<法人名:中小企業総合事業団>
所管省庁:経済産業省
事務局案所管省庁の意見
【高度化事業(高度化融資・出資)】
@高度化融資
○ 大部分の融資の窓口となっている地方公共団体に移管する。


○ 本事業は、過去、まさに都道府県の事業として行われていた。しかし、商店街、工業団地等の大規模・先導的案件を特徴とするため、各県単位では、(1)毎年の事業規模の上下が激しく予算が不安定、(2)案件数が少なく診断ノウハウが蓄積しない、という2点の弊害が現れ、事業の効率化のため現行制度に改められた。しかも現状において、県ではむしろ診断助言・審査・債権管理全般にわたって事業団の役割強化を求める意見が大勢。以上を踏まえれば、地方公共団体との関係について改善前の昔に戻るのは不適当。なお、事業内容の見直しについては、中小企業者のニーズを踏まえつつ検討を進める。
A高度化出資
○ 地方公共団体に移管する。

○ 本事業は、地方公共団体が出資する街づくり会社・インキュベータ等に対し、事業団が協調出資・経営サポートを行う事業。
 もとより地方公共団体が主体の事業であるが、街づくり支援、創業支援等は、中小企業基本法上国の責務とされており(法第13条、18条)、事業団が経営診断等の専門性の観点から側面支援を行う本事業は必要。なお、事業内容の見直しについては、中小企業者のニーズを踏まえつつ検討を進める。
【高度化事業(高度化施設)】
○ 実績がなく政策的必要性が乏しくなっているため、廃止する。

○ 本事業は、高度化のための施設を事業団が自ら設置して中小企業者に譲渡するもの。通常の高度化融資(施設を設置するための資金を融資)と機能は同じ。中小企業者にとっては、実態に応じ実施方法に複数の選択肢があることが必要であり、廃止は不適当。
【ベンチャー支援事業】
(ベンチャー出資)
○ ベンチャー出資について、政策投資銀行、産業基盤整備基金との間で事業が重複していること並びに専門的・効率的な実施及び利用者利便の観点から、事業を統合する。


○ 事業団の行うベンチャー出資は、民間だけでは出資困難な創業間もない中小企業等の育成を主眼としており、他の2法人とは対象を異にしている。なお、事業団の出資先ファンドの投資先企業数は平成13年7月現在で202社、うち4社は既に上場を果たし、2社が公開直前であり、事業団は経営診断等の専門性及び地方支援機間との連携体制を活用し、本事業を効果的に実施している。
(以下の項目については、見直しの結果実施する業務について適用する。)
○ ベンチャー出資事業について評価手法を検討し、その結果を事業に反映させる仕組みを検討する。


○ 事業目的であるベンチャー企業への直接金融の円滑化に資する観点から、事業の評価手法を検討するとともに、事業内容の充実に反映させていく。
(ベンチャー企業、ベンチャー支援機関等に対する助成)
○ 国が明確な政策目標を定め、合わせて当該目標が達成された場合又は一定期間経過後には助成措置を終了することを明記する。

○ 御指摘を踏まえ、検討していく。
○ 助成金交付の対象となった事業について第三者機関による適切な審査・評価、助成先の公表を行うとともに、評価の結果を事業に反映させる仕組みを検討する。○ 助成金の交付に際しては、既に平成11年度の制度創設時から第三者で構成される審査委員会で審査し、12年度分から助成先も公表している。
 なお、助成結果の評価及びその事業への反映については、適切に評価できる指標を含め、検討していく。
【中小企業大学校研修】
(中小企業者養成研修) ○ 研修対象者の削減、合宿の期間短縮等、業務を縮小するとともに、研修者の負担率を引き上げる。

○ 構造改革を断行する中で、新事業に挑戦する力強い中小企業群を創出するため、中小企業の前向きな創業・経営革新の取り組みや後継者の育成等を積極的に支援する観点から本事業の重要性は高まっている。
 受講料については、御指摘のとおり適正な受益者負担は重要と認識、従来から必要な見直しを行っている。
(中小企業支援担当者等養成研修)
○ 研修対象者の削減、合宿の期間短縮等、業務を縮小する。

○ 支援担当者研修は、公的な機関で中小企業者に経営アドバイスを行う中小企業診断士、都道府県の施策担当者、経営指導員等の能力強化を図る事業。支援担当者1人を強化すれば、その支援を受ける中小企業は数十社に上り、極めて効率性の高い事業と認識。
 企業の成長努力を支える経営アドバイスの重要性が高まっている中、本事業の一層の質的向上を図っていく。
(以下の項目については、見直しの結果実施する業務について適用する。)
○ 時代の変化に対応した事業の効率的・効果的実施を図るため、適時適切にサービス内容の見直しを行うとともに、外部委託や外部の人材の活用の拡大等を検討する。


○ 本事業は既に、研修ニーズの調査や成果の把握等でサービス内容について不断に見直しを行い、かつ、外部講師を積極的に活用し、時代の変化に機敏に対応した研修を実施している。今後とも、事業の政策的効果や中小企業を巡る環境等を踏まえて、外部委託や外部の人材の活用の拡大等についてさらに検討し、効率的・効果的に事業を実施する。
【情報提供等推進事業(専門家派遣、セミナー等)】
(情報提供)
○ 中小企業支援センターを有する都道府県等地方公共団体に可能な限り移管するとともに、残事業について業務を縮小し、受益者負担を引き上げる。


