○:委員
●:事務局

第6回 公益法人制度改革に関する有識者会議

−議事録−


平成16年3月10日(水)10:00〜12:30
場所:虎ノ門第10森ビル3階 会議室

○ おはようございます。毎回御苦労様でございます。定刻でございますので、ただいまから第6回の「公益法人制度改革に関する有識者会議」を開催させていただきます。
 本日は、佐藤総理補佐官が御出席です。
 それから、宇賀委員、勝又委員、加藤委員、田中清委員、この4人の方が都合により欠席されるということを聞いております。
 関委員は都合により途中で退席されるということです。
 以上がメンバーの出欠でございます。
 ただいまから予定しております議事配布資料について、事務局から説明を申し上げます。

● 本日の議事でございますが、公益性を取扱う仕組みのあり方についての2回目の御議論をいただきたいと存じます。
 判断要件のあり方、それから適正運営確保のあり方というテーマで資料を用意させていただいております。資料1−1と1−2という資料でございます。
 それから、参考資料を多数配布させていただいておりますが、参考資料1と2につきましては、前回と同様の資料でございますが、各法人制度の比較表と公益性の要件に関する参考データでございます。
 資料3−1と3−2につきましては、諸外国の非営利法人制度、諸外国の財団法人制度、これはいずれも未定稿でございますが、現時点で事務局の方で在外公館などに照会した結果につきまして、とりまとめたものでございます。
 参考資料4が、指導監督基準とその運用指針。
 参考資料5が「公益法人の指導監督体制の充実等について」、平成13年2月に決定してございます。
 参考資料6につきましては「公益法人のディスクロージャーについて」ということで、インターネットによる公開の関係の申し合わせでございます。
 参考資料7につきましては、現在の指導監督基準に、現行法人がどれくらい適合しているのか、それぞれの項目につきまして、適合状況を項目別に一覧でまとめてみたものでございます。
 参考資料8が、NPO法運用方針について。
 参考資料9が、現行の各種法人の参照条文ということでございます。
 それから、資料の一番最後にチャリティー委員会の構成、登録チャリティー数等についてという1枚のものを用意してございます。
 これにつきましては、前回○○委員の方からチャリティー委員会の審査につきまして、御質問がございました。未定稿ではございますが、事務局の方で、ホームページなどで分かる範囲で調べたものでございます。
 2000年から2001年度にかけまして審査体制、スタッフ数は547 人ということでございます。うち登録業務に関わる者が14%とございますので、恐らく77人くらいに当たるのかと推定されます。それに対応する登録数としましては、登録業務につきまして、実際の登録の申請件数が8,157 件、新規登録件数が5,971 件といった数値がホームページからうかがえます。
 ほかに実際のモニタリングと言いましょうか、審査業務等々、新規の登録業務の関係だけではなく、ほかの業務もあうろかと思いますけれども、その辺のところは若干、ホームページから十分わかりにくいところもございまして、登録業務関係だけ紹介させていただきますと、このような数値がうかがえるということで御参考までに配らせていただきました。
 引き続きイギリスのチャリティー制度につきましては、改革の途上でございますので、事務局としても、フォローしていきたいと思っております。
 以上でございます。

○ ありがとうございました。判断要件のあり方につきまして、引き続き御議論をいただくということが今日の予定でございます。
 したがいまして、資料も同じ資料を使うということでございます。
 ここでは公益性の位置付けというところで御議論頂いた点を踏まえて、判断要件のあり方という観点から改めて整理を行っているわけです。現在の検討段階で細かな判断要件を具体化するというのは、ちょっとまだ困難であろうと考えています。
 本日は現行の公益性を有する法人についての諸制度、2番目に、そうした法人の実態、3番目として、仕組みにどういう効果を持たせるかというような全体の枠組みを踏まえつつ、判断要件の考え方の大枠について議論をしていただきたいと思っております。勿論、大枠ばかりではなくて、細部についての御意見でも結構でございます。どうぞ皆様の方から御意見を頂戴したいと思います。
 では資料の説明をいたします。

● では、説明させていただきます。お手元の資料1−1、判断要件のあり方ということで、公益性を取扱う仕組みのあり方の基本的考え方、それから、判断主体につきましての御議論でございます。
 まず、1枚目はこれまでの整理と一体的になっております。基本的考え方ということで、最初の「・」は、まず1点目としまして、基本方針で謳われております客観的な明確な判断基準といった点を踏まえる必要があるのではないかという点でございます。
 次の点以下は、前回まで御議論いただきました公益性の位置付け、その中での審議の内容を簡単にまとめさせていただきました。
 1点目は、法人をどう捉えるかといった場合に、目的、事業、規律の面から捉えてはどうか。
 こういった要件を考えます場合に、2つに分けて、ひとつは、公益性を有するかどうかを判断する要件と、それから公益性が満たされている、いわゆる維持・確保されるための要件に分けて考えた方がよろしいのではないか。そうだとすれば、その前段につきましては、いわゆる非営利法人の要件に加えてどういった要件が必要かがポイントになるのではないか。
 それから、後者につきましては、そうした公益性を有するための要件のほかに、活動実績についても、判断要素とするべきではないかといった点でございます。
 なお、その下にございますのは、活動実績を判断要素とすると申しましても、その際、特に新設された法人、設立の当初の段階からそういったことを要件とするのかどうかについては、御議論があろうかと思いまして、書いてございます。
 その下の「・」でございますけれども、いわゆる閣議決定等で謳われております客観性、柔軟性、透明性、自律性といった、今回の改革の視点がございます。それを星野先生から御指摘いただいた点を踏まえまして整理したものでございます。
 その下の「・」は、いわゆる要件そのものよりも、むしろそうした公益性を判断する手続といった仕組みそのもので公益性を担保していくといった考え方もあるといった点でございます。
 最後につきましては、公益性を判断する際に、事業に着目するという考え方がございますけれども、それは別の言い方をすれば、法人を捉える際に目的、事業、規律とあるとすれば、目的、規律を余り重視しない。事業を重視するという整理になるのではないかといった留意点でございます。
 以上がざっとした、復習を兼ねた再整理でございます。
 2ページでございますけれども、具体的な要件をどう考えるかといった点でございます。総論は先ほど○○委員からも御指摘いただきました。どういった枠組みで考えていくかという点が最初の2つの「・」でございます。
 ひとつは、現行の民法、それから公益法人に係る指導監督基準、NPO法人制度、特別法に基づく法人制度等、いわゆる公益性を持つとされております法人の諸制度がございます。そこの規定との関係が1点目。
 2点目が、実際の公益法人等の実態、それがどういった状態にあるのかということとの関係で要件を考えなければいけないというのが2点目でございます。
 更にもう一点目が、その下の「・」にあります公益性を取り扱う際にどういった効果を念頭に置くか。この中身によっても、その幅と申しますか、中身が変わるといった点が3点目かと存じます。
 そのほかに2点ほど挙げてございます。ひとつは、法人の規模の大小を考慮に入れる必要があるかどうか。
 もうひとつが、判断主体のあり方とも関連いたしますけれども、地域に応じて異なる要件を考える余地があるかどうかといった点でございます。
 その下が更に具体的に考える場合にどういったことになるかという点でございます。
 先ほどの前提のところで、法人を目的、事業、規律で捉えるとするということで整理をいたしております。
 それぞれの判断基準につきまして、先ほどの整理にしたがいまして、公益性を有すると判断する場合の要件と、それから公益性が確保されるための要件に分けております。
 まず目的の部分でありますけれども、前段につきましては、いわゆる法律上の公益性の定義と、それから当該非営利法人が達成しようとする目的がございます。それがきちんと適合的かどうかという要件がございます。
 この辺りにつきましては、参考資料の1を用意いたしております。A3の横表、かなり細かい字で恐縮なんでございますけれども、これをお手元に置いていただきながら御議論賜ればと思います。
 この参考資料1と申しますのは、公益法人、それからNPO法人、特別法に基づく公益法人と言われたものにつきまして、それぞれ公益性を有するかどうかを判断する段階、それからそれが維持確保されているかどうかを判断する段階に分けまして、目的、事業、規律のそれぞれに応じてどういった規定がなされているかというのを簡単に整理したものであります。
 参考までに有限責任中間法人につきましても、二重線を引いた上で右に載せております。
 資料1−1に戻らさせていただきまして、目的の判断基準のところにつきましては、最初の公益性を判断する場合には、この参考資料の最初で申しますと、左上のところになりますけれども、例えば構成員相互の親睦を図ることを主にするといった点は望ましくないということで、いわゆるネガチェックのような規定があります。こういった規定が必要かどうか、必要とすればどういった中身が必要かという点になろうかと思います。
 それから、公益性が維持確保されるための基準、こちらにつきまして、参考資料で申しますと、4ページ目からになりますけれども、今のところ公益法人につきましては、明示的な規定はございませんが、指導監督の下で、もとよりそういったことは可能かと思いますけれども、もし仮にあるとすれば、法人の活動実績を全体として評価をいたして、それがその法人が達成しようとしている目的と整合的かどうかといったことをチェックするといったことはあろうかと思います。
 これ以外にどういった視点が必要かということで御議論を賜ればと思います。
 その次に事業の判断基準につきましては、まず前提といたしまして、指導監督基準等の考え方を踏まえますと、まず法人の事業そのものを本来的な公益事業と、そういった本来の公益目的を実現するために付随的に行う収益事業に分けて考えた方がよろしいのではないかという点。
 その際、事業といった中身につきましては、3ページに入りますが、指導監督基準の考え方を踏まえますと、そこにありますような@からBといったような中身を差し当たり考えることができるかと思います。これが過不足あるといった御議論もあろうかと思いますので、そこも含めて御議論を賜ればと思います。
 こういう考え方を前提にいたしまして、最初、公益性を要するかどうかを判断する際には、今申し上げたような公益事業の規定をどうするか、その中身に照らした検討が必要になる。
 なお、非営利法人制度につきましては、ワーキング・グループの方で御議論いただいていますけれども、この事業につきましては、今のところ格別の制限をしない方向で御議論いただいているかと存じます。
 それから、公益性が維持確保されるための基準につきましては、今、申しましたような参考資料の4ページからございます事業につきましての要件のところを御覧頂きながら御議論を賜ればと思います。
 ざっと申しますと、4ページの左側、事業のところにつきましては、公益事業が全体の事業の中でどういった割合を占めるか。
 それから、付随的に行う収益事業がきちんと本来的な公益事業に使われているか。それから受け入れた寄附金がきちんと本来事業に充てられているか等々の観点から規定がございます。これとの兼ね合いで過不足がないかどうかという点でございます。
 なお、留意点といたしまして、定量的に考えるといった視点も今の規定の中でも、例えば認定NPOの要件として、パブリック・サポート・テストといったようなものもございます。そうした定量的な要件が可能かといった点も含めまして、御議論を賜ればと存じます。
 その下の記述に係る判断基準でございますけれども、こちらにつきまして、最初公益性を有するかどうかという点についてでございますが、ここではとりあえずワーキング・グループの方でも公益性がある場合、この点は留意すべきということでいろいろ御議論も賜っているところでございます。それを踏まえまして、差し当たりその場で出た御意見も念頭に置きまして、書かせていただいたものでございます。
 1つ目、これは解散時の残余財産の帰属をどうするか。
 2つ目、これは財産的基盤の確保。これは一階の制度のつくり様とも関係いたしますが、どうするか。理事会の必置の要否につきましても同様でございます。
 それから、現行の規定を見ますと、理事の構成についてもいろいろな制約が置かれているという点がございますが、どういった範囲の規制、規定が必要かという点で御議論を賜ればと存じます。
 なお書きといたしまして、最初も申し上げた残余財産の帰属のところにつきましては、そこにございますように、定款あるいは社員総会の決議によって定めるということができる方向で御検討いただいているかと存じます。
 それから、公益性を維持確保するための要件につきましても、先ほどと同様でございます。現行の規定との兼ね合いで定量的に捉える観点も含めて御議論賜ればと思います。 下の注につきましては、いわゆる公益性の判断基準という言葉では、必ずしも適切に捉えれ切れない制度がございます。そこは後ほど御議論賜る適正運営の確保のあり方のところで御審議賜ればという趣旨でございます。
 以上でございます。よろしくお願い申し上げます。

