国の行政機関の定員の純減につけて
 
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国の行政機関の定員の純減について

平 成 1 8 年  6 月  3 0 日
  閣   議   決   定
 

  行政改革の重要方針(平成17年12月24日閣議決定)における総人件費改革の実行計画及び簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律(平成18年法律第47号)第二章第四節の総人件費改革に基づく国の行政機関の定員(約33.2万人)の純減については、以下のとおりとする。

1  国の行政機関の定員の5年5%以上の純減
   国の行政機関の定員(平成17年度末定員を基準とする。以下同じ。)332,034人に対して、平成18年度から22年度までの5年間で5%以上の純減を行う。具体的には(1)及び(2)により18,936人(5.7%)以上の純減を確保する。
 これを達成するため必要となる職員の配置転換、採用抑制等については、別途定めるところにより、政府全体として取り組む。
     
  (1) 重点事項における業務の大胆かつ構造的な見直しによる純減
      2(1)の重点事項については、行政減量・効率化有識者会議の最終取りまとめを踏まえ、業務の大胆かつ構造的な見直し(以下「業務見直し」という。)により、事業の要否及び主体について仕分けを行い効率化を図り、事務事業の削減を強力に進める。これにより、国の行政機関の定員について5年間で13,936人(4.2%)以上の純減を確保する。
     
  (2) 厳格な定員管理による純減
      定員合理化計画(定員の10%以上の合理化)を着実に実施するとともに、メリハリをつけつつ増員を厳しく限定する厳格な定員管理(以下「定員管理」という。)を行う。これにより、行政需要の変化に対応した定員の再配置を進めつつ、国の行政機関の定員について5年間で5,000人(1.5%)以上の純減を確保する。
     
2  重点事項別の取組等
   上記1の純減を実施するため、次のとおり取り組む。このうち(1)及び(2)の事項別の業務見直し等の内容は、別紙のとおりとする。
     
  (1) 次の重点事項については、業務見直し及び定員管理により、次のそれぞれの目標数以上の純減を行う。
   
@  農林統計等関係
     定員5,008人(農林統計部門4,132人及び情報部門876人)について、定員管理による1,300人の純減に加え、業務見直しにより1,106人を純減することにより、2,406人を純減する。
A  食糧管理等関係
   定員7,393人(食糧管理部門3,297人及び消費・安全部門4,096人)について、定員管理による1,207人の純減に加え、業務見直しにより989人を純減することにより、2,196人を純減する。
B  北海道開発関係
   定員6,283人について、定員管理による617人の純減に加え、業務見直しにより386人を純減することにより、1,003人を純減する。
C  社会保険庁関係
   定員17,365人について、定員管理による1,000人以上の純減に加え、業務見直しにより2,000人程度を純減することにより、3,000人以上を純減する。
D  森林管理関係
   定員5,264人について、定員管理による369人の純減に加え、業務見直しにより2,041人を純減することにより、2,410人を純減する。
E  国立高度専門医療センター関係
   定員5,629人について、業務見直しにより5,600人程度を純減する。
F  国有財産管理関係
   定員1,777人について、定員管理による136人の純減に加え、業務見直しにより45人を純減することにより、181人を純減する。
G  官庁営繕関係
   定員1,199人について、定員管理による72人の純減に加え、業務見直しにより50人を純減することにより、122人を純減する。
H  国土地理院関係
   定員797人について、定員管理による50人の純減に加え、業務見直しにより20人を純減することにより、70人を純減する。
I  自動車登録関係
   定員930人について、定員管理による128人の純減に加え、業務見直しにより10人を純減することにより、138人を純減する。
J  ハローワーク関係及び労働保険(労災)関係
   定員17,178人について、定員管理による純減のほか、業務見直しにより738人を純減する。
K  登記・供託関係
   定員10,253人について、定員管理による純減のほか、業務見直しにより759人を純減する。
L  気象庁関係
   定員5,958人について、定員管理による純減のほか、業務見直しにより192人を純減する。
  (注)上記の重点事項については、定員管理による純減が少なくとも4,869人以上(@からIまでの事項に係る分からBとGの重複分10人を除いたもの)、業務見直しによる純減が13,936人以上となる。
     
