かれている公益法人室の権限は、税制に及ばない。(公益法人制度は)総務省が所管してる。民法の世界は法務省なんですね。ここを巻き込んで、今言われた問題のゴールを目指していこうということです。そういう意味でいうと、今回の基本方針は単なる第一歩だと思いますが、大きく踏み出した第一歩であると思います。つまり、これまで所管省庁の認可で設立されてきたものが、準則で設立され、法人格の取得と公益性の判断は別のものに委ねられていく、という新しい姿が描かれたと思っております。
【問】 誤解を与えた理由は、税制の仕組に結論が出なかったというよりも、所管省庁の側に原因があったと?
【石原大臣】 法人税の世界と寄付制度の議論が同時に語られていたと思うんです。法人税の世界は、営利か非営利かで決まってきます。寄付税制は、日本は遅れているんですね。本来、民間非営利活動を充実させていくには、法人税の世界よりも、寄付税制の世界なんですよ。現在も寄付に対しての控除はかなり厳しい。そういうところで議論がかなり混乱しました。私は基本方針をまとめるにあたって、税調の幹部の方にもいろいろ相談させていただきまして、いろいろなことが分かってきたんですけれど、税調の幹部の方の中にも、これから民間非営利活動をサポートしていくならば、寄付税制を拡充していかなければならならない、という声が、実はかなりあるんです。けれど、聞こえてくるのは、「税は厳しく」「原則課税」ということで、大きな混乱を招いたと。しかし、実際に税調の幹部の方と話をしてみると、寄付税制を、役所が言うよりも前向きに話している方が多かったというのが印象に残りましたし、幹部の方に、行革(本部)でも、税調のほうは全くやってくれないんじゃないかという心配の声があるんですよ、行革(本部)にいらして話してください、ということをお話しましたら、快く「分かりました」と言ってくださる幹部の方もいらっしゃった、というのが真相でございます。
【問】 実際に公益活動を行っている公益法人が二階に上がっていくというお話に関してですが、各省庁がデマケをするとおっしゃいましたけど、これはどういうことですか?
【石原大臣】 (現在は)各省庁が、公益性があるから公益法人である、と認可しているわけですね。もちろん、各省庁が、(公益法人が)公益性がない営利活動ばかりやっていたら、公益法人をやめて営利法人の方に行って下さい、ということをやってくれるのが当然ですが、現実問題としてほぼ出来てない。それをやる第一義的な責任は所管省庁にあるんですね。
【問】 新制度に移行する前に、各省庁が公益法人をきちんと見直して、公益活動をしているかどうか見極める、ということですか。
【石原大臣】 そういうことになると思います。それが決まったわけではありませんが、理屈の組立てとして、それがなくて自動的にみんな二階に上がるということになるのは、おかしいと思います。
【問】 各省庁が、今の基準で公益活動をやっていると判断したところは原則非課税となる?
【石原大臣】 公益法人というのは、明治に出来たんですね。そのときの公益性の概念と今の公益性の概念は違うと思うんですね。今求められている公益とは何か、民間非営利活動をこれからサポートしていこうとする中で、(公益性の)判断主体の話になりますが、今の時代に合った公益性は何かという判断について、省庁がやる、あるいは税当局がやる、あるいはイギリスのチャリティー委員会のような第三者機関がやる、こういうものも16年末までに整理する中で、判断主体のようなものがクリアになっていけば、一回目のスクリーニングは各省庁であるけれど、そこからもう一度スクリーニングする主体が決まってくると。その中で全員がエスカレーターで上がっていくのではないように制度の仕組み上はなるように、していかなければならないと考えております。
【問】 業界団体の方々は心配も多いと思うのですが、大臣はどうお考えですか。
【石原大臣】 これは、私がデマケをする立場じゃありませんから。業界団体というのは各省庁ごとに認可されてますから、各省庁にまずお考えいただく。業界団体というのもいろいろあって、一概に業界団体、という縛りは難しいのではないでしょうか。
【問】 今回の改革では、NPOと中間法人は法制上の関係を整理するということになりましたが、将来的にはどうなっていくのでしょうか。
【石原大臣】 白地に絵を描くときは一緒に入ってくると思うんですよ。ただ、NPO法人にしても、昨年の臨時国会で寄付税制の部分を広げると決めたばかりですよね。中間法人は14年4月にスタートしたばかりの制度ですよね。公益法人制度改革は、後ろから走ってきた。しばらくは一緒に動くんですが、白地に絵を描いたらどうなるか。NPOが、これからの民間非営利活動のメジャーになる可能性もあるわけですね。どっちが吸収合併するか分かりませんけれど。あるいは、寄付税制の仕組みによって、NPOだけれども(新制度の)2階部分に来よう、という法人もあるかもしれない。これは移行の中で整理されていく問題だと思います。
【問】 協議会議の立ち上げについてですが・・・。
【石原大臣】 昨日、根本副大臣と公益法人チームとのミーティングがあったところで、私からも根本さんからも、夏休みの前に、17年度までの行程表を出せと。その中で、各省庁、特に財務省、法務省、総務省の3省ですけれど、しっかりと協議会の一員として公益法人制度改革を政府として取上げていく体制を取るように指示いたしました。
【問】 民間の有識者等を含めた懇談会をこれまでずっとやってきたわけですけれど、今後はどうなっていくのでしょうか。
【石原大臣】 この有識者懇談会は私的なもので、全くオフィシャルな性格を持たないものでしたけれど、今後は具体的なところに踏み込んで行きますので、新たな専門家の意見を聞く機会も出てくるのではないか。個人的には、専門家の意見を聞く場は必要なのではないかと思っております。決まったわけでも決めたわけでもありません。
【問】 NPO法人や財団法人などでは、哲学や考え方にいろいろ違いがあって、意見がまとまりにくいのではないでしょうか。
【石原大臣】 今回、白地に絵を書いたわけですよね。基本が固まりましたので、基本の考え方が違うといっても、もう閣議決定しましたので、この方向でいきます。一階と二階があり、民間非営利活動、公益性の概念はこれから明らかにしていかなければなりませんけれど、公益性があるものは二階に上がる、という仕組みを、方向性として閣議決定した以上はこの方向で進めていく、ということになったということです。
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<冒頭発言>
閣僚懇では、私の方から、この10月1日に独法化される法人の中期計画および中期目標について、各大臣におかれても数値目標をしっかり盛り込むなど新法人の効率化、サービスの向上に役立つような目標をしっかりやってくれとお願いをしておきました。参与会議でも出ている話は皆様方御存知だと思いますけれども、業務を若干改善して済ませようということで、本当は要らないもの、不要業務の切捨て・合理化の観点が欠けているという点や、管理費ですね、道路公団でも20%削減すると言っているのに、毎年1%で5年間で5%(削減)みたいな生ぬるい内容になっている。あと目標の表現が、促進するとか、迅速かつ適正とか、尺度としてもう少し表現を明確化すべきである。あるいは組織統合するところもあるわけですけれども、その法人のメリットみたいなものをどう考えるか、そういうものを打ち出せというようなことがあると思うんですけれども、これは所管大臣が一番分かるわけですので、そういうものをしっかりやってもらいたいということを申し述べておきました。
<質疑応答>
【問】 これに対して他の閣僚、総理からの発言は。
【石原大臣】 ありません。ハッというような顔をして聞いている閣僚の方が何人かいました。
【問】 これに関して参与会議からも、今大臣が仰ったような、かなり厳しい指摘があったわけですけれども、本当に独法化することで改革が進むんだろうか、逆に独法にすることで改革が曖昧になるんじゃないかといったような指摘も当初ございましたが、その辺に関してはどのように思われますか。
【石原大臣】 ポイントは、中期目標の設定と、組織の存在自体が、特殊法人の場合は一本一本法律によって設立根拠があるわけですけれども、この中期目標の設定あるいは計画等々を見ることによって、法人の必要性がなくなった場合は法人自体をなくすことがより簡単になっていると。そういう意味でも中期目標や中期計画というものが重要であるということだと思います。
【問】 今回見ると足りないという感じでしょうか。
【石原大臣】 足りないですね。まだこの後たくさん続きますので、しっかりと参与会議の皆さんと共にフォローアップしていかなければならない重要なポイントだと思います。
【問】 昨日の予算委員会で、藤井総裁に対して長妻議員が道路公団の改革について色々質問をされてましたけれども、どのようにお聞きになられたでしょうか。
【石原大臣】 まあよく言うなあと。一番改革に情熱を持っているというならば、データを小出しにしないで、B/S、P/L等のバックデータをしっかり出していただきたいと、言いそうになりました。それと昨日は不自然ですよね、委員会やっている14時に後数分で出しますと、一日前に、金曜日に出せば、委員会で構造改革をやるということは先週決まっていたわけですから、その辺もちょっと親切じゃないような気がしました。
【問】 それに関して、総理の方からは、大きく分けて二つありましたけれども、一つは総裁について、民営化委員会の意見書を尊重せずに陰でやるというなら自分も考えなければいけないという発言もございましたし、分割についても全部その通りになるわけではないとのお話もございました。その2点について大臣はどうお考えでしょうか。
【石原大臣】 陰で変なことやるんだったら私にも考えがあるみたいな、ちょっと脅しめいた言葉だったのかなと。私はその時総裁の顔を見てましたが。
【問】 総理のそういった発言については。
【答】 ですから、お灸を据えたんじゃないですか。
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<質疑応答>
【問】 公務員制度改革についてですが、昨日、福田官房長官に会われたとのことですが、協議機関の見通しは。
【石原大臣】 協議機関のフレームはだいぶ前に固まっており、ご承知のように、公務員制度改革の法案の方もだいぶ煮詰まってきてるのですが、天下りの部分で、大臣承認制のもとでいかに内閣が関与するのか、それをどう法律に書き込むかという点等々、2,3点まだ詰まっていないところがあるんです。法案が出来ませんと、協議機関と言いましても、(法案の)準備ができていないと、協議機関も開けませんので、その点につきまして、中間説明に行ってまいりました。今日もう一度やろうと言っていたのですが、時間がとれなくて、(日程は)まだ流動的です。そんなに余裕もありませんので、詰めるところは法制局等で詰めてやっていきたいと思います。
【問】 協議機関は、労働組合側に提示はまだ・・・。
【石原大臣】 してません。
【問】 法案で2,3点詰まってないところがあるとのことですが、今国会に提出するというスケジュールは変わりありませんか。
【石原大臣】 変わってません。
【問】 大臣承認制に内閣が関与するという点で、どのような点がまだ詰まっていないのでしょうか。
【石原大臣】 詳細はまだ法制局で検討中です。
【問】 公益法人改革に関してですが、現時点でどのようなスケジュールで閣議決定まで動いているのでしょうか。
【石原大臣】 出来るだけ早くと思っているのですが、与党の中でも若干名異論を唱えている方がいらっしゃいまして、その方を説得すべく、鋭意、説得にあたっているところです。
【問】 頭の体操なんですが、公務員についてですが、国際捕鯨委員会(IWC)で、政府側は脱退も視野に入れて検討していますが、ILOに関して、今後日本側の主張が受け入れられない場合に、日本としてとりうる対応にどのようなものがありますか。
【石原大臣】 IWCは、国論が8:2でああいうふうにまとまっているんじゃないでしょうか。ILOの場合はご存知のとおり、使用者側と、労働側と、政府と3者構成ですよね、3:3:3なのか、6:3なのか、6:4でもいいんですけど、6:4と8:2では全然違うわけですよね。そこに自ずと対応の仕方が変わってくるということだと思います。
【問】 大臣としては、政府側が今までとってきた対応、代償措置を伴う労働基本権の制約に、6割くらいの国民が納得している、という整理ですか。
【石原大臣】 そこはどうなんだろうね。
【問】 IWCの脱退の場合、国が、日本(の国民)の姿勢を反映しているということでしょうか。
【石原大臣】 そういう感じだと思いますけどね。労働基本権といっても3権ありますからね。争議権を与えろというのは(どのくらいの国民が支持するだろうか)。少なくとも、私の周りには一人もいない。
【問】 協約締結権にしぼって考えますと、今までやったことがなかったことなので、練習という意味で、いろいろ話し合いが行われている、ということでよろしいでしょうか。
【石原大臣】 いや、ちょっと違うんじゃないかな。組合の方と話しても、同じ連合でも、官公部門と民間部門でまったく違うことを言われます。民間の方と話していると、給与は法律で決まっているんだから、協約締結権と言っても何をやるんですかね、と。連合の方からこういう話が出てきますよね。こういう点につきましても、今後詰めていかなければならない問題だと私は思っております。連合の中でも、官公部門と民間部門との賃金の差がすごくあるというところに、オール連合にならない要素があるのではないでしょうか。
【問】 表向きはまとまって対処しているようにみえても、官公部門と民間部門とで温度差がある、ということでしょうか。
【石原大臣】 (うなずく。)
【問】 特殊法人改革に関してですが、10月に独立行政法人化する特殊法人の(中期目標についての)参与会議が昨日でひととおり終わって、全般的に参与会議が求める数値目標が入っていなかったり、目標設定が低いというような意見が出ました。そういう状況を、大臣は(どのようにお考えですか)。
【石原大臣】 昨日、飯田座長とお話をしまして、問題は非常に根深いと。改革したけれど、大きな問題があると。天下りについても十分に、特殊法人のときは役員の半分という縛りがあったが守られてない。(独立行政)法人では違う、みたいなのがあって、そういうものに対して、フォローアップ機関ですので、参与会議がしっかりとした提言を出していかなければならない、と。
さらに、飯田さんが言っていた中に、経費の節減について(ですが)、1年に1%で何年かかって何%とか、民間では到底考えられないものだと。こういう問題点がだいぶ明らかになってきたので、区切りがいい時に、総理に「問題である」ということをまとめてご報告いただく、ということを、昨日話し合いました。ひとつ、3年から5年という見直し規定がついていることが改革の目玉ですので、第1号は10月ですか、その前にも法人ごとにやっていけばいいと思いますけど。その前にもやろうと、飯田さんとお話をして、飯田さんも少し考えてみる、とおっしゃっていました。
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<質疑応答>
【問】 昨日、道路関係4公団の財務諸表が公表されましたが、ご覧になっていかがですか。
【石原大臣】 詳細は見ていないのですが、道路公団は貸借対照表しかなくて、どちらかというとダイジェスト版、個別の資産についてのバックデータも不足しているなという印象を持ちました。詳細の内容はこれから公表されると聞いておりますので、公表された段階で、専門家の手を借りまして分析していきたいと思っております。一言で言うと、非常に雑駁で、詳細な内容が明示されていないというような批判が出るのは致し方ないないなと思いました。結果は新聞に書いてあるとおり、現状では、本四公団を除く3公団は、資産の方が多くて債務超過でないということですけれど、民間企業と同様に建設中金利などを差っ引きますと、首都高、阪高は赤字で、道路公団も赤字のギリギリの線になるという試算もあると思います。
私が一番疑問に思いましたのは、実際にかかった金額を原価としてそれを減価償却するという取得原価方式を明示している3公団に対して、道路公団が再調達原価方式、すなわち今作り直すといくらかかるかを計算して、これを原価としてそこから減価償却するという方式をとっている。私はかねがね申し上げておりますが、資産台帳がないから考えられないんですね。当時いくらかかったか分からない。株式会社でも公団でも同じだと思いますね。自分の作ったものが当時いくらかかったか(という資料)がないということに大きな問題があるとかねがね申しておりますが、それを改めて示してきたなという印象をもちました。この方式ですと、個別資産の詳細なデータを検証しない限りは、再調達価格が適正かどうかは判断できないんですね。いずれにしても、来るべき民営化や将来上場を念頭においている会社の状態を把握して、ひいては、投資家の皆様方に会社の状態を把握していただくためにも、会社の基礎的なデータをお示ししなければ、上場もままならぬな、という印象を持っております。言われたからやるんじゃなくて、民営化の議論がでてきて決まった時点でやって、自分の都合のいいようにやっているという批判には応えていかなければならない。財務内容をよくするためという批判に対しては、明確な回答が得られていないという印象を持ちました。詳細なバックデータが出た段階で、専門家の手を借りて検討していくべきものであると。今回のところは、雑駁な、ばくっとした概要としてとらえさせていただいております。
【問】 詳細なデータが出た場合、大臣としてどういう対応をなさるおつもりでしょうか。
【石原大臣】 それは、見てみないと。一番の問題は、道路公団が資産台帳がないと言い張っていることなんですね。取得原価方式を3公団はとっているわけですね。一番最初に出来たのは道路公団ですが、そんなにタイムラグはないわけですよね。それなのに、なんで再調達原価方式をとっているのか、本当に簿価が分からないのかという疑問を持つ人に対して、明確な回答をしていないというところに、一番の問題があると私は考えております。
