国の行政機関の定員の純減につけて
 

行政改革の重要方針

平成17年12月24日
閣議決定
 

 「小さくて効率的な政府」を実現し、財政の健全化を図るとともに、行政に対する信頼性の確保を図ることは、政府にとって喫緊かつ最重要課題の一つである。
 このため、政府はこれまで「行政改革大綱」(平成12年12月1日閣議決定。以下「12年行革大綱」という。)及び「今後の行政改革の方針」(平成16年12月24日閣議決定。以下「16年行革方針」という。)等に基づき、「官から民へ」、「国から地方へ」等の観点から行政改革を推進してきた。
 今後、「小さくて効率的な政府」への道筋を確かなものとするためには、与党の議論を踏まえこれまで以上に事業の仕分け・見直しなどを行いつつ、行政のスリム化、効率化を一層徹底することが必要である。この観点から、以下のとおり、更に推進すべき行政改革の重要課題について、現段階で新たに政府として具体的な方針を策定するものを一括して取りまとめ、既往の行革方針等で示された事項と併せ、これらを更に推進し改革を続行する。
 また、本重要方針で定める改革の今後における着実な実施のため、基本的な改革の方針、推進方策等を盛り込んだ「行政改革推進法案(仮称)」を策定し、平成18年通常国会に提出する。

1 政策金融改革
 経済財政諮問会議の「政策金融改革の基本方針」(平成17年11月29日経済財政諮問会議)及び政府・与党政策金融改革協議会における政府・与党合意「政策金融改革について」(平成17年11月29日)に基づき、以下のように、政策金融の抜本的改革を行い、平成20年度から新体制に移行する。

(1) 基本原則
  政策金融は3つの機能に限定し、それ以外は撤退
 @  中小零細企業・個人の資金調達支援
     
 A  国策上重要な海外資源確保、国際競争力確保に不可欠な金融
     
 B  円借款(政策金融機能と援助機能を併せ持つ)
   
  「小さくて効率的な政府」実現に向け、政策金融を半減
 @  貸出残高対GDP比半減を平成20年度中に実現する
     
 A  新たな財政負担を行わない
     
 B  市場化テスト、評価・監視機関の設置により再編後も継続的な縮小努力を行う
     
 C  民営化する機関は完全民営化を目指す
   
  民間金融機関も活用した危機(金融危機、国際通貨危機、大災害・テロ、疾病等)対応体制を整備
   
  効率的な政策金融機関経営を追求
 @  部分保証、証券化、間接融資等を通じた民間金融機関の補完
     
 A  政策金融機関のトップマネジメントへの天下りの速やかな廃止
     
 B  統合集約する新機関では、組織を簡素化し、事業運営を効率化
   

(2)政策金融の各機能の分類
 現行政策金融の各機能を、(イ)政策金融から撤退するもの、(ロ)政策金融として必要であり残すもの、(ハ)当面必要だが将来的には撤退するもの、に分類する。
 日本政策投資銀行分野
 大企業、中堅企業向け融資であり、国全体として資金不足であった高度成長期とは異なり、民間市場から貸付けのみならず、社債や株式等様々な形態で資金の取り入れが可能であり、政策金融として行う必要がなくなっているため、撤退する。(イ)
   
 商工組合中央金庫分野(イ)
 @ 預金、手形割引等民間金融機関と同様のフルバンキング機能であることから、撤退する。
     
 A 所属団体向け組合金融であることからも、本来参加者が相互扶助の精神に基づき、メンバーシップ制で行うものであり、政策金融である必要はない。
    
公営企業金融公庫分野(イ)
地方公共団体の共同債券発行機能であり、政策金融スキームで行う必要はなく、撤退する。
    
 中小企業金融公庫分野
 @ 一般貸付は量的補完であり、国全体として資金不足であった高度成長期とは異なり、資金余剰になっているので、中小企業といえども、量的補完は国が行う必要はなくなっており、撤退する。(イ)
     
 A 特別貸付は、国の中小企業政策の中に明確に位置付けられ、政策誘導を目的とする範囲に限定して残す。(ロ)また、定期的に見直しを行い、必要性の低下した特別貸付からは、撤退する。(ハ)
    
 国民生活金融公庫分野
 @ 民間中小金融機関でも採算上供給困難な零細・中小企業への事業資金貸付(経営改善貸付、生活衛生資金貸付を含む)は残す。(ロ)
     
 A 教育資金貸付は、低所得者層の小口の資金需要にかんがみ、所得制限を引き下げ縮減して残し(ロ)、民間金融機関や独立行政法人日本学生支援機構の奨学金制度で代替可能な部分については撤退する。(イ)
    
 農林漁業金融公庫分野
 @ 農業・林業・水産業向けの超長期低利融資機能は、資本市場が代替できない範囲に限って残す。(ロ)
     
 A 食品産業向け金融は、大企業・中堅企業向けは撤退する。(イ)中小企業向けは、10年超貸付に限定して残す。(ロ)
    
 国際協力銀行分野
 @ 海外経済協力機能(円借款)は、民にはない政府開発援助(ODA)機能を重視し、他の政策金融と別の機能として残す。(ロ)
     
 A 国際金融機能(貿易金融、投資金融、アンタイドローン)は、国策上必要な資源確保・国際競争力確保を除き(ロ)、撤退する。(イ)
    
 沖縄振興開発金融公庫分野
 @ 本土公庫等見合いの機能は、本土と同様の扱いとし、撤退又は残す。(イ)(ロ)
     
 A 沖縄独自制度、特利制度は、歴史的・地理的特殊性等にかんがみ、残す。(ロ)

(3)新組織の在り方
 以上の各機能の分類に基づく、最も効率的な新組織の形態等については、以下のとおりとする。

 政策金融から撤退する機能に係る組織
 @ 現行日本政策投資銀行
  (ア) 新金融技術開発機能を維持するためには多くの機能がそろっていることが望ましいこと等から、一体として完全民営化する。
  (イ) 自立のために最低限の移行措置を講ずる。
     
 A 現行商工組合中央金庫
  (ア) 所属団体中小企業向けのフルバンキング機能を行う機関として完全民営化する。
  (イ) 財務基盤整備等のため最低限の移行措置を講ずる。
 (注)日本政策投資銀行、商工組合中央金庫の民営化に当たっての移行期間については、市場の動向を踏まえつつ、概ね5年から7年を目途とする。
     
 B 現行公営企業金融公庫
  (ア) 廃止し、資本市場等を活用した仕組みに移行する。
  (イ) 必要な財政基盤を確保する等廃止に向けた一定の移行措置を講ずる。
   
  政策金融として残す機能に係る組織
 @ 一つの政策金融機関に統合することを基本とし、以下の機関を統合する。
  (ア) 国民生活金融公庫(教育貸付は縮減)
  (イ) 中小企業金融公庫(一般貸付を除く)
  (ウ) 農林漁業金融公庫(大企業向け等の食品産業貸付を除く)
  (エ)沖縄振興開発金融公庫(本土公庫見合いで廃止する貸付けを除く)
  (オ) 国際協力銀行(貿易投資金融を除く)
     
 A ただし、国際協力銀行については、国策たる戦略的援助政策の効果的実施のためには、経済・金融機能面の検討のみならず、以下の観点からの検討が必要であるため、内閣官房長官の下に開催することとした(平成17年12月16日)有識者からなる「海外経済協力に関する検討会」の検討結果と本重要方針を総合して、「行政改革推進法案(仮称)」に盛り込むよう、その統合の具体的内容を決定する。
  (ア) ODAの戦略的活用、外国との競争をにらんだ対外経済戦略の効果的実施のための政策金融機能の在り方
  (イ) 「顔の見えるODA」のための他の援助機関との関係整理
  (ウ) 戦略的な援助政策を企画立案、実行するための政府内体制の在り方
     
 B 沖縄振興開発金融公庫については、現行「沖縄振興計画」(平成14年7月9日内閣総理大臣決定)の最終年次である平成23年度までは、公庫として残す。それ以降は、沖縄振興策と一体となって、自己完結的機能を残しつつ、統合する。
   
 政策金融として残す機能を担う機関の組織形態、組織設計の方針等
 @ 特殊会社又は独立行政法人に準じた法人とする。
     
 A 現機関のノウハウなどもいかしつつ、借り手側の視点に立った効率的な組織形態となるよう努める。
     
 B 組織の具体的な設計に当たっては、経営責任の明確化、業務内容の情報の開示など説明責任の徹底により強固なガバナンスを確立するとともに、専門性の活用・強化のための仕組みについて検討を行う。その際、「中小零細、個人等の国内金融」と「国際金融」はおのずとその性格が違うことから、それぞれ政策金融としての明確な旗印を立てるとともに、専門の窓口設置、人材育成など専門性の活用・強化に取り組むこととする。
     