  (2) 次の重点事項については、次のとおり、業務見直しを行う。
   
@  行刑施設関係
     従来から民間委託を実施している非権力的業務について民間委託数を719ポスト拡大するとともに、PFI方式や構造改革特区の活用等あらゆる手法を用いて民間委託の拡大を図ることなどにより、増員幅の抑制に努める。
A  防衛施設関係
   防衛施設庁解体後の新たな防衛組織の構築に当たっては、徹底した業務見直しを行い、組織・定員を減量・効率化する。
     
  (3) 定員合理化計画の着実な実施と真に必要な行政需要への適切な増員により、定員管理による純減として、(1)の@からIまでの事項に係る分((1)の(注)参照)に加えて国の行政機関のうちこれらの事項以外の分野に係る分により、5,000人以上を確保する(注)。
 (注)平成18年度実績は1,455人の純減(5,675人の増員、7,130人の削減)
     
3  今後の取組
  (1)  事項別の純減数については実際の取組状況等に応じて適切に見直しを行うとともに、行政減量・効率化有識者会議の最終取りまとめにおいて指摘された課題の実現を図る。
     
  (2)  上記1及び2の取組については、毎年度の定員審査を通じて厳しく精査する。
 その際、各府省の減量・効率化に関する取組方針として取りまとめている「減量・効率化方針」を毎年改定することとし、この中で特に地方支分部局の業務及びIT化に係る業務について見直しを徹底し、重点的に定員合理化を図る。
 地方支分部局の整理合理化については、既往の閣議決定等に基づき、今後の事務事業の見直し及び定員の純減の進展等に併せて、引き続きその統合、廃止及び合理化を推進することとし、結論を得られたものについて逐次実施に移す。その際、IT化の進展、競争の導入による公共サービスの改革の進展、中央省庁等改革の実施状況の点検及び道州制の導入に係る議論その他地方分権推進の状況等を踏まえる。
     
  (3)  行政改革の重要方針等に基づき独立行政法人化の検討を行う際には、既に別紙中に方針が明記されたものを除き、非公務員型独立行政法人化について検討を行う。
     
  (4)  この閣議決定の実施に必要な制度や組織の改廃に関する法律上の措置については、できる限り早期に実施するとともに、5年間の純減の実施状況を踏まえ、行政機関の職員の定員に関する法律(昭和44年法律第33号)の定める定員の総数の最高限度を引き下げる。
 
