先行7法人の改革の方向性について
平成13年11月27日
特殊法人等改革を進めるにあたり、今般の特殊法人等改革全体を牽引することを目的に、国からの財政支出も大きく、国民の関心も高い道路4公団(日本道路公団、首都高速道路公団、阪神高速道路公団、本州四国連絡橋公団)、住宅金融公庫、都市基盤整備公団、石油公団の7法人について、総理の指示により、他の法人に先駆けて結論を得ることとされましたが、その内容が、11月27日に開催された「特殊法人等改革推進本部(第4回)・行政改革推進本部(第7回)合同会議」において、「先行7法人の改革の方向性について」として報告されました。 |
(道路四公団)
日本道路公団、首都高速道路公団、阪神高速道路公団、本州四国連絡橋公団は廃止することとし、四公団に代わる新たな組織、及びその採算性の確保については以下の基本方針の下、内閣に置く「第三者機関」において一体として検討し、その具体的内容を平成14年中にまとめる。
- 日本道路公団
(1) 組織
新たな組織は、民営化を前提とし、平成17年度までの集中改革期間内のできるだけ早期に発足する。
(2) 事業
@ | 国費は、平成14年度以降、投入しない。 |
A | 事業コストは、規格の見直し、競争の導入などにより引下げを図る。 |
B | 現行料金を前提とする償還期間は、50年を上限としてコスト引下げ効果などを反映させ、その短縮を目指す。 |
C | 新たな組織により建設する路線は、直近の道路需要、今後の経済情勢を織り込んだ費用対効果分析を徹底して行い、優先順位を決定する。 |
D | その他の路線の建設、例えば、直轄方式による建設は毎年度の予算編成で検討する。 |
- 首都高速道路公団・阪神高速道路公団
日本道路公団と同時に、同様の民営化を行う。なお、国・地方の役割分担の下、適切な費用負担を行う。
- 本州四国連絡橋公団
日本道路公団と同時に民営化する。なお、債務は、国の道路予算、関係地方公共団体の負担において処理することとし、道路料金の活用も検討する。
(住宅金融公庫)
住宅金融公庫については、5年以内に廃止する。
- 融資業務については、段階的に縮小する。
- 住宅金融公庫が先行して行うこととしている証券化支援業務については、これを行う法人を設立する。
- 融資業務については、民間金融機関が円滑に業務を行っているかどうかを勘案して、法人設立の際、最終決定する。
(都市基盤整備公団)
都市基盤整備公団は集中改革期間中に廃止する。
- 自ら土地を取得して行う公団賃貸住宅の新規建設は行わない。
- 賃貸住宅の管理については、可能な限り民間委託の範囲を拡大し、効率化を図る。
- 都市再生に民間を誘導するため、事業施行権限を有する法人を設立する。
(石油公団)
石油公団は廃止する。
- 以下の機能については、類似法人に統合する。
(1) | 石油開発のためのリスクマネー供給機能(リスクマネーは出資に限定する。)
国の支援割合は5割以下とする。
※なお、原油等生産会社への融資業務は既存の政策金融機関へ移管する。 |
(2) | 研究開発機能 |
(3) | 国家備蓄統合管理等の機能 |
- 国家備蓄は国の直轄事業として行う。
現行の国家石油備蓄会社(8社)を廃止し、基地操業に係る具体的業務は純民間企業に委託する。
- 現在、石油公団が保有する開発関連資産は、厳正に資産評価を行い、整理すべきものは整理し、売却すべきものは売却するなど、適正な処理を行う。
なお、資産処分等清算のための組織を期限付きで設置(3年程度)して処理に当たらせ、その終結を待って特殊会社を設立し民営化を行う。
|