 C 民間金融機関も活用した危機対応体制の整備のため、具体的な制度の検討を行う。その際、危機発生時に政策金融機能を迅速に拡充し、民営化された会社を含め関係金融機関に対してセーフティネットの一時的拡充を行わせることができるよう、所要の手続・基準を設定するとともに、内閣総理大臣主導の政治的決断を迅速に実行する仕組みを整備すべく、所要の検討を行う。
     
 D 政策金融の実施に当たっては、部分保証、証券化、間接融資等の手法をできるだけ活用する。

(4)その他留意事項
  組織の再編や民営化等に当たっては、資産・負債の厳密な評価(デューデリ)を実施し、不要なものは売却又は国庫返納する。
   
  政策金融改革により、現に貸付等を受けている者及び発行債券の所有者に弊害が発生しないようにする。
   
  当面政策金融に必要な機能についても、評価監視機関の設置等により、市場化テスト等を活用して将来的には見直す体制を整備する。
   
  独立行政法人及び公益法人等による政策金融機関類似の金融業務についても、本重要方針の趣旨を踏まえ、所管府省で見直しを行い、平成18年度中に行政改革担当大臣の下で取りまとめる。このうち、独立行政法人については、中期目標期間終了時の見直しの仕組みの中で、平成18年度に見直し期限の到来する法人に加え、平成19、20年度に期限の到来する法人についても、前倒しで見直す。

(5)新組織移行への工程等
 政策金融改革推進本部(平成17年12月9日閣議決定。以下「本部」という。)において、政策金融改革を進める。
   
 本重要方針に沿って、詳細な制度設計に取り組み、「行政改革推進法案(仮称)」の成立後速やかに本部で成案を得るとともに、政策金融改革関連法案の国会提出時期についての結論を得る。成立した「行政改革推進法案(仮称)」及び詳細な制度設計に基づき、同関連法案の作成作業を開始する。
   
 上記の過程で、必要に応じ経済財政諮問会議に報告を行う。
   
 本部に係る事務は、行政改革担当大臣の下で内閣官房が行う。

2 独立行政法人、公営競技関係法人、その他政府関係法人の見直し

(1) 独立行政法人の組織・業務全般の見直し等
 平成17年度末に中期目標期間が終了する24法人について、「中期目標期間終了時における独立行政法人の組織・業務全般の見直しについて」(平成15年8月1日閣議決定)に基づき厳しく見直し、「平成17年度末に中期目標期間が終了する独立行政法人の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性について」(平成17年11月14日政策評価・独立行政法人評価委員会)に沿った措置(概要は別表1のとおり)を講ずる。これにより
 @ 24法人は20法人に整理・統合(平成17年度末までに中期目標期間が終了する法人は56法人あり、昨年はそのうち32法人について見直しを実施。昨年及び本年の見直しにより、56法人は42法人に整理・統合。)
 A 19法人の役職員の身分は非公務員化(昨年及び本年の見直しにより、51の特定独立行政法人中、44法人の役職員の身分が非公務員化。)される。
   これらの法人の新たな中期目標については、政策評価・独立行政法人評価委員会及び独立行政法人に関する有識者会議の指摘に沿って、目標期間中に達成すべき水準をできる限り定量的・具体的に定める。特に、業務運営の効率化については、厳格かつ具体的な一般管理費及び事業費の削減・効率化目標を示すことにより、一層効率的な業務運営を目指す。
イ  特殊法人等から移行して設立された独立行政法人の見直し
 特殊法人等から移行して設立された独立行政法人の中期目標期間の終了時期が平成18年度以降初めて到来することとなる。これらの法人については、「官から民へ」の観点から事業・組織の必要性を厳しく検討し、その廃止・縮小・重点化等を図ることはもとより、法人の事業の裏付けとなる国の政策についてもその必要性にまでさかのぼった見直しを行うことにより、国の財政支出の縮減を図る。
   
ウ  平成18年度における見直し
 平成18年度においては、当該年度末に中期目標期間が終了する独立行政法人(9法人)に加え、平成19年度末に中期目標期間が終了する法人(31法人)についても、円滑かつ効果的な見直しを行う観点から、業務・組織全般の見直しの検討に着手し、相当数について結論を得る。
 融資業務等を行う独立行政法人については、平成20年度末に中期目標期間が終了する法人も含め、平成18年度中に政策金融改革の基本方針の趣旨を踏まえた融資業務等の見直しを行い、結論を得る。
 これらの法人の見直しに当たっては、平成18年夏を目途に、政府としての基本的な考え方を取りまとめる。また、政策評価・独立行政法人評価委員会としての見直しの方針を取りまとめる。

(2)公営競技関係法人及び総合研究開発機構の事業・組織形態の見直し
 公営競技関係法人(日本中央競馬会、地方競馬全国協会、日本自転車振興会、日本小型自動車振興会及び(財)日本船舶振興会)については、助成金交付事業の徹底した透明化、一層の効率化等による財政寄与の確保等の観点から、事業及び組織形態について別表2の措置を講ずる。
   
 総合研究開発機構については、「特殊法人等整理合理化計画」(平成13年12月19日閣議決定)の方向に沿い、事業及び組織形態について別表3の措置を講ずる。

(3)特殊法人等整理合理化計画における措置に取組中の特殊会社
 関西国際空港株式会社、日本電信電話株式会社、東日本電信電話株式会社、西日本電信電話株式会社、北海道旅客鉄道株式会社、四国旅客鉄道株式会社、九州旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社については、それぞれその講ずべき措置が、特殊法人等整理合理化計画で決定されており、これまでの取組状況は、別表4のとおりである。各法人とも、取組を継続し、措置の早期完了を図る。なお、行政改革推進本部はその推進状況をフォローアップする。


(4)特別の法律により設立される民間法人の見直し
 特別の法律により設立される民間法人については、国民負担の軽減、財政支出の削減、事務・事業の効率化等の観点から、その事業等について別表5の措置を講ずる。また、「特別の法律により設立される民間法人の運営に関する指導監督基準」(平成14年4月26日閣議決定)等に適合するよう引き続き指導監督を行う。

3 特別会計改革

(1) 特別会計改革の方向性
 特別会計は、特定の事業等の収支を区分し明確化させるとともに、当該事業の推進と政策目的の実現に貢献してきたが、その数が多数に上り国民による監視が不十分となって無駄な支出が行われやすい、固有の財源により不要不急の事業が行われている、多額の剰余金等が存在し財政資金の効率的な活用が図られていない、などの問題が指摘されている。
 これらの問題を解決するため、以下により特別会計の改革を行う。
 まず、特別会計の設置に係る要件を厳格化するとともに、特別会計見直しの方向性を示すなど改革の方針を「行政改革推進法案(仮称)」に明記し、今後5年を目途に改革を完了するものとする。
 また、一般会計、特別会計を通じた一覧性を高めるとともに、平成19年を目途に「特別会計整理合理化法案(仮称)」を国会に提出し、以下(2)ウに掲げる個別の特別会計の改革を具体的に盛り込むとともに、特別会計法に定められた財政法の例外規定等を整理するものとする。


(2)特別会計改革の具体的方針
 以上にのっとって行う特別会計全体についての改革は、以下のとおりとする。
     
  @  「小さくて効率的な政府」の実現を特別会計改革においても目指す。特別会計については、資産・負債差額が約45兆円と言われており、積立金・剰余金についても多額に上っている。これらを精査して資産・負債や剰余金等のスリム化を徹底するなどし、今後5年間において合計約20兆円程度の財政健全化への貢献を目指すものとする。
  A  一覧性・総覧性をもった形で国の財務状況を説明し十分な説明責任を果たすものとする。そのため、特別会計の歳入・歳出につき、所管別区分と主要経費別区分を行うとともに、予算の一覧性を確保するため、純計額ベースで表示した所管別や主要経費別の予算参考資料を法定資料としての予算参考書類に含めるなど、抜本的に見直すこととし、国の財務状況の透明化を図るものとする。
  B  「特別会計整理合理化法案(仮称)」により、特別会計法に定められた財政法の例外規定(借入金規定や剰余金の繰越し規定等)等を整理し、特別会計の会計情報については、その開示の内容及び要件を統一的に明示するとともに、企業会計の考え方に基づく資産・負債も開示するものとする。また、特別会計がみだりに設立されることにより弊害が生じかねないことから、その設立要件を厳格化するほか、既存の特別会計についても、5年ごとにその設置の要否を見直す条項を導入するものとする。
   
 また、個別の特別会計の見直しの方針は、以下のとおりとする。
     
  @  事業の必要性の減じた特別会計は廃止するものとする。
  A  事業の必要性は認められるとしても国自体が担う必要性の薄いものは民間にゆだねるものとし、必ずしも国が直接行う必要性の薄いものは独立行政法人化するものとする。
  B  一般会計からの繰入れが多額に上るなど一般会計と区分経理する必要性の薄れたものについては特別会計を廃止し一般会計事業とするほか、事業の性質により独立行政法人化等を検討するものとする。
  C  事業類型が近似している特別会計で、特別会計としての区分経理の必要性の認められるものについては、行政改革の効果を確実に出すことを前提として、統合を行うものとする。
   