【問】 公務員制度改革に関連して、連合との間に話し合いの場を設けるということですが。
【石原大臣】 (政府と)連合との間に、制度の話し合いをする場についての原案を昨日作りまして、これから各省におはかりして、各省の了解が得られましたら、政府として案を決定して連合側にご連絡させていただきたいと考えております。今週中にはできると思います。
【問】 閣議決定の必要はあるのですか。
【石原大臣】 閣議決定はいらないです。
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<質疑応答>
【問】 公務員制度改革について、行革事務局では、国家公務員の採用試験を、現在17種類あるものを半分程度に統廃合することを検討しているようですが、その方針について大臣はどのようにお考えでしょうか。
【石原大臣】 今、人事院が行っている公務員試験は、細分化されているわけですね。しかし、そのように分けているのがよくないのではないかという批判はある。能力のある者が適正な評価を受けて試験採用に関わらず上がっていくべきであるというような整理は、大綱の中でしている。細かく分ければいいというものではないという気がいたします。また一方で、もちろん、職種の話もあるわけです。
【問】 ただ関係省庁から、統合してしまうと、能力が測れない、希望した官職につけない学生が出てきてしまうのではないか、という心配がありますが、それについては。
【石原大臣】 極論を言えば、試験を一つにして一括採用して、その後適材適所に希望を聞いて、割振っていくというのが、一つの理想形のようなものがあります。(一方で、)現実対応として細かく分かれることによって、仕事をしたい人たちがその試験によって職種を選んでいく。どちらがいいのか。こういう極論があると思います。
【問】 現在、大臣のお耳には、そのような批判の声は、届いているのでしょうか。
【石原大臣】 私は将来的にはI・II・III種とかキャリア制度をやめて、内閣府で一括採用して、そしてポストを公募する、もちろん幹部職員ですが、そういう姿も考えてみる必要がある。その一方で、局長以上はポリティカルアポインティにする、これは議院内閣制との関係がありますが。やはり、大臣が、全てに責任を持つというのであれば、そのくらいの思い切った姿を思い描いて、そちらに向かう方策を作っていくことが、一つの改革の方向性であると、私は思っております。
【問】 今現在事務局が検討している案は、そういう案ではないと聞いています。内閣府で一括して採用して、それを各省庁に、というのは、大綱の思想とやや違うのではないでしょうか。
【石原大臣】 個人的にはそういうふうに考えられるということです。大綱の話がそうなっているという話をしているのではなくて、試験の話で極論を言ったように。一つ、そのような考え方がある。議論の中でもありましたし。
【問】 制度改革に関わっている大臣として、その方が望ましいということでしょうか。
【石原大臣】 そういうことでなくて、その中で、現実があるわけです。革命政権じゃないわけです。いきなり全部ポリティカルアポインティにしたら、職員の方は辞めた後、どこに行くのか。そういう問題まで考えないと。現実問題としてできない。では、次官は必ずポリティカルアポインティにする、担当大臣が自分で審議官を連れてくる、といったことも考えながらやっていかないと、何のための改革なのか。公務員の皆さん方のためだけの改革であってはならない。そういう考えもあると個人的に考えていることを、御議論させていただいたということです。
【問】 公務員制度改革における連合との協議機関について、メンバーなど、進捗状況をお聞かせください。
【石原大臣】 一昨日の水曜日に、草野さんとお話をさせていただきました。話が始まったということ。私は公務員制度改革の法律は担当しておりますが、人事・恩給局あるいは地方公務員の公務員部は、総務省にあります。また、連合のカウンターパートは旧労働省です。そのようなことを考えながら、どのような枠組みにするのか、また、先方の話も聞かせていただかなければならない。ドラフトはこちらの側でお示し下さいといわれておりますので、ドラフトを然るべき時にお示しすべく、今勉強を始めています。そんなに時間はかからないと思います。
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<質疑応答>
【問】 公務員制度改革について、明日、連合と話し合いがあると思うんですけれども、1点教えていただきたいのが、公務員制度改革大綱で労働基本権の制約は維持するという枠がはめられている中で、維持するとしているのはおかしいと言ってるような連合側と交渉するのは難しいと思うんですけれども、大臣のお立場として公務員制度改革大綱の枠というのをどの程度柔軟に考え得るものなのか、これはやはりこの時点で当面の間は絶対維持しなければいけないものなのか、話し合いあるいは閣議決定のし直し等によって柔軟に考え得るものなのか、そういった点の御認識を伺いたい。
【石原大臣】 労働基本権の問題はこれも古くて新しい問題で、現行の人事院制度が代償措置として存在、機能している中においてこの三権は制約をされていて、それが日本の官の部分の労使の了解事項として、昭和23年からですか、ですから50年以上機能してきたと。この問題に対して色々なことがありました。新しい所で言いますと、例えば、消防職員の団結権の問題で、消防委員会を作るということを検討して実際にできるまで四半世紀、25年近くかかっていると思いますが、25年近くかかって議論をして、団結権に変わるものとして消防委員会が設置され、今を迎えている。そのほか色々歴史もあるわけです。全農林の判決、これは昭和48年ですか、最高裁までいってこの部分についての司法の解釈もなされている。そんな中で公務員制度改革大綱を作る時、基本権の問題をどうするかという議論がありました。しかし議論の中で、今の制度というのは機能しているし、これを維持していく中で、公務員制度をどう変えていくのか、即ち能力等級を入れて信賞必罰、メリハリをつける。また人事院の人事院規則というものによって決まっている公務の割振りとでも言うんでしょうか、そういうものを今度は法定主義ですから法律に書き換えていこうと。そんな中で中立公正機関としては人事院の存在というものは維持して、意見を言って頂いたり、勧告をしてもらったり、そういう機能を残して中立性を維持していこうと。そういう中でまとめたのが大綱であります。その中で昨年の11月ですか、ILOの結社の自由委員会、これは一つの委員会ですけれども、大綱に基づく公務員制度改革、更には現行の、今行われている制度も改めるべしという話が出てきたわけです。これはまだILOの総会で取り上げられてはおりませんけれども、一つの委員会で中間取りまとめがまとめられたと、それが昨年であります。そしてこの年度末に、今話したようなことをもう少し細かく書いた、追加情報という形で我が国の労働基本権の考え方を英文で取りまとめて、ILO側に送付したと。そしてその送付した追加情報が議論されたという報告は残念ながらまだ受けていない。こういう報告を受けて、どういう結論がこれから出てくるのか出てこないのか。私もILOの労働側のスポークスマンのトロットマンさんとお話しをした感じでは、是非使用者としての政府と労働者側との話を十分して下さいと、いろんなことを仰ってましたけれども結論はそこに尽きていたのかなと。そんな中でこれまでもかなりの回数、公式・非公式に連合の官公部門の責任者の方と議論をしてまいりました。また党の方でも野中委員長を中心にかなりの回数議論をしてきて、会談というものが中断され、政府の側としてどう考えるのか検討してもらいたいと、タマがこちらに戻ってきたのが10日くらい前です。そして、これは公務員制度改革の話を議論する会議ではありませんでしたけれども、先週の火曜日かな、総理・笹森(連合会長)会談があり、組合側から労使で正式に話し合う場所を作って下さいという話が総理の方にあって、総理からは、石原大臣に話をしていて、これまでも石原大臣が話をしているはずですと。そういうことで、これからも話をして下さいという指示がありまして、官邸の方からそういう指示がきて、今までは官公部門とお話をしてきましたけれども、次は一つ組織としての連合の責任者の方々と今の問題、即ち労働三権を復活せよという御要望であるのか、あるいは今若干説明させていただいたような個々の事情がありますのでそういうところを飲み込んだ上で何か別のオプションの提示があるのか、忌憚のない意見を交換させていただきたいというのが現状であります。ですから先方のお話を受けて、色々話を深めていくというふうに考えております。これはやはり労使の問題ですから、公務員制度を改めなければ、現状のままでは時代にマッチして機能していないという認識では官公部門の皆さんとお話ししても一致しておりますので、そういうところに何か糸口があるのか、そういうものを模索して行きたいと今のところは考えております。
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<質疑応答>
【問】 本日、例年どおり、セレモニーとはいいつつも、政労会見が開かれますが、今後の公務員制度改革の見通しはいかがでしょう。
【石原大臣】 これは何度もお話させていただいておりますが、私も先週は組合の方と電話で3度ほどかなり長く話しをしましたが、ILOの勧告で労働基本権の回復ということが結社の自由委員会で、昨年出たわけです。
そこで組合側の要求は、今回の大綱は労働基本権制約を維持したまま、すなわち人事院の代償機能を生かしたまま改革するという哲学で大綱ができている。そこのところで政府が進めることは理解はできるが、(ILOの勧告が出て)事態が変わったのだから、大綱を見直して労働基本権の問題を真剣に議論して、早急に結論を出してもらいたい、ということです。国公法の改正は、能力等級の導入と天下りの規制、ここも今、細部をつめておりますが、このことによる人事院の代償機能の低下は念頭にないわけです。この法案を出す前に、基本権の問題で十分話合って、結論の方向、どういうレベルで話すのかということをやってくれなければ、対決法案になる、そうすると廃案になる。そうすると改革ができなくて、われわれも改革をしたいのだ、という御主張。
それに対して、われわれは、現段階でILOの勧告が出たわけではなく、結社の自由委員会の勧告が出て、年末には(ILOの)結論が出る。そして3月の末に追加情報を我が国としての政府見解という形で11月の総務大臣見解に続き、ILO結社の自由委員会の問題認識のパーセプションギャップ等々について英文にしたものを提出した。これがILOの結社の自由委員会でこれから議論される。そういうものを見ていかなければならない。あくまでも日本政府の正式見解は、結社の自由委員会の中間的なとりまとめである、というもの。そういう中で、法案を提出して初めて、その法案は、大綱に基づくものですが、その後、労働基本権の問題を議論する場を作っていくというオプションを提示させていただいている。
そこに(双方の)大きなギャップがある。まだ結社の自由委員会で結論が出ていない、ILOの(最終的な)勧告が出ていない段階で、だからといって大綱を変えろというのは無理があるのではないですかと。あくまでも公務の世界に競争原理を導入するというのが主眼であるし、人事院をなくすということは一切言っていないわけです。人事院には引き続き中立公正な機関としての役割を担っていってもらいたい。突っ込んだ話をすると、組合側は、人事院の在り方にも踏み込んで議論をしていきたいと、かなり先をいっている。結果としてそういう議論になるのは、私は否定しないけれども、やはり現段階では大綱にのっとって政府は決められたことを進めていくという立場を取らざるを得ない、という話をする。すると、(組合側は)あなたの国公法改正の担当大臣としての立場はわかる、もう一段上の政治決断として、法案を出さずに労働基本権の問題をしっかりと議論する使用者としての政府と被用者側の連合の場を作ってくれ、ということ。その一点だけです。こちらは法案がまとまれば、出したい。向こうは、出さないで議論をスタートしたい、といこと。議論をスタートしたいというところは、相違点はないのです。先方は、事態が変わっており、(法案を)出す前に大綱を見直せということ。先方はそういう言い分です。そういうことで先週の金曜日の段階ではわかれております。
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<質疑応答>
【問】 先日の道路の委員会で藤井総裁に対して一般有料道路建設の経営責任ですとか、民営化への準備が不十分だという声が多く出たんですけれども、大臣はどのようにお考えでしょうか。
【石原大臣】 一般有料道路の話は結局施行命令と関係なく公団の独自事業としてやっていて、建設コスト即ち(料金徴収期限での)負債5兆円くらいですかね、これを返していかなければならないけれども、料金収入では経費部分も出ないと言われる点もある。それを経営者の責任ということで委員の方々が御指摘されている、そういうふうに私は理解しているんですけれども。それに対して判断をするのは一義的には国土交通大臣、任命権者ですから、そういう実態が明らかになれば、民営化ということが決まっているわけですから、法律も年末に出てくる、そういう中で適切な対処がなされるものだと承知しております。
【問】 つまる所、藤井総裁の下では民営化が進まないということを委員の方が仰りたいと思うんですけれども、その点は大臣いかがでしょうか
【石原大臣】 藤井総裁の下で民営化の準備をしているという事実があるわけですよね、法案の方は国土交通省で作っていきますけれども。まあ非協力的であるという面は私も常々感じております。全面協力的であるかと言えば、非協力的な部分、又資産台帳が無いと言い続けている、ここにも私は個人的にそんな公営企業体が果たしてあるのかな、作ってこなかったということが事実だとすればそれはそっちの方が大きな問題であると思います。どれだけの資産がどこにあるのかということが、固定資産評価額じゃないにしても普通はありますよね。又なかったらB/S、P/Lみたいなものを作りようがないんじゃないかと、そういう摩訶不思議なことを平気で言ってるという所には問題はあるのではないかと思わざるを得ない点がある。
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<質疑応答>
【問】 公務員制度改革についてですが、本日、一部報道で、29日に笹森会長と総理がトップ会談をし、(6月)10日(法案を)閣議決定、という報道があったのですが、こういうシナリオで動いているのでしょうか。
【石原大臣】 そうじゃないんじゃないか。前回(16日)の閣議の後に公務員制度改革に関係する4大臣が集まりまして、これまで準備してきた能力等級等々の法案について今国会に提出すべく、関係者との調整、法案の細部の詰めをやっていこう、今国会中に提出するということになんら変更はない、ということを確認していますが、まだ細部で詰まってない点もございますので、いつというようなタイムスケジュールを決定している事実はございません。会期末が近付いてきましたので、そういう記事が出てきたのではないかと推察いたします。
【問】 道路公団についてですが、財務諸表に建設中の金利を資産に計上する、ということにつきまして、大臣はどのようにお考えでしょうか。
【石原大臣】 一般企業であれば、普通、建設中の金利は資産に入らない。公共公物であるので資産に計上する、建設仮勘定に計上するという話。以前、特殊法人が行政コスト計算書というかたちで財務内容を示したときも、建中利息を資産に計上しているものがある。私は、民間に近いB/S、P/Lということであるならば、民間企業と同じ分類でやるのは当然だと思います。ただ、それによって債務超過だから破綻するということではない。行政コスト計算書でお示ししたものも、一つの公共公物ということを踏まえての考え方であって、公会計と民間会計との初めての考え方の交わりが起こってきている、ととらえております。これ(道路公団の財務諸表)は6月に出ますけど、非常に重要だと考えています。
【問】 どちらになるかで、債務超過になる、ならないなどと議論される方もいらっしゃいますが・・・。
【石原大臣】 金利が大きいでしょう。借入金が大きくて、兆(単位)のオーダーですからね。いくら低金利と言われていても、平均調達金利は4%くらい、1兆円の4%で400億円、10兆円で4000億円、20兆円で8000億円、こういう計算をしていくと、かなりの金額になる。今、調達金利は安いですけど、今後金利が平常化すると、天文学的に増えていく。そういう数字だと思います。
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<質疑応答>
【石原大臣】 今日、閣議の後に、官房長官、私、片山大臣、坂口大臣と会いまして、新聞に間違った報道が出て、いろいろ問い合わせがありましたので、公務員制度改革について、関係者の理解を求めつつ、今国会の法案提出に向けて努力する方針に変わりはない、ということを確認いたしました。
【問】 おととい、(大臣が自民党内で)意見交換をなさったそうですが、その場ではどのような内容の話し合いがなされたのでしょうか。
【石原大臣】 状況分析です。私の方から、政府としては、法案がまとまり、関係者との意見がまとまれば今国会に法案を提出する、という当たり前の話をしただけです。行革大綱は、平成12年12月の党のとりまとめからスタートしている。それがありますので、党の側してはこの問題についてしっかり話し合っていく、ということを意見交換いたしました。
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<質疑応答>
【問】 会期が休日を除き残り一月ほどとなってきましたが、公務員制度改革の法案の見通しをお聞かせください。