○ 説明が前後いたしまして申し訳ありません。先ほど申し上げましたように、前回に引き続いてただいま事務局から御説明のありましたような論点を巡って皆さんの自由な御意見をいただきたいというのが今回でございます。

○ 今日の本題から少し外れる小さい問題かもしれませんけれども、前々からこの資料で公益性を判断する要件として法人に着目するのではなくて、事業に着目するという考え方が出ておりまして、この会議の場では必ずしも積極的にそれを強く主張する人はいないように思いましたけれども、こういうのがここにある以上、ちょっと付言しておきたいのです。
 問題は、これがどういう考え方を意味するのかということなのです。私は結論的には公益法人というものがあって、その公益法人としてはどういう要件がふさわしいかという要件を立てて、公益性を認められた法人という意味での公益法人というものを考えた方がいいと思います。こうした公益性の判断に際して、事業内容に着目して公益を判断するという考え方はおかしなことではありません。しかし、ここで事業に着目して公益性を判断するというのは、そのような意味では内容で、その意図するところが明確ではありません。
 もっとも、この考え方が次のような意味を持つのであれば、それなりに意味があります。すなわち、株式会社が公益事業をする場合にも、これは公益活動をしているのであるからということで、例えば税の優遇とかをあたえる。公益性を特定タイプの法人と関連させないで、事業だけに着目して判断するというのであれば、こういう結論に結び付く可能性があるということで、これはこれでひとつ検討に値する意見だとは思います。
 しかし、事業性に着目するか、それとも公益法人という法人タイプに着目するか、どちらかという形で二者択一でいくのは適当ではないのではないかと思います。この点は前から気になっていたものですから、意見を述べておきたいと考えました。

○ ありがとうございました。別に最終報告書はこれで決まるわけではないわけですから、論点整理をする場合に、○○委員の今の御発言を考慮に入れるということになります。

○ それで結構です。これがどういう意味を持つかということを申し上げたかったのです。

○ 二者択一にしてはいけないということですね。

○ 今、○○委員から御指摘をいただいた点に関しまして、意見というか、私もどう考えたらいいだろうと思っていたのです。もし今、営利企業もスコープに入ってくるのでしたら、この論点整理の3ページ目の公益事業に関する要件の中で、Bの営利企業として行うことが適当と認められる性格、内容の事業を主とするものでないものと規定し得ると考えられるがという論点整理と相矛盾するのではないかと思うのですが。

○ 私に対する質問ですか?。

○ というか、もし今の視点を入れるとすると、後々の議論にも影響を及ぼしてくるのではないかと思いましたので。

○ おっしゃるとおりだと思います。

○ 今のはテイクノートしておきますので、よろしいですね。

● 基本的には非営利法人制度をまずは御議論いただくということかと存じます。そこは営利と非営利の。

○ 及ぶことがあり得るということであって、これはここの会議の答申と言いますか、論点整理とは枠外になりますね。

○ ○○委員の御意見というのは、今の点もさることながら、二者択一にすべきでないという点に主眼があったのではないかと理解しております。そこは私も賛成なのですが、その理由を更に詰めておいた方がよいのではないか、なぜいけないのかという点です。
 私は例えば事業だけに着目して、公益法人という類型をつくらないということになると、余り好ましくない効果があるのではないか、むしろ単に税との関係だけではなくて、そういう類型を持つ法人を置いておくことの社会的意義ということがあるのではないかと思います。仕組みがしっかりした法人があると、活動が安定する、あるいは寄附がしやすくなるという社会的な機能も考えますと、やはり法人類型というのを残しておいた方がいいと、これがひとつの理由付けかと思いますが、もしほかにもあれば、○○委員からもお出しいただいたらと思います。

○ ほかにあるというわけではなくて、今まで議論してきたのは、公益法人という形で、営利を目的としないで公益活動をする、そういう法人の類型というものが持つ意味があるだろうということを議論してきたと思います。まさに○○委員おっしゃったとおりだと思いますので、特に付け加えることはありません。

○ よろしいでしょうか。今の法人類型というのは、例えば構成員でありますとか、組織であるとか、情報開示でありますとか、あるいは運営の公正性とか、そういったものをある程度法律で決めるかどうかということは別にして、ガイドラインをつくって、きちんとした形にした方が公益性が保たれるであろうということでございます。

○ この論点整理の中で、中ほどに、公益性のある非営利法人を設立する段階で活動実績を判断要素とするかということが書かれて、これから議論があるということで御説明があったんですが、公益性の判断の段階で活動実績を入れるということについては、私は反対でございます。もともと今般の改革の当初の意図は、民間非営利公益活動を促進するという基本的な方針でやっておきながら、実績がないと公益性を認めないよ、あるいは税の優遇は認めないよということになると、変な比喩ですけれども、田中眞紀子さんが前におっしゃったように、やりなさいと言いながらスカートを踏んづけているのと同じようなことになるのではないかという感じがいたします。
 外国の例を見ましても、英国でのチャリティーの認定、登録、あるいはアメリカの内国歳入庁の税制優遇の認定の際も、実績を判断基準としていないはずでございます。
 現実論でいきますと、私どもの場合、助成型の財団の場合、助成をする財団というのは設立された段階から非課税ということが前提でないと、実は財務的に成り立たない構造なのです。助成財団というのは助成金を差し上げるというのが主な任務ですが、今の一般の法人税法の規定ですと、助成金というのは税務上は寄附金になります。寄附金は損金参入額というのが決まっておりまして、これは利益額の2.5 %が損金にできる。非常に大きな助成金を出していますと、それがほとんど利益金だという認定をされて、仮に財団が収支とんとんで運営していても、助成金部分の90何%かに税金がかかるという大変非現実的なことになって、実際上そういう制度になると、助成型の公益法人はつくるなという結果になりかねないという現実的な問題があると思います。
 それから、そもそも活動実績自体は事後チェックと申しますか、ちゃんとやっているかというところで判断すべき問題ではないか、そこのところは相当しっかりチェックをする必要があると考えております。
 以上でございます。

○ 助成財団のあり方のようなものについて、事務局の方から後でお話をどなたかいただけるとありがたいと思うんですが、その前に、設立時の要件でもって認定するということになりますと、それは定款なり、目標とする事業なりということで公益法人みたいな、ある程度の資格を付与するということを言われているわけですか。

○ 設立時に定めます寄附行為に書かれている目的とか事業とかいったところで、こういう目的でやります。こういうところに助成をします、こういう方法でやりますといったところで、公益性ありという認定をするのがいいのではないか。

○ 今のお話、まさにそのとおりだと思うんですが、後ほど事後チェックの話が出てくると思うのです。そのためには、予算の中でこういう社会的に貢献することをやるのだということが明確に謳われるということが必要だと思います。
 要するに、実際に行われた実績ではなくて、我々はこれからこういうことをやるのだという、予算の上ではきちっと出されるということも、今の○○委員の御意見の中には当然のこととして含まれているのだろうと思っております。

○ わかりました。寄附行為とか定款ばかりではないということですね。

○ 実際にこういう活動をやるのだという、活動方針と言いますか、予定と言いますか、その中にはきちっと謳われていないといけないと思います。

○ そのとおりです。それは別な意味では、認定NPO法人のパブリック・サポート・テストのような形も、同じようなことですね。

○ 要するに、設立する段階でこれは公益性があるということで非課税になっていないと、特に助成を行う財団については、助成金そのものが寄附金ということで損金ではないという税務上の認定がございますので、寄附金の限度額の関係で大変な税金負担をしないとできないということになると、事実上非課税でないと設立ができないということでございます。

○ 私も同じような意見だと思っております。今回の資料の3ページのところに、公益性を要件としない非営利法人という形で今回ひとつのカテゴリーをつくってまいりますので、その中で法人の設立の目的に、公益性というものについてしっかりと定款、もしくは寄附行為で定めた場合に、名乗りを上げて公益性のある団体になるという意思があるところについては、当初から公益法人という形で認めていただくということは非常に必要だと思っております。
 これは最終的にNPO法人が統合されたときに、まさにそのことが必要になってくると考えておりまして、実績そのものよりも、やろうという目的と実際の事業が合致して、実質上それで動いていけると、もしくは動いていくという意思を持って設立をしたというところに今回は着目をいただいた形で、実際の、例えば2年とか3年の一定の事業実績を見ずして、設立時に公益法人という形で何らかの要件を付していくことは必要だと思いますけれども、公益法人付与という形を、今回の意見の中では是非取っていただきたいと考えております。
 特にNPOが、公益性を認証という段階で取れるという形になりますので、特に今回の公益法人についての非営利法人というものと、公益法人というものの差を付けるという意味でも、最初のところから、設立時に定款の目的と事業の段階での判断をいただきたいと思っております。
 それと、事業については、公益性の目的と実際どういうふうにしてその目的をいろいろな法人が事業として達成していくというところについては、柔軟な事業というものを各法人は考えているはずなものですから、同じ目的でも事業というのはそれぞれ千差万別に法人の方は考えていらっしゃると思っていますので、そういう意味では事業のみに着目をするということではなくて、やはり目的のところを重要視していただきたいと思っております。事業を余り幅を狭めてしまいますと、実際、経年変化とか実質上の社会変化の中で公益というものが非常に変化をしている時代になっています。
 更に、担い手が地域によって、もしくはその担い手そのものの母体の構成人員によって、事業ができるもの、もしくは最適なものというのは違うと思っています。現場では特にそれが見受けられますので、事業を余り幅を狭めて判断基準にするというよりは、できれば目的を持って公益性の判断をいただきたいと思っています。

○ 議論を深めるという意味で2つほど伺いたいんですが、NPO法人の統合ということは、どのようなお考えでしょうか。
 もうひとつは、認証NPO法人の場合には、実績でチェックしているわけですね。

○ 認定です。

○ 設立時は認証なんだけれども、寄附の優遇については認定するわけですね。そうすると、公益法人の場合には、初めから公益法人として認証の段階でだれかが判断するということですか。

○ そうです。私は課税、非課税の問題はここでは申し上げておりませんので、実質上の設立時に公益法人の認定をいただきたいというか、そこでの判断をいただきたいということと、課税・非課税ということは別だと考えておりますので、それは明確に申し上げていきたいと思います。

○ そうですね。ここでは課税・非課税を判断する会議でもありませんのでね。

○ 私が申し上げた公益法人といったときに、必ずしも原則非課税ということについては申し上げていないということなんです。

○ 皆様のおっしゃったこと、それぞれよく分かるのですけれども、このペーパーの中に、またという書き方で一定の活動実績を求めることとなるがと書いてありますが、これは何か理由があってこう書いてあるのではないかという感じがいたしますので、事務局から伺ってみたいという感じがするのです。あるいは、ここの会議で前にそういうことをおっしゃった方がいたのではないか、だから、このように書いてあるのではないかという感じもいたしますが、どうだったでしょうかね。

● 事務局といたしましては、極めて論点を素直に整理をしていきますと、活動実績がどの段階で必要かという、段階を分けて要件を整理すべきというお話があった時点で、観念的にもこうした選択肢が見えてきたというのを踏まえまして、書かせていただきました。
 その意味するところは、先ほど十分御説明できませんでしたけれども、先ほども御意見を一部いただいたかと思いますけれども、今回の改革の意義、目的との関係で設立当初の段階からそういった要件を、やってみる前から満たすというのがどういった位置付けにとらえられるのか、その点を御議論賜ればという思いでございます。