 以上の方針を受け、各個別の特別会計については、以下のとおり見直しを行うものとする。なお、これらの改革の過程においては、透明性の確保に配慮しつつ民間関係者等の意見を聴く場を活用しながら、事業の要否及び主体について仕分けを行い効率化を図るとともに、市場化テストの積極的な活用を図るものとする。
     
  @  道路整備特別会計、治水特別会計、港湾整備特別会計、空港整備特別会計及び都市開発資金融通特別会計の五つの特別会計については、平成20年度までに統合し、無駄の排除を行うものとする。空港整備特別会計については、将来の独立行政法人化等について検討するものとする。
 道路特定財源については、「道路特定財源の見直しに関する基本方針」(平成17年12月9日政府・与党)に基づき、見直しを行うものとする。
 航空機燃料税については、特別会計の歳出・借入金の抑制の努力を講じつつ、引き続き空港整備に投入していくものとするが、その適否については常に点検を行い、将来的には、空港整備の進捗状況を踏まえ、原則として一般財源化を検討するものとする。
  A  厚生保険特別会計及び国民年金特別会計については、平成19年度までに統合し、無駄の排除を行うものとする。また、年金事務費については、平成19年度より、受益と負担の関係の明確化等の観点から、その一部に保険料を充てる恒久措置を講ずるものとする。
  B  船員保険特別会計については、今後1年程度の間、制度見直しの詳細について検討した上で、平成22年度を目途に、船員保険事業のうち健康保険制度に相当する部分は、社会保険庁改革に伴い発足する新たな公法人等に移管し、労災保険制度及び雇用保険制度に相当する部分は、労働保険特別会計のそれぞれの制度に統合するものとする。
  C  労働保険特別会計については、原則として純粋な保険給付事業に限り本特別会計にて経理するものとし、労働福祉事業及び雇用保険3事業については、廃止も含め徹底的な見直しを行うものとする。また、失業給付事業における国庫負担の在り方については、廃止を含め検討するものとする。
  D  農業共済再保険特別会計及び漁船再保険及漁業共済保険特別会計については、積立金管理の業務運営を透明化した上で、平成20年度までに、両特別会計の統合を含め再保険機能の取扱いにつき検討するものとする。
  E  地震再保険特別会計については、平成20年度までに、再保険機能の取扱いにつき検討するものとする。
  F  森林保険特別会計については、平成20年度までに、独立行政法人化を検討するものとする。
  G  貿易再保険特別会計については、先進国向け短期保険分野等への一層の民間参入の促進を図りつつ、民間でできるところから国は撤退すること等の制度改正につき、今後3年を目途に検討し、結論を得る。
  H  国有林野事業特別会計については、平成18年4月に予定する国有林野事業勘定と治山勘定との統合を進めることとし、その後、平成22年度に、借入金の処理等事業運営に必要な措置を講じつつ、企業特別会計としての特性及びこれまでの取組等を踏まえ、その業務の性質により一般会計への統合・独立行政法人化を検討するものとする。
  I  国営土地改良事業特別会計については、平成20年度までに、一般会計への統合を行うものとする。国営事業分と都道府県営事業分の区分については、国と地方との適切な役割分担の検討を行う中で、農政改革の進捗状況等を見極めつつ、平成18年度中に結論を得るものとする。
  J  食糧管理特別会計及び農業経営基盤強化措置特別会計については、平成19年度に統合し、無駄の排除を行うものとする。その後、業務の性質に応じ、一般会計への統合や独立行政法人化を検討するものとする。
  K  自動車損害賠償保障事業特別会計及び自動車検査登録特別会計については、平成20年度に統合し、無駄の排除を行うものとする。その後、業務の性質に応じ、一般会計への統合や独立行政法人化を検討するものとする。
  L  特許特別会計については、その予算特性、政策的見地にかんがみ、一層迅速かつ的確な審査を実現するため、特許審査の件数、そのためのコスト、先行技術文献の検索外注件数などにつき中期的な定量的目標を定めつつ、業務効率の向上及び民間委託の拡大を図る。
  M  国立高度専門医療センター特別会計については、借入金の処理等事業運営に必要な措置を講じつつ、平成22年度に、国立がんセンターなどを独立行政法人化し、同特別会計を廃止するものとする。
  N  登記特別会計については、今後の事業計画を踏まえ、真に必要な事業にスリム化し、登記所備付地図の整備の財源確保を前提に平成22年度末をもって一般会計への統合を行うものとする。
  O  特定国有財産整備特別会計については、今後の事業計画を踏まえ、真に必要な事業にスリム化し、平成22年度を目途に、一般会計への統合を行うものとする。
  P  電源開発促進対策特別会計及び石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計については、平成19年度までの立法化により統合し、無駄の排除や区分経理による透明化を行うものとする。  加えて、電源開発促進税が特別会計に直入される構造を見直し、電源開発促進税が原子力発電所の立地の促進等の電源開発に要する費用に充てるために課せられている税であることを踏まえつつ、石油石炭税のように一般会計から必要額を特別会計に繰り入れる仕組みとすることにより、原子力の立地・更新等が進展すること等により財政需要が生ずるまでの間、財政資金の効率的な活用を図るものとする。
  Q  産業投資特別会計社会資本整備勘定については、無利子貸付事業が終了することを踏まえ、廃止するものとする。産業投資勘定については、真に必要な出資事業に限定の上、平成20年度までに、財政融資資金特別会計に移管するものとする。その後、民間での対応等を勘案の上で、一定期間経過後、産業投資勘定自体の在り方を、その存否も含め検討するものとする。
  R  財政融資資金特別会計については、将来的な財投規模のスリム化を確実なものにするため、財投債発行額を着実に減額するとともに、確実な償還見込みを立てるものとする。また、公営企業金融公庫の資本市場等を活用した仕組みへの移行の状況を見極めながら、地方向け融資を段階的に縮小するものとする。
  S  国債整理基金特別会計については、業務運営の効率化と事務費の節減を強力に推進するものとする。また、国債業務の日本銀行への委託範囲については、今後検討し、平成19年度までに結論を得るものとする。
  21  外国為替資金特別会計については、人件費及び事務費について一層効率化に取り組むものとする。同特別会計が保有する積立金は、決算の不足が生じる場合に備えるものであるが、例年にわたり剰余金が発生している状況を踏まえ、今後とも当該剰余金の相当部分につき一般会計への繰入れを行うものとする。
  22  交付税及び譲与税配付金特別会計については、借入金償還スケジュールを早期に明確化するものとする。

4 総人件費改革の実行計画等

(1) 総人件費改革の実行計画
 公務員の総人件費について、定員の大幅な純減と給与制度改革の強力な推進により、大胆に削減する。その際、政府の規模の大胆な縮減に向けて、国家公務員(94.8万人、郵政公社職員を含む。)の総人件費について、対GDP比でみて今後10年間で概ね半減させるといったような長期的な目安も念頭におきながら改革を進めるとともに、 地方公務員についてもこれを踏まえた削減努力を要請し、官のリストラ努力について国民の理解を得られるよう、あらゆる手段を駆使して改革を断行する。
 このため、「総人件費改革基本指針」(平成17年11月14日経済財政諮問会議)に即し実行計画を定めることとし、業務の大胆かつ構造的な見直しを実現するための枠組み及び独立行政法人等について総人件費を削減する具体的な実行措置等を含め、今後5年間で実行すべき取組を定める。
 これらを、平成18年度予算や地方財政計画から順次反映させることとする。


 公務員の定員の純減目標
  @  国家公務員の純減目標
 政治的リーダーシップの下、今後5年間で、郵政公社職員を除く国家公務員(定員ベースで68.7万人)を5%以上、純減させる。
       
