○:委員
●:事務局

第26回 公益法人制度改革に関する有識者会議

−議事録−


平成16年11月16日(火)10:00〜12:30
場所:虎ノ門第10森ビル3階 会議室

○ それでは、定刻になりましたので、ただいまから第26回の「公益法人制度改革に関する有識者会議」を開会いたします。
 お忙しいところ、皆さんお繰り合わせをいただきましてありがとうございます。岩原委員、宇賀委員、河野委員、田中弥生委員、この4人の方は今日は御都合により欠席されます。しかし、あとで御説明すると思いますが、事務局の方からそれぞれの方にお尋ねしたり、あるいはファックス、eメール等で御意見を十分いただいておりますと私は承知しております。
 そこで、本日予定しております議事と配布資料について事務局から御説明を申し上げます。

● まずお手元の方にお配りしております資料につきましてでございますが、表紙付きの「報告書(案)」というものと、それから「非営利法人制度の創設に関する試案」、ワーキング・グループの報告、この2点ございます。報告書の最後のイメージといたしましては、この2つが一体になったものということで報告書という体裁を想定しております。
 本日は、この報告書の内容について引き続き御確認いただきながら、御議論いただくということを想定しております。
 報告書の内容につきましては、この後御説明いたしますが、基本的にはせんだって前回の資料と変更した点について下線部を引いた形にしてございます。
 とりあえず以上でございます。

○ 今、御説明ございましたが、報告書(案)は前々回から何回も皆さんの御意見を入れて修正をしておりまして、それから更に途中で御意見をいただいたところも修正をいたしまして、最終案を今日直したところを御説明すると、こういうことであります。
 今日は修正箇所を中心に御確認をいただいて、実質的な報告書のとりまとめをする会議というように承知しております。本日の進め方としては、報告書案の修正箇所について事務局から御説明をいただいた後で、御確認をお願いしたいわけでありますので、事務局から修正箇所についてまず御説明をいたします。