【石原大臣】 前回もご質問が出たと思いますが、現在、水面下で連合のみなさんとお話をさせていただいております。先方が大変ご関心をお持ちなのは、(協約)締結権の問題であり、過去に私どもが決めました大綱との整合性の関係で、どのように取り扱っていくのか、この一点に問題は絞られてきたのかなという印象を持っております。ILOも、6月初めに総会あると聞いておりますし、5月末に結社の自由委員会が予定されておりまして、その動向等々も十分に注意をしながら、会期も限定的でございますのでそんなに遅からず、最終的に決断していきたいと考えております。
【問】 6月のILO総会を前に、日本政府は追加情報を出していますが、この討議の結果を見てから法案の取扱いを決めるというお考えですか。
【石原大臣】 ロットマンさんと話をした感じでは、労使の話ですので、十分に政府側と労働側で話合っていただければ、という趣旨の話がございましたので、労使の話を詰めていくという作業を待って決めていくことになります。簡単に言えば、労使で話がつけば、ILOの側はそれに見合った対応になるのではないかと予測しております。予測ですが。先方からそういうニュアンスのご発言がございました。
【問】 協約締結権で国公法を改正すると大作業が必要となるわけですが、それは公務員制度の根幹に関わることであり、大綱等では想定されていなかった作業になると思います。このあたりのことは数ヶ月で済む話ではないという気がしますが、作業、議論の進め方について、どのようなことが考え得るのか、大臣のご見解をお聞かせください。
【石原大臣】 焦点になってきたという話を私はさせていただいたわけで、そこは誤解なきようお願い申し上げたいと思うのは、ILOの側は労働三権すなわちスト権を含む基本権の回復を言っている。労働側の関心が締結権にあるのかということが、議論の中で印象としてあります。また、国会でもそういうニュアンスで受取る方はいらっしゃいます。しかし、実はそのような(締結権の話を)切り離すといった議論はしていない。特に、団結権等々でも政府のこれまでの見解とILOの見解が違うものに(なっている。例えば)、消防職員の皆さんが警察に入るという私どもの考え方をILO側が許容してきたという経緯がある。平成7年に消防委員会も作らせて頂いた。そういうことも含めて私どもとしてはILOの認識に若干これまでと相違があると申し述べております。ここから先の話として、締結権の話を切り離すことが論理的に可能であるのかないのか。この議論は、焦点にはなっていますが、そうだと言明されているわけではないわけです。ILOの勧告を遵守せよというのが先方の正式な見解。そこが交渉のポイントではないかという印象を、今申し述べたところです。
【問】 労働組合側には、協約締結権がなんとかなれば、何らかの合意、公務員制度改革を進めることに消極的でも合意をするというような申し入れは特にないのでしょうか。
【石原大臣】 正式には、ILOの勧告を遵守せよ、すなわち三権回復というご要望ですが、国会の質問でも、委員会を聞かれてわかるように、私がスト権に言及すると、いやスト権の話なんてしているのではないと言われる方もいらっしゃる。どうも焦点がそこにあるのかなと。そうとは言わないが、あるのかなとこちらが感じるような発言は、先日こちらで連合のみなさんと話をしたときにもありまして、私もあれっという印象を持ちました。しかし、何度も言うようですが、ILO勧告を遵守せよというのが正式な見解で、そこに関しては私どもとしてはILO側(の見解)がこれまでの見解と違うものもあるし、(日本政府から)追加情報も出している。その中で、結社の自由委員会における労働側のスポークスマンであるトロットマンさんがおいでになりましたが、5月末に結社の自由委員会があり、6月には総会があり、労使の問題なので、十分に話あって、両方が納得する結論を出していただければ、それはそれですばらしいという趣旨のご発言がありました。そこから思いをめぐらして、お話をさせていただいております。しつこいようですが、国公法の改正案については、大綱の中で、15年中を目標に国会に提出する。下位法令の整備を平成17年度末までに計画的に行う。その上で円滑な移行のための準備期間を確保の上、全体として18年度を目途に新たな制度に移行することを目指す、という閣議決定しておりますし、その方針になんら変わりはありません。
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<質疑応答>
【問】 公益法人について、与党内で協議が始まりましたけど、中間法人を非営利法人から外したほうがいい、という意見について、大臣はどのようなご意見でしょうか。
【石原大臣】 中間法人を非営利法人から外したほうがいい、という意見は、よく聞いていくと、ないんですね。もう少し議論を詰めていくと、非営利法人をつくると、中間法人と似たようなものになり、その結果、非営利法人に中間法人がはいってくることならばいいが、まだそこまで煮詰まっていないことに、(与党内の)一部に懸念があるんですね。そういうものに対して、どう考えていくか。非営利法人をつくると、非常に中間法人と似たものになるだろうなというコンセンサスは全体としてあるのではないか、と思っております。
【問】 すると、現段階では(中間法人を非営利法人に含めることを)見送り、将来的に、というお考えですか。
【石原大臣】 中間法人と非営利法人が別物、という意見はないんですね、関係者の話を聞いていくと。準則で法人格の取得と公益性の判断が別という非営利法人に一本化する、というコンセンサスが全体としてあり、そういう制度設計をしていくと、非常に中間法人と近いものになる。すると、当然結果として中間法人が非営利法人に入ってくるだろうと。しかし中間法人が結果として入ってくるということに同意できても、今の段階で一緒に、ということには、もう少し議論を重ねていきたいという方がいらっしゃる。外すことでは決してない。結果として、中間法人が非営利法人の中に入ってくるということは認められるんじゃないでしょうか。ただ、現段階でそこまで結論を出していいものか悪いものかという意見の相違がある、という認識です。中間法人を外して、(今の)公益法人の改革だけやれ、という意見は聞かないですね。今ある公益法人だけを直せ、とおっしゃる方は、私も個別に話をしていますが、周りにはいらっしゃいませんね。
【問】 物事の決め方としては、(中間法人を)始めから非営利(法人に含む)、という選択肢は許容範囲内、ということでしょうか。
【石原大臣】 こちらは1年間専門的にやってきて、公益法人改革をやるならば、法人格の取得と設立というものを準則にして分けて非営利法人制度を作っていく、というコンセンサスは、1年間の中でできたと思うんですね。その議論をしていく中で、NPO法人があり、中間法人がある。これは後からでてきた制度ですね。特にNPO法人については、前回の国会でNPO法を改正し、またこの4月1日から税が変わると。制度を理論的に詰めていくと、非常に似ている。ですから、これまでの議論の集約の中で、発展的に解消される可能性が高いと。これは理屈の話です。しかし、理屈の話と、現実に昨年NPO法の一部の見直しをして、NPOの数も1万と増えてきた一方で、悪いものも出てきた。いいものもでてきた。しかし、使い勝手が悪い、税制も実際に改正して、結果はまだでていない。こういう段階で、理屈の中だけでこうなるべし、というのは乱暴であると。また、中間法人についても、民間と公益法人の間に競合関係があって、民間ができるものであるならば民間にやっていただく、というのがあるべき姿だというコンセンサスはあると思うんですね。民間ができないことで公益性が重要であると社会が認知しているものは公益法人として存在していくべきだ、というコンセンサスもあるんじゃないか。その現実と論理的整理を現段階でどう取りまとめていくのかということで、いろんな意見が出ている。方向性として画期的というか、これまでにないものとして、法人格の取得と公益性の判断が分離した非営利法人というものに収斂していくであろう、と。これは「いくであろう」なんですね。現実として各法人が存在している以上は、それを「みんな明日からこれだよ」とするの現実問題としてできませんので、これをどうまとめるか、ということ。これからの公益を担う法人の、日本の新しいスタンダードモデルをどうあるべきかとりまとめるわけですから。これまで100年以上何もしてなかった中で、新しい方向をこれから出していかなければならない。現実にいろんな法人がありますので、現実にいろいろな面で活動している法人を、どう考えるかということで、いろんな意見がでてきているのだと思います。方向はこの1年間の議論の中でみえてきたと。その方向にどういうふうにもっていくのか、新しい法人の姿をどう示すのかという最後の詰めの段階にきている、と認識していただければと思っております。
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<質疑応答>
【問】 連休も過ぎて会期末まで後1か月余りとなりまして、法案の審議時間も段々限られてきましたが、公務員制度改革関連の改正案についてはどんな状況でしょうか。
【石原大臣】 今御質問の点は、国公法の一部改正案、即ち能力等級導入の法案についての御質問だと思うんですが、連休前に既に各省庁に法案のドラフトをお示しし、御意見を頂戴して政府内の調整に入っております。その一方で私も組合の皆様方とお話をさせていただいておりますし、先日もILO結社の自由委員会の労働側スポークスマンのトロットマンさんともお話をさせていただきました。そういう中で、これは労使の話でございますので、強引に、こっちの方がいいんだと言って進めるような話ではないということは官房長官も再々記者会見等々でも明らかにされておりますし、私も委員会の中で述べておりますように、より良い案をより良く運用できるようにするために今後とも関係者との協議を重ねてまいりたいと考えております。法律案につきましては、組合の側にも、こんなもので、こういう方向で今取りまとめ中であると、そういう話は事務レベルでもさせていただいておりまして、意見交換をしている最中でございます。
【問】 正式に各省協議が終わったということですか。
【石原大臣】 いや、終わってないですね。始まってもいない。非公式に、法案の骨子といったものを示している。例えば、能力等級の11段階になってて、重要な職務とかそういうものが書いてあって、こういう分類でこういうふうなものをこんなふうにやりたいですよというような形で。法案を作る前にどんな法律でも各省に、関係する所には投げますよね。特に今回は公務員制度改革ですから、そういうものは組合側の方にもお示しさせていただいて、どうお考えになるのか、またどういう点に留意するかという意見交換も連休前から始まっております。
【問】 法制局とは協議中ですか。
【石原大臣】 ドラフトといいいましたように、こういう形でこういうふうなもので、国公法の改正ですから、成り立つのか成り立たないのかというキャッチボールは法制局との間で鋭意やっております。各省側からの反応もありますから、フィックスされたものではない、いわゆるドラフトをお示しして協議をしているという段階に来ております。
【問】 そうしますと閣議決定など日程的な事は目途が立っているわけではないと。
【石原大臣】 これは当事者がある、労使の話ですから、そこの御理解を得ないと。即ち、ILOの勧告を尊重せよというのが組合側の御主張でございますので、そうしますと労働基本権の回復という話で、その点は重要な問題ですけれども、十分に組合側とも議論しておりませんし、政府部内でも議論してない点でございますので、その点をどう考えていくのかということがございますので、法律案は能力等級でございますけれども、能力等級を導入することによって、そこの部分には影響はないと考えますけれども、影響があると考えられる方もおりますし、またドラフトの段階ですので、ブラッシュアップしてより良いものにしていくという作業を今しているという所でございます。
【問】 公益法人改革の問題ですけれども、政府・与党内でいろいろな案が出ておりますが、一本化というか収拾というか、どれくらいを見込んでいらっしゃいますか。
【石原大臣】 連休前に、3党の皆様方の考えというものが大分明らかになって参りました。まだ正式に3党の側から自分達はこう考えるというものは頂戴しておりませんが、まもなく頂戴すると思います。そんな中でこちら側も昨年来有識者の皆様方との懇談会を重ねてまいりまして、ドラフトはかなりのものが出来てきておりますけれども、御承知のように関係者の間では意見の隔たりが残っております。それもやはり100年間全く手を付けてこなかった根本的な改革でありますので当然といえば当然ですけれども、そういうものを斟酌して、どういう方向で公益法人が社会的存在としてこれから日本の社会の中で位置付けされ、役立っていくのかという非常に大きな命題ですので、より良いものを作るためにも各方面の意見を慎重に聞かせていただいて、鋭意成案を得るべく努力をしているということでございます。
【問】 対象法人をどうするかとか、公益性を判断する場合の判断する対象、これもそれぞれ案でバラバラだと思うんですけれども、大臣はどうあるべきだとお考えでしょうか。
【石原大臣】 これは度々申しておりますように、やはり、NPO法人・中間法人・公益法人という三つの法人がどうあるべきかということを考えていくことが基本になければならないと思っております。その一方でNPO法人の問題につきましては、先の臨時国会でNPO法の見直しも行いましたし、更にはこの4月からは税制も変わったと、そういうものも大切にしていかなければならない。そんな中で非営利活動をする法人がどうあるべきかということを21世紀の新しい時代に見合ったものにしていくという作業の中で自ずと結論が出てくるものだと思っております。個人的意見はもういろんな所で申しておりますし、時間がかかりますので重複は避けますけれども、方向性としてはやはり中間法人も含む2階建ての方向が最終的な到達ゴールでありますし、現存する公益法人のデマケも行っていかなければなりませんし、非営利活動に対する税の優遇等々につきまして課税当局が判断するのか、あるいは総務省が判断するのか、それとも省庁をまたいで様々な分野で存在する公益法人の現在の姿を考えるとイギリスのようなチャリティ委員会を作るべきなのか、大体その三つくらいに集約される中で、関係方面と議論をして、これはすぐに今回の改革で結論が出る話ではなくここの所は様々な意見がありますので、意見を集約すると大体この三つくらいになりますのでそういう点も考えていかなければなりません。やはり法人格の取得と公益性の判断というものを分けていくという基本原則に則った形で物事を整理していく、そういう有識者の皆様方の意見もあったと承知しております。
【問】 今月中の成案という見通しでよろしいですか。
【石原大臣】 100年間何もしてこなかったわけだから、100年の中の1か月をどう考えるのかということじゃないでしょうか。それを短いと見るのか長いと見るのかということだと思います。
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<質疑応答>
【問】 まもなく小泉政権2周年を迎えますが、先日のQ.Tでも菅代表から改革が進んでいないという批判がありましたが、行革の観点からはいかがでしょうか。
【石原大臣】 これも何度も話してることですが、特殊法人77法人のうち、石油公団、簡易保険福祉事業団、都市基盤整備公団等9法人廃止、東京地下鉄、成田空港等25の法人を民営化、さらには29の法人を27に再統合して独立行政法人にするというように、特殊法人等改革は、私もこの14年間の中で何度かやって参りましたけれども、一回の改革としては思い切ったものができておりますし、道路の方も年内の法案提出に向けて夏前から議論が深まっていくと。また、本日参議院の方で新直轄の法案も通ると聞いておりますし、着実に進歩していると思っております。
【問】 公務員制度改革の法案の関係ですが、今週坂口大臣、福田長官からですね、労組との合意が出来るまで法案の提出は控えるというか、慎重にやるべきだという発言が出ていますが、これについてはどのように思われますか。
【石原大臣】 坂口大臣は今回ILOの方にもお出かけになると聞いておりますし、やはりこれは労使関係の問題ですので、政府を挙げて、十分な擦り合わせをした上で早期の法案提出を目指したいと考えております。
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<質疑応答>
【問】 昨日の夜ですけれども、総理が自民党の山崎幹事長と村岡元官房長官と会談されまして、高速道路9342キロの関係で、全部造るというのではなくて、採算の悪い所は造らないというような発言をされたようなんですけれども、この段階で発言されたのはどういうことでしょうか。
【石原大臣】 無駄な道路は作らないということだと思います。それと採算性が悪い有料道路というのは、もう既に、(新会社は)造らないということを決めております。というのは、新直轄で全く採算の合わないものは3兆円分造っていくと。これは大雑把な計算ですけれども、日本の高速道路は平均すると大体1キロあたり50億なんですね、そうすると3兆円で600キロの道路を新直轄で造れると。これはまさに有料道路ではありませんので、そこの部分は既にもう新しい形で造るということは決めておりますので、採算の悪い道路は(新会社は)造らないということだと私は思っております。(採算の悪い)高速道路の中で必要なものは税金で造ると、そういう解釈だと思います。
【問】 そうしますと、9342(キロ)が全て造れるわけではないという解釈ですか。
【石原大臣】 9342というのは国幹審で決定しておりますので、これを縮小するには次の会議で要らないものがあればそれを造らないと、この手続きというのは今までないのでどういう手続きになるかは国土交通省の方にお問い合わせいただきたいのですけれども、不必要なものを造らないとなると、法律上は会議で決めて整備計画を変更しなければならないとものと解釈しております。
【問】 総理がおっしゃっていた9342(キロ)全部造らないというのは、一部を新直轄でするということも含めてという解釈になるんでしょうか。
【石原大臣】 ちょっとそこは総理にお聞きいただかないと、その場にいませんでしたのでどういうニュアンスでどういうふうに言われたのか承知しておりませんので、何とも・・・。