    (ア)  国の行政機関の定員
 国の行政機関の定員(33.2万人)を今後5年間で5%以上純減させる。
 このため、定員合理化計画(定員の10%以上削減)の実施に当たって、メリハリをつけつつ増員を厳しく限定し、これまでにない大幅な純減(1.5%以上の純減)を確保するとともに、以下の重点事項を中心に、業務の大胆かつ構造的な見直しにより、透明性の確保に配慮しつつ民間関係者等の意見を聴く場を活用しながら、事業の要否及び主体について仕分けを行い効率化を図り、事務事業の削減(ワークアウト)を強力に進め、その結果を定員の削減(3.5%以上の純減)に反映させ、5%以上の純減を確保する。その際、実施に向けてさらに個別具体的な取組の検討を要するものについては、「行政減量・効率化有識者会議(仮称)」(行政改革推進本部独立行政法人有識者会議を平成18年1月に改組)の知見も活用しながら、遅くとも平成18年6月頃までに行政改革推進本部において成案を得、政府の方針として決定する。この政府方針の実施に必要な制度や組織の改廃に関する法律上の措置については、できる限り早期に実施するとともに、今後5年間の純減の実施状況を踏まえ、行政機関の職員の定員に関する法律の定める定員の総数の最高限度を引き下げる。
(a)  行政ニーズの変化に合わせた業務の大胆な整理
  ( i )  農林統計関係
  ( ii )  食糧管理関係
  ( iii )  北海道開発関係 等
(b)  地方支分部局等の抜本的かつ重点的な見直し
  ( i )  地方支分部局等の行う業務全般について、「民間にできることは民間に」、「地方でできることは地方に」との観点から、事務・事業を国が直接行う必要性を見極め、抜本的な見直しを行う。
  ( ii )  各省ごと、業務ごと、都道府県ごとに設置されている地方支分部局について事務の性質に応じて統廃合や合理化を進める。
  ( iii )  地方向け補助金配分業務の整理や地方への権限委譲(特に地域振興関連業務)により業務を大胆に縮減する。
  ( iv )  民間企業の申請受理・監督等に関する組織・業務を抜本的に見直し、必要に応じ都道府県等に委託する。
  ( v )  公共事業関係の業務について、事業量の減少やコスト縮減に応じてスリム化する。
  ( vi )  調査・統計関連業務の外部委託や合理化を行う。
(c)  包括的・抜本的な民間委託等
  ( i )  市場化テストのモデル事業に着手しているハローワークの職業紹介・訓練等、社会保険庁の保険料収納・年金案内・相談等、行刑施設関連の業務
  ( ii )  規制改革・民間開放推進会議で民間開放が検討されている登記事務、特許、自動車登録、施設管理・運営、雇用保険等の業務
  ( iii )  給与計算等の内部事務・定型的業務
  ( iv )  非公務員の活用を一層推進するとともに、市場化テストの本格実施を行う。
(d) IT化による業務のスリム化
  ( i )  電子政府・電子自治体を推進し、あわせて国・地方間の連絡調整について汎用性のあるシステムを構築するなどにより、国・地方を通じた業務の効率化を進める。
  ( ii )  人事・給与等、共済、物品調達などの各業務については情報システムの統一化を進めるとともに、積極的に外部委託を図る。
(e) 非公務員型独立行政法人化等
  ( i ) 森林管理関係業務
  ( ii ) 国立高度専門医療センター
  ( iii ) 行政改革会議において独立行政法人化の検討対象となった分野 等
    (イ)  自衛官・特別の機関の職員
 定員(25.2万人)を下回っている自衛官の人員についても、聖域を設けず、教育関係、給食関係、整備関係等の民間委託等を行うことにより、行政機関に準じて純減を行う。
 また、国会、裁判所、会計検査院、人事院の職員の定員(3.2万人)についても、各機関の特質等にも留意しつつ、行政機関に準じた取組を行うよう求める。
    (ウ)  独立行政法人の非公務員化
 特定独立行政法人の公務員(7.1万人)について、独立行政法人を国家公務員の身分を有しない者が担う場合の問題点が明確でないものはすべて非公務員化する。
     
  A  地方公務員の純減目標
 「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2005」(平成17年6月21日閣議決定)で要請した4.6%以上の純減確保に向けた各地方団体の真摯な取組及び国による定員関係の基準の見直しにより、一層の純減の上積みが確保されるよう取り組む。
 国・地方の取組を踏まえ、平成17年度中に公表することとなっている「集中改革プラン」に反映するよう要請する等、総務省は純減上積みの取組を促進する措置を講ずる。
    (ア)  国基準関連分野
 国が定数に関する基準を幅広く定めている分野(国基準関連分野)の職員(教育・警察・消防・福祉関係の200.8万人)については、地方の努力に加えて国が基準を見直すことにより、これまでの実績(5年間で4.2%)を上回る純減を確保する。特に人員の多い教職員(給食調理員、用務員等を含む。)については、児童・生徒の減少に伴う自然減を上回る純減を確保する。
    (イ)  地方分野
 上記(ア)以外の地方が主体的に定数を定める分野の職員(107.5万人)については、事業の要否及び主体について仕分けを行い効率化を図り、これまでの実績(5年間で5.4%)を上回る純減が確保されるよう、地方の努力を要請するとともに、国は、地方の定員増をもたらす新たな施策は原則として行わないこととし、真にやむを得ない場合は他の施策の見直しにより全体として増員とならないようにする。
    (ウ)  上記(イ)の努力の一環として、公立大学の大学法人化、公営企業等の地方独立行政法人化(非公務員型)、民営化等を進める。
     
  B  純減目標達成のための制度の見直し等
 内閣官房を中心に以下の取組を行う。
    (ア)  新規採用の抑制など人事管理上の対応を行う。その際、公的部門の長期的な雇用戦略や退職者に対するセーフティネットの整備にも配慮する。また、個別業務のスリム化に伴う配置転換の仕組み等を構築する。
    (イ)  非公務員によって公共的職務を執行する仕組み(公証人など)や、民間における派遣職員の活用と同様に非公務員をより一層活用できる仕組みを幅広く検討し、導入する。
     
  C  目標の適切な見直し
 国家公務員及び地方公務員の純減目標については、今後の市場化テストの本格導入、地方分権や市町村合併の進展、実際の取組状況等に応じて、適切な見直しを行う。
   
 給与制度改革等
     
  @  国家公務員給与
 横並び・年功序列の公務員給与制度を抜本的に改革し、職務分類によるきめ細かな官民比較と職階差の大幅な拡大により真に職務と職責に応じた給与体系に移行するとともに、官民比較方法を更に見直すことにより、民間準拠をより徹底し、メリハリの効いた人件費削減を図る。
 以下の事項について、人事院において早急に必要な検討を行い、来年の人事院勧告から順次反映させるよう要請する。来年からの人事院勧告について、政府として速やかに取扱いを検討し、所要の措置を行う。また、政府としても厳しい財政状況を踏まえ給与制度改革に向け全力で取り組む。
    (ア)  本年の人事院勧告に基づく給与構造改革の実施
 本年の人事院勧告に基づく給与構造改革を着実に推進し、地域の民間賃金の的確な反映、年功的な給与上昇の抑制、勤務実績の給与への反映拡大等を図る。また、評価の仕組みと処遇の在り方の見直しを進め、能力・実績主義の人事制度の整備を推進する。
    (イ)
 職務分類によるきめ細かな官民比較
 横並びを廃して、必要な人材を確保できる仕組みに改めるため、一般行政職の職務について、例えば、法令に定められた行政サービスの実施など定型的業務を行う職務、政策の企画立案を行う職務等に区分し、各職務区分ごとに比較対象としてふさわしい民間従業者と官民比較を行うような方策を講ずる。
    (ウ)  職階差の大幅な拡大
 真に職務と職責に応じた給与体系に改め、年功的な昇給を極力抑制するため、給与等級を課長・課長補佐・係長・係員などの職階区分に明確に分類し、職階区分ごとの給与の上下限幅が大きく重ならないようにするとともに職階区分を昇格する場合の昇給幅を拡大する。
    (エ)  比較対象事業所規模の見直し等
 民間企業における雇用・組織形態の変化等を踏まえ、比較対象範囲を拡大する方向での比較対象事業規模の見直しや比較対象とする民間役職員の部下数(正社員)要件の見直しを行う。
     
  A  地方公務員給与
 地方公務員の給与について、以下の方向性により、地域の民間給与の水準を的確に反映したものになるよう、今回の国家公務員の給与構造改革に準じた改革を徹底し、人事委員会機能の強化に取り組むとともに、給与情報等の情報公開等により住民自治を原動力として不適切な手当等の是正を徹底する。
    (ア)  給与構造改革の徹底
 地方公務員の給与について、地域の民間給与の水準を的確に反映したものになるよう、上記@の(ア)の国家公務員の給与構造改革に準じた改革を徹底する。
    (イ)  公民比較の見直し
 地方公務員についても、上記@の(イ)、(ウ)及び(エ)に準じた見直しを求めるとともに、人事委員会機能の強化等により、地域の民間給与の実態がより的確に反映されるよう取り組む。
    (ウ)  情報開示による適正化
 総務省が示した地方団体ごとに比較可能な給与情報等公開システムを平成17年度中に構築し、住民自治を原動力として、不適切な手当等の是正を徹底し、給与の一層の適正化を進める。
    (エ)  教職員の給与
 義務教育教職員の人材確保の観点から給与の優位性を定めた学校教育の水準の維持向上のための義務教育諸学校の教育職員の人材確保に関する特別措置法(人材確保法)について、教職員を巡る雇用情勢の変化等を踏まえ、廃止を含めた見直しを行う。具体的には、教職員給与関係の法令を含め、教職員給与の在り方について検討を行い、平成18年度中に結論を得て、平成20年春に所要の制度改正を行う。
     
  B  一般職以外の公務員
 自衛官、秘書官その他の特別職、国有林野事業職員等の現業職員など、国の行政部門の公務員のうち一般職の職員の給与に関する法律が適用されない公務員や、地方の特別職等についても、公務員給与の見直しに準じて給与の見直しを行う。
     