○ 私は○○委員が最初におっしゃった比喩、非営利法人は2階建てで、まず1階に入って、それから2階に上ってくるんだと。だから、公益法人というのは非営利法人のひとつのコンパートメントなんだという考え方が比喩としては非常にいいと思っているものですから、それを使わせていただいているんですけれども、やはり2階に上るためには、さっきおっしゃった点に関連して言うと、活動実績とまでは言わないまでも、活動の内容が非常に明確で、しかも、予算的な裏付けもきちんとできているというような、かなり厳格な要件を満たさないと、すぐに2階に上るというわけにはいかないのではないか。だから、○○委員やその他の方のおっしゃったことに反対というわけではありませんけれども、アクティビティーズの内容とその予算的裏付け、それからいろんなフィーダーアクティビティーズの方に熱中してしまうということはないとか、そういうことが非常に明確で、確実であるというような場合に限定しないと、抜け道ができると困る。勿論、できてから後でいろいろ監督したり、モニターするということは可能だと思いますけれども、やはり上るときも注意をしていただきたいと思っております。

○ ありがとうございます。

○ 今の○○委員の御指摘とも関連するのですけれども、さっき○○委員が御指摘になったお考えは、必ずしも設立後の事業活動等を一切見ないというお話ではないと思います。事後チェックはあり得るとおっしゃっているわけです。
 てすから、設立当初、その段階で実績がなければいけないということを要求されては困るということをおっしゃっているだけで、ある程度期間が経った後、実際にどういう活動をしているかということはチェックを受けますよということだと思いますので、今の○○委員の御指摘も、そういうふうにしてチェックしていけばいいということではないかと思った次第です。

○ ということになりますと、では、だれが判断するかという問題に戻るわけですけれども、だれが事後チェックを1年なり2年なりのタームでもって認定していくかということの仕組みの問題に次になってくるわけですが。

○ 今の○○委員の御発言に触発されまして、事前事後という問題とともに、もうひとつ、第一次、第二次という問題があるかなということを思い付いたのです。第二次と申しますのは、判断主体の判断に不服がある人は更に裁判所で判断を求めることができるという仕組みも考えられるのではないかということです。
 現在の公益法人ですと主務官庁の判断に対しては、裁判所ではほとんど争えないということになっておりますけれども、裁判所の第二次判断ということを入れることによって、ここに書かれているような判断要件の、例えば客観化、透明化ということが可能になるのではないかと思っております。

○ ○○委員、今のはいかがでしょうか。

○ 第一次、第二次という形で判断されるときに、第一次段階の判断は第二次の判断ないし救済があるから厳格でもよいということになると問題ですが、そのような意味を含まないのであれば、第一次、第二次という判断は客観性を担保する上でそれなりに意味のあることではないかという気がいたします。
 先ほどから少し議論が明確になってきたと思うのですけれども、設立の段階ではどういう要件を満たしていればいいのかという問題ですけれども、公益の目的、目的といっても広いわけでしょうから、実際にどういう事業をやるかという事業、あるいは事業計画のレベルなどが問題となりそうです。
 それから、先ほど○○委員から言われた予算的な裏付け、この辺をどの程度強く言うかというのは、いろんなニュアンスがあり得て微妙ですけれども、少なくとも目的、事業、ある程度の予算、実行可能性ということを判断すればよいのだろうと思います。
 それ以外にも組織としてのガバナンスとかいろいろありますけれども、それは少し違う問題ですので、目的、事業、予算というレベルに限って言いますと、次に、だれがこういうのを判断するかという問題になってきます。特に目的と、その目的の下で行われる事業が果たして適切なのかどうかというのを、私は課税庁が判断するというのは筋違いだと思うのです。課税庁はお金の動きを捉えることについては専門かもしれませんけれども、これが公益的な目的かどうかとか、あるいはこれが法人の目的の下で、適当な事業かどうかというのを判断するのには適当な機関ではないだろうと思いますので、判断主体ということに関して言えば、どこかでもし判断しなければいけないというのであれば、それは課税庁ではないどころか、もうちょっと広い視野を持ち得るところがいいのではないかと思います。

○ ○○委員がおっしゃったことですけれども、裁判所に行けるというのは当然認めなければならないと思いますが、認定機関として、中立独立の機関を設けるということにすると、第一次的にはそこに不服審査部のようなものを設けて、そこを経て、それから裁判所に行くというような方式が実際的なのではないかと思いますが、どうでしょうか。

○ それは判断主体としてどういうものを想定するかによりますけれども、今おっしゃったような方法であれば、第一次判断主体に不服申立てをするというのは十分あり得る制度だと思います。
 ただ、最終的には裁判所によるチェックを受けるという道を用意しておいた方がいいのではないかということです。

○ 現に2万6,000 の公益法人があるわけです。巨大な資金を運用しているところもあるし、小さいものもある。専属の人が50万人以上がそこで飯を食っているという現実もある。
 その中で、寄附金について特別面倒を見てやるよというお墨付きを財務省からもらっているのは3%くらいでしょうか。
 もうひとつは、事業について儲けたものについて税金を取るのは当たり前の話で、ただ税率をまけるとかいうことはいろいろある。
 その2つがあって、今、2万6,000 もある事業体が、こういうシステムができたら、それぞれ今のままでいいと、我々は前にOKをもらっているわけだから、今更こんなことをやって、何か新しく肩書なり文書なりを明確にしたいと思わない人の方がほとんどではないかと思うのです。私もこれから地域の問題について人を集めて、金儲けじゃない仕事をやりたいなと思っているときは、NPO法人でいくかこっちでいくかどっちかですよ。
 だけれども、今ある人たちをどうするのかということになってくると、今、○○委員がおっしゃったように、実績などは言わないで入口のところで基本的に全部OKしてしまえと。それはそれで正しいと思うんだけれども、現実には既に2万6,000 のものがやっているわけですよ。今の人は全部実績を持っているわけだ。
 一体我々が頭の中で何を描こうとしているのか。公益事業として認定されたら、寄附金について面倒を見てもらうか。大体、財務省の今のやり方は狭過ぎるから、もっと大胆に枠を広げたらどうだと。税金を集めるだけが能ではないだろうというのは確かに有力な意見です。それにふさわしいような金を出す人間がいないと具合が悪いと思います。企業家であれ個人であれ我々ジャーナリストであれ、何でもね。それがないと、そんなこと言ったって出すやつはいないんだからきれいごとだとなってしまうから、なかなか寄附金が集まらないけれども、本来の公益事業プラス収益になる事業をやって、そこで上がった金は本来の公益事業のところに入れているところもたくさんあるわけです。
 そういう2万6,000 の実態を踏まえて、この議論をやっていかないと、いろいろ聞いていると、これから何か法律の専門の方が、民法の人がいろいろ細かいことをおっしゃっていて、それはそれで必要だから、そうでないと信用しないからね。ではあるけれども、現実にできているものをどうするのか。これから加わる人達をどうするのかという話だと思うのです。
 いつも実際に即した議論をやらないと、議論が浮いてしまうんじゃないかと。私の言っていることは、お前のはピントが外れているなら、ピントが外れていると言っていただければ、これから修正しますけれども。

○ 今のは大変大事なところだと思うんですけれども、現在、公益法人が活動しているということは、一番最初のところで説明があり、また、議論もあったと思うのですが、それをどうするかというのは、それよりも更に公益的な法人格を持つ団体をもっと後押しすべく、新しい、もう少し緩やかな窓口を、緩やかというか、広い窓口をつくろうではないかというのが議論の出発点であって、それができたときには、今動いている公益法人をどうするかということは、それに押し込んでしまうのではなくて、時間をかけてそれとの間の調整を図っていこうということになるわけです。
 ですから、それについてはすぐに新しい申請をし直して、法律で認めるかどうかということではないと思っています。

○ 新しい分野をつくるのですね。そこには従来の公益法人とかNPOの諸君だとか、こういうのは入ってこないと。

○ 現段階ではNPOは入らないです。

○ 別のやり方でやっているわけだからね。こういう道を開くと、どれだけの人が、これならやりやすいから大いにやりたいと思うのでしょうね。

● 今の中間法人をベースにして現在の制度を改革すべきだというのが基本路線にございます。そして、改革するとしたら、どういう制度にすべきなのかを御議論いただいている。実際の現実の法人との関係というのは、新しいシステム、制度がどういうものであるべきだという議論が大体固まってきたところで、どうやってそれを移行していくのかの議論をその後にやっていただく予定でありまして、まだそこまでに至っていません。現段階ではそういう改革すべき制度を、新しいものをどうやって設計すべきなのか、そこら辺を議論していただいているというように位置付けております。

○ 大体分かったことにします。

○ 少し別の問題に移らせていただいてよろしいでしょうか。最初の公益性の客観的で明確な判断基準を設けるということは全く正当なこと、妥当なことであると思います。
 というのは、今の公益法人制度のひとつの問題は、各省庁の自由裁量が非常に大きいということです。ですから、基準が客観的で明確になれば、それに当たっているかどうかという判断の結果も当然、かなり明確に出てくるので、そこは是非とも実現していただきたいと思います。
 それから、活動が営利活動中心では困るということはどこか後の方に出てきたと思いますが、これはまさにそうでありまして、例えば公益法人が株式会社をつくって、自分が活動しているのではないからいいということに、そっちの株式会社がどんどん営利活動をするというのも困ったことだと思いますし、あるいは収益事業を大々的にやるというのも困ったことで、現在は公益法人はそういうことはできないということになっていると思いますけれども、そういう点の歯止めというか、収益事業の結果出てきたものの何割かは今後の収益活動の資金として残せるけれども、それを超える部分は本来の活動の方に入れなければいけないとか、そういうことはきちんとしなければいけないのではないかと思います。たしかいろんな基準が本文とか、資料4の方に出ていたように思いますが。

○ もうひとつは、ここで言う公益的な法人が営利活動をした場合に、利益が仮に出た、その場合に残余財産の分配という問題が最後にあるわけですね。

○ そうですね。それは残余財産を分配できないということはきちんと明記すべきだと思います。
 それから、収益事業に対しては課税するということも、これは営利企業との競争中立性の確保という点からして、必要なことであると思います。

○ ○○委員のコメントに関係するのですが、御意見はもっともだと思いますし、営利企業まがいのことをしないために、例えば収益の何%を次の活動に投じるというような客観的な基準を設けるということは確かに賛成です。しかし、一方で営利企業的な事業というのは何なのかというその内容を問おうとしたときに、非常にむずかしいのではないでしょうか。
 最近、特区の問題が出ていますけれども、今までであれば公益的な事業と思われていた医療とか、学校の分野においても営利企業が参入をしてきているわけですから、コンテンツで営利・非営利を分けようとすると、境界線を引くのは難しいのではないかと思います。

○ ○○委員に質問なんですが、コンテンツではなくて、営業報告と言いますか、事業報告と言いますか、その中身で判断することはできるのではないですか。

○ だれが受益をしたかという公益性の判断の話に戻ってしまうと思うのですけれども、そこはマトリックスはつくれると思うのです。例えば横軸に受益者で、受益者が特定される場合と特定されない場合、縦軸の方に、そこに参加する人が特定される場合と特定されていない場合というふうに線を引いてみて、受益者も参加者も、両方とも特定されてしまうのであれば、公益ではないのでしょう。また、参加者が特定されず、受益者が特定される場合も公益ではないかと思います。
 それから、これは○○委員の方のワーキング・グループのお仕事でないかと思いますが、残余財産のほかに得られた利益をだれと分配するのか、分配しないのかという議論がされていると思いますが、公益事業に関しては、非分配の原則を必ず遵守するということを条件にしておけば、先ほどの収益事業の何%を次の事業に投じるかというルールを設ければよいのではないでしょうか。
 事業に関しては、先ほどの公益性の判断とリンクすると思います。

○ それは収益事業と公益事業の限界がはっきりしないのではないかというお話が最初にあったかと思いますけれども、その辺のところはいろいろな工夫をすれば仕分けはできるのではないかというように私は思っております。