別紙
 
重点事項名 業務見直し等の内容
農林統計等関係
@  農林統計部門4,132人について、次のとおり、定員管理と業務見直しを合わせて1,904人を純減する。
  実地調査の原則廃止により1,167人を純減
  企画・取りまとめ業務の合理化により538人を純減
  管理業務の合理化により199人を純減
A  情報部門876人について、業務内容を重点化し、定員管理と業務見直しを合わせて502人を純減する。
B  以上のほか、次の見直しを行う。
  農政改革の進展に応じて、個々の統計調査の必要性や情報業務の内容を不断に見直す。その一環として、職員による実地調査として残る統計調査の調査員調査、郵送調査への移行を進め、一層の減量・効率化を推進する。
  今回の定員純減を踏まえて、関連組織の整理合理化を行う。
食糧管理等関係
@  食糧管理部門3,297人について、次のとおり、定員管理と業務見直しを合わせて1,647人を純減する。  
  主要食糧の備蓄運営・国家貿易業務に係るシステム最適化により266人を純減
  農産物検査業務についての国の関与の縮減により123人を純減
  米穀の生産調整及び米麦の生産・流通調査業務の調査方法等の見直しにより921人を純減
  管理業務の合理化により337人を純減
A  消費・安全部門4,096人について、次のとおり、定員管理と業務見直しを合わせて549人を純減する。
  食品表示監視業務について、実施方法等の見直しにより314人を純減
  食品価格・需要動向調査業務の調査方法の見直しにより47人を純減
  管理業務の合理化により188人を純減
B  以上のほか、次の見直しを行う。
  米政策改革や農政改革の進展に応じて、仕事のやり方自体を含めて不断に業務見直しを行う。その一環として、主要食糧の備蓄運営・国家貿易業務、農産物検査及び米穀の生産調整業務について、一層の減量・効率化を推進する。
  今回の定員純減を踏まえて、関連組織の整理合理化を行う。
北海道開発関係
@  北海道開発関係6,283人について、次のとおり、定員管理と業務見直しを合わせて1,003人を純減する。 
  事務所・事業所等の統廃合の推進、開発建設部の内部組織の統合等、組織体制・業務処理体制の抜本的見直しにより355人を純減
  現場技術業務、道路巡回業務等の民間委託を大幅に拡大することにより400人を純減
  札幌開発建設部と石狩川開発建設部を統合し、内部管理部門を合理化することにより50人を純減
  「道州制特別区域における広域行政の推進に関する法律案」の施行及び北海道による所定の事業の委譲受入れにより60人を純減
  防災・技術センター等で実施している技術開発関連業務等を独立行政法人土木研究所に移管することにより138人を純減
A  以上のほか、今後とも統合等による組織のスリム化等の体制の見直しを検討する。
社会保険庁関係
@  社会保険庁関係17,365人について、「社会保険庁の組織・業務改革に伴う人員削減計画」(注)に基づき、次のとおり、定員管理と業務見直しを合わせて3,000人以上を純減する。
  政府管掌健康保険の公法人への移管により2,000人程度を純減
  業務の外部委託等により1,000人以上を純減
  (注)平成17年12月に社会保険庁が策定。平成18年度から7年間で、政府管掌健康保険の公法人(非公務員型)への移管(2,000人程度)を含めて、17年度に比較し、常勤公務員の定員を20%以上(3,500人程度)純減する。
A  以上のほか、次の見直しを行う。
  社会保険庁改革の中で、業務フローの見直しや法令遵守の強化を含め、仕事のやり方自体の改革を早急に進める。
  新組織発足後も不断に改革を進めるとともに、総人件費の改革期間が5年間であることを踏まえ、改革の前倒しに努める。
  社会保険・労働保険の適用・徴収業務について、整合的な情報システムを構築しつつ徴収事務の一元化等の取組を着実に進め、実施体制の効率化と利用者の利便性の向上を推進する。
森林管理関係
@  森林管理関係5,264人について、次のとおり、定員管理と業務見直しを合わせて2,410人を純減する。
  業務の効率化により440人を純減(うち定員管理による純減369人)
  人工林の整備、木材販売等の業務の非公務員型独立行政法人への移行により1,970人を純減
A  以上のほか、次の見直しを行う。
  独立行政法人への移行後の国及び独立行政法人の具体的組織体制については、十分に精査し効率化を図る。
  区分経理の在り方など今後の特別会計改革において検討される事項についての結論を踏まえ、更に定員の合理化を図る。
国立高度専門医療センター関係
@  国立高度専門医療センターについて、今後ともナショナルセンターとしての機能を的確に果たせるよう、必要な制度的・財政的な措置を講じた上で自律的かつ効率的な事業運営を行うことにより、その機能の充実発展を図りつつ、非公務員型独立行政法人とする。これにより、国立高度専門医療センター関係5,629人について、5,600人程度を純減する。
A  以上のほか、次の見直しを行う。
  法人化後を含め、業務の効率化や債務返済計画等について検討し、必要な措置を講ずる。
  法人形態の検討に当たっては共通業務の合理化・効率化に留意するとともに、法人化後は、法人形態の如何を問わず中期目標の下で業務運営の効率化を図る。
国有財産管理関係
@  国有財産管理関係1,777人について、次のとおり、定員管理と業務の見直しを合わせて181人を純減する。
  行政財産関係について、ITの活用等により76人を純減
  普通財産関係について、ITの活用等及び民間委託により81人を純減
  公務員宿舎関係について、ITの活用等及び民間委託により24人を純減
A  今後5年間は、新規増員要求を行わない。