● それでは、修正箇所について順次御説明させていただきます。
 まず1ページ「はじめに」のところでございます。この「はじめに」のところにつきましては、前回出ました意見、それからその後幾つかいただいた御意見につき整理した形にしてございます。
 まず、第1パラグラフのところでございますが、4行目「このため、個人や企業の自由で自発的な活動に支えられた民間非営利部門」という形で文章を挿入しております。
 それから、第2パラグラフのところでございますが、ここも基本的にはいただいた意見等も踏まえまして、少し文章を詳しくする形で整理しております。2行目から申しますと「戦後の高度成長を支えた諸制度が大きな転換期を迎える中で、新たな社会のあり方が問われており、公益法人制度も21世紀に相応しい仕組みに再構築する必要がある。このため、政府部門や民間営利部門に比べ未だ基盤が脆弱な民間非営利部門による自発的で多様な法人活動を容易にするとともに、民間非営利部門による公益的な法人活動の発展を促進するための新たな仕組みが求められている」。
 この後でございますが、ここも以前から記述していたところを少し意味を明確にするという意味での修正をしたところであります。読みますと「同時に、現行公益法人に係る不祥事等の防止の観点からも、法人格の取得と公益性の判断や優遇措置が分離された、信頼性の高い仕組みを構築することが重要である」。
 次の段落でありますが、これは前回の御指摘を踏まえまして、この基本方針「を踏まえ」という修正をしたところでございます。
 3ページにまいりまして「改革の意義」のところでございます。
 ここも少し細かい修正になっておりますが、第3パラグラフの1行目のところ「また、政府や市場だけでは様々な社会のニーズへの対応」と。これは以前「対処」となっておったものを言葉を整理いたしました。
 その下5行目になりますが「機動的な対応が難しい政府部門」というところを意味を明確にするために「構造的に」という言葉を入れてみました。
 その下幾つかこれは問題点を例示しておるところでございますが、これも意味を明確にするために少し文章を整理いたしました。「@主務官庁の許可主義の下、裁量の幅が大きく、法人設立が簡便でない、A事業分野毎の主務官庁による指導監督が縦割りで煩雑」としたところでございます。
 4ページにまいりまして「(2)基本方針」のところでございます。個々は、以前から文章の整理、もう少しわかりやすくならないかということでいろいろ御意見をいただいておったところでございますが、最終的にこういう形に整理いたしました。
 ここは、まず柱書きのところでありますが「上記のような認識の下、各官庁が自由裁量により公益法人の設立許可等を行う主務官庁制を抜本的に見直し、以下を基本方針としつつ、新たな非営利法人制度を創設すべきである」と。
 ここを整理いたしました都合上、以下の部分も整理した形になっております。併せて、@、A全部読ませていただきますと、@といたしまして「民間非営利部門に関わる人々の創意に基づく幅広い活動を促進するため、法人格の取得と公益性の判断を分離することとし、準則主義(登記)により簡便に設立することができる一般的な非営利法人制度を創設する」。
 「A民間非営利部門による公益的活動の健全な発展を促進するため、上記の準則により設立される一般的な非営利法人のうち、一定の要件を満たすものを、公益性を有する非営利法人として、新たな主体が判断する仕組みを創設する。その際、現行公益法人制度に関する指摘に対処し、公益性判断の客観性の確保、法人の自立性の向上、情報開示による透明性の向上、ガバナンスの強化を含む公益性を有するに相応しいしっかりした規律の確保を図る」。
 その次5ページ以降の2の「一般的な非営利法人制度」のところでございます。
 これは、6ページB「社団形態の非営利法人の規律の概要」というところでございますが、ここは冒頭「設立者の自由意志で設立ができるよう」という文章を挿入いたしました。
 その下イの「社員」のところでございますが「本制度を営利を目的としない団体に一般的に適用可能な制度とする見地から、社員となる資格は、各団体の定款で定めることとする」と。
 以上の修正につきましては、文章をわかりやすくするということで整理いたしました。
 次のページでございます。
 7ページのウの「ガバナンス」というようになっておりますが、これは以前「管理」という言葉を使っておったところですが、やや文章、言葉としてわかりにくいのではないのかということで、ガバナンスという言葉を使ってはどうかという御意見があったことを踏まえて、修正いたしました。
 その下、(イ)の「理事」のところでございます。ここは、まず修正点で申しますと、文末「必要がある」というように修正した点2点ございますが、これは表現を統一したというだけでございます。
 ここは代表訴訟制度について記述されておるところでございますが、ここにつきましては、文中記載がございますように、理事による法人運営が萎縮したり、理事の人材確保が困難になることを防止するという観点から、これは今までいただいた御意見で時期尚早ではないかという御意見がございました。
 一方、今日御欠席でございますが、○○委員の方からは、この代表訴訟制度について、これは勿論社団について規定されておるわけでございますが、非営利財団については、そういう規定がないということで、財団については、この責任追及の手段、方法としてはちょっと弱いのではないのかというような御指摘があったところでございます。
 少し飛びまして10ページのところでございます。