○ 公益法人がいろいろな事業をおやりになるのは自由なので、本当に私企業で儲けたいのだったら、どんどん仕事をやればいいのです。それがみんな社会を活性化すると一般的に言われている。地域社会論で言えば、いろいろなことをやっている。これも結構面白いねということになって、スケールは小さいけれども、特殊なことを除けば、みんな肯定的に大いに賛同しよう、支援しようということになっている。そこに巨大な、現に存在する公益法人というのが存在していて、これは何をやっているかよくわからない。場合によっては随分しっかりしたことをやっているのもありそうだし、歴史があるわけですから、実績を持っているわけだから。同時に曖昧模糊として訳の分からないものも随分あるなと。漠然と言ったら我々の受けている印象はそのような印象ですよ。
 そうすると、これからは割り切って、本当に社会の活性化だとか何とか言うのだったら、私企業でばんばんやりなさい、儲けなさい、儲けたら税金を払いなさいと。赤字だったら払う必要はないわけだから、つぶれるだけなのだから、そんなことあなたの自由だよと。 地域社会に何か貢献したい、問題随分あるね。NPOの道をやるんですもいいよ。この道を選んでも構わないよ。それを全部選択する話ですからね。しかし、基本は、何かやろうという人間がなければ、公益事業というのはできないと思っているのです。金儲けを狙うのではないけれども、こちらだってビジネスみたいなものですよ。その気持ちがなかったら、きれいなことを言ったって続くわけないですよ。永続性が問題になる。1年でぽしゃっては何にもならない。
 そうすると、そのベースになるような営利事業みたいなことをやるのは当たり前なのです。それを言うのも当たり前。やることが悪いというのは全く無いわけだから、だから、営利事業をやってしっかりと利益が出たのなら、今のルールに従って、ある程度税金を払うのですよということを認めれば何でもないですよ。

○ その部分についてはですね。

○ そうですよ。何か特殊なカテゴリーをつくって、これをやったら世の中全部明るくなって何とかだというのは違うと思うんです。現に全然別のところで商売を始めているわけだから。それだってウェルカムなんですよ。みんな大きな声で走っているんだから、この世界は利益を持ってこないというのは、それはそれでひとつの理念でいいのです。その代わりやることについて持続性がなければ続かないわけだから、そのときには税金で若干面倒見るよ、寄附金について面倒見るよということが公的には、あと補助金を出すことは今の世の中容易にはできませんから、そういうことだと思うのです。あとは人間の主体性でどれだけやる意欲のある連中がこちらの分野に入ってくるかだけの話です。

○ 補助金を前提にしての議論というのは、ここでは必要ないと思うのです。ですから、公益事業を運営していくに当たって、財源というのは、寄附金と、それからもし収益事業をやっているんだったら、収益事業による収益をどのくらい入れられるかどうかということだと思うのです。それが全部課税されるのではなくて、ある程度の優遇というのはあるかもしれない。また、あるような仕組みをつくれるかどうかということだと思うのです。それはここの会議で公益性の判断について説得的な理論付けができるならば、税調との相談がしやすくなると思うのです。それが今論議していることなのです

○ 公益活動というのを収入の面と支出の面から考えないといけないと思うのです。公益活動を行うというのは、お金をどのように使うかというのが公益活動に主に関係してくることであって、そのお金は社会的ルールに反してはいけませんけれども、どのように得るかということは、本来的に私は公益活動とは関係ないことだと思うのです。
 余り日本にはそういう考えがないのかもしれませんけれども、そうなってきますと、お金がきちっと使われるかどうかというのがまず公益活動の判断の第1番目になるでしょう。
 もうひとつ、そうなってきますと、お金をどう儲けるかというところは別の部分に任せるのが本来的であって、公益活動は主に社会に貢献するどういうことをやるかということによって判断される。
 したがって、もうひとつ踏み込んで言えば、収益活動をやるところは、考え方として、あるいは実態的に、分離できればそれが一番いいわけです。収益を上げる部門と公益活動をする部分と本来的には2つに分けて考えるべきだと思います。
 もっと大胆に言えば、収益活動を行っているところは、公益法人としては認めない。そのくらいの意見を打ち出していいのではないか。
 そうなってきますと、今のところが先ほどの○○委員のお話にもありましたが、活動ができないということも当然出てくるわけです。それは日本の税制の問題で、ここで税制には立ち入らないと言っていますけれども、要するに、公益法人として一旦認められたら、そこに対する寄附というのは課税されないという原則をつくって、現在ある公益法人を収益部門と純粋に公益活動を行っている部分とに分けて、その収益活動の方から公益活動の方に資金を移動する。その流れをスムーズにするというのが、先ほどの○○委員のお答えになるどうか分かりませんけれども、そういう考え方を持ってくる必要がある。
 もし、その2つに分割するということが現時点で難しいということになれば、それはひとつの企業の中できちっと区分けをしてやっていくという考え方でいかないといけないだろうと思います。
 ここの段階で税制に触れないとは言っても、税制というのは非常に大きな役割を果たしているものですから、公益活動をする部分と収益事業を行っている部分に分け、後者は公益法人としては認めないくらいの意見を打ち出していかないといけないのだろう、そのように思います。

○ ありがとうございました。

○ しかし、現実的ですかね。それもきれいに分かれた議論だと思うのだけれども、それほどみんなが割り切っていて、本当この制度うまく運営できるかどうかという気がするのです。

○ 日本の場合には現在はみなし寄附という制度がありまして、その法人の中で、実際に収益部門から公益部門に振り替えるという現実的な考え方があるわけです。だから、その制度を、みなし寄附を100 %適用するという考え方に立ってやるということが必要なのです。もともと公益法人というのは政府ができない、あるいは民間会社ができない、あるいは一人ひとりではできない社会に役立つことをやろうとするわけですから、国としてもそれを応援する、みんなでそれを応援するという考え方に立てば、みなし寄附という考え方も当然許される考え方であろうと思います。
 ですから、公益活動をやるという公益法人の部分をかなりしっかりしたものにしか認めない。そこに対する寄附は税制面で優遇しましょう。だから、今民間会社でも残余財産を分割しないとか、収益を分配しないとか、民間会社でもそういうものがあってもしかるべきだと思うのです。そういうのは自分たちでは独自に活動できないから、その資金を公益法人に回しましょうという考え方をたまたま取っているんだという考え方を適用していったらいかがかと思うのです。

○ 今のお考えだと、現在の寄附金に対する財務省の縛りというのは、めちゃくちゃ強過ぎるという判断なのですね。

○ そうです。要するに、公益活動というのは、国が望まないことをその法人が勝手にやっているのだから、その分については、とても非課税ということでは認められない。こういう考え方だろうと思うのです。

○ そうでもないと思うけれどもね。

○ 強く言えばですね。

○ 今の○○委員のお話は、2つの論点に分かれると思うんですが、ひとつは、お金の使い方に注目すればいいので、調達の仕方については問わない。
 もうひとつは、収益部分と支出の部分、事業を実施する部分を分離させたらどうかという2点だと思います。前者については、私は若干、特に財団法人に関連するんですが、疑問がありまして、そんなにきれい事では済まないだろうと思います。財産だけを独立させてそれを法人化して、かつそれが準則で済むというのはやはり認められないことではないかと思います。これは特に財団法人の設立のことなんですが。
 2点目は、○○委員がおっしゃったように、現実にはそうはいかないと思います。例えば事例を考えてみるとよいのですが、ヤマト福祉財団がつくっている社会福祉施設ですけれども、これがハンディキャップを背負っている人たちに職の機会を与える、パンをつくって、そして喫茶店を経営する、その収益を更に彼らの活動に投じているということで、一見、本当に営利企業がやっているようなパン屋さんなのです。そこにはハンディキャップの人たちに対する社会参加の機会をつくるというミッションがあるわけです。○○委員がおっしゃったのは私ももっともだと思うんですが、市場が触手を示さないような仕事というのは、NPOであっても公益法人であってもなかなか継続しません。そういう意味で、両者をうまくかみ合わせた事業こそがうまくいくわけで、両者を分離するというのは、市民社会の活動を促すという意味では、マイナスに働くような気がいたします。

○ ありがとうございました。先に○○委員どうぞ。

○ ○○委員に賛成です。私どもは財団法人を株式会社の前身でやっておりまして、実際の収益事業と公益事業との分岐点というのは非常にオーバーラップをしています。現実がそういう形になっていますので、そういう意味では収益活動、公益活動というふうに一応決算上、予算上分けておりますけれども、その分野というのは非常に密接に関連をしております。そういう意味では、公益活動のみの公益法人を認めるというようなものは、ある意味で現実的にナンセンスだろうと思っております。
 ですから、地域活動の中で一定程度の公益活動に回すことのできる予算の獲得をしながら、ある意味で目的性を持った公益法人としての看板と言うと失礼ですけれども、目的を果たすというのが公益法人です。
 私どもの会社は、商法上の株式会社ですけれども、十分に公益的な事業をやっております。それは自分たちで収益を上げたものを、株式会社としての商法上に基づいたものを税金を一切使わずに公益活動に回すという形になっておりまして、実を申し上げますと、今回の議論というのは、勿論、公益法人という今まで厳しい判断の中で非常に設立が難しい分野の門戸を広げるという意味もありますけれども、そういう意味ではこれからは私どもとしては株式会社も形態は違っても、十分に公益事業はできるという時代になってきています。
 問題は、志の中でどこをメインにするかという主体の中の柔軟性を持たせるために実はこの会議があると私は感じておりますので、そういう意味では公益活動と収益活動を全く別々に考えるというのは、現実的に無理があると感じております。
 逆に言えば、収益活動が公益活動に近づいている、そのどちらにもビジネスチャンスがあって、今、志のあるNPOの方も、そういう意味ではその中間のところでの活動をされている方が多いのではないかなと現場では見ております。

○ ○○委員のところは、そういう意味では大変貴重な先例をおつくりになっているということになるのですね。

○ 先ほど○○委員の言われたように、このように門戸を広げて、本当に財団法人とか社団を含めて、公益法人が増えるのかという御疑問があったように思うのですが、その部分で言えば門戸が広がれば必ず公益法人は増えます。ただし、一定程度の透明性とかガバナンスを要求されるのであれば、株式会社でもいいのではないかという判断をされるところも増えてくると思います。
 私どもが実践をしておりまして、実質上、税金はこわくない。課税庁から見ると泣いて喜ぶのではないかと思うのですけれども、それよりも時代に適ったものをそのときにやっていく必要があるのです。その場合に公益法人だからという形でたがをはめられて、一歩も踏み出さないよりは、株式会社も意外とやれる範囲が多くて、十分に公益事業もやれる、やり方次第では十分にやれる、ある意味では主体になれるということを今、私どもとしては世に問うて実践をさせていただいております。

○ ○○委員のお話は、いつかまとめて伺おうと思っていたわけですが、今日、かいつまんでお話しいただきましたので、線引きのところで大変役に立つ話ではないかと思います。