【問】 公益法人改革で自民党サイドから出ている事業ごとに課税・非課税の判断をするというという話に関して、税務当局の側として課税判断の作業がかなり膨大になって実務的に難しいのではないかという声があると思うんですけれども、税に御見識の深い大臣はどういうふうにお考えになりますか。
【石原大臣】 これは頭の体操なんですけれども、公益法人の行っている事業のうち民間企業と競合して民間企業が競争条件で著しく阻害されているものがあるとするならば、その競争ルールはイコールフッティングをしなければならないというのは常識だと思うんですね。それは何を意味するかと申しますと、様々な事業、テクノロジーの進歩、特にIT社会の中では新しい事業が思わぬ所で出てきております。電話の事業なんていうのはいい例だと思うんですけれども、そんなことは予想されていなかった範疇ですね、税法等々の制度が決まった段階で。ということは何を言いたいかと申しますと、その事業ごとに法人が行っている事業を1本1本チェックして、課税非課税を決めていくという作業ができるのであるならば、そもそもこの公益法人と一般事業会社との間の不均衡という問題は生じないと。それが出来なくて限定列挙で公益法人の33事業については課税という形で整理されているわけですけれども、これも歴史の変遷を見ますと、課税対象事業の数は増えてきているわけですね。しかし税法の改正というのは皆さん御存知のように国会で行わなければいけませんし、一部改正であっても審議に時間がかかる、法律提出にも時間がかかる。そういうものと時代の変化のスピードというのは必ずしも同等ではなくて、時代の変化・進歩の方が早い。そうしますと、いたちごっこになっていく。そういうことを考え合わせますと、今御指摘の通り、税の側の税を徴収するという理屈から言いますと、一部自民党の中で出ております、事業毎に課税をしていくというのは事務・事業が煩雑になり、職員をかなり増やしていかないと、税務署の仕事というのは徴税ですので、どういうところから徴税するかということもあるんですが、現実に徴税をするという作業が付随してまいりますので、なかなか厳しいということを税務当局の皆様方がおっしゃることは、私は理解できる指摘だと思っております。
【問】 話は戻りますけれども、まだこれは確定的なことではないと思いますが、先程おっしゃった施工命令の部分までは造るとすると、600キロについても新会社が何らかの関与をすることになるのでしょうか。
【石原大臣】 そこはこれからどうなるか分からないと思うんですね。新会社の設立は平成17年度中ですから、それまでに、これまでのような国費が3000億は入ってませんけれども、1兆円づつ今造っているわけですね。それにプラスして、3兆円部分の新直轄についても、これは正確には国土交通省の方にお問い合わせいただきたいのですけれども、国幹審に変わる国幹会議で、不採算、されど社会性・重要度の高いところを決めていく作業がこれから並行して行われてまいります。それが、施工命令が出ていない所なのか施工命令が出ている所なのかということも現段階では分からないわけですよね。それによって9342のボリュームというのものは変わってくる可能性があるんじゃないかと私は思っております。私も、詳細に1本1本の道路の社会的重要度というものは、正直言って施工命令が出てない所は民営化委員会の議論でも出てきてませんので、どんな所があって、かつそこの所が、よく地方自治体の長の方から出ました、拠点病院への距離がどのくらいかとかいうことは分かりませんのでそこは何とも言えませんけれども、もし仮に、今非常に社会問題となっております小児医療の24時間体制の病院に2、3時間かかるような所で施工命令が出ていないような高速道路があるとするならば、やはりそれは造らざるを得ないという判断も働く可能性も極めて大きいんじゃないかと。ですから、(施工命令が)出ていない所の1本1本は、なぜ出ていないのかという理由も含めて私は承知しておりませんので、そこのところはなかなか一般論としては明確にお答えしづらい点だと思います。
総理が、先程御質問にあった新直轄を含むのか含まないとか、それとも総距離で全部精査されて社会的重要度がない所があるのでそれは造らないでくれと言ったのかとか、その辺を是非御確認いただかないとこの話は一般論で話せるような話ではないような気がします。
【問】 公務員制度改革についてですが、昨日自民党の(野中)委員会の方で政府として示した再就職の規定が了承されましたけれども、一つ一つ煮詰まってきていますが、それについてはどう思われますか。
【石原大臣】 これはやはり一番引っかかっているのは昨年の11月に出されたILOの勧告、即ち労働基本権の回復。労働基本権の代償措置として人事院があり、かつ人事院の代償措置を残した形で能力等級を導入するという政府・与党の考え方に対して、ILOの側から団結権、交渉権、スト権という3権を公務の世界にも回復しろと突然言われまして、先日私の所にもILOの労働者側のスポークスマンでありますトロットマンさんという方がいらっしゃいまして、率直な意見交換を行わせていただいたんですが、トロットマンさんは表敬とおっしゃっておりましたけれどもかなり具体的に政府に対してILOの労働側の33理事の署名をついた労働基本権の制約の解消、即ち公務員にスト権を復活させよう等々の立場を私の方にも御説明されましたので、私の方からは、「労働基本権の問題の重要性は十分認識しているが、このような状態の中で公務員の世界にスト権をすぐに導入するということはこれまでの日本の労使の慣行からいってもなかなか難しいものがある。」というような話を率直にトロットマンさんの方にはさせていただきました。
今般の党の皆様方、あるいは党の委員会の中での御審議という中で段々細かい所は詰まってまいりましたけれども、やはり労働基本権の制約、代償措置としての人事院がある以上、一夜にして人事院を廃止し労働基本権を回復して、各役所が団体交渉をして勤務条件、給与等々を決めていく形にすることについては、クリアしなければならない難しい問題が多々ありますし、国民の皆様方のお考えというものもパブリックコメント等々で聞かないと。これだけ厳しい経済情勢の中で、「なに、公務員が今度ストを行うだと」と。現に東京都では賃金をカットする時ストが行われて、少なくとも私の周りではそのストを支持した方はいらっしゃいませんでした。そういうことも考え合わせていかなければならない重要な問題だと認識をしているところでございます。
【問】 関連して、スト権がなかなか難しいというのはその通りだと思いますが、例えば協約締結権とかですね、そういったところで何らかの交渉の余地というのはあり得るというふうに今の段階で御認識されてるんでしょうか。
【石原大臣】 その点は、ILOの側が労働3権の制約を解除して、3権を付与しろと言っております。そういうことを言っていて今御紹介のあった交渉権ですか、こういう話をするにしても、そうすると今度は労働側とILO側とで、なぜスト権を切り離して交渉権を付与するんだと言う話は論理的に構築されていない話だと思いますので、もし仮にそういう事になるとしたら、国際的な労使関係がどうあるべきかを検討するILO結社の自由委員会の答申が出たものをなぜ日本は変えるのかという事を今度は労働側も説明しなければいけませんし、政府側も説明しないといけない。その議論というのはまだ分離された形ではされていないと私は思っていますので、そこのところの議論がなされていけば、労働3権の議論を深めていけば、そういう議論は当然出てくるものだと思いますが、これもじゃあ三つあるから一つだけみたいなそういうことにはなかなかならない問題であると考えております。
【問】 パッケージになってしまっていると。
【石原大臣】 ILO側が労働3権の回復と、トロットマンさんもスト権と明確におっしゃいましたので、私はだからスト権というのはなかなか今の状況では厳しいですし、いきなり公務の世界を国民の皆様方が見つめる目として日本では厳しいものがありますという話は実はさせていただいております。いずれにしても引き続いて私も組合側と意見交換をしておりますし、党も第三者的な立場で調整をしていただいておりますので、能力等級の話もだいぶ煮詰まって参りましたので、一つ一つステップアップをしていきたいと考えております。
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<質疑応答>
【問】 大臣の先日の会見の中で、10年後の資産の買取には無理があるということについて、水野委員長は意見書どおりに進めるべきだという要望を出されたが、大臣の考えにお変わりはありませんか。
【石原大臣】 ありません。これは委員会の中で明らかになっているように、新たな国民負担を求めないということも民営化委員会の結論であるので、新たな国民負担を求めるのは厳に慎むべきだと思っております。
【問】 今日は委員会が開かれるが、大臣は出席なさいますか。
【石原大臣】 今日は本会議がございますので、本会議に出席を予定しております。
【問】 委員会から改めて説明の要求があれば出席なさいますか。
【石原大臣】 説明が求められれば(出席する)。昨日も決算委員会でご質問があり、公の会議で決まったことを説明させていただきました。即ち、10年後に買取を行うには、交通量が伸びて金利が4%という、超楽観的なシナリオで8兆数千億、金利が5%になれば10兆円。これは極めて大きな数字ですので、10兆円のお金を国民の皆さんに新たに高速道路税というかたちで負担を求めるのは極めて非現実的であると思います。
【問】 公務員制度改革に関してですが、ILOの理事会の方が明日官邸に来られるということなんですけど、大臣はこれまで、ILOは勧告で指摘されたことには、これまでの見解と180度違ってびっくりしたとおっしゃっていましたが、今一度、180度違っている、という点について説明していただけますか。
【石原大臣】 国会で既に答弁しているんですけど。一つ例を出させていただるなら、消防職員の問題。これは警察(の範疇)に入ると我々は理解しておりますし、団結権に代わるものして25年くらいの議論を経て消防委員会を平成7年、今から8年前につくらせていただいた。こういうことに対して、それでよしとは言わないが、そういう努力を多とする、という旨はILO側から伺っている。それが、今回突然、団結権を消防職員に与えろと。人事院の代償措置があるわけですけど、公務の場面にもスト権を含めて労働基本権を与えろと言ってます。日本の経済状況に照らすと、民間の方々は企業がかなりの数で倒産している、あるいは中高年の方はリストラがある。こういう中で、公務員がスト権を持ってストを行う状態を、国民の皆様がよしとするかと言えば私は絶対によしとするとはいえないと思いますし、これは例を出させていただいてますけど、都のスト、賃金のカットについてストを行ったことに対し、私が聞いている限りでは、あのストは素晴らしいストだ、どんどんやれ、という声は残念ながら、私の周りではゼロです。もちろん、ストを行っている方は、ストは労働者の当然の権利だということで行ったと思いますけど。そういうことを考えると、国内の事情もILOに十分に情報提供をする必要があるということで、3月31日に6項目について我が国、政府としての見解、これは一つしかございませんで、厚生労働省、総務省、内閣官房の公務員制度改革推進室、人事院が話をまとめてILO側に政府の追加情報提供という形で提供させていただいています。
【問】 政府が追加情報を出したことにより、ILOが見解を変えるという見通しはどんなものでしょう。
【石原大臣】 見通しは分かりませんけれど、政府が追加情報を提供したことに対して、まだILOから正確なリアクションはございません。5月下旬に結社の自由委員会が開かれるときいており、そこに日本政府の追加情報を各委員の方々にお示しになって、議論の検討材料にされるのではないかと思います。その議論をみないことには、見通しについてはそのリアクションを待ってと言うことになると思います。
【問】 公務員制度改革については、人事院の代償措置を損なわないというのがこれまでの政府見解だったと思うんですけど、基本的に新しい法案を出すと労働基本権の問題は、そういう意味では関係しないと理解しているのですが、公務員制度改革と労働基本権の問題は切り離して考えるべきだという政府の見解は変わらないのでしょうか。
【石原大臣】 切り離して考えるというような話は、一切国会答弁の中でしておりません。労働基本権の問題は重要な問題でありますし、11月にILOの勧告が出たという重要性に鑑みて、労働組合の方々と十分に話し合わなければならないと思っております。しかし、11月に答申が出て、(前述の)消防委員会等のことを一つ一つ考え合わせますと、ILOの見解ではスト権も含めて3権与えろ、と言っているわけですけれど、そう言われたから公務の世界にも労働基本権を3権ともすぐに与えろと、言われたからやれ、というのは乱暴な議論だと、私は思います。
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<質疑応答>
【問】 昨日、参与会議の飯田座長が記者会見の折に、今後特殊法人から独立行政法人になるものについてはトップが特殊法人から横滑りするようでは看板の架け替えに終わってしまうという御持論を述べられました。これについて大臣のお考えをお聞かせ下さい。
【石原大臣】 できる限り民間に近い組織に変えていく中で、独法を所管する各大臣がトップにふさわしい方をお選びになると思いますが、飯田座長の御見識は時宜を得た有力な考え方の一つであると私も賛同いたしております。
【問】 飯田座長がもう一つ、天下りの数が増えるようなことがあってはいけない、ということをおっしゃっておりましたが、これについてはどのようにお考えでしょうか。
【石原大臣】 行政の信頼、なかんずく、行政の実の部分を代行する特殊法人、そしてこれが今度独法化するわけですから、そこが安易な天下りの受け皿になってはいけないということで、役員出向制度等も組み入れた形で国民の皆様から批判が多い退職金の二重取り等を是正するように仕組んでおりますし、その点は大変留意すべきポイントであると私も認識しております。
【問】 公益法人改革ですが、自民党の方で検討されている案では、新しくできる非営利法人の事業に着目して社会貢献性があるかどうかを判断するという案が非常に強く出ていると思いますが、これについてはどのようにお考えですか。
【石原大臣】 これは税の世界なんです。どの事業を課税するか、課税しないかは、あくまで課税当局、税の世界で判断されるものだと思います。今回の公益法人改革では、税の恩典というものが公益法人の公益性のレゾンデートルになっている、その一方で、税については政府の税制調査会でどうあるべきか姿を検討する。そういう中で、党の側で党の考えとして各事業を洗い直して、それに基づいて公益性の基準と合致したものを非課税にするということは、一つの考え方だと思います。その一方で、それを行うことによって現行の非課税の枠が狭められるという事実もあると思いますので、そこを税制調査会ががどのように御判断・整理をされていくのか、これからの重要なポイントであると認識しております。
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<質疑応答>
【問】 公務員制度改革についてですが、先週、連合官公部門との会見を行った際に、人事院に対して意見の申出をすることに対して前向きな姿勢を示されていたということですけれど。
【石原大臣】 これは、人事院の側が必要とあれば、(申出を)する権限がありますので、されるんじゃないでしょうか。私がとやかく言う話ではない。
【問】 政府側から(人事院に意見の申出を)求めることは、あるのでしょうか、ありえないのでしょうか。
【石原大臣】 これは、人事院に申出の権限がございますので、内閣が所轄している第三者機関としての人事院が考えて、制度改革に対して言うべきことがあればおっしゃるんだと思います。
【問】 通常であれば、内閣の側から意見の申出をするように求めて、人事院が申し出るという手順でしたが、今現在、内閣側に意見の申し出を求める考えというのはないのでしょうか。
【石原大臣】 ございません。あくまでも人事院がご意見を申したいのであれば、しっかりと受け止めさせていただく。内閣が所轄する第三者機関としての人事院の重要性はしっかり認識している。
【問】 道路問題についてですが、先日、大臣はテレビの中で、民営化推進委員会の答申について、ちょっと無理があるというようなことを言っていたが、40年の元利均等払いについて例をおっしゃっていたが、今後、関連法案を整備するにあたって、再度、委員会の答申に対して、どんな問題があるのか、整理して説明していただきたい。
【石原大臣】 今井委員長もおっしゃっていたが、(答申は)8、9割は素晴らしいものになっている。答申を受けて、政府として、建設費の抑制については、答申では2割といっていたが、2割からもう少しふみこんで、4兆5000億円程度、管理費のところは、答申では3割としていたが、道路公団のほうは27%でほぼ目標数値に達していると思うが、首都高、阪高、本四で22,23%と低いことから、結果として(平均すると)25%で目標よりも5%低い。ここのところは、管理費の問題で、もう少し踏み込む余地があると思う。建設コストに比べると、千億のオーダーですので、今、2千百億の削減ですけれど、もう少ししぼって3割になったとしても2千数百億円、しかし、無駄はできる限り省かなければならないことから、管理費の部分はしぼりにしぼっていく必要がある。このほか、先日政府与党で決めたことは答申に沿った内容で、答申をも上回る数値的な目標をクリアしていると思う。 私が答申の中で問題だと思う点は、10年後に資産を買い取ること。早期の上場を目指す以上は、健全な会社じゃなければならない。営業収益に対して、有利子負債が15倍、20倍ある企業は健全ではないことは常識。もし10年後に資産を買い取って、有利子負債をキャッシュフローの10倍程度に押えるとすると、新たな国民負担がその時点で8〜10兆円必要になる。そのとき、8兆円、10兆円というお金を国民に新たな負担として求めることが適切なのか、適切じゃないのか。少なくとも10年後に新たに10兆円の税金を投入する余裕は、日本の財政考えるとかなり厳しいのではないか。ここが、私が一番大きな「無理がある」と考える点。くどいようだが、8、9割は、改革の方向として適切なものだと考えている。