 イの「ガバナンス」というのは、先ほどございましたのと同じ修正であります。
 11ページオの「解散」のところ、それからキの「清算」のところ、これも先ほど申し上げましたような表現の整理であります。
 11ページの下@「大規模な法人に関する特例」というところで、12ページの方で少し修正をしてございます。これは、外部監査の活用ということにつきまして、いろいろ費用等が負担にならないようにという意味での御意見がございましたことを踏まえまして、少し文章をつけ加えさせていただきました。「一定規模以上の法人については、その事業活動や取引関係を通じて第三者に及ぼす影響が大きいことから、大規模な株式会社に関する規律を参考にしつつ、法人の実態も踏まえ、会計監査人による監査を義務付ける方向で検討する必要がある」という形にいたしました。
 13ページ「3.公益性を取り扱う仕組みのあり方」でございます。
 まず、柱書きの部分でございますが、4行目「現行公益法人制度が有する弊害を排除する観点を踏まえた」というところでございます。これは、以前「現行公益法人の諸問題に対処する」という記述になっておったところ、その意味をより強調するという修正でございます。
 (1)の「判断主体のあり方」であります。
 ここは、趣旨といたしましては、この判断主体の持っておる意義、それから機能につきまして、よりわかりやすく明確に書くという趣旨から2行目「中立的に判断を行い得ること」の前に独立という言葉を入れました。
 3行目、この「専門性を有し」ということに並びまして「活動現場の情報把握に努めつつ」ということで、現場性を強調するという趣旨での修正を加えたところでございます。
 14ページ「判断要件のあり方」のところ、下から3行目辺りからですが、これは前回御指摘のありましたことを踏まえて「新たな公益法人会計基準を踏まえることが適当である」という表現に改めたところでございます。
 次の15ページのところであります。
 (イ)の「共益の取扱い」というところでございます。ここは、まず柱書きのところは文章を明確にするという趣旨、わかりやすくするという趣旨、この辺りから修正を加えております。読みますと「公益性を有する法人の本来的目的は、公益であるべきであり、共益を本来的目的とすることは適当ではないが、共益的な活動の結果、公益に資することもあり得ること等から、共益的な目的・事業については一定程度許容される余地があるものと考えられる」ということでございます。
 特に修正をしておりませんが、その下アルファベットのAのところで「共益と、公益性を有する法人の本来的目的である公益目的との因果関係を重視し」というところで、この点につきまして、○○委員の方からは、少しこの因果関係という言葉がわかりにくいのではないのかという御指摘があったところではございますが、これはこれまでの議論の中でやはりAの選択肢については、この因果関係という言葉が重要ではないのかという趣旨で、そのまま残しておるところでございます。
 17ページにまいりまして(イ)の「営利企業の行う事業との関係」というところでございます。これは、以前「公益的事業の営利競合等」となっておったところをタイトルから修正したところでございます。ここにつきましては、前回幾度が御議論があったところで文章を御趣旨を踏まえて整理いたしました。文章の内容等、順番入れかえたり等をしてニュアンスを異ならせたつもりでございます。冒頭読みますと「社会のニーズが多様化する中、民間営利部門と民間非営利部門が同じ事業領域で活動する例も見られることから、公益性を有する法人が行う主たる事業と営利企業の行う事業との関係については、判断主体において民間有識者からなる委員会の意見に基づき、公益性を有する法人の個々の事業ごとに、慎重に判断を行うべきである」と。
 以下、それに伴って文章を「その際、」というように修正した形になっております。
 このイの一番最後のところ「営利企業の行う活動」というようにしてございますが、これは以前「民間営利活動」となっておったところを言葉を明確にしたということでございます。
 少し飛びまして、19ページアの「理事構成及び評議員構成の制限」というところでございます。これは前回いただいた御意見を踏まえまして「特定関係者」という言葉を挿入したということでございます。
 あと、特定企業関係者、あるいは同一業界関係者のところにつきまして、特に同一業界関係者については、いろいろ相当実態も踏まえる必要があるべきという御意見がございましたので、下線部「特に同一業界関係者に係る規律については、現行公益法人の実態も踏まえ、慎重に対応すべき」という表現を加えたところでございます。
 その下、イの「役員報酬等」のところでございますが、ここは2行目に「不適切な利益配分となるおそれがあり」ということで、これは以前「利益配分と見られる」というところを意味を明確にした修正でございます。
 少し飛びまして、23ページになります。
 Cその他のアの「活動実績の取扱い等」となっておるところでございますが、これは次のページの4行目以降「また、公益性の判断ができるだけ早期に行われるよう、申請者の視点に留意した申請手続の簡素化が重要である」という一文を加えてございます。これは、前回の御議論の中で法人設立を、それから公益性の認定というものを極力一体的に運用できないかといったような御意見があったことを踏まえて挿入したものであります。この文章を挿入したことに伴いまして、見出しに「等」を付けたということでございます。
