<法人名:農畜産業振興事業団>
所管省庁:農林水産省
事務局案所管省庁の意見
【畜産物・生糸・砂糖価格安定】
事業全般の意義について、明確化が必要。特に、
@指定食肉売買
○ 実績が少なく事業の意義が乏しくなっているため、廃止する。



○ 指定食肉の売買事業は、生産者の自助努力による価格回復への取組が十分に効果を発揮しない場合において、事業団自らが市場に介入して価格回復を図る事業であり、食肉の価格安定の最後の切り札として必要である。
A乳製品の委託生産のあっせん
○ 地方公共団体に移管する。(参考:生乳等取引契約に係る紛争に係るあっせんは都道府県知事が行うこととされている。)

○ あっせんを受ける生産者団体が広域化して複数の都道府県にわたっていること、また、委託加工し得る乳業工場が必ずしも全ての地方公共団体に存在しないこと等を十分に踏まえつつ、適切な実施方法等について検討する。
B加工原料乳生産者補給交付金
○ 効果・必要性を検証しつつ、生産性の向上を補給金の減額に反映させること等により、縮減する。

○ 我が国全体の生乳供給バランスを確保するとともに、我が国酪農を振興する観点から、取引条件の不利な加工原料乳の不利性の補正、加工原料乳地域での生乳の再生産確保を図るための本制度は必要不可欠である。また、補給金の単価は、生乳の生産費等を考慮し、毎年、適正に決定している。生産性の向上等の結果、近年、本交付金の額は減少傾向にあるが、制度の趣旨からみて、一概に縮減そのものを方針として運用することは不適切である。
C肉用子牛生産者補給交付金等
○ 輸入自由化から10年を経過しており、その効果・必要性を検証しつつ、生産性の向上を価格の算定に反映させるとともに、国の負担率の見直し等により、縮減する。

○ 牛肉の輸入自由化が肉用子牛の価格に及ぼす影響に対処して肉用子牛生産と肉用牛生産の安定を図るための本制度は、今後とも必要不可欠である。また、@保証基準価格は生産条件及び需給事情等を考慮し、合理化目標価格は生産費を基準として、毎年適正に決定しているほか、A国の負担率については、輸入自由化の影響部分である保証基準価格から合理化目標価格までの間の低落については全額負担であるものの、需給等に係る影響分である合理化目標価格以下の価格低落分については1/2となっており、これ以上の引き下げは困難である。このように、制度の趣旨からみて、一概に縮減そのものを方針として運用することは不適切である。
D生糸輸入・売渡(価格高騰時)
○ 実績が少なく事業の意義が乏しくなっているため、廃止する。

○ 本事業は、国家貿易機関としてWTO協定を履行するための事業であること、また、価格高騰時における迅速かつ適切な輸入、売渡しを機動的に実施する必要があることから、今後とも引き続きこの枠組を維持していくことが不可欠である。
E生糸の短期保管
○ 実績が少なく事業の意義が乏しくなっているため、廃止する。仮に意義が認められる場合についても、その本質はファイナンスにあることから、政策手法を金融に改めた上、金融を主たる業務とする法人の行う事業に統合する。

○ 生糸の価格変動に対処して、買入れ、保管及び売渡しを実施することにより短期的な需給調整を図り、併せて製糸経営の安定にも資するとの本事業の施策目的を踏まえ、適切な実施方法等について検討する。
F国内産糖交付金
○ 甘味資源作物の生産性の向上、国内産糖の製造コストの低下を価格の算定に反映させること等により、縮減する。

○ 甘味資源作物の生産性の向上、国内産糖の製造コストの低下を図ることは必要と考えているが、国内産糖交付金は、砂糖の市価の下落等の要因により増加することもあり、一概に縮減そのものを方針として運用することは不適切である。
(以下の項目については、見直しの結果実施する業務について適用する。)
○ 費用対効果の分析・公表を行う。