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<質疑応答>
【問】 公益法人改革をめぐり与党の実務者協議もされており、そもそもどの法人が対象となるのかについても、完全に意見の一致が図られていないと思いますが、現時点での改革の検討状況と大綱策定の見通しについてお伺いしたいのですが。
【石原大臣】 これは、振り返りますと、なぜ公益法人改革を行うのかから議論が起こっている。一つはすでに処理をしたが、行政委託型法人があり、これらが基準認証、検査検定をやり、日本の高コスト体質の一因を作っている。あるいは株式会社が同じような技術、試験を行う能力を持ちながら、公益法人が優遇される面があり、平等な条件での適正な競争なされていない。これらの処理はご承知のようにすでに終わったわけです。
さらに、KSD事件等があり、公益という名の下に税の優遇措置等が付与されている法人が不祥事件を起こした。また、民法第34条法人は明治29年の民法制定以来、各省庁の各課あるいは都道府県で認可され、2万6千有余に至った。その中にはいい法人も、少ないとは思うが適切でない法人もある。しかし、それらが整理されないままにきた。一方、同窓会等で有名だが中間法人があり、株式会社とほぼ同じ条件で税の優遇を受けないで共益に資する法人ができた。さらに、NPO法人、非営利で社会に貢献する事業を営む法人ができた。これらは、似ているところもあるが、似ていないところもある。領域の広がりという点では既存の公益法人とNPOは似ている。しかしNPO法が制定され、昨年の臨時国会でNPO法改正・見直しが行われ、NPOに対する優遇を拡大していく税制改正も15年度に行われた。これらをどのようにとらえ、100有余年手がつけられてこなかった公益法人改革の道筋を作るかということが、今回の公益法人のとりまとめであると考えております。
1年間議論してきた中で異論があることは承知しているのだが、各所管省庁の各課にしかわからないような法人がありそこで設立許可を得ているが、法人格の取得と公益性と一つになっているところに問題があるのではないか。そのような着眼点で1年間議論してきました。その結果として全員が一致しているわけではないが、これからのあるべき姿は、法人格の取得と公益性は切り離していくべきという意見が大多数となっている。すなわち設立については、法人挌の取得は準則とし、だれでも届け出ればできることとする。公益性の問題については、どこが判断するのか。役所の中では、これまでは総理府だったが、現在は総務省がやっており、総務省が担うという案がある。また、イギリスのように、内閣の中にチャリティ委員会のような第三者機関を作るという意見。さらに、税の問題については現在国税当局が判断しているので税務当局が公益性の判断をするという意見もある。どれがいいというところまで絞り込まれていないが、こういう整理もなされているわけです。
さらに、冒頭でも申し上げたが公益法人はネーミングがいいわけです。では、公益という概念は何か。時代の変化とともに大きく変わっていく。新しい時代において意味するところをどのように定義するのか。それをどのような方向で整理するかをとりまとめるのが今回の公益法人改革の第一歩。その第一歩を踏み出す過程で1年間議論して様々な意見が出ている。そういうものを受け止めて、政府としてこうあるべしという方向性をお示しさせていただきたい。今、鋭意努力をさせていただいているところです。もうしばらくの時間の猶予を頂戴できればと考えております。
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<質疑応答>
【問】 公務員制度改革に関連して、昨日連合の方が来られたようですがどのようなお話をされたのですか。
【石原大臣】 公務員制度改革、特に能力等級の導入を考えておりまして、国公法の改正案を今国会に提出するのを目指して今努力していますが、そんな中で昨年の11月にILOの勧告、大きく言いますと6項目ですが、その中で一番先方がおっしゃっておりますのが労働基本権制約の問題。これに対して、87号あるいは97号条約を批准している日本にとってああいう勧告が出た以上は労働基本権制約の解除、労働基本権の復活ということを含めて議論していただきたいというご要望でございました。
【問】 大臣からはどのように。
【石原大臣】 これは国会でも答弁しているとおりなんですが、私は一言も切り離して議論すべきだとは申しておりませんで、非常に重要な問題だと考えておりますし、ILOの勧告がああいう形であの時期に出たということは予想だにしていなかった。予想だにしていなかったのでびっくりしたということを国会でも申しましたけれども、この問題はある意味では切っても切れない問題であると。但し、勧告が出たからといって何の議論もなく労働基本権を公務の世界に復活するというのは乱暴な議論であるし、あるべき姿ではないと、そういう話を国会でもさせていただいているということを改めて皆さんにお話をさせていただいて、ですが決して遠い将来に議論をしていけばいいという認識は全く持っておりませんで、国会では中期という言葉と使わせていただいたんですが、この問題は真摯に小泉内閣が続く限りは私が窓口となって議論をさせていただきたいとこんな話をさせていただきました。
【問】 確認なんですが、ILOに対する意見書というのは昨日提出されたのでしょうか。
【石原大臣】 昨日、現地時間の31日午前中に先方に英文のものをお届けしました。詳細は担当の厚生労働省のほうでお聞きいただければと思います。
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<質疑応答>
【問】 ILOの関係ですが、政府見解の調整の状況については。
【石原大臣】 また再修正案を取りまとめまして、今、月内の提出に向けて鋭意努力をしております。
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<質疑応答>
【問】 閣議が終わった後に官房長官の所にいかれたようですがこれはどういったものでしょうか。
【石原大臣】 官房長官の所に片山大臣と坂口大臣と私と4人で、短時間ですけれども、国会で片山大臣を中心に答弁しておりますILOの勧告に対しての我が国としての政府の見解、これがだいたい3省で取りまとまったものですから、これを提出して情報提供していきたいという打ち合わせをさせていただきました。
【問】 これまで国会の答弁の中で今月中にILOに情報提供したいという趣旨の発言をされていましたが、これは今月中にできるということでよろしいでしょうか。
【石原大臣】 今、鋭意努力しているんですけれども、人事院の方が、去年まで言っていた文言なんですけれども、それじゃ駄目だと言っておりまして、若干調整に手間取っているというのが現状であります。
【問】 人事院が去年まで言っていた文言を変えたというのは、具体的には。
【石原大臣】 端的に言うと、人事院規則ですか、制定権の部分に関してこれを新たに書き込めという話をしているということでございます。
【問】 そうするとそれを尊重してもう一度修正すると。
【石原大臣】 修正もですね、これは窓口が旧労働省ですので、厚生労働省の方で修正案もできてるんですけれども、これを読めばですね、私はこんなもんだろうなと、両方の見解が入ってますのでね、しかしそれも人事院の方がままならぬと言っているということで、ガバナンスの危機を感じております。
【問】 そうしますと、人事院が反対している限りは政府見解としてまとめられないということになるんですか。
【石原大臣】 ただ議院内閣制ですから、政府見解というのは、国際機関に提出するものは日本国の考えとしてこうであるというものでなければならないと私は思いますし、第3者機関とはいえ内閣が所轄しているところとの間に、去年までピン止めしていた話が駄目ですよという形でものが出せないということは、由々しき事態ですので、今週まだ1週間ありますので、今週中にILOの方に対して情報提供をしっかりとさせていただきたいと、またそれも約束しておりますので、努力をしていきたいと考えております。
【問】 基本的には今厚生労働省を中心にまとまっている政府見解を出される方向で、1週間以内に人事院の方にも去年の段階まで降りて来て欲しいと。
【石原大臣】 降りて来てというか、去年出来ていた事がなんで急に駄目で、またなんで新しい議論していないことを入れるのか、というところが非常に政治的あるいはかなり何か思惑があるように思えてならないというようなことを言ってる方が関係者の中にもいるという事態を深刻に受け止めて、月内に何とかと考えております。
【問】 今日の福田官房長官の所での会話については。
【石原大臣】 明日ですね、もう少し詳細について官房長官とまず2人で話をしようと思っております。官房長官もよく委員会に呼ばれて、御迷惑をかけている部分があるので、今日は短時間でしたので、やはり官房長官ともう少し詳細にお話をさせていただいて善後策を検討したいと考えております。
【問】 明日は人事院の総裁は。
【石原大臣】 とりあえずは官房長官と私とで考えております。
【問】 政府与党協議会については。
【石原大臣】 昨年末の民営化委員会の意見の取りまとめを受けまして、そこで提言された事に対して国土交通省で御検討いただいたものの御報告があると聞いております。それはもう既に民営化推進委員会が指摘しております、建設費コスト2割削減、およそ4兆円とかですね、あるいは管理費コストは2割以上削減することに加え、新たな技術開発等によって民営化推進委員会が言っている3割縮減を目指すと、かなり踏み込んだ前向きなものを御提示いただけると聞いております。
【問】 扇大臣がこの前の会見で仰っていましたけれども、天下りについては。
【石原大臣】 これも特に猪瀬委員が鋭く切り込んでいった部分でありますので、扇大臣も会見でおっしゃっていたように、ファミリー企業役員への新たな天下りは行わないと、答申内容に沿った厳しい案を御提示いただけると期待しております。
【問】 天下りでいいますとファミリー企業への天下りは行わないというお話だったんですけれども、その一方で公団新役員への民間人の積極的な登用というのは結局公団法の制約もあってでしょうが実現されないと、扇大臣としても実現する考えがないこと国会等で示していましたが。
【石原大臣】 ここは新組織になるときに答申の通りですね、有能な民間からの人材の登用ということを図っていただけるものと期待しております。そんな遠い将来ではございませんので、平成17年度中には実現するものと確信をしているところでございます。
【問】 役員への登用と。
【石原大臣】 そうですね、新組織になった段階で。
【問】 ILOと同じく月内の締め切りという意味で、公益法人の方も一応目標としては月内だったと思うんですけれども進捗状況はいかがですか。
【石原大臣】 ええ、目途。これは税を巡る誤解等もありまして、NPOの問題等々で、今、最終的な調整を行っておりまして、今週も自由民主党の小里委員会が開かれると、そしてあわせて連立与党ですので3党で意見を取りまとめるべく党の方に、与党の実務者会議あるいは与党協等々開いてお取りまとめいただくようお願いしていますが、各党の中にも色々な意見があるということで、若干時間がかかっているということは否めないと思います。
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<質疑応答>
【問】 扇大臣の方からは民営化推進委員会の答申に対してそれがどれだけしっかりと行われているかといった話はありましたでしょうか。
【石原大臣】 いえ、今日はございません。
【問】 公益法人制度等改革大綱の件ですが、今月あと1週間程度しかないですが、見通しは如何でしょうか。
【石原大臣】 現在関係する皆様方、特に与党の皆様方と鋭意調整している最中でございます。もうしばらく時間がかかるような気がいたします。
【問】 そうしますと大綱をまとめるのは来月になると。
【石原大臣】 鋭意努力をしているということでございます
【問】 与党の方でもかなりまだ議論をしたいようなんですが、そうしますと今月中というのはもう間に合わないと。
【石原大臣】 できる限りぎりぎりまで鋭意努力を続けていかなければならないと思っております。
【問】 扇さんの件に関連してなんですが、ファミリー企業のですね、役員を変えるということをおっしゃっていたようですが、それに対して大臣はどう思われますか。
【問】 漏れ聞いておりますけれども、方向としては正しいことだと思いますし、国民の皆さん方の批判の一番ある天下り問題に、所管する大臣として是非英断を振るっていただきたいですし、お手伝いできることがあればいくらでもお手伝いさせていただきたいと考えております。
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<質疑応答>
【問】 今日(法案の)締め切りということですが、公務員制度改革関連法案の見通しというのは如何でしょう。
【石原大臣】 まあこれはAでもBでもないですから、遅延でもないし、Cですから検討中と。鋭意各方面の皆様方と協議をしていい案をまとめるべく努力をしているところでございます。
【問】 公益法人改革についてですが、おととい、公益法人協会が会見を開いて、原則課税に反対、もう一年間検討して欲しいといった内容で、党の方にFAXか何かで送るという話だったのでですがそれについて如何ですか。
【石原大臣】 まだ詳細を見ておりませんので。事務局が今その内容を精査してこちらにあげてくるのではないかと思っております。
【問】 政府税調も課税かどうかで意見が分かれているようですが、原則課税について大臣の御見解は。
【石原大臣】 原則課税、原則非課税というのは誤解を生む言葉であって、法人税の問題があり、軽減税率の問題があると。一般法人税と軽減税率の格差というのは縮小していく方向であるというのは、私は間違いないと思っております。そこで問題になってくるのは、一般事業法人が原則課税であるのに対して公益法人は原則非課税であると、その中で収益事業33事業について課税をすると。しかし33事業になった段階、即ち時代の変遷とともに新たな収益事業というものが出てきて、これは最近の例でいうならばパソコンの教育というものは現在非課税になってしまうというおかしい問題がある。即ち限定列挙の問題。こういうものを税の世界でどういうふうに考えるかという話と、公益法人制度をどういうふうに仕組むのかという話があり、整合性をどう取っていくのかというところで議論が行われていると、こういう問題だと思うんですね。NPOの話につきましてはNPOの関係の皆様にも誤解が合ったと思いますし、誤解を受けるようなことがあっては、NPOの精神というのは遵守していかなければなりませんし、これからますますNPOの社会的使命というものは大きくなっていく。そんな中、15年度税制改正で認定NPOは拡大していくという方向で議論がされている。更には、昨年ですけれどもNPO法本体の改正も行われた、これは3年の見直しで行われたと。そういうことを兼ね合わせて制度をどうやって作っていくかということだと私は理解しております。
【問】 公益法人協会は、公益法人とNPOというのは出自が違っただけで、やっていること、性格というのは同じだと、だからそれを分けるというのは理解できないというお話があったんですけれども。
【石原大臣】 ですから、言葉が悪いですけど、良い公益法人も悪い公益法人もいますし、最近はNPOの中にも良いNPOも悪いNPOもいると。それは良い公益法人の人は良いNPOと同じだと言い、悪い公益法人の人は、私達は悪い公益法人ではなくて良い公益法人だと言うと、そういうところでいろんなお考えが表れてくるんじゃないかというふうに思います。結局法人格の取消というのがなかなか民法34条法人だからできないわけですよね、現在の公益法人は。しかしながら悪い公益法人がいると、明治以来百数十年制度をいじってこなかったと、公益という概念というのは時代の変遷ととともに変わっていくと、そういうことでこの改革が始まっているということですけれども、良い公益法人だと公益法人の皆様は思っているしNPOの皆様方も私達はいいNPOだと思っていると。しかし外から見て如何ですかというような事例が最近は出てくるようになったと、そういうことなんじゃないでしょうか。
【問】 公益法人制度改革大綱(仮称)なんですけれども、今月一杯を目途に作成ということになっていたと思いますが、その見通しは今日現在では如何ですか。
【石原大臣】 目途に鋭意検討させていただいております。
【問】 税調の方の議論も今日もどうも進みそうもないですし、かなり今月一杯というのはあと2週間で厳しいと思うんですけれども。
【石原大臣】 そうですね、厳しい状況ですけど頑張りたいと思います。
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<質疑応答>
【問】 公益法人改革について、自民党からNPOを一括して非営利法人にまとめるかどうかについて異論が出て申入書が出ているが、それへの対応はどのようにお考えでしょうか。
【石原大臣】 これは、公益法人制度について関連制度を含め抜本的かつ体系的な見直しを行うと閣議決定させていただいて、その中にNPO、中間法人、公益信託、税制等々があるわけでございます。前回も記者会見でお話させていただいたんですが、いろいろ検討している中で誤解もありますし、また税調のWGでも様々な意見が出ているわけです。そんな中で、昨日の自民党行革本部の公益法人委員会で、NPO法人については非営利法人として最初から一括りとすることはせず、新たな非営利法人制度の動向を見据えた段階で、発展的に解消する可能性が高いとの位置付けをすることが適当である旨の申し入れがあったわけです。これは、ただ、これまでこちらが考えてきたことと大体同じでありまして、NPOを全部課税するとは言ってないのですが、誤解もあって、NPOの皆さんからは原則非課税のものが原則課税になってしまうのでというようなお話が私のところにも寄せられていますし、旧経企庁のNPO室からもご意見を頂戴したわけです。100年間も手付かずだった公益法人、特にKSDなどの様々な問題から今回こういうものをやっていこうというわけでございますので、新しい非営利法人制度の理念や制度の整合性を考えつつ与党の皆様方また関係各位と十分話し合ってより良い制度改革を行っていかなければならないと考えています。