 その次のイの「公益性を失った法人の財産の取扱い」というところでございますが、ここにつきましては、前回もまたいろいろ御意見があったところでございます。前回までの文章でありますと、考え方は2つに分けてございまして、財産を区分するしなしでAとBに分けておったところでございますが、ここはこれまでの議論も踏まえまして、そういう二分的な区分をここではとってございません。この修正した部分以降をちょっと読ませていただきますと「このため、公益性を喪失した法人の財産から公益目的に使用されるべきものを公益性喪失時に区分した上で、判断主体による一定の関与の下、公益性喪失時から解散後までの間の法人に適切なタイミングで、類似の公益目的の法人に対する寄附や公益的活動への支出を行うなど公益目的に使用させることが考えられる。その際、公益性を喪失した法人が、従来公益的とみなされていた目的・事業を継続する場合は、区分財産をこのために使用することを可能とする方向で検討することが適当であるが、構成員等への財産の実質的分配とならないようにすべきであるとの指摘にも留意が必要である。一方、上記の考え方については、財産の生じた原因(例えば、寄附者等による寄附等)に応じて、その処分制限のあり方も異なり得るが、精確な区分は実務上困難であるとの指摘があることなどから、公益目的に使用されるべき財産を区分せずに、一般的な非営利法人として解散した場合の残余財産の帰属者に係る制約のみを課すとの考え方もある。いずれにせよ、公益性を失った法人の財産の具体的な取扱いを検討するに際しては、当該法人に対して判断主体が必要な範囲で実効的な事後チェックを行うことが重要であるとの観点を踏まえ、その監督上のコストや法人の負担及び事業継続への影響なども考慮しつつ、適切な措置を講ずることが必要である」という形にいたしました。
 その次26ページでございます。
 ここは2か所「必要があるとされている」という修正を加えてございますが、これは文章表現の統一ということでございます。
 また少し飛びまして28ページ、ウの「一定期間ごとに公益性の有無を確認する仕組み」でございます。ここは、幾つかの観点からの御議論がありましたので、それを一通り踏まえた形で修正したつもりでございます。
 まず28ページの方でございますが、2行目以降「公益性判断は恒久的なものとしないとの考え方の下」という修正にしておりますが、これは以前は「恒久的なものとならないよう」というようになっておったところを考え方を明確にするという趣旨で修正いたしました。
 29ページの方でございます。
 これは更新制度の是非につきまして、いろいろ議論があったことを踏まえた形で修正しております。なお以下読ませていただきますと「その際、公益性に係る判断の有効期間を設定する、いわゆる更新制度の導入は、更新の有無にのみ関心が集中するおそれがあること、各法人及び判断主体にとって負担となり得ること、公益性を有する法人の活動を萎縮させるおそれがあることなどから、適当でないと考えられるが、制度の悪用防止あるいは形骸化防止等の観点から、この制度を導入すべきとの意見もあった」。
 その次、4の「現行公益法人の新制度への移行のあり方」ということで31ページ以降でありますが、ここでの修正点は33ページ、これは単に用語を整理したということでありますが、「一定の期間が必要なこと」ということにいたしました。
 最後でございますが、「おわりに」のところであります。
 まず2行目のところでございますが、ここは、前回の御議論を踏まえまして「現行の公益法人制度の抱える諸問題に対処しつつ」という表現にいたしました。
 その下、何行か文章をつけ加えておりますが、これは前回の御議論の中で新たな判断主体がどういう役割を果たすのかと。新しい機能を、新しい役割を持ったものを今度つくるということ、メッセージ性を持って書くべきではないのかということ。それから独立・中立に運営されるべきといったような幾つかの御意見があったことを踏まえまして、文章を考えてみました。この部分を読ませていただきますと「その中でも、特に重要な意味を持つのが新たな判断主体の果たす役割であろう。国・地方を問わず、民の視点をもって公益性の判断をより透明なプロセスの下で行うということは全く新たな取組みであり、制度の根幹をなすものである。本報告書においては、そのような役割の担い手にふさわしい判断主体のあり方について、独立性・中立性を重視しつつ、その新しい姿を示している」。
 その下、第3パラグラフのところでございますが、まず3行目都道府県に加えまして「市町村」ということも前回の意見を踏まえましてつけ加えました。
 これも前回の議論を踏まえてということでございますが、「今後の社会において、自立した民間非営利部門が積極的な役割を担うことができるよう、これら関係機関、関係者が一致協力して改革に臨んでいくことが何よりも重要であると考える」ということにいたしました。
 34ページの下の方でございますが、「また」以下のところでございます。ここも意味を明確にするという意味での修正で「また、新たな法人制度を具体化するに当たっては、単に制度を構築するだけではなく、新しい理念の下でいかに適切に制度を運用していくかが重要となる。また、今後は非営利分野においても法人格の取得が容易になるが、一方で制度の悪用が増えることを懸念する声もある。こういった問題にも留意しつつ、政府においては、本制度が本来の目的に沿って運用されるよう努められたい」というようにいたしました。
 とりあえず修正点は以上でございます。
 それから、これはちょっと先ほど申し上げるのを忘れておりましたが、これまでの扱いと同じくこの報告書の資料につきましては、委員限りということでお願いしたいと思います。
 御説明は以上でございます。