○ 今後、適切な費用対効果の分析・公表を行う。
【畜産振興・蚕糸業振興の助成等】
○ 情報化の進展(電子政府の構築)等の社会経済情勢の変化を踏まえ、かつ、補助金等の配分に係る国の責任の明確化を図る観点から、第三者に助成金等を交付することを目的とした補助金等については、国が直接交付するのではなく国以外の法人を経由したほうが合理的・効率的であることが明らかな場合を除き、最終交付先へ国から直接交付する。

○ 農畜産業振興事業団の助成事業は、国が実施要綱を定め、それに基づいて実施する等国の明確な指示の下、国の行う補助事業等を補完し、又は諸情勢の変化に緊急に対応する等の観点から、事業団が有する事業実施上の機動性・弾力性に着目して実施しているものであり、引き続き事業団を経由して行う仕組が不可欠である。
○ 以下の項目を、畜産・生糸・砂糖それぞれの事業に適用する。
国が明確な政策目標を定め、合わせて当該目標が達成された場合又は一定期間経過後には助成措置を終了することを明記する。


国の目標については、「食料・農業・農村基本計画」等に明確に定め、助成事業も、国の事業を補完するものとして、この目標の達成のために実施しており、一定の効果を上げている。事業内容の見直しについては、これらの目標の達成状況を踏まえつつ、その時々の情勢を踏まえた対応を行うことが必要であり、一律に終期を定めることは不適切である。
振興助成の各事業について、政策効果の達成度合いに応じて縮減を図る。
各事業については、国の目標の達成状況を踏まえつつ、その時々の情勢を踏まえた対応を行うこととしており、一律に縮減することは不適切である。
振興助成・給付の対象となった事業について適切に評価を行い、その結果を事業に反映させる仕組みを検討する。
農畜産業振興事業団の運営審議会において、事業の運営等について審査・評価をうけるとともに、具体的な事業内容については、内外の社会経済情勢の変化等を踏まえ、その都度必要な見直しを実施しているところであるが、今後ともより一層の評価の適正化を図るとともに、その結果の的確な反映に努める。
振興助成について、第三者機関による審査・評価の実施、助成先の公表を行う。
外部評価の導入を通じた事業運営の更なる効率化・適正化のため、具体的手法等についての検討を行う。
 また、助成先については、ホーム・ページにおいて一部公表しているが、今後とも一層の情報公開を進める。
国、他の特殊法人等又は地方公共団体が、類似の事業を実施していると認められることから、事業の統合を図り、どうしても複数の主体が実施する場合の基準を明確にする。
国、他の特殊法人等との事業とは、国において所要の調整を行っており、重複はないが、更なる区分の明確化を図るべく検討する。なお、地方自治体は各々の地域の必要性に基づいて自らの判断により事業を実施しているところであり、地方公共団体が行う事業との統合は困難である。
【需要増進】
○ 民間団体も実施しており、かつ、100パーセント外部委託で実施しており、廃止する。

○ 本事業においては、企画・立案等を事業団が行った上で、専門家等への委託により地域特産物の紹介等個々の民間団体では対応できない部分を実施してきているが、更に適切な実施方法等について検討する。
【乳業者等に係る債務保証】
○ 近年実績が少なく、執行体制も乏しく、かつ、他の機関の利用も可能であることから、廃止する。

○ 他機関を通じて資金調達を行う場合、債務保証額に限度額が設けられている等の制約があること、また、事業団には、専門知識と実績を踏まえた審査能力があること等を十分に踏まえつつ、適切な実施方法等について検討する。
【畜産団体に対する出資】
○ 近年実績が少なく政策的必要性が乏しくなっているため、廃止する。

○ 畜産の振興に資する民間法人の円滑な業務運営を長期的・安定的に確保するとの施策目的の達成のための手法として「出資」を行っているところであるが、今後は、より適切な実施方法等について検討する。

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