● 委員方の有益かつ新鮮な御意見を拝聴しておりまして、なかなか難しい問題であるということを改めて感じる次第でありまして、今、○○委員、○○委員から話がありましたが、実際の流れとしては、公益法人であって、具体的に言うと財団法人、財団法人というのは寄附行為があって、場所が要る、施設が要り、専務理事が要る。金がかかるのです。かつて6%くらいの金利のときには10億あれば6,000 万、これで運営できるわけです。今のところで10億あっても1%もないですから、それでやると、1人雇うにも大変だろうと私は思います。そういう情勢変化が出てきている。
 したがって、財団法人というものが、次第に営利活動をやってくる分野というのはある。
 株式会社というのが、今の時代の流れになっているのだろうと思いますが、非常に慈善事業のところに行く分野がある。そういう中において法人格の問題をすると。しかし、なぜそういう話が出てきたのかというと、実は検定とか検査とか試験とか、そういうような問題について、国が助成措置をやり、天下りの部分があって、これが今、国会で問題になっているわけです。私は行政改革の担当の副大臣もやっておりますので、必ず天下りの問題というのは、営利事業への天下りと、特殊法人と独立行政法人と公益法人の関係ということで、公益法人に官僚が天下る。そのときに給与が高い。こういうところへ国が補助金を出していたというのはやめましょう。給与についてどうするか。そのような行政面からのひとつの国民から見た公益法人問題というのは、今、行政需要として出てきている問題だろうと思っているのです。
 私はこういう側面を問題提起したいのですが、今、個人金融資産は1,400 兆と言われているのです。生命保険が入っていますが、そのうち730 兆円というのは貯金なのです。その730 兆円で大体240 〜250 兆円は郵便局が持っている郵貯。この部分について持っている人たちは65歳以上の人が7割から8割です。
 私は政治家ですから、私たちのところに来るのは、名を残したいということなのです。例えば○○奨学金資金をつくりたい、○○外国から音楽家を呼ぶとか、このような形のものを、金はありますが、何か方法はありませんかというのが出てくる。これは個人。この問題は重要な問題だと思っているのです。
 個人がやれるシステムとして、現在、公益信託というのがあるのです。公益信託というのは大正11年にできた法律で、どういうことかというと、信託銀行と信託契約をやるわけです。お年の方でお金は持っている、しかし、名は残したいという形なのですが、この場合には事務所は要らないのです。専務理事も要らない。信託銀行が信託契約に基づいて、そのとおりの運用を行って、例えば1億円のものができたら、1億円を一回で使ってもいい。ケニアに行く学生のためにやってもいい。ケニアから来る音楽家のために使ってもいい。そういう契約を結んで、10年の間に1,000 万ずつ使っていいですよ。あるいは金利の部分だけでやってください。
 意外に知られていないんですが、私は昔から公益信託推進論者なんです。この公益信託を法律的に入れ込んだのが基盤技術研究促進センターということで、これは基礎研究、応用研究をやる中に、法律の中に入れ込んだのです。私は通産官僚出身なのですが、そういう意味で、例えば東京ガスが設立10年、そのときに公益信託として何か記念事業としてやろうという形ができますよという、これは現実に今残っているはずですが、そういう面は団体。企業、株式会社、これが公益信託を使えるということなのです。
 今、私どもが少し考えていかなければならないのは、昔、高尾山に上ったときに杉何本というのがありました。名前が書いてある。それと同じように名前を残して、アイデンティティーとして、国家・社会・地域に貢献したいという人たちが結構いるのです。これを税金で相続財産から外せば、もっと雨後の筍のように出てくる。
 あるいは出した分の1億円の相続の問題についてどうするか。これは税法上の問題だけれども。
 そういう面で、民法34条の財団法人の問題は、私は○○委員が言われているように、2万6,000 のものをどうするか。生きているわけですから、あるいは金がなくなってしまえば眠っているわけです。そのときに眠っているところについては、所管官庁、主務官庁は解散命令もできれば、何もできるという現行の体制、こういうもの等をずっと見て、果たしてどういう形がこれからの資本主義社会の中において必要なのかという観点が、私は重要なことなのではないかと思っております。いろいろな御意見が出るのは私は当然だろうと思っておりますが、その法人論というのは経済とも関係します、金利とも関係しますと、個人の問題に重点を置いていくのか、あるいは複数の人たちですね、そういうことも頭に入れながら、公益信託というか、英語で言いますとトラストです。ファウンデーションというのはアメリカで、ロックフェラー財団なり何なりという話で、トラストができ過ぎて、アメリカでも5万くらいあってでき過ぎたもので、これは脱税の点があるのではないかということで、いろいろな手当がなされているわけですけれども、私はそういう部分を日本が余りにも使っていない。長寿社会で息子たちもしっかりしている、金もある、そして何か地域のためにしたいという人たちのアイデンティティーを刺激しまして、やっていくシステムというようなものが、これから法人論として重要な課題になるのではないかと思います。

○ 事務局の言ったことについて。最近は親父がなかなか死なないんだ。息子が50歳、60歳になってもまだ死なないんだ。それで金を持っているわけだ。だから、生前に早く譲れば税金を負けてやるよということを税調でここ2年間やったんです。これは今井さんなど、経団連がみんな言って、それに乗ったわけです。これがどの程度よくなっているか、役所もまだ見ていないからわからないけれども、かなり使われていると思います。自分の息子、娘に対する相続だけれども、こんなことは私的な世界です。もう少し広い世界で、頼りになる息子も娘もいない、いるけれども、親不孝でこいつらに金を残すつもりないというのも中にはいるわけです。これは結構金を握っているのです。これはあなたが言ったみたいなシステムの中で、税金をそういう角度から考えるというのは、有効な議論だと思うから、税調でやりますよ。

○ 今、事務局から骨太な整理をしていただいたのですが、今度また個人という概念が出てきたわけで、実はこの会議そのものは団体等に人格を与えてあげようということをどのようにスムーズにやるかということを審議する会議でありまして、今の個人の問題というのはも、どこかの視野には入れておかなければいけない。
 今の信託制度というのは、確かに古い制度でありますけれども、ほとんど使われていなくて、たしか数年前に「まちかどのフィランソロピスト」で、お年寄りの方がこれをお使いになって、まちかどのフィランソロピスト表彰を受けられたというのを記憶しているのですが、そんなにたくさん使われてないですね。

○ 公益信託の数が今は570 くらいです。

○ ここは公益法人のことを議論しているのですけれども、公益法人と公益信託というのは非常に密接に関係していることはおっしゃるとおりで、私も公益信託はもっと発展してほしいと思うのですが、そのことで現在ネックになっていることについてお話したいと思います。それは、信託銀行しか公益信託の受託者になれない点にあります。信託銀行は、これは主務官庁の指導監督により非常に低い報酬しか認められていないために、現在、信託銀行は公益信託を受託することに非常に消極的なのです。
 そういう意味で、公益信託をもっと増やすためには、そこで公益法人と関係してくるのですが、公益法人などが受託者になり得るとすることが有効です。公益活動をもっと促進したいと考えているのが公益法人ですから、これらが公益信託も受託して、さらに小さな個人の金も集めて受託をする。そういう形で公益法人も公益信託も、その両方がうまく発展することが可能なのです。
 この会議の管轄外の話ですけれども、信託業法というのがあって、公益信託も信託業法の適用を受けると考えられていますが、業として反復的に公益信託を引き受ける場合には、それも業としての信託になると考えられているようです。そうなると、信託業の免許がないと公益信託を受託することができません。
 そうなりますと、先ほど申し上げたような理由から現在は信託銀行は余り公益信託をやりたくない。ほかに公益法人の中にはやりたいと考えている公益法人等がいるけれども、それは信託業法の規制のためにできない。そういうネックがあるので、何かそこら辺が打破できると、非常によろしいのではないかと思います。

● 私はそういうのは法律を直せばいいと思うのです。それでもっとできるようなシステムでこの法人論とが結び付くと、出てくるのではないか。
 今の贈与、3,500 万という形で、税制上の、住宅のときにはするということでできだけ若い人にトランスファーしよう。
 そういうことをしませんと、日本の社会というのが、吉宗以来ですけれども、先憂後楽なのですが、年金にしてもそうなんですが、みんな悲観論ばかりやっている。やはり明るい未来をつくって、そういうところで自分の持っている部分については、例えば名を残す。私はポイントはそこなのだと思うのです。名誉ですね。自分はこれをやったんだと。そうすると、自分の村の奨学金制度にと。
 そういうこともあるのだけれども、○○委員がおっしゃられるように、信託銀行が儲からないから、余りやらないという部分があるんです。宣伝しない。だから、そういうのをうまく道をつくりますと、この個人金融資産世界一の1,400 兆、生命保険を除いて730 兆、世界一のものをいかにうまく動かすかというのは非常に重要だと思っております。

○ 先ほど○○委員や○○委員がおっしゃったことと関連しますけれども、身体障害のある人にパン屋さんで、いろいろ職業の訓練を与えるということを伺うと私はほろりとしてしまうのですけれども、確かにおっしゃることはよく分かります。
 ただ、基本に戻って、基本をきちんと押さえておくという必要があると思います。公益法人が収益事業部門をつくって、収益事業をしまして、さっき○○委員がおっしゃったみなし寄附で課税対象から除いてしまうと、現在法人税率が仮に40%だとしますと、みなし寄附が課税対象から除かれると、営利企業としてのスーパーがあって、それから公益法人がやっているスーパーが隣にあって、みなし寄附を無限に控除を認めると、40%安く売れるわけです。そうすると、民間の競争を非常に阻害するという問題があるわけです。
 ですから、公益法人の収益活動にどう課税するかというのは基本的に大きな問題で、それはシャウプ勧告も非常に強く論じている部分なのです。そこはそういう問題があるということをきちんと押さえた上で、議論をする必要があって、例えばさっき○○委員のおっしゃったような身体障害のある人の問題というのは、そういう就業機会のためにやるということは、公益事業の方に分類するとか、そういうやり方によっても問題は解決できるのではないかという感じがいたします。
 いずれにしても、競争中立性というものを考えなければいけないということだけを申し上げておきます。

○ 私の説明が悪かったのかもしれませんが、2つに分けて、両方とも公益法人にしようという意味では決してございません。ひとつは、きちっとした会社として設立すめばいいのであって、もうひとつの方を公益法人として設立する。そうすると、会社として設立されているわけですから、寄附を払った分だけ安くできる。

○ 寄附金控除ができるんじゃないですか。公益部門にお金を、みなし寄附とおっしゃいましたから、別法人をつくればみなし寄附ではないわけです。同じ法人の中の収益部門からお金をこっちへ出せば、それはみなし寄附ということになります。

○ 2に分けるときにはみなし寄附という考え方ではなくて、純然たる営利企業として設立されたもの。そちらの方が公益法人に寄附をする。その寄附した分については、税制上の損金算入にしてくださいということです。

○ さっきのように最高40%安くても、税引後利潤率は同じになるわけです。そこをどう考えるかというのは大きな問題です。
 もうひとつは、別会社をつくって収益事業をやらせるというのは、フィーダーコーポレーションとアメリカでは呼ばれているのですが、これがまた大変にいろんな弊害を起こしているということも言われておりますので、その辺はよく考えて見る必要があるのではないか。大変に難しい問題ではないかと思います。

○ 先ほど○○委員のおっしゃったヤマト福祉財団の身体障害者のためのパン焼き工房の場合には、収益を身体障害者のための何かに使うというのではなくて、身体障害者に雇用の機会を与えるということが、この非営利活動をしている財団の目的なのです。だから、今のお二人の話とちょっと違うところがあるのではないかと思うのですが。

○ 単価からすると営利企業よりあちらの方がはるかに高いです。

○ それもよく頭を冷やして考えてみましょう。

○ 今、公益法人が行う収益事業について話題になりましたが、イギリスに参りましたときに参考になるなと思って、記憶にとどめたことがございますので、御紹介したいと思います
 イギリスでは、チャリティーの収入のうち、うろ覚えなんで正確ではないかもわかりませんが、ほぼ3割くらいが収益事業、向こうはトレイディングという表現をしていますが、トレイディングから入る収入が3割くらいを占めます。
 ただ、その収益事業をチャリティー本体が行うと、紛らわしいということがひとつ、それから、一般の営利企業との競争上の公正さの問題がある。税金がかからないということではフェアでない。それで収益事業は子会社でやる。営利子会社をつくって収益事業をやれと。営利子会社で行います収益事業については、全く営利子会社ですから同じ税率でかかるわけです。ただし、向こうの税制でギフトエイドという制度がありまして、営利子会社が公益事業を行っている母体に対して、寄附を行うことによって利益は全部母体に収められるという制度を採っておりまして、大変合理的であるかなと。競争の公正さということと、チャリティー活動を推進するための財源として収益事業を認めるという意味で非常にフェアであるという感じがいたしました。
 先ほど身体障害者のパン焼き工房の話などが出ていましたけれども、向こうの場合、そういうベネフィッシャリーのために行っている事業というのは、本来公益事業というみなしがありまして、全く非課税なのです。それから、美術館の行う入館料、これも本来事業ということで非課税。ただ、美術館がついでに売っているハンカチとかネッカチーフを販売しますと、これは収益事業になる。そんなことで区分けをしておりまして、参考になるかと思いまして、御紹介いたします。