  C  国会・裁判所等の公務員
 国会、裁判所等の公務員についても、行政部門の取組を踏まえ、適切に対処するよう求める。
   
 その他の公的部門の見直し
     
  @  独立行政法人及び国立大学法人法に基づく法人
    (ア)  主務大臣は、国家公務員の定員の純減目標(今後5年間で5%以上の純減)及び給与構造改革を踏まえ、独立行政法人及び国立大学法人法に基づく法人について、各法人ごとに、国家公務員に準じた人件費削減の取組を行うことを中期目標において示すこととする。
    (イ)  各法人は、中期目標に従い、今後5年間で5%以上の人件費(注)の削減を行うことを基本とする(日本司法支援センター及び沖縄科学技術研究基盤整備機構を除く。)。これに加え、役職員の給与に関し、国家公務員の給与構造改革を踏まえた見直しに取り組むものとする。
 各法人の長は、これらの取組を含む中期計画をできる限り早期に策定し、主務大臣は、中期計画における削減目標の設定状況や事後評価等を通じた削減の進捗状況等を的確に把握するものとする。
(注)今後の人事院勧告を踏まえた給与改定分を除く。
    (ウ)  上記の(イ)の取組を踏まえ運営費交付金等を抑制する。
    (エ)  各省庁の独立行政法人評価委員会及び国立大学法人評価委員会は、各法人の人件費削減の取組状況や国家公務員の水準を上回る法人の給与水準の適切性等に関し厳格な事後評価を実施するとともに、総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会においても2次評価を行うこととし、これらの結果を公表する。
     
  A  特殊法人及び認可法人(注1)
    (ア)  主務大臣は、国家公務員の定員の純減目標(今後5年間で5%以上の純減)及び給与構造改革を踏まえ、各法人ごとに、国家公務員に準じた人件費削減の取組を行うことを要請する。
    (イ)  各法人の人件費削減の取組は、主務大臣の要請を踏まえ、今後5年間で5%以上の人員の純減又は人件費(注2)の削減を行うことを基本とする。これに加え、役職員の給与に関し、国家公務員の給与構造改革を踏まえた見直しに取り組むものとする。また、各法人の長は、これらの内容について人件費削減計画の策定に取り組むものとする。
    (ウ)  主務大臣は、法人の予算の認可等に当たり、これらの取組が適切になされているかどうかを厳正に審査する。また、上記(イ)の取組を踏まえ、各法人に対する補助金等を抑制する。
    (エ)  各法人及び主務大臣は、各法人の給与水準について、国家公務員との比較(ラスパイレス指数)の公表を行うとともに、内閣官房において取りまとめ公表する。
      (注1)対象法人は、特殊法人等整理合理化計画の対象とされた法人から、同計画に沿って廃止、民営化等及び独立行政法人化のための措置が講じられた法人、共済組合類型の法人として整理された法人、日本放送協会、日本赤十字社並びに特殊会社を除き、放送大学学園及び銀行等保有株式取得機構を加えたもの(ただし、住宅金融公庫にあっては平成19年3月31日までの間は対象とする。)。
(注2)今後の人事院勧告を踏まえた給与改定分を除く。
     
  B  公益法人等
 主務大臣は、「国と特に密接な関係を持つ公益法人」(「公務員制度改革大綱に基づく措置について」(平成14年3月29日公益法人等の指導監督等に関する関係閣僚会議幹事会申合せ))に対して、同申合せにおける常勤の役員の報酬・退職金等に係る措置に準じて、各法人において職員の給与水準を点検し、必要に応じ見直しを行うよう要請する。
 また、主務大臣は、「特別の法律により設立される民間法人」(臨時行政調査会最終答申(昭和58年3月14日)における「自立化の原則」にのっとって民間法人化した法人及び特殊法人等整理合理化計画に沿って民間法人化した法人をいう(士業団体、事業者団体中央会、株式会社及び農林中央金庫を除く。)。)に対して、「特別の法律により設立される民間法人の運営に関する指導監督基準」(平成14年4月26日閣議決定)における役員の報酬等に係る措置に準じて、各法人において職員の給与水準を点検し、必要に応じ見直しを行うよう要請する。
     
  C  地方公社等
 地方独立行政法人、地方公社や第三セクター等の人員や給与に関する情報を国民に分かりやすく開示させ、改革の取組を促す。
   
 フォローアップ
  @  政府において総人件費について全体として捉え、総合的に調整できるよう仕組みを工夫するとともに、人員や給与に関する情報の国民への分かりやすい開示を徹底し、その根拠や決定過程の透明性を高める。
 このため、内閣官房を中心に、総務省、財務省の協力を得て、総人件費改革の各所管府省等の取組についてフォローアップを行い、その結果を行政改革推進本部に報告するとともに、公表する。また、経済財政諮問会議は総人件費改革の実施状況をフォローアップする。
     
  A  内閣官房、内閣府、総務省において、人件費抑制を始め行政改革に関する先進的な取組が全国に広がるよう、国・地方を通じた優良事例をオープンに議論しその効果を競い合う「行革コンペ」の実施等により競争的環境の醸成に向けて取り組む。

(2)公務員制度改革の推進
 能力・実績主義の人事管理の徹底、再就職管理の適正化等の観点に立った公務員制度改革について、総人件費改革の推進状況等も踏まえつつ、関係者との率直な対話と調整を進め、できる限り早期に具体化を図る。
 また、公務員の労働基本権や人事院制度、給与の在り方、能力主義や実績評価に基づく処遇、キャリアシステム等公務員の人事制度を含めた公務員制度についても、国民意識や給与制度改革の推進状況等も踏まえつつ、内閣官房を中心に幅広い観点から検討を行う。
 当面、改革の着実な推進を図るため、次の事項についての取組を進める。
 公務部門の多様な職場等に定着し、人事管理の基盤的ツールとして活用可能なより実効ある新たな人事評価システムの構築に向け、職員の職務遂行能力、勤務実績をできる限り客観的に把握するための新たな人事評価の第1次試行を平成18年1月から開始する。試行結果の分析等を踏まえた必要な改善を行い、対象範囲を拡大して、平成18年度中に第2次試行を開始するなど、段階的な取組を進める。
   
 官民交流の推進について、各府省と民間企業双方の交流希望の人材・ポストに関する情報を活用しつつ、交流を促進するとともに、大学、研究機関等を含めた幅広い交流を図るため、制度面の見直しに取り組む。
 また、各府省の幹部の1割を目途とした人事交流を行うなど府省間の人事交流を進める。
 このほか、国家公務員採用 I 種試験について、幅広い視野と十分な専門性などをより的確に検証等するために平成18年度から改善がなされることを受け、多様で有為な人材の確保に一層努める。
 計画的な能力開発の促進に資するための方策については、引き続き検討を進める。
   
 独立行政法人、特殊法人、認可法人及び国と特に密接な関係を持つ公益法人の役員への国家公務員出身者の選任・就任に関する累次の閣議決定等の遵守、早期退職慣行の是正の計画的な推進など、適切な退職管理に引き続き取り組む。
   
 職員が留学中又は留学終了後早期に離職した場合に、留学費用を償還させる制度を創設するため、所要の法律案を平成18年通常国会に提出する。

5 政府資産・債務改革

 政府資産・債務改革は、「小さくて効率的な政府」を実現し、政府債務の増大を圧縮するために、欠くことができない。今後とも、これまでの財政投融資改革による財政融資資金の貸付金残高の縮減を維持し、徹底的な歳出削減を図るとともに、売却可能な国有財産の売却促進を行うこと等により、政府の資産・債務規模の圧縮を行う。特に、特別会計改革及び政策金融改革と連動させ、国のバランスシート全体の位置付けの中で積極的に推進する。また、資産・債務の管理の在り方についても、民間の視点・技法をも積極的に活用しつつ、見直しを進める。国及び地方公共団体の資産・債務の管理等に必要な公会計の整備については、企業会計の考え方を活用した財務書類の作成基準等の必要な見直しを行うなど、一層の推進を図る。これにより、政府資産がスリム化され、国の財政に寄与するとともに、内在する金利変動等のリスクも軽減される。
 政府資産・債務管理についての上記の考え方を踏まえ、今後の財政運営に当たっては、

ア 将来の国民負担を極力抑制すること
イ 金利変動など財政運営に関するリスクを適切に管理すること
ウ 債務残高を抑制すること
エ 剰余金・積立金については合理的な範囲にとどめること

を原則とすることを明示し、また、そのために必要な財務情報の開示を徹底する。

(1)政府の資産・債務規模の縮減
 政府資産については、真に必要な部分のみを厳選して保有する。
   
 政府の資産規模の対名目GDP比を、今後10年間で概ね半減させるといったような長期的な目安を念頭におきながら資産のスリム化を進める。
(注)一定の政策目的のために保有している外為資金・年金寄託金等及び売却困難な道路・河川等の公共用財産はスリム化の対象としないが、それぞれの政策目的に照らして、資産を合理的に管理する必要がある。
   