○ 御苦労様でございました。
 以上が、この前9日に皆さんの議論をいただいてから9日の席上で出た意見ばかりではなくて、その後個別に皆さんの御意見をいただいたものを修正したものが今のでございます。これにつきまして、皆様の全般的な討議をいただいて、あるいは細かいところで更に修正すべき点があれば、今日が最後の機会でございますので、是非ともお願いをいたしたいと思っております。何かございませんでしょうか。
 ○○委員、何か言い忘れみたいなこと、あるいは入っていなかったみたいなことはございますか。大丈夫ですか。

○ 大体反映していただきましてありがとうございます。
 1ページの「はじめに」のところで、最初の下線「個人や企業の自由で自発的な活動に支えられた」ということを入れていただきました。これは、前回申しましたけれども、今回の法人制度の改革というのは2つあって、1つは個人の善意に基づく自由な公益的活動を推進する、そういう受け皿をつくるという面と、それから民間非営利部門が国家や社会の中で政府や営利部門と公共的な事務を分担するという面と、この2つがあろうかと思います。比較的後者のトーンが強いかなと思ったのですが、前者もまた重要かと思って前回御発言いたしました。

○ 個人の善意ですね。

○ はい。それがこういう形で入れていただいたということでお礼申し上げます。

○ ありがとうございました。ほかにどうか御意見。○○さんよろしいですね。

○ 結構です。

○ どうぞ、○○さん。

○ この報告書の中に入れることが適当かどうかちょっとはっきり私も判断つきかねるところがあるのですけれども、幾らよい制度ができても、その運用の段階でいろいろな問題が起きたり悪用されたりということがあると思います。例えば、そもそも問題になったケーエスデーの問題など、公益法人協会が調べたときに、その中身を見るとほとんどが制度がよるものというよりも、個人とか、その運用の部分で不祥事が起きているという事実があります。新しい制度ができても、これに関わる人たちの姿勢というものが、大きな1つの鍵になるというようなことをどこかに、この終わり辺りにさらっとでも入れてもいいのかなと。制度が変われば今の問題が変わるわけではないということがあるかと思うのですけれども。

○ ですから、今の○○さんの御提案は、この文章の修正ではなくて、今後の例えば判断主体の設計であるとか、それから今度判断主体がどのように運用されていくのかと、そういうようなことについて期待を述べておくということですね。

○ はい。

● よろしいですか。今まさに○○委員がおっしゃられたことを「おわりに」のところ、34ページでございますけれども、運用面の留意点と言いましょうか、それを明示的に書かせていただいたつもりでございます。

○ あともう一つよろしいですか。

○ どうぞ。

○ これも、もう何回も申し上げておりますことで、必ずしも報告書の中ということではなくて、座長談話なり、ほかの何らかの方法で、これが本当に生きるような税の仕組みを税調の方でも考えていただきたいということを、どこかでおっしゃっていただきたいと思います。

○ それは、勿論いたします。
 今ちょっと○○さんの言われたことと、この34ページの下は多少ニュアンスが違うのですが、むしろこれを生かしておいて、今の座長の談話みたいなもので入れておいた方がいいのかもしれませんですね。
 どうぞ。

○ 今の○○委員のと言いますか、事務局から答えがあった34ページの一番下の部分ですけれども、この部分はちょっと私がこの前も発言した点なのですけれども、新しい制度ができたときに、制度はできたけれども、しかし必ずしも思うように運用されないというときの問題点は恐らく2つあって、1つは、せっかく新しい制度をつくったのに、相変わらず旧来と同じような問題点と言うのですが、例えば民間の考え方をうまく取り入れないとか、そういう意味での新しい理念が生かされないという方の問題と、それからもう一つは○○委員もそこに重点があるわけではないと思いますけれども、悪用されると言うのでしょうか、その両方の面があると。ただ、後者の方ばかり強調するのは適当ではないので、それでこの34ページのところでは、むしろ新しい理念でもって生かされるということを主としする必要がある。だけれども、悪用される場合のことについても注意するというトーンにさせていただいたのですが。

○ というわけです。○○委員どうぞ。
 何かつかないみたいですね。

○ いいです、少し大きな声で申し上げますから。

○ ちょっとつけてください。

○ どうもありがとうございました。
 ちょっと文章の問題、表現の問題でよろしいでしょうか。

○ どうぞ。

○ ちょっと気になったのですが、15ページの中ほどの「(イ)共益の取扱い」というところの1行目ですが、公益性を有する法人の本来目的は、公益であるべきであり、公益であるべき、何かトートロジーのように感ずるのです。同じことを言っているように思うのです。それで、何でしたら'公益の促進実現であるべきであり'とか、何とかすると恐らくよろしいのかなと思ったのですが。

○ そうですね。では、言葉を加えましょう。ありがとうございます。確かにおかしいですね。
 ○○さんよろしいでしょうか。

○ 事務局の方にも考え方を紙に書いたものを提出させていただておりまして、反映していただいたところもあるので大変恐縮に存じておりますが、あと幾つかちょっと申し上げておきたいのですけれども。