○ ありがとうございました。実は事務局の御指摘のとおり、大変いろいろな議論があるわけですが、これは現在の段階ではいろいろな議論を出し尽くしたいというのが私たちの考えでありまして、後で御説明しますが、3月は5日にわたって皆様お忙しい中をやりくりしていただいて、何とか参加していただきたいと考えているわけで、その最後の3回くらいは今まで出し尽くされた論点を体系的に少し整理してみて、そして皆さんで検討していこうというわけであります。
 したがいまして、今の段階ではいろいろな議論があるということを、是非いろいろな観点の御意見を出していただきたいと考えております。
 この辺で資料1−2の「適正運営の確保のあり方」についての検討、これは続きになりますが、その辺をいろいろ話題を提供していただきたいと思いますので、論点を提供していただきたいと思いますので、事務局から御説明を申し上げたいと思います。

○ ちょっとよろしいでしょうか。資料1−1の方で地域的公益法人というのが出てまいりますね。これは○○委員が詳しくていらっしゃるのだと思いまして、○○委員のいないところで私は余り発言したくないのですけれども、これは地域的な場合には基準は緩やかでいいかどうかという、いろいろな問題があると思うんです。それから地域的なものの場合に、どこで判断するのかとか、判断機関の問題もあると思いますし、あとのモニターを県レベルでやるのか、それとも中央の審査機関でやるのかといういろいろな問題かあると思いますので、この問題、是非ともテイクノートしておいていただいて、○○委員がお見えになったときに検討していただければと思います。

○ ○○委員に連絡をしておいていただいて、この次御出席のときにそのことをもう少し論議していただくようにお願いいたします。
 今の資料1−2の説明をお願いします。

● では、資料1−2を御説明申し上げます。これは「適正運営の確保のあり方」ということでございます。
 最初の1枚目が基本的考え方。2ページ目以降がやや具体的な仕組みのあり方という構成になっております。
 まず1枚目でございますけれども、最初に視点を提示させていただいております。これは公益性を有すると判断された後も適正な運営が確保される、そのための方策を考えてということでございます。3つ掲げさせていただいております。
 1つ目は自律性を確保する。その際には野放図の自律性ではなくて、むしろ公益性を有するふさわしい規律を前提とするといった点でございます。
 この方向で考えますと、ガバナンスをしっかりしていく方向といった考え方が延長線上に出ようかと思います。
 2つ目が透明性を確保するといった点でございます。これにつきましては、星野先生の方から以前お話がございました。法人の設立時というよりも、法人のその後の活動の適正さを判断するためにこの点が重要だと。したがいまして、この方向で考えますと、きちんと情報開示、活動内容について世の中に明らかにすべきだと言ったことになろうかと思います。
 3点目が、いろいろ御議論いただいております現行の主務官庁制、この下で今指導監督がなされております。仮にこれを離れるとすれば、どういった視点で、仮に法人に不適切な活動が生じた場合どうするかと、それを是正する必要があるかどうかといった視点でございます。
 そのことを簡単にまとめましたのが、その下の2つ「・」でございます。
 その下の更になお書きのところ、これは先ほどから、御指摘もございましたけれども、公益性を捉えていく場合に、法人に着目するのか、事業なのかというので、一応留意点といたしまして、事業に着目すると、その規律、適正運営の確保の視点から申しますと、規律は非営利法人としてのもののみとなるけれども、それでよろしいかという点でございます。
 その下の「・」、これは先ほどの判断要件のあり方でもございましたが、現行の公益性を有すると言われている法人にいろいろ定められております規定がございます。それとの関係で過不足があるのかないのか。この点も公益法人等の実態がどうかということから御議論いただくというのが2つ目でございます。
 更に仕組みの効果をどう考えるかといった点を同時に念頭に置いて議論する必要があるのではないかという点でございます。
 最後の「・」は、法人の規模に応じて、先ほど判断要件のところでも御説明いたしましたが、特に小規模の法人等も念頭に置きますと、こうしたガバナンスや情報開示、こういったことを御議論いただく際にも念頭を置いていただく必要があるかもしれないということで載せさせていただきました。
 更に具体的な仕組みのあり方というところが2ページ目でございます。最初の点に従いますと、ガバナンスをしっかりさせた方がよろしいという御議論になろうかと思いますけれども、右側の留意点の最初の「・」は、視点を提示をしてございます。3つございます。
 1つは、自律性の確保。これは先ほどと同様です。
 2つ目は、今回の仕組みのあり方をどういった考え方で組み立てるのかといった際に、ひとつの考え方として、公益性を有するに相応しい法人の受け皿となる仕組み。これが社会的にも有用だろうという御議論がございます。仮にその方向で関与すれは、それとも整合的だと。
 それから、仕組みの効果として何を考えるかによってもガバナンスがどの程度必要かという内容に影響を及ぼし得るといった点でございます。
 それから、具体的に何をやるかということで、その下の「・」は、以前、星野先生の方から御指摘のあった点を中心にとりあえずまとめさせていただきました。3月までの段階では、個々の論点につきまして、十分御議論していただく時間的余裕は必ずしもないかと思われますけれども、差し当たり何が重要か、漏れがないかといった点を含めまして、御意見を賜ればと思います。
 その下のディスクロージャーでございますけれども、こちらもひとつは、主務官庁制の指導監督を離れるという視点、それから先ほどからのガバナンスを高め、自律性を高めるといった方向の視点から考えましても、できるだけ適正運営を確保するためにも、情報開示をした方がいいと。その際に特に御議論を賜ればと思いますのは、いわゆる利害関係者のみならず、広く国民一般に対しまして、情報開示を行う、いわゆる社会監視といった考え方がございます。こういった方向を踏まえて、御検討いただくのかどうか、それが必要かどうかという点について御議論を賜ればと思います。
 その際には、同時に先ほどからの仕組みの効果も念頭に置く必要があろうかと存じます。
 具体的な検討の中身につきましては、その下の「・」で、とりあえずここも差し当たり十分に個々の論点を御議論いただく時間的余裕が少ないかも存じませんが、開示対象のあり方、その内容のあり方、方法のあり方につきまして、そこで書かせていただいたような点を含めまして、十分かどうか、御審議賜ればと思います。
 なお、留意点といたしまして、ディスクロージャーの話につきましては、プライバシー保護との関係があるということを掲げさせていただきました。
 3ページ、事後チェックの点でございます。ガバナンスを強化し、できるだけ情報開示を充実させたとしても、なおかつ法人の不適切な活動というのが生じ得ます。そうした不適切な活動を是正する必要があるとすれば、それを可能にするための仕組みや手段が必要になるがどう考えるかという点でございます。ここでもまた、効果をどう考えるかとの関係がございます。
 同時に、法人の自律性を確保するという視点も今回ございますので、それとのバランスも考える必要があろうかと存じます。
 具体的な仕組みや手段の有り様につきましては、その下にございますが、詳しくは横表の参考資料1の表3の7ページ以降の最後の方を御覧いただければと思うのですけれども、既存のいろいろな法制上は、ここにございますような仕組みがありますけれども、それをベースに考えていくことでよろしいかどうか。
 その下の「・」は、そのチェックの主体をどう考えるかということで、公益性の判断主体を考えることもあれば、裁判所、いわゆる司法の仕組みもできるだけ活用するといった考え方もあろうかと思います。そこも含めて御議論を賜わればと存じます。
 その他は、今申し上げたような3つのガバナンスの強化、情報開示の充実、事後チェックの仕組み、あるいは手段の必要性以外に適正運営の確保の観点から必要な論点がないかということでございます。
 説明は以上でございます。よろしくお願い申し上げます。

○ というわけで、今、御説明いただいたことにつきまして、何か御意見ございましたらどうぞ。

○ 意見ではなくて、クラリフィケーションなのですけれども、資料1−2の「・」の一番上のBで「主務官庁制の下での指導監督といった手法を離れる」場合というのは、これは許可をするところと指導をするところが一対と考えるのか、この場合は指導監督のみで許可は切り離して考えるのか。どちらなのでしょうか。

● 事務局としては、その資料作成上は、ここはだれが、どのような基準で公益性を判断するか。それを全体として担保する仕組みというので、適正な運営を確保していただこうということを念頭に置いておりましたので、ここではむしろ設立後のことを主に念頭に置いております。
 もとより設立のことも含めて、適正運営の確保の観点から何が必要かという視点もございましたら、お出しいただければと思います。

○ 問題は前提を事務局がつくっているというのではなくて、この議論の場でもって、その仕組みをつくっていくべきであると。ですから、今の情報開示というのは、当然ガバナンスの問題と、自己チェックの問題と全部絡んでいるわけですが、そういう構造につき何が一番妥当な構造であるのか、普遍性のある構造であるのか、あるいは長持ちする構造であるのかというところを議論していただきたいわけです。

○ 最初に○○委員がおっしゃったことと、不服申立てというか、裁判所への出訴ということをおっしゃったことと関係しているのですけれども、これは恐らくは認定する部門と、何か中央にそういう機関を設けた場合に認定する部門と、モニタリングというか、事後チェックをする部門と、それから不服の申立てがあった場合に審査する部門と、そのように恐らくは部門分けすることになるのではないかというような感じがいたしました。

○ ありがとうございました。

○ ちょっと別なことですけれども、全体としてここではガバナンスとか開示のあり方とか、そういうものについて公益を目的とする団体の場合には、何か要求すべきかということが問題なのだと思いますけれども、私は一般的に勿論これは必要だと思うのですが、現実公益法人の中には、かなり小さい公益法人というのもあって、これをどうするかというのがひとつ問題だと思うのです。私が関与している公益法人もありますが、これは財産の規模が、1,000 万円を切るような小さな財団法人でして、非常に規模は小さい。そういうところで例えばガバナンスというか、その組織のあり方として、理事会、評議員会、監事くらいはいいのかもしれませんけれども、余りたくさんいろんなものを要求すると、かえって非効率的になって、小さい規模であるにも関わらず、管理コストばかりかかってしまいます。従って規模の問題というのは、意外と重要な問題ではないかと思います。大雑把な意見ですけれども。

○ ということは、○○委員のおっしゃるのは、小規模と大規模とある程度の取り扱いのやり方は分けるという考えもあるよと。

○ そうですね。

○ 経産省は大企業と中小企業を分けて、中小企業をいろいろ面倒見る立場になっていて、随分甘いことをやっているわけだ。社会的にはいいんでしょうが、どこで線を引くかは難しいですね。この世界はどういうふうに引いたら一番有利なのか。どうせ大規模な企業がどんと金を出して、ないしは大金持ちがどんと金を出して、ファンドをつくって、さあ、自由にやってくれというなら、それはウェルカムだから何でもやってもらっても構わないけれども、事務局が言ったみたいに、細かい金を集め、何かやるとなれば、そんな大きなスケールのものがたくさん出てくるわけなんです。NPOまがいのものが出てくるだけですよ。それだったら、今、○○委員がおっしゃったように、余り細かいことを言ってもだめだと。基本的に自律の精神とかをしっかり持ってもらうということは必要だけれども、余りごてごてやると機能しないですよ。○○委員がおっしゃったのはそのとおりだと思います。

○ 現行の公益法人、今2万6,000 あるという公益法人の運営自体が1年に1回、型通り評議員会、理事会を招集して、余り質問もないうちに終わるというのが実態なんです。それが果たしてガバナンスということに適っているのかどうか。それならば、情報開示一本でいいんじゃないかという考え方も成り立つわけですね。

○ これは非営利のワーキング・グループの方で議論していることですが、こちらに関係することを御紹介したいと思います。
 例えば財団法人で現実によくあることなのですが、理事会が評議員を選ぶ。評議員会が理事会を選ぶというのが結構多いのです。これではガバナンスの目的で評議員会を設けていると言いながら、理事会と評議員会というのはお互いにぐるぐる回っていて、全然機能していない。こういうものも、公益を目的としない非営利法人であれば、ある程度自由にしてもよいのかもしれませんが、やはり公益を目的としてガバナンスが必要だという前提で考えたときには、おかしいと思います。こういうものは少し整理して、細かいことは別ですが、基本的な考え方というのを出しておくということは必要なんじゃないかと思います。

