民間非営利部門は、行政や民間営利部門では満たすことのできない社会のニーズに対応する多様なサービスを柔軟に提供しており、我が国社会経済システムの 中で、その果たすべき役割はますます重要となっています。
公益法人は、こうした非営利部門の活動を担う代表的な主体として、これまで大きな役割を果たしてきた面もありますが、一方で、明治29年の民法制 定以来、抜本的な見直しが行われず、主務官庁の許可主義の下、法人設立が簡便でなく、公益性の判断基準が不明確、公益性を時代に即して柔軟に見直す仕組み がない、営利法人類似の法人が存続しているなど、公益法人制度に対する批判もしばしば見受けられるところです。
内閣官房では、このような諸問題に適切に対処するとともに、民間非営利部門の活動を促進するため、公益法人制度そのものについて抜本的かつ体系的 な見直しを行い、真に時代の要請に応え得る制度を構築するべく検討を進めています。
制度の見直しにあたっては、関係府省との連携の下、法制化に向けた具体的検討を行い、所要の法律案を平成18年の通常国会に提出することを目指す こととしております。
(これまでの経緯)
1896(明29)年
民法制定(我が国における公益法人制度のはじまり)
12月 | 「行政改革大綱」閣議決定(公益法人に対する行政の関与の在り方について改革) |
2001(平13)年
1月 | 行革大臣から各府省に国所管の公益法人の総点検要請(行政の関与のない公益法人の不祥事による批判を踏まえたもの)(4月報告) |
4月 | 「行政委託型公益法人等改革の視点と課題」公表(この中で公益法人制度の抜本的改革の必要性について言及) |
7月 | 「公益法人制度についての問題意識 −抜本的改革に向けて−」公表(公益法人制度についての問題点を整理) |
12月 | 与党3党において「公益法人改革基本プログラム合意」(公益法人の基本制度及び関連制度の全般について抜本的な見直しを行い、公益法人制度改革の大綱を策定) |
2002(平14)年
3月 | 「公益法人制度の抜本的改革に向けた取組みについて」閣議決定(政府として公益法人制度について関連制度(NPO、中間法人、公益信託、税制等)を含め抜本的かつ体系的な見直しを行うことを決定) |
4月 | 「公益法人制度の抜本的改革の視点と課題」公表(改革目的、重要性、方向等につき事務局としての問題意識を整理) |
4〜6月 | 公益法人制度に関する有識者からヒアリングを実施(公益法人制度についての問題点等につきディスカッション) |
8月 | 「公益法人制度の抜本的改革に向けて(論点整理)」公表(ヒアリング等を踏まえて改革の論点を整理。これを叩き台に広く意見を求める。) |
8〜9月 | 「論点整理」について意見募集 |
10月 | 意見の概要公表 |
11月〜 | 公益法人制度の抜本的改革に関する懇談会開催(改革の内容につきさらに検討を深める。) |
11月〜 | 政府税制調査会非営利法人課税WG開催 |
2003(平15)年
6月 | 「公益法人制度の抜本的改革に関する基本方針」閣議決定 |
11月〜 | 公益法人制度改革に関する有識者会議開催 |
2004(平16)年
3月 | 公益法人制度改革に関する有識者会議「議論の中間整理」を公表 |
11月 | 公益法人制度改革に関する有識者会議報告書を公表 |
12月 | 「公益法人制度改革の基本的枠組み」について、「今後の行政改革の方針」の中で閣議決定 |
(関連資料等)
・行政委託型公益法人等改革の視点と課題(平成13年4月13日行革事務局公表)
・公益法人制度についての問題意識 −抜本的改革に向けて−(平成13年7月23日政府行革推進本部報告)
・公益法人制度の抜本的改革に向けた取組みについて(平成14年3月29日閣議決定)
・公益法人制度の抜本的改革の視点と課題(平成14年4月13日行革事務局公表)
・有識者ヒアリング(第1回〜第4回:平成14年4〜6月)の主な意見等
・公益法人制度の抜本的改革に向けて(論点整理)(平成14年8月2日政府行革推進本部報告)
・「公益法人制度の抜本的改革に向けて(論点整理)」に対して寄せられた意見の概要(平成14年10月17日行革事務局公表)
・公益法人制度の抜本的改革に関する懇談会(平成14年11月〜)の資料、議事概要
・公益法人制度の抜本的改革に関する基本方針(平成15年6月27日閣議決定)
・「公益法人制度改革に関する有識者会議」報告書公表(平成16年11月19日)
・「公益法人制度改革の基本的枠組み」の具体化(「今後の行政改革の方針」の中で平成16年12月24日閣議決定)