B  以上のほか、定型的業務の民間委託に限らず、高度利用等のノウハウを有する民間部門などの知見を活用するための工夫を行う。
官庁営繕関係
 官庁営繕関係1,199人について、次のとおり、定員管理と業務見直しを合わせて122人を純減する。
  「保全業務支援システム」の利用の普及促進により、保全の実地指導に関する業務40人、保全実態調査の評価等に関する業務25人を純減
  位置・規模・構造の基準の設定等に関する基礎的調査業務の民間委託の拡充により36人を純減
  国家機関の建築物の企画・調達に関する業務の企画段階における関係機関との調整の充実強化により10人、入札契約の運用に係るマニュアル化の促進により11人を純減
国土地理院関係
@  国土地理院797人について、次のとおり、定員管理と業務見直しを合わせて70人を純減する。
  公共測量の指導・調整に関する業務の外部委託により13人、測量成果に係る審査業務における第三者機関による検定の活用の拡充による業務の合理化により7人を純減
  地図の修正に係る基本情報調査業務等の外部委託を含む業務の合理化により13人を純減
  GISの開発・導入等による業務の合理化により10人を純減
  内部管理業務の電子処理の推進、業務処理の集中化等により27人を純減
A  大規模災害等現状では予測し難い状況への対処を除き、今後5年間は、新規増員要求を行わない。
自動車登録関係
@  自動車登録関係930人について、次のとおり、定員管理と業務見直しを合わせて138人の定員を純減する。
  登録業務のうち登録事項等証明書の交付業務の民間委託により10人を純減
  その他の登録業務の効率化により108人を純減
  回送運行許可等の登録関係業務の効率化により20人を純減
A  今後5年間は、新規増員要求を行わない。
B  以上のほか、自動車保有関係手続のワンストップサービスの拡大及びその利用率の向上に努め、着実に定員の合理化を図る。
ハローワーク関係及び労働保険(労災)関係
@  ハローワーク・労働保険(労災)関係17,178人について、定員管理による純減のほか、次のとおり、業務見直しにより738人を純減する。
  職業紹介関連業務について、市場化テストを含む民間委託により501人を純減
  労働保険の適用・徴収関連業務について、民間委託や社会保険との滞納整理の一元化等により202人を純減
  雇用保険三事業の助成金の審査・支給業務の効率化により35人を純減
A  以上のほか、次の見直しを行う。
  職業紹介業務について、社会経済情勢の変化に応じて、民間参入の拡大や民間委託等を推進する。
  雇用保険三事業の廃止を含めた徹底的な見直しについてできる限り早期に結論を得て、それに応じた定員の純減を行う。
  社会保険・労働保険の適用・徴収業務について、整合的な情報システムを構築しつつ徴収事務の一元化等の取組を着実に進め、実施体制の効率化と利用者の利便性の向上を推進する。
登記・供託関係
@  登記・供託関係10,253人について、次のとおり、定員管理による純減のほかに業務見直しにより759人を純減する(注)。
  (注)なお、次の取組による削減数は1,588人
  登記事項証明書の交付等の証明事務について、市場化テストを実施し民間委託を行うことにより1,181人を削減(このうちオンライン利用による合理化に相当する422人を差し引いた759人を純減)
  法務局・地方法務局の支局・出張所の統廃合により57人を削減
  利用しやすいシステムへの改善等により登記申請事件等処理事務のオンライン利用率50%を実現し、350人を削減
A  以上のほか、次の見直しを行う。
  上記@の市場化テストの実施に当たっては、発注内容等を最大限に工夫しできるだけ多くの企業の入札参加を可能にすること及び入札企業の業務上の工夫がいかされるようにすることにより、民間活力を最大限に活用する。
  登記申請事件等処理事務について、業務処理過程・体制を抜本的に見直す。
  地図情報システムの導入による効率化に伴う定員削減及び法務局・地方法務局の支局・出張所の統廃合による定員削減の更なる積増しの検討について、できる限り早期に結論を得て、定員を合理化する。
気象庁関係
@  気象庁5,958人について、定員管理による純減のほか、次のとおり、業務見直しにより192人の定員を純減する。
  気象研究所を非公務員型独立行政法人とすることにより174人を純減
  解説業務の遠隔化及び観測業務の可能な限りの自動化を実施することにより測候所を原則廃止し、18人を純減
A  以上のほか、機械化・自動化の進展等を反映した予報・観測業務の一層の効率化について、毎年度の厳格な定員管理の枠組みの中で厳しくチェックを行い、更なる定員の純減数の確保に取り組む。
B  今後、気象大学校において地方気象台の中核的な要員を育成するシステムに              
ついて、中立的な立場から評価を実施し、結果を公表する。
行刑施設関係
 行刑施設関係について、次のとおり、業務見直しにより増員幅の抑制に努める。
  従来から民間委託を実施している非権力的業務について民間委託数を719ポスト拡大する。
  PFI方式や構造改革特区の活用等あらゆる手法を用いて民間委託の拡大を図る。
 
行政職職員の配置も含め非権力的な業務について更に見直しを行い、民間委託を行う業務の範囲及びポスト数の拡大を検討する。
防衛施設関係
@  防衛施設庁解体後の新たな防衛組織の構築に当たっては、徹底した業務見直しを行い、組織・定員を減量・効率化する。
A  調達に係る業務を処理する「透明性の高い実施部門」の組織の在り方については、独立行政法人制度の特性に十分に留意して検討する。
(注)各事項に共通して、管理業務の効率化を進める。
 

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