○ そのときに、今の理事会、評議員会という形式を取るか別な仕組みを考えるかということですね。

○ それも含めてですね。

○ ガバナンスについては、私は基本的には重視すべきだと思います。それによって社会的に信用できる法人類型というものを用意しておくという意味があるからです。しかしながら、それを全部一律にするというのは無理があるかもしれない。非常に大きな規模の場合、逆に非常に小さな規模の場合に、特例を考えるということはあり得るかもしれません。けれども、基本的にはやはりガバナンスのしっかりした法人というのは、それなりの意味があるのではないかと思っています。

○ 現場の立場から申しますと、やはり公益法人ということで、ガバナンスをある程度厳格にやらなければいけないなという意識は皆さんお持ちです。ただ、今、○○委員のお話にもありましたけれども、規模の非常に小さなところが多いんです。現実の事務を1人、2人でやっているというところがあるものですから、そこへ理事が10人以上とかになると、大変なコストになりますし、現実的ではないという面もございますので、やはり規模の大小に応じた扱いの差というのは当然必要だろうと。
 それから、ディスクロージャーというのは、案外行動をきちっとさせるという意味では効果があるのではないかなという感じがしておりまして、ディスクロージャーはできるだけ出すという方向でやった方がいいのではないかなという感じで考えております。
 それと、大事なのが事後チェックですか。余り大々的な組織でがんじがらめにやる必要は全くないと思うのですけれども、とんでもない公益法人、NPOなどでも最近は暴力団とか変なのが出てきていますけれども、ああいうのはチェックするぞというきちんとした体制があるということを見せることは必要だと思います。
 先ほど設立時のチェックのお話がいろいろありましたけれども、設立段階よりもむしろ事後のディスクロージャー、ガバナンスとか、事後チェック等によって本来の公益活動をきちんとやっているかというところをチェックしているということの方がずっと大事ではないかなという感じがします。

○ 今、お話があったのですが、理事を10人置くからコストが上がるということは現実の問題としてはなくて、ほとんどが報酬のない理事。

○ ただ、遠くからお呼びしますと、当然交通費とかが出てまいります。

○ それは確かにそうなので、そういうことを考えて、遠くの人を選任しないという、そういうことが行われているのですね。

○ 今の委員方のお話の流れに沿って申し上げれば、この公益性を有する事業に着目して判断をするというのは、やはり余り適当なやり方ではないのではないかと。法人のガバナンスに注目して、公益性を担保するという仕組みが必要なのではないかという気がします。

○ これはもう今までの議論の流れで、目的と使命とガバナンスと実績と、これらが一体となってなければいけないということなのです。それは、大体皆さんの頭の中に。

○ 論点整理には、きちんと記されていますから。

○ 論点整理は最後にやるわけですが、ただ、ガバナンスという言葉は世の中で、英語がたちまち日本語になったひとつの例なのですが、ガバナンスというのは一体何を本来的に日本語の概念で意味しているのかということを、もう少し考えてみなければいけないのではないかということを昨日申し上げたのです。
 要するに、ガバナンスというのは、2つの側面があって、ひとつは社会的な公正性なのです。それから、ひとつは運営が果たして、ミッションというか使命に的確に行われているだろうかということ、その2つの面がある。つまり、中の面と外の面の2つの面が言葉の中に含まれているのはないかと。しからば、そこのところは分解して考えなければいけないのではないかということは、昨日ちょっとお話ししたところなのです。

○ ディスクロージャーの仕方と、それから事後チェックの仕方が非常に問題だと思います。ディスクロージャーと言っても、例えば自分がホームページをつくって、そのホームページ上で開示すればいいのか、それとも、従来の普通の会社ですと商業登記所に登記をするという形でディスクローズしているわけですし、あるいは証券取引法ですと、役所での公衆縦覧という形を取るわけですけれども、コストと公的機関が関与することが適当かどうかという両面から、問題になります。一方でホームページだけだと、一体その内容をどうやって本当に真実を表わしているかということを担保できるかという問題が出てきてしまいます。
 それから、事後チェックは、まさにディスクロージャー以外に更にだれかが見るということになると、公的機関がそれをチェックするのか、そこら辺の仕組みを考えておかないと、単に事後チェックするといっただけでは始まらないのかなと思います。

○ それは、この間からときどき皆さんの議論の中に出てきている、一体公益性というのは誰が認めるのか、その機関というのは一体公的な機関なのか、民間の機関なのか、あるいは公と民とを合わせたような別建ての機関なのか。それから、そういう機関を新たにつくるということになると、その機関が全国恐らく数万になると思うんですが、数万の公益法人を1年に1回でも全部チェックするということになると、膨大な人件費、それから作業費等を必要とするようなものを、屋上屋でまたつくることが一体いいのだろうかということがまたひとつの議論の対象になるかと思います。

○ NPOで最近いろんな問題を起こすのがありますね。あれは起こってから監督官庁が、そうかそろそろあれを認めるのをやめてしまおうと言っているのは後だから、事前に監督官庁のお役人が分かるわけだから、このNPOの中身だってこの公益法人だってね。だから、事後チェックということはきれいで、実際そうだし、それでかなり有効な政策も世の中にはたくさんあるけれども、これだけ数のあるものを事後チェックでずっとフォローしろなどと言っても、そんな組織日本ではできませんよ。役人にもできないし、民間でもできない、金もなければ人もいない。だから、事後チェック論というのは言葉だけあるのですね。しようがないですね。これは性善説に立って目をつぶるしかないかもしれない。いよいよ悪い者がいたらとっつかまえると、一罰百戒で、そうでもしなければ不安でしようがないと、性善説でなければ限りないことをやらないといけない。もう大胆に認めて、日本人は8割型立派なんだと思ってやるしかないですね。

○ 現実問題として、NPOの場合には認証する業務が精一杯で、とても2年間ごとの事後チェックなんていうのはまずできないというふうにおっしゃる方もありますね。

○ 社会主義国だってできないのだから、今の国の組織でそんなものできるわけないですね。

○ 今の○○委員の性善説に立ってやるというのは、私も賛成したいと思います。すべてのアクシデントや悪事を予防しながら物事、法律をつくっていこうとなると、限りなく厳しくなっていくような気がします。
 その一方で、中央集権的にこれをチェックしようとしたら、ものすごい行政コストがかかってしまって、非現実的だと思うのですが、そこで○○委員が出されている、地方レベルで認可、もしくは指導をするという機能を持たせたらどうかと思います。そして、そこに民間の人も参加するというようなやり方にすれば、ある程度コストをシェアできるのではないかという気がします。

○ 確かに、○○委員おっしゃるように、事後チェックというの大変な作業ですけれども、しかしさっき設立のときに、活動実績は余り厳格には言わないというような考え方を取ると、事後チェックがなおさら重要になってくるわけですし、毎年無理でも2年に1回とか、3年に1回とか、そういうことで見るという方法だってあるわけですし、それから余りひどいところはそういうことを申し出てくる、あそこはひどいという申し出があったら、その都度チェックするということも可能ですし、3年ということにしておいて中間でそういう申し出があればチェックするということも可能ですし、相当にきちんとチェック、勿論柔軟性は害さないようにしなければいけませんが、やはり必要なのではないかと思います。

○ 当初、事務局の方からチャリティー委員会の資料を出していただきましたけれども、チャリティーというのは登録しているのが約十九万あって、職員の数が550 人ちょっとということでございまして、そこで登録、チェック、監督、指導、全部やっているんです。当然ながら悉皆ではございませんで、収入の多いもの、あるいはよからぬ情報の入ってくるもの、そういうものに目星を付けてチェックに行くということでやっておりまして、この辺はそういう運用の問題だと思います。全部を全部、網の目漏らさずなんていうことを考えると、とても費用倒れでいかないと思いますけれども、効率よくやればいいと。

○ 恐らく実際上うまく動くかどうかわからないけれども、内部告発、内部通報しか、このようなものは分かりませんよ。来たらしっかり調べるということさえできていれば、何も全部やることはないわけだから、そんなことできる暇もないし、金もないし、人員もいないわけだから、結局内部通報で、今度の公取の独禁法の改正だって、竹島氏が言っているのは、悪いことをやったら金をよけい取るぞと、しかし事前に私悪いことやっていますと言ってきたら、ただにしてやるよと言っているわけです。これ司法取引ですね。ちょっと話が違うけれども、そうでもしなければこんなもの動きませんよ、マスコミも何もできない。

○ やはりこういう議論というのは、ある程度実証性を持たせる必要があると思いますので、現在各省庁でこういう公益法人の許認可の問題を担当している職員の数がどのぐらい全部でいるかということを計算して、そして実際にチャリティーのようなものをつくったら、何人ぐらい置けばいいのかということを、少し人数を計算していただいておくと、いろいろなことを聞かれたときに、こうなのですということを言えるのではないかと思います。

○ わかりました。それは、たしか公益法人協会でお出しになった推定の値は出ておりますけれども、これはちょっと我々の事務局の手でおっしゃったようなことは用意しておかなければいけないと思っています。

○ 少し違った観点で、ガバナンス、事後チェックと言いますか、ディスクロージャー、全体として何を目的としてするかという観点からの話なんですが、今、議論になっているのは、どこかしかるべき官公署、チャリティー委員会みたいなものでもって事後チェックをするという話がひとつだと思いますが、情報開示の方は恐らくもっと広く市民一般に情報開示することで、それなりに直接的なファンクションではないけれども、開示しているということによって自己自律的な適切な活動がされるだろうということを期待すると。万が一そこにまた変なことが発見されれば、もうちょっと次の直接的な何か行動が取られるだろうと、そういうものだと思います。
 このディスクロージャーについて、もう少し考えてみたいのですが、これはなかなか、私も原則は勿論重要な部分はディスクロージャーしなければいけないと思うのですけれども、どこまでディスクローズをするかというのが、なかなか公益活動の一方で自立的な活動との関係で非常に難しい問題があるのではないかと思います。私は賛成ではありませんけれども、非常に極端なディスクロージャーということになりますと、例えば行政と同じように情報公開とか、何でもかんでも全部出させるというのが一方の極にあり得る。それはそれでひとつの考え方だと思いますけれども、先ほど言いましたように、私はそこまでは適当ではないのではないか、もう少し本来自律的なものに任せておくべきだろうと。 その観点で、実はこんなことを人からも聞いて、前から気になって、先ほど○○委員がガバナンスというときに、内部のと外部のがあって、外部のところの公正という話をされて、その公正と関係するんですが、例えば社会福祉関係ので、特養みたいのがあったりして、入りたい人はたくさんいるわけです。どういう人が入るかというときに、入りたい人はどういう基準で選んでいるのかということを知りたい。しかし、これはなかなか実際上表に出てこないと。
 中には、寄附をすると入れますよということを非公式に言ったりして、それが実際上ある程度基準になっていたりするようなこともあるようでけれども。これは、私は公正ではないと思うんですけれども、しかしそれは一切だめだという形で全部非常にきつい規律を被せるのか、ある程度そこは完全には公正ではないけれども、ある程度緩い、行政と違って公益法人の場合にはそこは緩いものがあっていいのか、そんなことを考えていまして、もし非常に強く公正を要求すると、今のようなものはすべて開示させなければいけない。それは一種の情報公開法のようなものを被せて公益法人も開示させるということがあり得ると思うのですけれども、そこら辺をどう考えたらいいかというのは、実は私自身も悩んでおりまして、余り極端なのはよくないだろうと。だけど公正さをどこまで要求して、どの程度開示させるか、少し自分の悩みみたいなものをただ申し上げただけなのですが。

