特殊法人等改革推進本部参与会議第8回議事概要


1.日時  平成14年12月16日(月) 10:00〜12:30

2.場所  総理官邸大会議室

3.出席者
若松謙維議員
[参与]
飯田亮、朝倉敏夫、小幡純子、樫谷隆夫、草刈隆郎、富田俊基、船田宗男、宮脇淳
[内閣官房]
伏屋和彦内閣官房副長官補
[内閣府]]
坂野泰治道路関係四公団民営化推進委員会事務局長、浜野潤金融改革準備室長
[国土交通省]
河崎広二政策統括官、松野仁住宅局長
[環境省]
炭谷茂総合環境政策局長、南川秀樹環境保健部長
[事務局]
堀江正弘特殊法人等改革推進本部事務局長
ほか
4.主な議題

5.議事経過

(1)若松謙維議員から特殊法人の責任者(CEO)の公募採用及び公会計の整備について説明が行われた後、各参与から発言があった。主な発言は次のとおり。
  • 予算で行政をコントロールするという議会制民主主義の原則の重要性が考慮されていない。特殊法人の問題にしても、議会できっちりと審議されていないということが問題であり、単に天下りや行政のせいにしているのは疑問。総務副大臣として、独立行政法人制度を定着させることを最優先すべき。公会計制度についても、議会が予算で行政をコントロールするに当たっての手段にすぎず、財政運営の規律の確保の問題と公会計の問題が整理されていない。ただし、行政の側がアカウンタビリティを実行するための手段として公会計を活用することには賛成。
  • 会計は一つの道具に過ぎないものの、重要な道具であることから、予算によって行政をしっかりとコントロールするためにも公会計制度を整備すべきであろう。
 
(2)内閣府から道路関係四公団及び政策金融の改革について資料に沿って説明が行われた後、各参与から発言があった。主な発言は次のとおり。

@道路関係四公団
  • 短期間に突っ込んだ議論がなされており、批判もあるようだが、整理合理化計画に沿った充実した内容の報告。委員の努力に敬意を表したい。報告の中で一番価値があるのはファミリー企業の分析。ファミリー企業の自己増殖を止めることは重要。
  • 委員の努力に敬意を表する。これからの問題として、@縦割りで細分化されている道路建設手法の見直し、A道路の有効活用のためPA開設等の情報をより早く公開すること、B現在進行中の道路建設を止める場合のルール化、の3点を指摘しておきたい。
  • 新会社が10年後に道路資産を買い取るとあるが、元利均等の40年返済となると、住宅ローン同様に当初は金利の返済ばかりになるのではないか。そうすると、10年後、ほとんど債務が減っていない状態で資産を買い取ることになるが、それで上場できるのか。
  • 10年後の道路資産買取りの際に、国民の負担はなくなる、即ち国からの借金はその時点で返済されるという認識でいるのかどうか。
  • 道路の最終報告は、これまでよりも踏み込んだ具体策を相当盛り込んだもの。これから政治の分野でもやり取りが始まるだろうが、参与会議でもこの答申を尊重し、実行されるよう支援すべきではないか。
  • 将来の人口減少に伴い、保守的に考えれば経済力は減少する。このため、債務は早く返済するように努力すべきであり、新規に道路を作る場合も借金はつくらないようにすべき。
  • ファミリー企業の関連で、入札参加資格要件の2002年度内の撤廃について、しっかり取り組むべき。
A政策金融機関
  • 過去に貸し付けている工業団地等の整理案件が出てくる。減資を視野に入れざるを得ない。過去の貸し付けの整理、スキームを視野に入れた議論が必要。
  • 債務保証等の方が、直接融資よりも良いという価値判断は入っているのか。
 
(3)国土交通省から住宅金融公庫及び都市基盤整備公団について資料に沿って説明が行われた後、各参与から発言があった。主な発言は次のとおり。

@都市基盤整備公団
  • 都市再生に民間とパートナーシップを組んで事業を行うためには、新独法において組織の効率性を確保するため、意志決定、行動様式など組織そのものの在り方を変えていくことが必要ではないか。
  • 都市基盤整備公団が移行する独立行政法人のように多様な業務を行う法人については、とりわけ中期目標、中期計画を具体的なものにすることが必要である。
  • 新独法が担う都市再生のための事業については、法人自らが行う事業は縮減していく一方、民間が事業を展開するための条件整備を中心に行うことによって、都市再生のための事業全体が進み、結果的に拡大するという考え方をした方が良いのではないか。
  • 賃貸住宅の管理の民間委託、可能なものの売却を進めるべきである。
  • 新規の宅地分譲住宅、自ら土地を取得して行う賃貸住宅など、特殊法人等整理合理化計画で明確に指摘されたものについては、新独法になった後、実施することがないようにしていただきたい。
  • 来年度予算要求にある、高齢者向け優良賃貸住宅供給のための家賃軽減措置については、民間でできることであり、公団が行う必要がないのではないか。
  • 公団が独法になることによって、ファミリー企業も含めて、どの程度スリム化されるかなどについて、明らかにしていただきたい。
  • 民間の需要が明らかでないのに、新独法が土地を整備し、結果として上物も新独法が作ってしまうことになるとしたら、これまでの公団と全く変わらない。提出資料にある「新規賃貸住宅建設からの原則撤退」は、「原則」ではなく、「撤退」すべきであり、特殊法人等整理合理化計画の基本精神を忠実に反映していくため、参与会議としても新規建設が行われないよう厳格にチェックしていくことが必要と考えている。
  • 新独法で撤退する業務及び経過措置業務についての将来的な見通しはどうか。
  • ニュータウン事業などについては、今ではいわゆる不良資産的なものがあり、含み損が発生していると考えられるが、独法化に当たって、債務処理はどの程度進められる見通しがあるか。
A住宅金融公庫
  • 住宅金融公庫については、証券化支援業務を行う独立行政法人をあえて設置する必要があるのか疑問である。
  • 公庫の融資業務については、民間金融機関が円滑に業務を行っているかどうかを勘案して、独立行政法人設置の際に最終決定するとされていることについては、民間金融機関の融資が円滑に行われるかどうかの鍵を握っているのは公庫である。少なくとも公庫の直接融資の戸数は、実状に併せて減らすべきであり、公庫の改革を踏まえて縮減していくことが重要である。
  • 証券化支援業務については、債権買取の金利を公庫が主導で決めることによって民間金融機関の長期・固定の融資の量も決まってしまう。これについては、これからの公庫の在り方として重要な問題であるので、引き続き議論することが必要である。
 
(4)環境省から環境事業団及び公害健康被害補償予防協会について資料に沿って説明が行われた後、各参与から発言があった。主な発言は次のとおり。
  • 公害健康被害補償予防協会の業務を承継する法人については、ガヴァナンスの構造等について、他の独法とは異なった観点からの工夫が必要。
  • 環境事業団の不良債権については処理スキームを明確に示すことが必要。
  • 国の環境政策と密接な関連を有するという両法人の特色を踏まえた検討が必要。
 
(5)次回参与会議は平成15年1月27日(月)15:00〜17:00に開催することとされた。

(文責 特殊法人等改革推進本部事務局 速報のため事後修正の可能性あり)


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