 売却可能な国有財産について一層の売却促進に努める。
   
 明確な必要性がない剰余金・積立金については、国債残高の抑制等を図り国民負担の軽減につなげるために活用する。


(2)資産・債務管理の課題
 時価に基づく売却収入及び機会費用を考慮し、国有財産の売却可能性を検討する。
   
 国有財産の証券化については、対象資産の種類とリスク分散の仕組みや国民負担軽減の観点から検討する。貸付金の証券化についても、幅広い観点からその適否を検討する。
   
 国有財産の管理に当たっては、民間有識者・専門家の知見を十分に取り入れるなど所要の制度的枠組みを整える。
   
 国有財産の管理処分が一層効率的に行える法改正を平成18年通常国会において行う。
   
 民間有識者・専門家の知見を引き続き十分に取り入れながら、専門家集団としての一層の向上など公債の管理政策の一層の充実を図る。


(3)早急に対応すべき課題
 国有財産の有効活用・民間活用の促進
 既存庁舎等の使用について、省庁横断的な調整・監査をこれまで以上に強力に実施し、無駄な使用を解消する。一棟全体が不用となった庁舎等は、速やかに民間等に売却するとともに、一部に余剰が生じた庁舎等については、余剰部分を民間等に貸し付けることができるようにする。
 また、新たに庁舎等を取得する場合においては、保有と賃借のいずれが有利かを厳密に検証し、選択する。
   
 国有財産の売却の促進
 物納財産等の未利用国有地については、積極的な売却努力をする。不整形地などの未利用国有地等について、整形化等を行い早期に売却できるよう、条件整備をする。また、未利用国有地の売却までの間、民間による暫定活用を推進する。
   
 国有財産の高度利用・民間活用、売却促進を強力に推進するため、平成18年通常国会に国有財産法等の改正案を提出する。


(4)国民への説明責任
 財務省は改革の方向と具体的施策を明らかにするため、平成18年度内に、工程表を作成し、経済財政諮問会議に報告する。


(5)地方における取組
 地方においても、国と同様に資産・債務改革に積極的に取り組む。各地方公共団体の資産・債務の実態把握、管理体制状況を総点検するとともに、改革の方向と具体的施策を明確にする。総務省は、各地方公共団体と協議しつつ、目標と工程表の作成などの改革を推進するよう要請する。

6 社会保険庁改革

(1)基本的な考え方
 社会保険庁改革については、内部統制の強化、業務の効率化、保険料収納率の向上、国民サービスの向上等を図る観点から、 本年5月31日の「社会保険庁の在り方に関する有識者会議」最終取りまとめに即して、平成20年10月を目途に、現行の社会保険庁を 廃止するとともに、公的年金と政管健保の運営を分離の上、それぞれ新たな組織を設置する等の解体的出直しを行い、所要の法律案を 平成18年通常国会に提出する。


(2)公的年金の運営主体について
 公的年金については、確実な保険料の収納と給付を確保するとともに、国民の意向を反映しつつ、適正かつ効率的で透明性のある事業運営を図るため、これまでの組織とは異なる機能・構造等を備えた新たな国の行政機関(厚生労働省の特別の機関)を設置する。
   
 具体的には、事業運営に関する重要事項の決定に際して議を経なければならない機関として「年金運営会議」を設置するとともに、会計監査、業務監査及び個人情報管理監査を行う特別な監査体制を整備し、それぞれ複数の外部専門家を登用する。
   
 あわせて、保険料の強制徴収等の強化すべき業務への要員のシフトを図りつつ、市場化テストの拡大等による大幅な人員削減等を行うとともに、民間企業的な能力主義・実績主義に立った人事評価制度の導入、各都道府県に設置された社会保険事務局の廃止及び新たなブロック機関への集約等の地方組織の抜本改革を行う。また、社会保険オンラインシステムの見直し、年金被保険者・受給者カード等の導入の検討等、各般にわたるIT化の推進・サービス向上のための取組を進める。


(3)政管健保の運営主体について
 政管健保については、国から切り離し、全国単位の公法人を設立した上で、都道府県単位の財政運営を基本とした事業運営を行う。
   
 公法人については、関係事業主、被保険者等の意見に基づく自主自律の運営を確保する等、保険者として責任を持った運営を確保する。
   
 政管健保の「適用」及び「徴収」の事務については、事務の効率性、企業の負担軽減等の観点から、相互の独立性を確保しつつ、公的年金の運営主体において併せて実施する。


(4)改革の継続的な推進
 新組織の発足後も、上記の取組を通じた事業運営の効率性、保険料収納率、サービス改善等の状況を総合的に評価し、組織形態を含め全般を見直しながら、継続的に改革を進める。


(5)年金福祉施設等について
 年金福祉施設等については、5年後の廃止を前提とした独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構において整理合理化を進めるとともに、年金福祉施設等の運営等が委託されている公益法人についても、廃止・統合等の抜本的な見直しを速やかに進める。

7 規制改革・民間開放の推進

 規制改革・民間開放は、我が国の経済活性化や国民生活の安定・向上を図っていく上で極めて重要であり、 民間有識者からなる規制改革・民間開放推進会議と全閣僚により構成される規制改革・民間開放推進本部との連携の下、 官製市場や国民生活、産業活動に対する国の関与等に関する規制改革・民間開放を推進する。

(1)「市場化テスト」の本格的導入
 公共サービスの受け手となる国民の視点に立ち、公共サービスの質の維持向上・コストの削減・要否の仕分け等に資するよう、経済財政運営と構造改革に関する基本方針2005等を踏まえ、「公共サービス効率化法(市場化テスト法)案(仮称)」を平成18年通常国会に早期に提出する。


(2)官業の民間開放の推進
 「民間でできることは民間に」という原則を基本として、国が直接実施している事務・事業、独立行政法人、特殊法人、認可法人、公益法人(国からの指定等に基づき特定の事務・事業を実施する法人等)が実施している事務・事業、地方公共団体の事務・事業について、民間委譲(民営化、譲渡)、民間への包括的業務委託又は民間参入に向けた環境整備を積極的に推進する。


(3)主要分野の規制改革の推進
 「規制改革・民間開放推進3か年計画(改定)」(平成17年3月25日閣議決定)に基づき、計画の実施状況の監視やフォローアップ、個別要望や新たな課題への対応など、検討を進める。
 特に、規制改革・民間開放推進会議が「横断的重点検討分野」として掲げる、少子化への対応、生活・ビジネスインフラの競争促進、外国人の移入・在留、「個別重点検討分野」として掲げる医療、教育、農業・土地住宅分野について、同会議の第2次答申の具体的施策を踏まえ、規制改革・民間開放推進本部とも連携を図りつつ、速やかに必要な規制改革を推進する。


(4)規制の評価・見直しの推進
 RIA(規制影響分析)の導入を積極的に推進する。このため、各府省は引き続きRIAの試行を積極的に実施するとともに、総務省は平成18年度中に行政機関が行う政策の評価に関する法律の枠組みの下で、規制について事前評価を義務付けるために必要な措置を講ずる。
   
 通知・通達等法令以外の規定に基づく規制について、規制改革・民間開放推進会議の第2次答申の具体的施策を踏まえ、必要な見直しを推進する。また、制度創設以来一定の年限が経過した規定に基づく規制について、平成18年度中に見直し基準を策定し、見直しを推進する。

8 政策評価の改善・充実

 政策評価の改善・充実を図るため、「政策評価に関する基本方針」(平成13年12月28日閣議決定。平成17年12月16日改定。)等を踏まえ、以下のアからウを始めとする取組を積極的に進める。
 施政方針演説等で示された内閣の重要政策を踏まえ、各府省の政策の体系化を図り、それらに応じた政策評価の重点化・効率化を推進する。
   
 政策評価の質の一層の向上を推進するため、政策体系の明示や達成目標の定量化、データ等の公表等に取り組むとともに、政策評価と予算・決算との連携強化を図る。
   
 政策評価の結果を国民に分かりやすく伝えるよう評価書等の改善を進めるなどにより、国民への説明責任を徹底する。

9 公益法人制度改革

 公益法人制度の改革については、16年行革方針において具体化された「公益法人制度改革の基本的枠組み」に基づき、制度上の枠組みを設計し、法案を平成18年通常国会に提出する。
 また、その具体的内容を踏まえ、新制度施行までの間に、対応する税制上の措置を講ずる。

10 改革の推進

(1)「行政改革推進法案(仮称)」の策定
 本重要方針で定める改革の今後における着実な実施のため、基本的な改革の方針、推進方策等を盛り込んだ「行政改革推進法案(仮称)」を、行政改革担当大臣の下、内閣官房行政改革推進事務局において策定し、平成18年通常国会に提出する。