○ ありがとうございます。まさにこれは非常に重要なポイントだと思いますので、今のような話はワーキング・グループでもこれから検討されるところですが、こちらの方でもこういった問題に絞ってもう少しお話しをする機会をつくりたいと思っております。 
全般にわたって何でも結構でございますから、今日言いそびれたようなことがありましたら、どうぞ御発言をいただきたいと思います。

● ○○委員から、地方の重視論が出されました。私、それは非常に重要な点だと思っております。○○委員が言われているように、2万6,000 のうち国は3割なんですね。7割は地方なのです。ここのところをどうするか、それから職員で見ますと、全体で五十数万いるわけですけれども、そういう中において地方の部分の7割を、どういうふうな仕掛けでやっていきませんと、この制度論は、今の現行でそうですから、私は動きにくい部分があるのではないかということを指摘いたしたいと思います。

○ かなり重要な御指摘であると思います。

○ 地方だとあれですね。東京の真ん中でちょろちょろやったって全然分からないけれども、地方だと割合と、あれはおかしいことを最近やっているぞとか、割合と噂があるんです。これはかなり真実に近いことがままあるのです。ためにする中傷もあるけれども、地方だとそれに関しての、大東京とか大大阪に比べれば、大阪じゃだめかな。あると思います。東京の実感から言ったら、こんなものは何も分からない。○○委員がおっしゃったように、ホームページで読めば分かるけれども、読む人というのは、私はあそこに寄付しようと思うけれども、まじめにやっているかというようなことで見てくれる人もいるかもしれないけれども、ほかに何か、ボランティアで参加したいと思う人が見るのですか。経理をうまくやっているかなんて、見る人はいるのでしょうかね。

○ ですから、その場合はホームページの要件をつくっておかなければいけないということですね。そうしないと、単なる自己宣伝のためのホームページができるということになりますからね。
 さっき○○委員、○○委員がおっしゃったような、性善説の問題もあるのですが、性善説でもそれは切り口としていいと思うのですが、性善説で滅茶苦茶に何でも悪いことができる、悪いことができるというより、本来の趣旨に反したものができるというような仕掛けはつくりたくないわけですね。
 そうすると、それがきついか緩いかという議論にまたなるわけですが、それはこれからです。

○ 今の○○委員がおっしゃったとおりだと思いまして、ではそれが結局は事後チェックをどうするかということにつながってくるだろうと思うのです。
 今回の御提案ですと、事後チェックは何となく一元的な感じもするのですが、必ずしもそうではないかもしれませんが、もう少し多元的なモニタリングシステムを考えてもいいのかなというように思っています。具体的には、例えば団体に何らかの役割を担わせる。それは判断主体とは別個に、各種の団体にモニタリング的な機能を担わせるということもあるかなと思っております。個人にだけ委ねますと、先ほど○○委員からありましたように、結局は内部通報に限られるのではないかと。その内部通報というのは、場合によっては内紛まがいのものであったりすると。あるいは、外部の人ですと、逆に法人を荒そうというようなものもあるかもしれない。ですから、個人の役割は勿論大きいのだけれども限界がありますので、団体に何らかの役割を持たせてはどうかと思います。

○ ありがとうございました。○○委員、どうぞ。

○ 少し話の流れの腰を折ってしまうかもしれないのですが、先ほどの事後チェックの仕方の問題なのですけれども、○○委員が認可を与えるとおっしゃるところ、これは評価にあたるところです。不服申立は別にするべきだとおっしゃったのですが、重要であると思います。事後に評価しますと事前の段階で何でこんなこと許してしまったのだろうという、つまり認可の段階でのいろいろな欠点が見えてしまうのです。それを事前の段階でチェックするのと同じ人が事後で評価をした場合には、事前の段階での欠点に関して、隠してしまう可能性もあるということです。従って是非事前の段階、つまり認定をするところと、事後のチェックをするところの関係については、何らかの牽制行為が働くか、分離独立している方が適切なのではないかと思います。

○ それは認定する機関のガバナンスという意味で、是非必要なことですね。

○ 今のお話に私も賛成で、設立を認めるところ、それから例えば設立された法人が非常に悪いところがあるなということになれば、それに対して助言を与えるような機関、そして最終的に事後チェックをする。助言をしてそれでもクレームが来たら、それについてもう一遍チェックするというような、そういう機能を持った第三者機関の設立をここの会議としては打ち出すべきだろうと思うのです。
 今までのお話の中で、課税庁が公益性を判断するのは、やはり難しい。
 それから、一方閣議決定では、それぞれの主務官庁の制度を廃止しましょうとしている。ここはいろいろ問題があったから廃止しましょうということになれば、民間を入れるか入れないか、それは別としても、やはり公正な、国とは一線を置く、ある程度の独立性を持った第三者機関というのを設立する。今どきそんなものができるかという御意見もあろうかと思いますが、現に2万6,000 の団体に対しては、各官庁でかなり厳密な検査を実際にやっているわけです。私どもの方に検査に来たときには、3人ぐらいの検査官が丸1日かけてじっくり調べていくというようなことが現になされているわけですから、そういう人員を集めて、ひとつの機関をつくる。勿論国の方も参加するでしょうし、場合によっては民間の方も参加して、しかるべき民間人を長に置いて、一元的に判断していくというシステムが望ましいのではないかと思うのです。

○ それが先程○○委員のおっしゃった、国、地方を含めて、どのぐらいの人数の方々がこういった仕事に従事しておられるかということは、把握しておいた方がいいよということをおっしゃったことと通じるわけです。

○ 公益法人協会で推定した数字では、国関係の7,564 法人を担当している人が、恐らく86人ぐらいではないか、それから、都道府県の1万9,217 の法人数を担当している人が、189 人ぐらいという一応の推定があります。これはあくまで推定でしょうから何とも言えませんけれども、そういう人たちが集まってひとつの組織をつくり上げていくことが考えられる。民間の人たちが協力する場面というのは、随分あろうかと思うのです。民間からも、例えば無償でもいいから、そういうものには是非協力しようという機関が幾つかは出てくると思いますので、是非そういう機関の設立をお願いしたいと思います。

○ ひとつの論点として残しておきたいと思います。

○ 前回話題になりましたイギリスのチャリティー、それから私はアメリカの行政委員会のことを申し上げたのですけれども、どうも行政委員会というのは日本では余りうまく機能しなかったと言われているのですが、ひとつは憲法上の問題で、内閣から独立したような地位を持つ組織は、憲法の定める分立の建前から許されないのではないかというような議論がかなりあったわけですけれども、しかし人事権と予算権が内閣にあれば、権力分立の原則には反しないというのが、学説では通説でございますので、そういう通説にのっとればできることになるのではないかと思います。現に公正取引委員会も行政委員会として活躍していますので。

○ 私、大変申し訳ないのですけれども、次回、次々回はもう出てこられないような状況なのです。私は、どうせもう見当が外れたことしか言わないから、いなくても一向に関係ないと思うけれども、ただ進め方としてお願いしておきたいのは、どこかで論点だけまとめるでしょう。そのときには、それを読ませてもらって、勝手なことを書いてこちらにペーパーを出すと、欠席する代わりに何か書いたものをここに出したら、一応それで役目が済むというふうにしてもらえば、なるべく論点整理を早くやってもらいたいのです。

○ 分かりました。それは、これからの議事の進め方について御説明をしようと思っていたところなのです。せっかくそのお話がありましたので、それに移らせていただきます。

● 本日、資料としまして資料2に次回の日程とございますが、その次に部内用というペーパーを資料として挟んでいると思いますが、御覧いただければと思います。既に各委員には日程の照会をさせていただいているのでございますけれども、まずこの会議としまして初回の会議でも御紹介いたしましたけれども、3月末を目途に議論の整理を行う予定としております。その後、この会議での議論を政府税調の方にお伝えして、政府税調の方で議論を開始していただくというのが大筋の運営でございますが、それに向けて議論の整理を3月末までに行うとしますと、その間に案文審議等も必要となります。今、予定しているところは、次回3月17日に議論の整理に向けた予備審議とございます。これは、これまで出された主な論点、御議論を一旦整理させていただいて、それについて御確認いただきながら全般的な御議論をいただければということを考えているところでございます。
 それから、3月22日と26日に案文審議と、今のところ2度と考えてございますが、31日にも予備日として考えているということでございます。
 それから、ワーキング・グループの関係は、3月16日に財団関係等のまとめの御議論をいただくことになっておりまして、ここの御議論次第ではございますが、一応検討状況報告というのを22日の有識者会議にしていただけるかどうかということで、ここにPと書いてございますが、22日の議題のひとつとして挙げさせていただいております。3月中の運営はそのように考えているところでございます。

○ 今、○○委員がおっしゃったように、御欠席の場合は当然あると思いますので、その場合には是非ペーパーを出していただいて、そのペーパーはもし事務局に出すペーパーであるか、あるいは全員に配ってもいいペーパーであるか、それは御指定ください。これも前者の場合と同じです。
 それから、もうひとつ議事録のこと。

● 3月中は今後また多数審議を行うわけですが、この会議の模様につきましては、議事概要をできるだけ早く公表するということと議事録につきましても、ほぼそのままの形で公表しようということにさせていただいております。今後ともまた議事録案文のチェックをお願いしていくのですけれども、これまでの分のチェックにつきましても、多少日数が過ぎておりますので、チェックの方の御協力をお願いしたいと思っております。
 今のところ、初回の議事録は出ておりますが、2回目以降がまだ委員方のチェックが済んでらっしゃらない方もいらっしゃるものですから、まだ出せていない状況でございますので、よろしく御協力方お願いいたします。

○ 補足しますと、事務局が出し惜しみをしているのではなくて、委員方のチェックが戻ってきてないという、勿論お忙しい委員方なんで御発言のところだけを拾って直すというのは、大変な作業だと思っておりますけれども、やはりこの会議の透明性ということから考えると、なるべく早くどのような意見が交わされたかということは、世の中に知っていただいた方がいいと思いますので、そういう意味ではお忙しいは思いますが、是非チェックして御返送いただくようにお願いを申し上げたいと存じます。
 本日の会議は、これで終了したいと存じますけれども、事務局から次の日程をお願いします。

● 3月17日、来週の水曜日でございますが、時間は午後の3時、15時からということで、この会議室でよろしくお願いいたします。

○ 場所はここということだそうでございます。第6回の会議はこれで閉会をさせていただきます。大変ありがとうございました。いろいろな論点を出していただきまして、これはひとつひとつがかなり分かれ目をつくるところと、結接になっているところとございますので、それを整理させていただきまして、今月いっぱいにある程度の論点整理だけはしたいと、その前に今、申し上げたように17日のペーパーでは少し荒整理をさせていただきたいと考えておりますので、それについて皆様の御意見をいただきたいと思います。
 それから、今日は必ずしも説明ございませんでしたが、各国の公益法人制度の比較の表を、現在できる限りのものでお出ししておりますので、是非御覧いただきたいと思います。
 私自身の経験でございますが、昨日、フランスの公益法人でございます、パリの日本文化会館の支援協会の理事長に選任されたわけですが、ところがこれは何と1901年法に基づいた法人でありまして、その1901年法に基づきますと、総会をやって、その総会の途中で臨時総会に切り替えて、そこで定款の変更を行って、定款の変更を行ったらそれに続いて再び総会に戻って総会で審議を行うと。それでまた臨時総会に切り替えて、定款の変更をして、また総会に戻るという大変煩瑣な総会であります。勿論フランス人の理事も来ているわけですから、フランス法にのっとって総会をやったわけですが、大変煩瑣なんです。もともと定款を臨時総会で、つまり総会で定款を変えることはなくて、定款は臨時総会でのみ変更できるということなものですから、そういうことになっているわけです。ですからどこの国でも現在行われている法制というのは、時代が非常に変わっておりますために、イギリスのチャリティーコミッションも更に見直しが行われているというように、今、行われている制度が非常によくて行われていることばかりではないというように感じまして、これを超えたものを是非皆様のお力でつくっていきたいと考えておりますので、是非御協力をいただきたいと思います。
 本日はありがとうございました。


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