【問】 NPOを含め、全て課税になるわけではないという理解を求めていくということでしょうか。
【石原大臣】 課税になるかならないかというのは中立的な第三者、課税当局のご判断によるわけですが、NPOと現在考えております公益法人の登録制というものを比較して将来的にこちらの制度の方が良いとNPOの方々がお考えになればNPOの方々はこちらの制度に入ってくるということに必然的になるのではないでしょうか。それを15年度税制改正で、まだ法律案の審議は始まっていませんが、認証NPOの範囲を拡大しようという法律案をこれから審議しようというときに、一緒だということですごく誤解も生じて、NPOの皆さん方から言わせるとせっかく制度を拡大しようという時になんで今度は課税の議論が出てくるんだという誤解というものもありますので、そういう誤解をはらしていかなければならないと考えております。
【問】 誤解を理解していただくために、最初は非営利法人の中からNPOを除外してスタートするということもお考えでしょうか。
【石原大臣】 それも一つの選択肢だと思いますし、それで皆さんの誤解が解けるんだったら、さっき閣議決定の文言も読ませていただきましたが、公益法人制度については関連制度も含め抜本的見直しを行うという閣議決定のそもそもの趣旨、公益法人の中に目に余るものがあるのでやはり公益法人制度を変えなければならないということからスタートしておりますので、今ご質問のあったようなことでご理解が得られるのであれば、また税調の方でもいろいろなご意見が出ておりますので、そういうものも整合性のあるものにしていかなければならないと考えております。
【問】 8月の事務局のまとめではNPOと公益法人と中間法人が一括した位置付けというように感じたのですが、そうすると学校法人、宗教法人とか他にある法人とNPO法人というのは同じ扱いとなるということでしょうか。
【石原大臣】 いま言われたものは、いわゆる特別法なんですね。ちょっと私の守備範囲を超えますが、税の専門家としてやってきた経験から言うと、税制から言うと特別法の法人を除外するということは公益法人制度改革の短所でしかない。すなわち、すべて特別法上の法人も含まない限りは意味が無い改革であると考えております。昨日の決算委員会でも、社会福祉法人を巡ってそんな意見が出ていましたし、私もそのとおりだと思っております。ともかく100年以上何もいじっていない制度に特別法上の法人があると。そんな中で税の議論から言えば特別法上の法人も含むというのが税の世界のマジョリティな意見ではないでしょうか。
【問】 大綱(仮称)のとりまとめの時期なんですが、今日の税調は、日程が先送りになりましたが、年度内というタイムスケジュールについて党の方からは4月でもいいんじゃないかという意見もあるようですが。
【石原大臣】 税調の会議も、なかなか委員の方が集まるのが難しいらしいんですね。そういう政府の機関の審議というものを見守りつつ、3月下旬を目途に大綱(仮称)の取りまとめにあたっていきたいと考えております。
【問】 話は変わりますが、今日の閣議で成田空港の民営化等々、特殊法人の大物法案が閣議決定されましたが、成田空港では着陸料の問題なんかもありましたが、これからどのように取り組んでいこうとお考えでしょうか。
【石原大臣】 成田空港の民営化を巡ってはいろいろな意見がありましてね、中部と関空を一緒にしてという話もありましたけれど、これはどう考えても筋悪だとずっと言ってきてそれが成田空港単独という形で今回法案が実際に出てきたわけですが、関係者の方々が認めておりますように、私も何度もこれまで申してきましたとおり、空港というものは、発着料以外の分野でもいろんな収益力に富み、海外での民営化の事例も多く、うまくやれば宝の宝庫だと思っております。成功の鍵は、いかに本業の着陸料収入以外で収益をあげるか、言葉を変えるとリテール部門での収益が空港使用料の収入を上回るくらいでないと、空港使用料の値段だけ上げていってそこで料金を高く取ると、これはまた利用者の料金に転化されますし、悪いことがたくさんあるわけです。同時多発テロの影響の残る航空業界の活性化のためにも新会社というものが民間の経営センスで利益を出すんだ、そして航空運賃に転化するのではなく逆に空港利用者にサービスを提供することで利用者に喜んでいただくという気持ちを持っていただいて、さらに世界一高いといわれる発着料を引き下げる努力をしていただきたい。そうしませんと、東南アジアの他の国々にハブ機能を持っていかれてしまうと、それは新会社の経営陣が一番最初に直面する大きな課題だと思っておりますし、その問題をクリアしていただかないと何のための民営化という疑問に立ち戻ってしまうと思います。
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<質疑応答>
【問】 公益法人改革に関連して、NPO法人を改変するかどうかということについて、ここにきて原則課税とするか非課税とするかについて議論が高まっていますが大臣はどのように考えでしょうか。
【石原大臣】 この間も予算委員会で答弁させていただいたのですが、原則課税原則非課税についてちょっと誤解があるような気がするんですね。というのは、公益法人やNPO法人のように法人格の取得と公益性の判断が一体となっている仕組みであると、本当であるならば社会公共のために尽くすという公益性を失った法人については法人格の前提を失うわけですから、法人格が無くなるというのが本来であれば原則なんですね。ですが、現実として2万6千の法人があり、さらに余程大きな不祥事とか休眠状態等々で指摘されない限り法人格を喪失しない。こういう取扱いというのは、法人格の安定性や事業の継続性や取引の安全性の観点から見て不合理なことから、実際に法人格を喪失させることができないんだと思うんですね。そうすると公益性を失っているにも関わらず、公益性のある法人として存在してしまって税の優遇等のメリットを受け続けると、そこに民間の競合する会社があるとするとどうなのということが起こってくるというのが本来の問題の捉え方だと思うんです。今は、公益法人については各省庁の縦割りみたいになっていて、NPOについては形式的なものが整っていれば登記できるという形で整理されていますが、これからは、誰でも法人格の取得は簡単にしましょうといういわゆる準則で設立された非営利法人はその設立や活動に何ら制約がないことから、税の観点からは全ての非営利法人に現在の非課税措置を認めるということは、やはり登記されただけで登記されたものが全て非課税というものは常識的に考えてもありえない。一方で民間の非営利活動というものがどんどん増えてきて社会的な一分野を締めている。そういうことから考えると、社会に貢献している公益活動を行っている非営利法人について、やはりこれからは全部行政の側が税金によってサービスをするのではなく一般の方々の寄附によって運営されているNPOみたいなものにも活躍していただかなければならない状態であるということはNPO法の精神をみても明らかだと思うんですね。そうしますと、既存の公益法人あるいはNPO法人についてはそれぞれの法律の趣旨にそった、社会にためになる活動を行っている法人にはやはり引き続いて相応の取扱いが必要になると私は思うし、現にそういう仕組みでつくっています。ですから、建物で言うと1階の部分は誰でも簡単に法人格が登記できて、その上にある程度の要件を満たした登録されたものは今と同じように税の優遇を受けられるという整理だと思うんですが、新聞なんかを読んでもちょっと誤解されているような気がします。
【問】 道路公団の改革に関して、民営化推進委員会で、扇大臣が分割すると天下りが増えるという理由で分割に慎重な姿勢を示していることに対して、発言の訂正を求める決議を行いましたが、それについてはどのようにお考えでしょうか。
【石原大臣】 扇大臣のご持論ですから。ご持論を変えろといっても変えないと思うんですね。ただ誤解は、分割のメリットと役員の数が増えるというデメリットを天秤にかけると分割のメリットは100で役員が増えるデメリットは1ぐらいなものではないかなと。もちろん役員の能力もなく適格でないという人が役員になるということであれば扇大臣の仰るとおりかもしれませんが、情報公開の社会の中で世間の厳しい目があるわけですからそういうことは無いと考えますと、やはり分割により競争するというメリットの方が間違いなく大きいと確信しております。
【問】 さっきの公益法人改革の関連なんですが、内閣府の方から行革事務局に対して、NPOを切り離して議論した方がいいというような意見書が出されたということなんですが、これについてはどのようにお考えでしょうか。
【石原大臣】 これは、例えば、昔の航空審議会でこれ以上の飛行場は作ってはダメだという答申が出たとすると、原局の航空局は飛行場は必要なんですっていうその手のたぐいの話なんじゃないですか。そういう例はたくさんあると思うんですね。道路も同じなんですが、国幹会議のほうで9342kmしか作らないと決めると、道路局はいや11520kmも決まっているんですからというその手の話で、特にだからどうこうという話ではなくて、職責上いたたまれぬ気持ちからかどうかは別として言われたと。誤解もあるんだと思うんですね。言葉が課税と非課税の2つしかないみたいに思ってしまわれているんじゃないでしょうか。
【問】 3月中に大綱を取りまとめるということなんですが、今後、その誤解を解くためにこれからどのようなことを。
【石原大臣】 今日、水野先生のWGの小委員会がありますので、そこに今話しましたようなもののペーパーを出したいと考えております。いやそうじゃないんですよという話をさせていただきたいと考えております。
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<質疑応答>
【問】 公務員制度改革なんですけれども、労使協議について連合の方から申し入れがあって、福田官房長官も前向きのようですけれども、見通しはいかがでしょうか。
【石原大臣】 公務員制度改革は内閣官房の公務員制度改革室、私の所管している部門でやっております。国公法の具体的な法律の改正作業というのは総務省の人事・恩給局、昨今一番話題に出てまいりますILOの問題の窓口というのは、旧労働省、今厚生労働省ですか。そんな中で連合の方々とこの前は私もお話させていただきました。と考えますとこれは内閣全体の話ですので、先方は、私と労使協議、労使協議の場という言い方をしてましたが、を持ちたいと御指名を頂いております。私はお話をするのはやぶさかではありませんので、扉はいつでも開いてますよと、これまでも開いてましたしこれからもいつでも開いてますよとお答えさせていただきましたが、やはり内閣全体の問題でございますので、官房長官を中心に機会を捉えて一度関係大臣で集まるというような場もこれから出てくるのではないかと。その前に問題の整理は一昨日私の方から事務局に指示をして、各省庁の担当局長と私が会って問題の整理をして、それを官房長官に上げて、官房長官の方でそれをどういうふうに内閣全体として対処するかということを決めるというプロセスを踏まなければならない問題であると考えております。
【問】 福田官房長官の下で関係大臣が集まる場というのは、政府部内だけで集まるということですか、それとも組合側と話し合うための協議の場という意味ですか。
【石原大臣】 ですから、先ほど話しましたように、ステップを踏んでいかなければ、私の権限、権能の及ばざるところが多々ございますので。先方は私と労使協議の場という言い方をされまして、私はこれまでもお会いしておりますし、これからもお会いする用意は十分ありますとお答えさせていただいておりますけれども、現実の権能は全て私が所掌しているわけではございませんので、やはり内閣全体としてこの問題をどう対処するのかということを問題の整理が終わった段階で官房長官に御裁断をいただいて、そんな中で私が窓口となって労使協議の場というものを設けるのだということを内閣が決定すれば、私は喜んでその任にあたらせていただきたいと考えております。
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<質疑応答>
【問】 今日、連合の方々とお会いになりますが、どういったことをお話したいとお考えでしょうか。
【石原大臣】 これは、私の方からそろそろお会いしましょうというオファーを出して、3週間くらい経って今日になったんですが、私としては能力等級の骨格が決まりましたので、もう事務的には先方に内容は伝えてあり、これに対してどのようなお考えをお持ちか、率直なご意見をお聞かせいただきたいと思っているのですが、昨日までの感じではILOの関係もございますので、そちらの話が中心になるのかなとそんな観測を持っておりますが、先方が何をおっしゃるかということについては今のところ正確にはわかりません。
【問】 今日、民営化推進委員会の第2東名高速の視察があり、以前から凍結の対象としていわれてきましたが、民営化推進委員会の答申が出て、改めて9342kmの見直し・凍結ということについてのご所見はいかがでしょうか。
【石原大臣】 これは、答申の中にございますように、やはり40兆円の債務が返済されるということが必要十分条件になると。そんな中で国幹会議が今年開催されまして、既に国幹審で建設が決まっている9342kmについてどうするのかということが正式に決まるわけですけれども、今回の民営化推進委員会のご議論の中でもう既に建設コストの削減4兆円、さらには新直轄方式によっておよそ3兆円新たな道路を作る枠組みと無駄を省くことが決まっておりまして、そういった中で残された財源と9342kmとの整合性をどういうふうにはかっていくのかという問題に整理されているのだと思います。そんな中で無駄な高速道路は作る必要がないという考えに何も変わりはございません。
今日は、本当は、第2東名の巨大な橋脚を見に行きたかったのですが、ILOの関係で組合の方々がこのタイミングしかないということで、こちらからオファーしていましたので、急に行けなくなりましたけれども、ぜひ皆さんがどういったところが無駄でどういったところが必要かということを見ていただいて十分記事にしていただきたいと思っています。よろしくお願いします。
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<質疑応答>
【問】 昨日、公務員制度改革に関して自民党の太田本部長、野中委員長と会談されて、今事務局の方で検討されている法案のうち、能力給の評価基準のところを政令でというのをやめて法律でという意見や、又は採用試験について色々意見が出たと思いますが、これについて大臣のコメントを。
【石原大臣】 前段の部分は、野中委員会の方の最終結論として能力等級を導入すると。そして今御質問のありました基準等については、政令でというような説明を事務局がしたことに対して、やはり法律に書けるものは法律で書かなければ何のための改革なのかと、そういう意見が出たと承知しておりますし、委員会は16時からでしたがその前に11時から、野中委員長、太田本部長、林事務局長、牧野代理等々と議論をさせていただきまして、私からも法律に書き込めるものは法律に書くというのがこれからの新しい時代の改革のあるべき姿であると、私もその方向で事務局を指示して参りますと、実はその11時の段階で私からも申し述べさせていただきましたし、今そういうような形で、事務局も法律に書き込むという方向で検討・準備に入っているところです。
後段の方は、いわゆる採用試験を巡っての問題だと思いますが、この問題は今週の予算委員会でもかなり御質問が出たところでありますが、もう一度立ち戻ってなぜ公務員制度改革を行うのかというのは、やっぱり意欲と能力をもった有為な人材を公務の世界に積極的に確保する観点から、予備校に通わないと合格出来ないような試験で過度に人物を絞り込むのではなくて、その人間個人個人の持つ人物性、人物像を重視して採用していくことが重要であると、一昨年ですか、哲学を決めたわけですね。これに対して中島総裁の話ですと、地方の大学の数が増えなかったとかですね、結局は中央の大学ばかりになっちゃたからあまり意味がないので今回はもう1回様子を見て2.5倍のままでいくんだと、ですから私はその延長線上で答弁の中でも私なりに解釈して人事院としては経過期間で様子を見ているのかなと思いましたのでそう話させていただきましたけれども、片や閣議決定がありますので、色々な方面から人事院は閣議決定の重さを認識して謙虚であるべきといったような意見集約も自民党の方では行われたと聞いておりますし、やはり公務員制度改革を進める上ではもちろん人事院は公正中立であるというのは否定しがたい事実ですけれども、外から見て人事院と公務員制度改革を行おうとしている内閣が権力争いをしていると、自分達の人事院規則で決まっていたものを法律にするのは自分達の権限がなくなるから何とか阻止しようと人事院がやっているというふうに面白おかしく言われる事のないようにしていかなければならないと考えております。
【問】 閣議決定されているにもかかわらず、人事院が2.5倍ということを決めたことに対して批判があり自民党で意見集約がされましたが、大臣としてはどのようにお考えですか。
【石原大臣】 今も申しましたように、結局公務員の人が、自分達が公務員として都合のいいように、天下りでも何でもやれるようにあるいは職を決めるのも好きなようにやれるような改革であるならやめた方がいいんですよ。やはり、国家国民に奉仕するという意識を持った志高い有益な人材が公務の世界に引き続いて入っていただいて、やる気を持って仕事のできる環境を整備していくと。人事院の権限を減らすとか内閣に持ってくるとか、それは非常に瑣末な議論で、ある意味では抵抗勢力と改革勢力みたいな、そういう不毛な議論にならないように留意して進めていかなければならないし、その点において総裁は一昨日ですか、委員会で私が各省庁の人事を担当している人の意見も十分聞いていただきたいと言いましたら、立場が色々あって考え方が違うんだみたいなことを言われるようなことは、私は非常に遺憾であると思っております。