(2)推進体制の整備
 全閣僚から構成される「推進本部」を設置し、経済財政諮問会議とも連携しつつ、上記の改革の着実な推進とフォローアップを行い、改革を加速する。


(3)「行政減量・効率化有識者会議(仮称)」の開催
 4(1)ア@(ア)のとおり、今後、国の行政機関が行っている事務事業の削減に関し、有識者の知見も活用しながら、行政改革推進本部において成案を得、政府の方針として決定する。このため、「行政減量・効率化有識者会議(仮称)」を開催し、当該会議に関する事項については、行政改革推進本部長が決定する。
 また、「行政減量・効率化有識者会議(仮称)」は、「独立行政法人に関する有識者会議」等の機能を引き継ぐ。


(4)その他
 本重要方針に掲げたもののほか、行政改革の推進に関し、12年行革大綱及び16年行革方針等既定方針に基づく諸改革の着実な実施を図る。
 さらに、毎年度、本重要方針の実施状況に関するフォローアップを12年行革大綱及び16年行革方針に係るフォローアップと併せて行い、その結果を行政改革推進本部に報告し、公表する。


【別表1】
主務府省 法人名 政策評価・独立行政法人評価委員会の勧告の方向性の主な内容
組織形態 役職員の身分 事務及び事業
内閣府 駐留軍等労働者労務管理機構
  • 本部管理部門のスリム化、支部組織のスリム化・統廃合


  • 組織・業務運営の見直しによる大幅な人員削減・コスト削減
総務省 情報通信研究機構 非公務員化
  • 本部の統合、地方拠点の見直し、管理部門の効率化等による総費用の縮減


  • 研究開発を「新世代ネットワーク技術」など3つの領域に重点化
財務省 酒類総合研究所 非公務員化
  • 民間資金を導入することが適当な研究課題の民間機関との共同実施の推進


  • 鑑評会の業界団体との共催等による実施
文部科学省 国立特殊教育総合研究所 非公務員化
  • 特殊教育に関する研究をナショナルセンターとして求められる研究に重点化


  • 長期研修の廃止・転換、都道府県で定着した研修・講習会の廃止
国立国語研究所 非公務員化
  • 国語研究事業を基幹的調査研究と喫緊課題対応型調査研究に再編・整理


  • 日本語教育事業を国語研究の成果等を活用したものに再編・整理
国立美術館 非公務員化
  • 調査研究事業をコレクションの形成、展覧会の実施等に関するものに特化


  • 研修事業の内容を高度で専門的な内容に特化・重点化
国立博物館 統合 非公務員化
  • 2法人の事務・事業の一体的実施


  • 地方への鑑賞機会の提供を地方巡回展から文化財貸与に重点化
文化財研究所
厚生労働省 国立健康・栄養研究所 非公務員化
  • 調査研究を「生活習慣病の予防のための運動と食事の併用効果に関する研究」などに特化・重点化


  • 国民健康・栄養調査の集計業務の期間短縮化、経費節減
農林水産省 農林水産消費技術センター 統合
  • 3法人の事務・事業の一体的実施


  • 地方組織の事務・事業について、統合メリットの最大限発揮等の観点から早期に一体的運営
肥飼料検査所
農薬検査所
種苗管理センター 非公務員化
  • 茶樹の原種生産・配布業務について、早期に民間又は地方に移行の上、廃止


  • 栽培試験業務の実施農場、種苗検査業務の実施農場の集約化
家畜改良センター 非公務員化
  • めん羊、山羊、うさぎの改良・増殖業務について、民間等に移行の上、廃止
林木育種センター 森林総合研究所と統合 非公務員化
  • 森林総合研究所との事務・事業の一体的実施


  • 新品種開発等の対象樹種の重点化
水産大学校 非公務員化
  • 専攻科の規模縮小
経済産業省 経済産業研究所
(注)
  • 法人の任務の明確化及び研究領域の重点化


  • 経済産業政策への反映状況に関する客観的評価の実施
工業所有権情報・研修館 非公務員化
  • 法人の任務・役割の明確化及び業務運営の合理化・効率化・適正化
国土交通省 建築研究所 非公務員化
  • 法人の任務・役割の明確化及び研究業務の重点化・効率
交通安全環境研究所 非公務員化
  • 法人の任務・役割の明確化及び研究業務等の重点化・効率化


  • リコール関係業務の充実・強化
海上技術安全研究所 非公務員化
  • 法人の任務・役割の明確化及び研究業務の重点化・効率化
電子航法研究所 非公務員化
  • 法人の任務・役割の明確化及び研究業務の重点化・効率化
航空大学校 非公務員化
  • 教育業務・整備業務・運用業務・管理業務の見直し・効率化により、職員の削減も含めスリム化
環境省 国立環境研究所 非公務員化
  • 関係機関との連携の在り方も視野に入れた業務見直しを前提とする研究の選択と集中
(注)設立当初より特定独立行政法人以外の独立行政法人(非公務員型)


【別表2】
法人名(所管府省)
事業について講ずべき措置
組織形態について講ずべき措置

日本中央競馬会

  (農林水産省)

事業 【助成金交付事業】
  • 当事業の透明性向上のためにこれまで講じている外部有識者委員会による助成事業の選定・評価、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の規定の準用等に加え、 助成事業の評価結果を全面的に公表する仕組みを導入する。


  • 国の畜産関係補助金との役割分担を明確化する。

【中央競馬関係事業】

  • 競争性のある契約のうち競馬の公正・中立性の確保上支障のない契約については、そのすべての契約を、平成22年までのできる限り早い時期に競争入札に移行させる。


  • 子会社・関係会社の組織・事業の再編・統廃合を実施する。


  • 入札結果・経営内容等の情報開示を一層進める。

【その他】

  • 外部監査を導入する。

組織
  • 現行の組織形態(特殊法人)を継続する。


  • 組織運営について、一層の効率化を図るため、次の措置を講ずる
    • 競馬の公正・中立性の確保上支障のない範囲において主務大臣の関与・規制の緩和。
    • 内部組織として学識経験者等で構成される中立性を有する機関の設置。
    • 当該機関による定量的な経営目標の設定及び業績評価の実施。
    • 当該経営目標の公表及び当該業績評価の結果の公表。
    • 経営不調時における役員解任規定の導入。

地方競馬全国協会

  (農林水産省)



事業 【助成金交付事業】
  • 内部組織として外部有識者から構成される委員会を設け、当該委員会が助成事業の選定及び評価を実施する仕組みを導入する。
  • 助成事業の評価結果を全面的に公表する仕組みを導入する。
  • 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の規定を準用し、助成金の不正な使用の防止等の仕組みを導入する。

【地方競馬関係事業】

  • 地方競馬の開催日程・番組編成の調整、競走の実施の受託事務、共同利用施設の整備等の地方競馬の事業の改善に資する事業を新たに実施する。

【交付金制度】

  • 交付金納付猶予制度の利用の円滑化のための措置を講ずる。

【その他】

  • 外部監査を導入する。

組織
  • 地方共同法人とする。

日本自転車振興会
日本小型自動車振興会

  (経済産業省)



事業 【助成金交付事業】
  • 内部組織として外部有識者から構成される委員会を設け、当該委員会が助成事業の選定及び評価を実施する仕組みを導入する。


  • 助成事業の評価結果を全面的に公表する仕組みを導入する。


  • 外部監査を強化する。


  • 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の規定を準用し、助成金の不正な使用の防止等の仕組みを導入する。

【交付金制度】

  • 交付金納付猶予制度の利用の円滑化のための措置を講ずる。


  • 競技施行者の経営状況及びその改善努力等を踏まえ、交付金制度について検討し、所要の法律案の国会提出時までに結論を得る。

組織
  • 組織の効率化、企画力の向上等を図る観点から、両法人が実施している事業については、競輪事業及びオートレース事業の状況を踏まえつつ、 指定を受けた一つの公益法人が承継することを基本とする。その際、両事業に係る経理を厳格に区分する。


  • 競技施行者である地方自治体関係者を当該公益法人の評議員会等の構成員とすることにより、当該公益法人の運営に地方自治体が参画するものとする。

(財)日本船舶振興会

(国土交通省)

事業 【助成金交付事業】
  • 事業評価を実施し、当該評価結果の評議員会への報告を経て、その結果を助成事業に反映する仕組みを導入する。


  • 助成事業のうち、モデル事業を選定し、当該事業については、上記事業評価に加え、専門の民間会社による評価を実施する。


  • 助成事業の評価結果を全面的に公表する仕組みを導入する。


  • 外部監査を強化する。


  • 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の規定を準用し、助成金の不正な使用の防止等の仕組みを導入する。

【交付金制度】

  • 競技施行者の経営状況及びその改善努力等を踏まえ、交付金制度の在り方について検討し、所要の法律案の国会提出時までに結論を得る。

組織
  • 現行の組織形態(財団法人)を継続する。なお、モーターボート競走法以外の国の規制については、 公営競技関係法人を取り巻く状況等を踏まえ、適切に対応する。