○ 本事業は、各県の中小企業支援センターに対し、それらが独力では対応できない情報提供・専門家の派遣等を行うもの。(例えば、一地方では人数の少ない弁理士、公認会計士、海外投資アドバイザー等の高度な専門家について全国規模のデータベースを提供する等。)
 従って、本事業は地方公共団体をバックアップする事業であり、その「移管」は不適当。中小企業支援体制の整備に努力している地方公共団体のニーズを踏まえ、一層レベルの高い事業の実施を図っていく。
(以下の項目については、見直しの結果実施する業務について適用する。)
○ 外部評価を実施するとともに、外部評価の内容を国民にわかりやすい形で情報提供する。


○ 本事業を一層、効率的・効果的に行うために、平成12年度分の事業から外部人材による評価を実施しつつある。その結果を国民に対してわかりやすい形で公表するとともに、事業内容の充実に反映させていく。
(課題対応技術革新促進事業)
○ 費用対効果分析を可能な限り実施した上で、費用を上回る効果が明確なものに事業を限定する。

○ 本事業は、国が示した課題に応募した中小企業に技術開発を実施させ、その成果を広く中小企業に普及させることが目的。その効果は技術開 発の委託先のみならず普及先の中小企業も含めて幅広く及ぶもの。費用対効果分析については、手法の開発等を含め、3年後の導入を目指して幅広く前向きに検討し、事業の効率的・効果的実施に反映させる。
(以下の項目については、見直しの結果実施する事業について適用する。)
○ 国が事業実施機関に対してできる限り具体的な達成目標を設定し、事業実施機関の責務を明確にする。


○ 平成11年度の本制度創設以来、国が必要とする技術開発課題を、事業目標として提示・公表している。
○ 研究課題の設定、実施体制の決定、研究期間終了後の研究成果(長期にわたるものについては中間時点の進捗状況)について、厳格な外部評価を求め、評価結果を研究資源配分等に反映させる。また、研究成果及び外部評価の内容を、できるだけ計量的な手法も用いて、国民にわかりやすい形で情報提供する。○ 本事業では、技術開発の委託先中小企業に、技術開発課題に応じた事業実施目標を設定させ、それを外部評価委員により厳正に評価する制度を採っている。また、技術的可能性、事業化可能性等について研究調査(F/S)を行い、外部評価委員の評価により、特に優れた提案に限定して次の段階である研究開発を実施し、適切な資源配分に努めている。
○ これまで国費によって達成されてきた研究成果をできるだけ計量的な手法で国民にわかりやすく示す。○ 研究成果については、事業終了後に売上高、特許取得数等定量的データを含め毎年追跡調査を実施し、成果報告会を開催して、成果の公表及び情報提供を行っている。更に、研究成果についても外部評価委員による評価制度を来年度から導入し、国民にわかりやすく示していく。
【信用保険事業】
@機械類信用保険
○ 政策的必要性が乏しくなっているため、累積損失減少の措置を講じた上で、廃止する。


○ 本事業により、リースによる中小企業の設備投資が拡大しており、中小企業の設備投資促進のための政策的必要性は高い。また、小規模企業者向けリース等の信用リスクを低減させていることから、本事業廃止は経営基盤の弱い小規模零細企業にしわ寄せとなり不適当であるが、累積損失減少を図りつつ、事業の見直しについて更なる検討を進める。
A信用保証協会への融資
○ 専門的・効率的な実施の観点から、金融を主たる業務とする法人の行う事業に統合する。

○ 融資事業は保証協会に対する融資を通じて民間金融機関から中小企業者への保証付貸出しの促進を図ることを目的としており、中小企業信用保険事業と一体不可分のものであり、他法人への事業統合は不適当。
(以下の項目については、見直しの結果実施する業務について適用する。)
○ 貸付資産等のリスク管理及び引当金の開示については、適切に実施する。


○ 平成12年度決算から、リスク管理等の状況について適切な情報開示を実施する。(なお、本融資事業は保証協会に対する融資であることから、一般事業者向け融資と異なり基本的にリスクがないという特性を有している。)
○ 金利の決定については、政策的必要性等を踏まえ、決定責任主体を明確にする。○ 金利の決定責任主体は既に明確になっている。(法律に基づき、中小企業総合事業団が、主務大臣の認可を受けて貸出金利を定めることとなっている。)
○ 政策金融について評価手法を検討し、その結果を事業に反映させる仕組みを検討する。特に、繰上償還を含めた政策コストを明示する。○ 融資事業の事業目的である信用保証の利用促進・円滑化に資する観点から、適切な評価手法を検討していく。
【小規模企業共済・中小企業倒産防止共済事業】
○ 積立金の運用体制について、運用担当者の充実等所要の整備を行う。

○ 御指摘を踏まえ、運用担当者の一層の充実等に努めたい。

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