【問】 確認ですが、能力等級の件で、能力等級の評価基準をどうするかというのがポイントだと思いますが、これに関して事務局では自民党でここは法律ではなく政令でしかも18年までの間に議論していこうという内容の説明だったと思いますが、これに対して自民党の方から、法律に書かないと役所が都合のいいように出来てしまうんじゃないかという批判がかなり出てましたけれども、ここはこれまでの事務局が考えてきた方針ではなく、法律で、いわば2段階で進めていくということでしょうか。
【石原大臣】 やはり今の点は非常に重要であるからこそ野中委員会でも意見が多く出た点だと思いますし、私も人事院規則でやっていたものを今度は法律で明確に規定をするわけですから、人事院規則というのは人事院が自分達の考えた通りに決められる規則ですが、これからの改革の原点は法律に明記できるものは法律にしていくと。法律というものは国会で御審議をいただくわけですから、国会は国民を代表した方々が御議論をされるという上で、やはり法律にしていくということが重要なポイントでありまして、それを政省令、下位法令で立法府の目に留まらないところで自分達の好きなようにと疑念をもたれるような改革は望ましい方向ではないということは、私も確信をもって言える事だと思っております。ですから能力等級を導入するという基本方針の原点に立ち戻って、今回は能力等級を法律でしっかりと規定すると、そして次の段階は出来る限り法律に規定していくと、2段階という言葉が適切かどうかは別にしまして、ステップを踏んでいくということは改革の方向性として私は正しい方向だと考えております。
【問】 労働基本権の制約についても、党の方でも十分議論していこうという声が強くなっているようですし、予算委員会でも大臣も、個人的見解とされてましたが、ゼロから議論していくに十分値するという話がありましたが、この辺はいかがでしょうか。
【石原大臣】 この点につきましては国会の中で私も答弁させていただいたんですけれども、スト権を今公務員に与えるということを国民の皆さんが支持するかといったら私は決して支持するとは思えないんですね。それは緊急の例としては、人勧のマイナス勧告を受けて地方公務員にも給与の引き下げというものが波及して、私は東京選出の議員ですけれども、東京都で組合が午前中2時間くらいのストをしたわけですね、2回くらい。これは違法ストかどうかは別ですけれども、スト権がないけれどもストをしたと。それに対して、あー当然だと、今後東京都の地方公務員の給与が下がるようなものをやって駄目だと、それを支持するという論調はないし、何やってんのというような人が多かったと私は思うんですね。そういうことを考え合わせると、この問題は様々な方面から議論をして、締結権、団結権、1番の例ですと平成7年ですか、消防の消防委員会というものを25年かかって作ってきたわけですね、そういうことをいろいろ日本の歴史・過去の積み上げというものを全くゼロにリシャッフルできるようなものでもないし、さりとてILOでああいう意見が出た。それはILOとしての、これまでの日本の制度がどうあるということを除いて、自分達はこう考えるんだというものを中間的に取りまとめられたと。そういうものもあるわけですから、そういうことを考え合わせますと、国会の中でも議論になりましたけれども、いつまでももう長長期で議論するような話ではありませんけれども、中長期で、特にこの問題については政治との関係が非常に強く出てくる問題でありますので、党の方でこの問題について御議論をしていただきたいと思いますし、私も来週から学者の方々等と私的にですけれども勉強会を始めて、検討を始めたいと考えておりますし、昨日太田本部長、野中委員長にも、こういう話になりましてお話をさせていただきましたら、それはじゃあ党の方でも議論しようというお返事をいただいておりますので、これからこの問題は、今回の公務員制度改革の次のステップとして御議論がなされていくし、議論をしていかなければならない問題であると考えております。
【問】 公務員制度に関連して今日閣僚懇で大臣から御発言は。
【石原大臣】 特にどうこうというような、閣僚懇で発言しますというような形はありません。雑談はサインをしている間にありましたけど。
【問】 雑談の中でどういうことを。
【石原大臣】 予算委員会なんかでことさら内閣の考えと違うようなことを人事院の総裁が言うけれども、そういう状態は公務員制度改革を進める上で望ましい状況ではないし、そういう挑発にこちらは乗る気はないし、人事院とも話をしてより良い公務員制度改革をやっていかなければなりませんと、そういう誤解のないようにと、そういうような話を雑談でしました。
【問】 他の閣僚の方の御反応は。
【石原大臣】 ふむふむと、まあ人事院の言っている事が全部正しいとは思わないよなというような。予算委員会にいた方は分かっております。そんな発言もございました。
【問】 確認ですけれども、労働基本権の問題について今回の法案で制約を変えるつもりはないけれども、政治的には今後中長期的に組合等とも話し合って議論していきたいということですか。
【石原大臣】 (変えるつもりは)ございません。組合とというよりも、労働基本権の制約というものがこれからの21世紀にどうあるべきかということの結論というものは、党でも又私も本格的に研究・勉強したことがございませんので、私は来週から労働学者の先生方と個人的に勉強も始めて参りますし、党の方でもこの点については中長期の課題として、太田本部長・野中委員長のところで御議論いただけると、快諾をいただいております。それはこれから(議論しても)3月までに間に合うわけないですよ。
【問】 勉強会というのはどんな、公益法人の懇談会のようなものになるんでしょうか。
【石原大臣】 全く私の私的な勉強会です。
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<質疑応答>
【問】 昨日自民党の方で公務員制度改革委員会があり、予算委員会でも色々と質問もありましたが、どういう状況でしょうか。
【石原大臣】 予算委員会の方は2点あったと思います。いわゆる天下りの問題と公務員試験の合格者数を何倍にするかという問題と、この2点だと思います。両方とも答弁をさせていただいている通りですけれども、人事院が、新しい公務員試験を試行する中で昨年2倍から2.5倍にしていただいて、今年は内々定というものをやめていこうということを各省で申し合わせるタイミングでですね、いきなり2.5倍と、前年度と一緒だということを決定したと。もちろん人事院の中立性というものはあるんですけれども、これも昨日答弁させていただきましたが、やはり国会で選ばれた内閣というものが決めた閣議決定という重みということも考慮していただきたかったと、こんな感想を持っております。
【問】 一昨日でしたか、内閣の総合調整機能ということをおっしゃってましたが、そちらはいかがですか。
【石原大臣】 そちらはいわゆる天下りで、これも年初の会見以来私が話をさせていただいている点ですけれども、くどいようですが、公務員の皆さんが自分達の都合のいいように制度を変えるということではなくて、やる気と、これからの時代にマッチした、また国民の皆さん方から公務員制度に対する信頼を確立していくことのできる改革にしていかなければならない。そんな点で大臣承認制に対して、もちろんこれは刑事罰をつけるとか情報公開するとか二重三重の仕組みは仕組んでありますけれども、それでも甘いんじゃないかと。原因はですね、きっと、小泉内閣は閣僚の任期が長いですけれども、これまでの内閣は細川内閣を含めて1年足らずで閣僚が変わってしまって、そんな時に閣僚になられた方が自分の省庁の人事というものを本当に掌握できるのかと、そんなところに疑念があるからこそああいう批判が出て来るんだと私は認識しておりますので、そういう批判に耐えうるものにしていかなえればならないし、良いものがあるならば柔軟に考えていくと。総合調整機能というものを活用していくというのも一つの方策ではないかと考えております。
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<質疑応答>
【問】 公務員の採用試験の関係ですが、人事院が来年度の採用試験においても合格者数を採用予定者数の2.5倍にすると決めたようなんですが、採用試験の抜本改革への影響をどのようにお考えでしょか。
【石原大臣】 昨年ですか、2.5倍にして、一昨年と比較してみて採用側が良い人が採れたのかどうか、試験を実施した人事院側がどういう影響が出たのかということを考慮して決められたということだと思います。
【問】 現在、行革事務局で取り組んでいる試験制度の抜本改革への影響はどうでしょうか。
【石原大臣】 結局、国会の議論の中でもあるように、弊害はもうずっと指摘されていたわけですから、予備校に通わなければ合格しないような試験でない試験に変えていればこのような抜本改革をやらなくてもすんだのに、問題がわかっていたのにやらないできたから抜本改革をやろうということになったというのが改革の原点ではないでしょうか。そこの点については、人事院でも努力されているとは思いますが、より一層の努力が必要だと思います。
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<質疑応答>
【問】昨日、自民党の公務員制度改革委員会の初会合が開かれまして、その中で、いわゆる天下りを是正するために早期勧奨退職の見直しだとか、天下りそのものをなくさないと国民の理解を得られないというような厳しい意見も出まして、来週、再就職問題に関する集中審議をするという話になったのですが、そういった党側の動きですとか国家公務員法の改正に向けた連携の仕方などについてどのようにお考えでしょうか。
【石原大臣】公務員の再就職問題は、昨年から、総理の指示もありましたし私もかねがね申していたように、現在54歳の早期勧奨退職を5年かけて3歳引上げて57歳にすると。平成20年にはこのようになりますが、行政改革というものには終わりがないんですね。これだけやったから終わりなんだということがない。この再就職の問題も同じで、5年かかって3歳引上げますけれど、やはりその先もあると。これを60歳までもっていきましたら、大多数の方々が再就職(する必要がなくなる)。もちろん憲法で保障されている職業選択の自由もあり、今度は考え方を変えて官民交流というものも深めていこうということに大綱の中で言っているわけですからそういう方向で議論もなされていきますけれども、この問題については国民の皆様方が最終的にそうだなといわれるものに近づけていく努力をしていく。そういった中で、党の側が次回の会合で集中議論をしてくださるということは大変時宜を得ていると私は思っていますし、行政改革については、これまでも政府の行革事務局と党の行革本部が車の両輪として改革を実現してきましたしこれからも改革をすすめていくと、こんなふうに考えております。
【問】総理が昨日の国会で民主党の岡田克也議員の質問に答えていましたが、道路公団の改革で民営化推進委員会の答申を尊重して行っていくと、分割は当然だという発言をされていましたが、最近は分割に対して慎重な意見が閣僚や党側からありましたが、こういった総理の発言をどのようにお考えですか。
【石原大臣】道路四公団は分割の方向だとはっきりと本会議で申されていましたし、前向きに検討していけと内外に指示を出されたとそういうふうに聞いておりました。閣議決定もしておりますのでその方針に何ら変わりはございませんし、国交省における具体的な法案化の作業がその方向で行われるのも政府が一体である以上は当然ではないかと承知しております。
【問】天下りの閣僚承認制の件ですが、今の大臣のご認識は如何でしょうか。
【石原大臣】ここは国民の皆さんの関心の高いところですし、昨日の公務員制度改革委員会でも同僚の議員から一番話の出た点ですので、これまで政府の決めたことに対するご批判というものは謙虚に耳を傾けていかないとなりませんし、良い案があるならば柔軟に取り入れていくと、いつも申しておりますように公務員の皆さんの公務員の皆さんによる公務員の皆さんへの改革であってはならないと思っております。
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<質疑応答>
【問】 一部報道で道路関係4公団民営化委員会の最終報告を巡って、国交省と公団の間で骨抜きにする動きがあるという報道があるんですけれども。
【石原大臣】 報道がありましたので国交省に問い合わせたところ、22日に何かワーキンググループをやって、公団等も呼んで話をしたということを確認いたしました。
【問】 弁明のようなものはありましたでしょうか。骨抜きにするものではないとかですね。
【石原大臣】 弁明はなかったです。事実を確認しただけですから。
【問】 公務員制度改革に関して、営利企業への再就職の件で大臣が承認するだけではなくて内閣全体で承認機能を持たせようというそういう考え方について大臣の御見解は。
【石原大臣】 年頭の記者会見でも申しましたように、そこの部分が昨年の臨時国会等でも一番議論があった点ですので、公務員の方の公務員の方のための公務員の制度改革といわれないようにより良いものがあるのであれば柔軟に対応していきたいと考えております。
【問】 具体策というものは。
【石原大臣】 今検討しております。
【問】 公益法人に関して昨日懇談会があったんですけれども、非営利法人一括り、原則課税にしていくか大臣としていかがですか。
【石原大臣】 これは政府税調の方でも、税制のあるべき姿についてのワーキンググループが一橋の水野先生を座長に開かれて、猪瀬先生も実はメンバーに入っているんですが、もう議論が始まっておりまして、年度末に公益法人改革の案を提示いたしますのでこれに並行して税調の方でも御議論をいただき、税調と歩調を合わせて案をお示ししたいと今努力をしている最中です。
【問】 今日道路の委員会が久しぶりにありますけれども大臣御出席の予定は。
【石原大臣】 私は政府4演説の会議が衆・参とございますので本日は出席いたしません。
【問】 最終報告が出てから大臣は御出席を控えられているようですが、今後どういうふうにされるのでしょうか。
【石原大臣】 必要があれば出席したいと思います。
【問】 国交省と公団の22日の会合の件ですけれども、今後の扱い、段取り等について国交省側からどういう説明をされてますでしょうか。
【石原大臣】 特に説明はございません。
【問】 こうした動きについて大臣はどういうふうに思われますか。
【石原大臣】 報道されていることが事実だとすれば、民営化推進委員会で明確に否定された案を検討してるというのですから、何をいわんやですね。答申を基本的に尊重するとわざわざ閣議決定いたしておりますので、閣議決定は国交大臣も署名されているわけですから、閣議決定に則って、基本的に尊重するという政府の方針に基づいた法律案の作成をしていただきたいと思います。法律案の骨子が出て来るのは年末ですから、出て来た段階で、言ってたことと違うものが出てきた石油公団の時と同じように、もしそういうことがあれば適切に対処したいと思います。
【問】 まずは様子を見るということですか。
【石原大臣】 ワーキンググループですからね、何の決定権もないわけですから。ただ、民営化委員会の議論の中で否定されたものをわざわざまた議論するというのは、閣議決定もありますので、何をいわんやと。適切とは考えられないです。
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<質疑応答>
【問】 自民党で行革推進本部の中に公務員制度に関する委員会を立ち上げようという動きがあると太田本部長が言っていましたが、自民党内の動きについてどのような感想と期待を持たれていますか。
【石原大臣】 公務員制度改革は、昨日予算委員会で議論になりましたように、やはり公務員の公務員による公務員のための改革であってはいけなくて、公務員の方が誇りと自信を取り戻して働ける環境を政治が作っていくような改革でなければならないと考えております。そんなことを党の方が一つの委員会を行革本部の中に立ち上げて御議論をいただくということは良い事であると考えております。
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<冒頭発言>
本日の閣議について、私の方から話したことは、マラードさんという行革担当大臣とお話させていただき、ニュージーランドポストという、日本の郵政公社のような会社で、80年代の後半に特殊会社化され、ほぼ民間会社と同じような構造をしているんですが、印象的なエピソードを閣僚の皆様に披露しました。一つは、今ニュージーランドポストが銀行を作っていて、実はニュージーランドは海外の銀行の占有率が9割を超えていて、海外の金融機関の融資条件が厳しく、国民がお金を借りられる銀行が少ないということで新たに作ったという話。もう一つは、郵政公社化が4月から日本でも行われるということに対して向こうの方が非常に関心を持っていて、「日本とニュージーランドの違いは、自分達は特殊会社化してすぐに民間株式会社と同じ競争条件で仕事をし、その結果30社のライバルがある。民営化はいいことだけれどもやはり競争条件を同じにして競争しなければいけない。」と、こういう話があったことを閣議で披露させていただきました。