【別表3】
法人名(所管府省) 事業について講ずべき措置
組織形態について講ずべき措置

総合研究開発機構

  (内閣府)



事業
  • 国・地域にとって中長期的に重要となる公益性・政策性の高い業際的・先駆的課題の研究に特化する。


  • 内部組織として学識経験者等で構成される委員会を設け、研究計画の審査や研究成果の評価を実施し、評価等を公表する。
組織
  • 財団法人とする(公益法人制度の抜本的改革を踏まえ、所要の見直しを行う。)。


  • 国の出資金を無利子貸付金に振り替え、一定期間後、割賦償還させる。



【別表4】
法人名(所管府省) 取組状況等

関西国際空港株式会社

   (国土交通省)

@  経営形態の在り方について、「道路関係四公団、国際拠点空港及び政策金融機関の改革について」(平成14年12月17日閣議決定)において、 単独で民営化を進めること等の結論を得た。
A  関西国際空港株式会社において、経営改善計画を策定し、経営改善を進めるとともに、有利子債務の確実な償還を実施中。
B  平成16年度に、会社創立以来初めて経常収支が黒字となった。

日本電信電話株式会社
東日本電信電話株式会社
西日本電信電話株式会社

(総務省)

@  平成17年9月6日に、株式売却(約112万3千株)を実施。これにより、売却可能な政府保有株式の処分を終了。
A  政府保有株式数規制の緩和又は撤廃については、情報通信審議会答申(平成14年2月13日)において、国の安全確保、ユニバーサルサービスの安定的な確保及び我が国の研究開発力の維持に関するすべての条件が満たされることが前提となる旨の結論を得た。
B  今後、上記条件の充足状況を検証し、できる限り早期に政府保有株式数規制について結論を得る。

北海道旅客鉄道株式会社
四国旅客鉄道株式会社
九州旅客鉄道株式会社
日本貨物鉄道株式会社

(国土交通省)


       
@  各社とも中期経営計画を策定し、経営基盤の強化を図っている。
A  平成16年度決算において、経常収支では、北海道は7期連続、四国は6期連続、九州は10期連続、貨物は4期連続のそれぞれ黒字を計上し、黒字基調が定着している。



【別表5】
法人名(所管府省) 講ずべき措置
<検査・検定関係法人>

日本消防検定協会

(総務省)

  • 手数料について、今後5年間で概ね10%引き下げる。


  • 所管省は、消防用機械器具等に関する十分な知見や技術力を有する法人に積極的に働きかける等により、民間参入を促進する。

危険物保安技術協会

(総務省)



  • 手数料について、今後5年間で概ね10%引き下げる。


  • 所管省は、他の民間法人も市町村等から審査の委託を受けることができる旨を周知し、民間参入を促進する。

日本電気計器検定所

(経済産業省)



  • 手数料について、今後5年間で概ね10%引き下げる。


  • 資本関係・人的関係など利害関係の影響を受ける範囲についてのガイドライン等を策定し当該範囲の明確化を図ることにより、 適切な能力・ノウハウを持った民間の参入を促進する。

高圧ガス保安協会

(経済産業省)

 



  • 手数料について、今後5年間で概ね10%引き下げる。


  • 既存の運転設備の増・改築であって、保安管理上問題のないものについては、自主検査の対象範囲の拡充を図る。


  • 所管省は、技術基準作成等の委託に際し、公募制の導入により、その委託単価の透明化を図る。

日本小型船舶検査機構

(国土交通省)



  • 手数料について、今後5年間で実質10%引き下げる。(安全性を考慮した小型船舶の定期的検査の期間延長措置( 3年を4年に延長)及び手数料の見直しによる受検者の負担軽減)

軽自動車検査協会

(国土交通省)



  • 手数料について、今後5年間で概ね10%引き下げる。
<災害防止関係団体>

中央労働災害防止協会
陸上貨物運送事業労働災害防止協会
建設業労働災害防止協会
林業・木材製造業労働災害防止協会
港湾貨物運送事業労働災害防止協会
鉱業労働災害防止協会

(厚生労働省)



  • 効率化を進め補助に係る一般管理費を10%相当削減する等により、経常的経費に係る補助金及び委託費を、 今後5年間で10%削減する。
<士業団体>

日本公認会計士協会

(金融庁)

日本行政書士会連合会

(総務省)

日本司法書士会連合会
日本土地家屋調査士会連合会

(法務省)

日本税理士会連合会

(財務省)

全国社会保険労務士会連合会

(厚生労働省)

日本弁理士会

(経済産業省)

  • 登録手数料について、人件費、物件費等算定根拠を可能な限り具体的に示し、透明化・明確化を図る。
<年金・保険・共済関係法人>

消防団員等公務災害補償等共済基金

(総務省)

  • 業務の一層の効率化により事務費を今後5年間で概ね10%削減するとともに、掛金額を始め基金の経営状況等の公開を一層推進する。


  • 公務災害防止事業について、外部評価を実施し、事業の効率的・効果的な実施を推進する。

企業年金連合会

(厚生労働省)



  • 代行部分の業務について、システム化、外部委託等の推進により一層の効率化を図り、支払件数1件当たりの補助金を今後5年間で10%削減する。


  • 福祉施設について、平成18年度中に独立採算化を図り、達成できない場合は施設を売却する。

石炭鉱業年金基金

(厚生労働省)



  • 福祉施設を地元地方公共団体へ譲渡することについて、関係事業者、関係府省等と検討し、早急に結論を得る。

漁船保険中央会

(農林水産省)


  • 下部団体について合併を促進し、漁船保険制度の安定的な運営を維持する。

全国漁業共済組合連合会

(農林水産省)


  • 掛金の料率改定等により速やかに単年度の収支均衡を図る。


  • 下部団体について合併を促進し、漁業共済制度の円滑な運営を図る。
<事業者団体>

全国農業会議所

(農林水産省)


  • 市町村合併の動向を踏まえ、農業委員会の広域連携を推進し、農業委員会の事業等の効率化を推進する。

全国農業協同組合中央会

(農林水産省)


  • 法人が定めた「組合の組織、事業及び経営の基本方針」に基づき、系統組織の合併、経済事業の見直しを推進し、 系統組織の事業等の効率化を推進する。

日本商工会議所

(経済産業省)



  • 合併のマニュアルを作成するなど、商工会議所の合併を推進し、商工会議所の事業等の効率化を推進する。

全国商工会連合会

(経済産業省)



  • 法人が定めた商工会合併支援計画に基づき、商工会の合併を推進し、商工会の事業等の効率化を推進する。

全国中小企業団体中央会

(経済産業省)

  • 効率化を進め指定事業の経常的経費を10%削減する等により、経常的経費に係る補助金及び委託費を、今後5年間で10%削減する。
<投資育成株式会社>

東京中小企業投資育成株式会社
名古屋中小企業投資育成株式会社
大阪中小企業投資育成株式会社

(経済産業省)



  • 審査基準、投資先選定過程を開示し、業務の透明化を一層推進する。
<その他法人>

自動車安全運転センター

(警察庁)



  • 証明業務の手数料について、今後5年間で概ね10%引き下げる。


  • 一般・企業運転者に対する安全運転研修について、社会的ニーズや他の民間事業者における継続的実施の可能性を踏まえつつ、 平成18年度中に改廃を含めた見直しを行う。


  • 安全運転研修施設の管理等について、平成18年度中に一般競争入札を導入する。

社会保険診療報酬支払基金

(厚生労働省)

  • レセプト電算処理システムについては、今後、段階的にオンライン請求の導入を進め、5年後を目途にほぼすべてのレセプトについて オンライン処理を行えるようにする。


  • レセプト電算処理システムの普及促進、他の審査支払機関との相互受託による競争促進、外部委託の促進による定員削減等組織のスリム 化及び業務の効率化を推進することにより、引き続き、審査支払手数料の適正化を図る。

中央職業能力開発協会

(厚生労働省)

  • 技能検定制度について、新設の職種については、民間の指定試験機関において行うことを原則とする。既存の職種については、 民間の指定試験機関への移行を促進するとともに、経済社会情勢の変化に対応した統廃合を行う。


  • ビジネスキャリア制度については、専門知識・能力の体系化及び能力評価に特化し、厚生労働大臣の講座認定は廃止する。 能力評価試験についても、類似の資格試験の状況を踏まえ整理合理化を図る。


  • 総収入に占める補助金及び委託費の割合の50%程度への引下げに向け、今後5年間で、補助に係る一般管理費を10%相当削減する等により、 経常的経費に係る補助金及び委託費を10%削減する。

農林中央金庫

(農林水産省)


  • 信用農業協同組合連合会との統合等により、系統組織の金融業務の効率化及び健全な運営を図る。

日本勤労者住宅協会

(国土交通省)


  • 継続事業の実施による借入金の返済に努め、今後3年以内を目途に法人を廃止する。

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