その後ですが、総理のところにまいりまして、公務員制度改革について事務方から説明をさせました。内容は、再就職問題に対する国民の信頼の確保という点と、キャリアシステムの改革をどういうふうに行っているのか、これまでどちらかというと官民交流にネガティブな制度だったけれどこれからは官民交流により多様な人材の確保、官民交流の促進を図っていかなければならないという点。それと、昨年の暮れに出ましたILOの勧告については、十分に内容を政府として精査した上で見解を提出するとともに、ILOに対しても十分な説明を行う必要があると、職域団体の方々とも議論を行って理解を得ることも重要であると、こういう話をさせていただきました。総理の方からは、この改革は非常に重要であるので、関係部局でよく調整するようにという指示がありました。一言で言いますと、試験にとらわれて、試験ばかりできる者だけが入ってくるという弊害が指摘されていますから、いい人材を本当に採れるような仕組みに変えていかなければならないので、そうなるように考えていくようにと指示がありました。私からは1点、政治家として発言をさせていただきました。今回は、再就職に関して、皆さんご承知のように、内閣の総合調整の下に承認基準の明確なルールを作って担当大臣が責任を持って承認する仕組みに変えようという案になってますが、この部分については、先の臨時国会等でもいろんな意見が出てきましたし、先般行われた最初の会見時にも私から、国民の批判には謙虚に耳を傾け、柔軟な考え方を持って改革を進めて真に国民のためになる公務員像を実現できるような制度改革をしなければならないと申し上げましたが、私は、小泉内閣は、言葉が適切かどうかは別として、特異な内閣、極めてこれまでにない内閣でありますし、総理の考え方と閣僚との間に相違を生じさせる隙間が少ない内閣であるけれども、これまでの内閣あるいはこれから将来の内閣を考えた時に、総理の強いイニシアティブが閣僚に本当に確立されたものとなるかどうかということは残念ながらなんともいえない心境であると。そういうことを考えると、小泉内閣で行う改革、特に国民の皆様方の批判の一番強い天下り問題については、後顧に憂いを残すようなものであっては絶対ならない、厳しいものでなければならない。そういう話を総理に意見として申し上げました。総理は、うんそうだな、と頷いていらっしゃいました。
<質疑応答>
【問】 大臣が閣議でニュージーランドの件で民間と競争条件を同じにしていたというお話をされた時に他の大臣の反応はどうでしたか。
【石原大臣】 塩川大臣が食い入るように聞かれていました。
【問】 実際行ってみて強く感じたことはどんなことですか。
【石原大臣】 一言で言うと、パブリックカンパニーの民営化をしていく上で大切なことは、特殊会社とか公社化ということがあっても、一般企業会計原則に則っていく、税金は納める、親方日の丸ではない、こういうことを徹底しないと、これは先方の方の言葉ですけれども、独占企業になるだけである。それではいけない、競争がないと。というのも、実はニュージーランドポストは民営化して郵便料金が一回上がったんだそうです。しかし条件を一緒にして30社が郵政事業に入ってきたことによって競争が生じて、今は元の水準まで下がったわけです。日本の場合は特に世界の中でも郵便料金が高いわけで、そういうことを考え合わせて、民営化と規制緩和、条件を一緒にするということが重要であるということを閣議では結論として申し上げました。即ち、政府保証があったり、税が優遇されたりするのは、巨大な独占会社を作るだけであって、それは改革の本旨ではないのではないかという事を強く感じ、申し上げました。
【問】 郵政の問題について総理から何か御質問が出たりはしませんでしたか。
【石原大臣】 それはございませんでした。総理からお話があったのは、閣議ではなくてその後公務員制度改革の話をして席を立つときに、一般企業会計原則が非常に重要だという話を閣議でしたので、道路公団の方も5月には出させるようにしっかり見守るようにというお話がございました。総理も、一般企業会計原則が重要だということを留意されていると、その時感じました。
【問】 公務員制度改革の方は、能力等級の話は今日はございましたか。
【石原大臣】 それはございませんでした。メディアでは話題になっているようですけれども、断念したとかもうだめだとかそういう事実はありません。
【問】 キャリアシステムの改革というのは、主に採用の在り方とかそういう話なんでしょうか。具体的に言うと何なんでしょうか。
【石原大臣】 採用の問題は多様な人材の確保というところに入ると思うんですが、キャリアシステムというのは、入った時の試験だけですべての人生が決まってしまう今のシステムには問題があると。話を聞くとII種で優秀な人が現に入ってきているようですね。ファーストトラックはあってもいいですけれども、そこから先は、ダメな人はI種であっても下に、II種であってもいい人は当然幹部になっていくような仕組み。これは過渡期ですから、将来的にI種、II種、III種というものがどうあるべきかというのは次の段階の議論の重要なテーマだと私は思います。こういうものは打破していかなければいけないんじゃないでしょうか。一度の採用試験でその人の人生、人事処遇が決定的に決まるという現行の仕組みは変えていかなければならないものだと思います。
【問】 法案の提出は年度末あたりを念頭にということでしょうか。
【石原大臣】 まあ念頭に。余談ですが、今回のニュージーランドの件で、行革の光と影ってあるんですね。どこの国も一緒ですが、すべてうまくいくわけじゃない。うまくいってない例で、実はニュージーランド航空を訪ねたんですね、新しい社長さんを。ここはー昨年ですか、再国有化されて、最大で国の株式比率が8割くらいになったんですけれども、オーストラリアの航空会社を買収したことの負の遺産が大きくて、経営が非常に悪化して倒産の危機に瀕したと。それで政府もなんとか維持しようと思ったんですけどもどうも維持できなくて、将来的には、今カンタスが民間の筆頭株主らしいですが、こちらへの株の売却は進めていかざるを得ないというお話を社長がされていたのは非常に印象に残りました。行革の目的というのはともすると民営化が目的となりがちですが、もう一度いろいろなものを冷静に分析して、国民利益の最大化ということを念頭におかないと、所詮人間が行う改革ですので、いろいろなことが起こってくるということも改めて感じました。詳しくは、HPに掲載しようと思ってますので、もうしばらくお時間を頂戴したいと考えております。
【問】 今日は総理の方から呼ばれたのですか、それともこちらからですか。
【石原大臣】 こちらからです。月曜日から国会が始まりますし、新聞にいろいろ書かれてありますので、今行くのがいいのではないかと思って行って参りました。
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<質疑応答>
【問】今日からニュージーランドに外遊されますが、行革の国ということを前回も仰っていましたが、どういったところを視察されて、どういったように日本の行革に役立てたいと思っていらっしゃるのでしょうか。
【石原大臣】私は、実はかなり何度もニュージーランドに足を運んでいるんですが、80年代の前半から政権交代がありながら行政改革に取組み、成功した例、実は失敗した例もかなりあります。そんな中で、今回はニュージーランドポストのウィーバーさん、前の駐日大使で私も昔から懇意にさせていただいているんですが、郵政公社が4月からスタートするので公社化されたニュージーランドポストの現状について、あるいはマラードさんという行革担当相と、日本が周回遅れくらいで行政改革、国営企業の民営化に取り組んでいますが、いろいろな意見交換をさせていただければと考えています。
【問】本四公団の総裁や副総裁が、1年間給与の返上を今月から行いますが、これについてはどのようにお考えでしょうか。
【石原大臣】昨年の道路関係4公団民営化委員会でも、私の方から総裁に民間企業であれば賞与の返上とかが当然ですがそういうお考えは無いんですかと質問させていただいた経緯もあります。今回、総裁が15%ですか、その他理事の方も給与を返上するということですが、第一歩としては評価をさせていただきたいと思いますが民間と比べると、普通、債務超過の企業の役員の方は賞与は全額辞退ですね。それが常識です。こういうところにもまだまだ民間と特殊法人との間に意識の差がある。この差をどういう風に縮めていくかというのがこれからも必要なことであると今回の事例から強く感じております。
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<質疑応答>
【問】 今日の閣議で、構造改革なくして日本再生はないということで改めて決意表明として話があったようですが、その構造改革の柱としてやはり道路公団の問題があるかと思います。今年は具体的な法案化に向けての作業の年にいよいよ入っていきますけれども、そういった中で行革大臣としてどういったことを法案づくりを中心となって担当している国土交通省に働きかけていくのか、これについての大臣のお考えは・・・。
【石原大臣】 昨年は臨時国会で、特殊法人等改革関連の46法案が成立して、就任以来取り組んできた特殊法人等改革は、なかんずく、道路関係四公団民営化推進委員会の答申がまとまるなど大きく前進したと思います。しかし、これまでの例を見るまでもなく、一度スリムになった組織はリバウンドが必ずあって、不断の監視を怠りますと、また自分たちで仕事を見つけてきて、言葉は悪いんですけど、焼け太りをする、あるいはぜい肉がつく、無駄がはびこるということを、過去の特殊法人改革の歴史が証明しているような気がいたします。そういう意味でも、昨年まとまりました道路関係四公団民営化の法制化作業は今年の年末が山場になってくるわけですけれども、引き続いて行政改革の立場からの監視というものは、参与会議の皆様等々と力を合わせてやっていく必要があると改めて強く感じております。改革は、そういう意味では、最終章に入ってきたわけです。国交省において法案化が進められ、秋に骨子、年末にも法案が出てくるわけですけれども、石油公団の改革で、昨年皆様方も取材をされて十分ご記憶にあることだと思うんですけれども、整理合理化計画とは似て非なるものが初期の段階で取りまとめられたということがあります。そういう意味で(改革の)道のりというものは、案を取りまとめたから法制化まで一直線に行くといういうような平坦なものではないと私は思っております。法案化に際しては、昨年混乱した状態で委員長をお辞めになった今井さんが仰っていましたけれども、7人の委員が全員で一致している点があったわけです。それは即ち40兆円に上る債務は確実に償還していこうといったようなこと、更には分割民営化がこの道路公団改革では非常に重要な要素を占めるといったような点、また、道路の通行料金、ETC等々を利用して、本四なども今は特別料金ですけれども、これも引き続いて安くしていくように、やはり委員会でご指摘いただいた。最終意見で取りまとめられたものが尊重されるような形でいくように常に求めていかなければならないと考えております。
それともう一点、ついでですから、私が考えている今年のテーマを話をさせていただきたいと思うんですけれども、こちらは道路と違いましてなかなか大きなニュースにはなりませんけれども、重要なものとして、今年は公務員制度改革があるのだと思っております。道路に比べて新聞の一面を飾るような派手なものではありませんけれども、21世紀の日本のあり方を決める重要な改革の一つではないかと私は考えております。そんな中で、一番この問題で国民の皆さんが注目されているのは天下りだと思うんですね。この問題は実は古くて、かつ新しい問題で、「天下りを全面禁止したい」という気持ちを持っている人は実は多いと思いますけれども、現実のシステムとしてすぐにはそういうことはできない。そんな中で、総理の強いご指示も頂きまして、早期勧奨退職年齢を54歳から57歳まで5年間かかって3歳引き上げていくと、これは、私、決してゴールであってはならないと思います。もう5年間努力をすれば60歳の定年まで居られるようになるわけです。そんな中で、この天下りの問題は国民の皆様方の批判が一番強いところではありますので、十分に移行期間を取っていく。ただ、天下りを原則的になくしていく方向で取り組む中でも、職業選択の自由という観点から天下りというものは発生するわけですから、それを国民の批判に応えられるものにしていかなければならない。昨年の通常国会、臨時国会の議論の中でも、私、公務員制度改革でいろいろなところで質問に立ったわけですけれども、やはり、大臣承認制ですね。現在は人事院の承認ですけれども、この点について様々な意見が寄せられておりますし、こういう様々な意見に対して私は謙虚に耳を傾けてですね、柔軟な考え方を持って、真に国民の皆様方の批判に耐え得るものにしていかなければならない、真に国民の皆様方のためにやる気を持って働いていただける公務員像を実現していかなければならない、こんなことを今年は考えております。
それともう一つ、これももう既に連絡させていただいておりますが、今週の金曜日から来週の水曜日まで、ニュージーランド政府の招待を受けまして、ニュージーランドを訪問いたします。行政改革、規制改革に一番早く取り組んでいる国で、私も記者時代の88年にGSTという間接税の取材に行きまして、それ以来おつき合いをしている国です。行政改革の失敗した例もありますので、そういう点をもう一度フォローアップしていきたいと考えております。
【問】 今日仕事始めということになるのですけれども、2003年、今年の大臣の座右の銘等、昨年もありましたが、お聞かせいただきたいと思います。
【石原大臣】 それではご質問がありましたので、私の定番となりました大きな名刺をさし上げましょう。靴べらにはしないように。大きい名刺で恐縮ですけれども、ここに書いてある「夷険一節(いけんいっせつ)」という言葉を今年は座右の銘というか、今年のキャッチ(フレーズ)に取らせていただきました。これは、中国の宋の時代の欧陽永叔(おうようえいしゅく)という方の「昼錦堂記(ちゅうきんどうき)」中の一節です。どういう意味かといいますと、平らな道でも険しい道でも変わることなく職責を全うしていかなければならないということであります。先程ご質問の中にもありましたように、(改革は)最終章に入ってきたわけですけれども決して平坦な道だとは私は思っておりません。それは、石油公団の時にも、たった一つの法人の改革においてもあれだけあったわけですから、そういうものを十分に注視して、立場からすると担当大臣にお願いするということになるんですけれども、やり合うところはやり合うという気持ちを持って改革を具体化していく。こういうことを一つ一つ、道は険しくとも平らであろうとも職責を全うしてまいりたい、その一言に尽きます。今年は国際情勢を見ましてもイラクの問題等大変波乱要因が多いと思いますけれども、そういうものを一つ一つ乗り越えて、総理が申されているように、国を素晴らしいものにしていくための小泉構造改革路線を後押ししてまいりたい、こんなふうに考えております。
【問】 公務員制度改革について、大臣承認制に柔軟な考え方を持っているようにお聞きしておりました。天下りの承認権を人事院から大臣承認制にするということだと思うのですけれども、この点をもう少し見直してみようというおつもりなのでしょうか。
【石原大臣】 公務員制度改革の中でも、(国会の)委員会は皆さん取材はされてないと思うんですけれども、ここの部分に対して委員会の質問が一番多かった点なんです。こちらとしては二重、三重に、これまでのものよりも厳しいものにするように仕組んであるんです。例えば承認基準は政府が責任を持って決めます。今の承認基準は人事院が決めています。人事院の承認基準をクリアしたものを人事院が「ダメです」ということはできないわけですね。その結果、天下りの数は、一昨年と昨年で比べると数が40数人から69人に増えてしまう。それに対して批判が出る。ですから、やはり承認基準というものを厳しくするということと、承認を出すことを大臣の責任においてやれば、大臣が代わったら天下りが増えたということはすぐ分かるのですから、大臣の政治的責任というものは十分にクローズアップされる。更にもう一つ言わせていただくと、これまでのいわゆる職歴みたいなものをかざして、天下って仕事することで、後輩達に電話をしたり圧力をかけたりしたら刑事罰を設けるというようなことまでつくっているわけです。けれども、それでもまだ甘いのではないかという批判が出る。それは言葉を変えれば、政治家である大臣は十分に知っていないのではないかということだと私は思うんです。人間だからいろんな人がいます。ある大臣は、天下りを全廃して公務員の定年を民間に先駆けて延ばしてしまえという方もいるかと思えば、天下りはなぜ悪いのか、優秀な人間が優秀な人材として民間に出ていくこと、あるいはパブリックカンパニーに出ていくことがなぜいけないんだということまで言う方もこの内閣の中に現にいらっしゃるわけです。そういう意見が寄せられていることに対しては、もっとよい意見があるならば、柔軟に考えていかなければならないと私は考えています。私の言っていることよりもっといいものがあるならば、よりよいものにしていかなければならない、そのぐらい大きな問題であるという趣旨で今申し上げさせていただいたところでございます。
【問】 併せて、公務員への能力給の問題についてお聞かせいただけますでしょうか。見送りという話も政府部内で出ておりますけれども・・・。
【石原大臣】 これも非常に難しいんですね。労組の方ともお話しをさせていただいていますが、能力給が難しいところなんですけれども、税務署ですね、これもどんどん税金を絞って絞って取ってきた人が優秀であるということになったら怖いですし、警察も、どんどん犯人をつかまえて、罰金課した人が優秀だとしたらこの社会は難しくなる。これは一番能力給の難しい例を言ったわけですが、その一方で年功序列型の人事体系によって、歳が上がれば給料が上がると、仕事をしなくても給料は上がるということであぐらをかいている人がいないかと言えば、いなくもない。こういうものをどういうふうにミックスしてよりよいものにしていくのかということであります。ご存知のように公務員制度の抜本改革というものは、昭和23年に人事院ができてからほとんどいじっていない。それだけにいろんなことがまだこれからもある。ここの部分も平坦ではない。いろんなケースに柔軟に対応していかないと、非常に硬直化した、絵に描いた餅になってしまう。そういうことがあってはいけない。そういうことであります。新年早々多弁になりましたが、思いの一端であります。