○ どうぞ。

○ 1つは、○○さんが言われたこととも関連いたしまして、税制上の措置について29ページの「(4)その他」のところですが、やはりここで専門的検討が所管省において進められるということが書かれてありますが、これについていわゆる公益性を促進する観点からの税制の検討を期待しているといったような文章がやはりないといけない。一般の非営利法人と公共性や公益性のある法人との違いが公益法人の方が単にガバナンスが非常にきつくて厳しいというだけで良いのかどうか。それだけの違いだと一般の非営利法人制度の方がむしろいいということだけで公益法人にならないということになりかねません。政府税調への期待をここに書いていただいた方が、座長談話というよりは、はっきりするのではないかと思います。
 それから、できたら入れていただきたいのが、17ページのアです。「公益的事業の規模」というところですが、前回もいろいろ議論があったところですが、この規模というのもが現行の指導監督基準と照らし合わせますと単に支出額ということで解釈をされる恐れがあります。
 そこで、ただし、ということで例外の例示が1つ入っているわけですが、無償の労務提供により支えられている場合、そこのところで、例えば、もう一つの例示として収益的事業の支出がその収入に比べて非常に大きい場合等をもう一つ入れていただけないだろうかと思います。

○ 収益的事業の。

○ 支出です。支出というものが、利益に比べて非常に大きいと。

○ ですから、ここで言っていることは、規模と言っているのは、事業費としては見ないとこの間、そういう説明がありましたね。

○ そうです。ですから、それをちゃんと書いていただくように、していただければよろしいのだろうと思うのです。

○ それともう一つは、特にここにいろんなことが、無償の労務提供とか書いてありますけれども、その下の判断主体において委員会の意見に基づき、特に合理的理由が認められると判断する場合に限り、この基準を満たさないことも許容するという、これもちょっとバスケットクローズみたいなのがくっついているのですね。ですから、そこで十分救われると、私は楽観的に考えているのですけれども。いかがでしょうか。

○ 全般的に各所で「特に合理的な理由が認められると判断する場合に限り」という表現が使われています。むしろこういう場合に限って特にという書き方にして貰えないかと思います。

○ 規模を事業費で見ないということは、この場の認識では皆さん一致していると思うのです。それを書き込むかどうかですね。いかがでしょう。

● 非常に難しい問題だと思います。要するに収益に比べて支出とかいわゆる事業規模が大きい場合に、どうしても量的な制限、制約がいろいろなくなってくる、要するに、収支差が小さい企業であれば、収益事業はどんどん拡大できるということになります。実はそういう意味もあって、事業規模で縛る必要がある。そうでないと逆に言うと、そうした考え方が全く意味がないものになってしまう恐れもあるものですから、なかなか難しい御質問だと思ったのですけれども、表現ぶりで入れられることがあったら考えて見たいとは思います。

○ 支出額で見ないというように書いていただいた方がより一般的な例示となるのですけれども。その方がいいのですけれども。

○ どうぞ。

○ 私も○○さんがおっしゃるように書き込めるのであればそうしていただきたいと思います。ただし例外としてというよりも、当然事業支出についても検討はするでしょうけれども、それが基準とならないという考え方をもう少しはっきり示してもいいのではないかと思うのです。 例えば、国際文化会館のような事業の場合、あそこに関してはどこも公益事業と認めているわけですけれども、一般的な考えからいきますと、会館事業の方というのは収益事業になってしまう。しかし、会館は、実際の公益的事業をするための経費を出すというような理念もあってつくられたことと、海外の知的指導者の人たちが集える場所にするというようなことでした。規模的に言えば、純然たる国際文化会館の公益事業の比率と全く比べものならないくらい会館の運営は大きいわけです。税法的にも一般的にも単なる収益事業として見なされるということで特増を取るときも、それが非常にネックになって1年以上、そこをクリアするのにかかったということがありました。最終的には外務省も特別の了解で、言ってみれば宿泊と宴会、営業みたいな部分をある意味では審査のときには切り離すみたいにしたわけですけれども、これは国際文化会館だけに限らず、これから地域で例えば国際交流協会のセンターを持っているようなところも同様の問題を抱えていると思います。当然支出もチェックの対象にはなるけれども、それだけを基準としないということを文章で明確化しておいた方が、やはり明らかになるのではないかと思います。

○ そうかもしれませんね。何かちょっと修飾した方がいいかもしれませんね。 どうぞ、○○さん。

○ 今、事務局がおっしゃられた収支差額が小さければ幾らでも事業拡大ができるという考え方が私どもから見るとちょっと逆に問題でございまして、むしろ、その収差差額を、前から申し上げているのですが、何に使うかということが恐らく問題になってくると思うのです。その事業規模というのは、例えば額だけで申しますと手間暇そんなにかからないけれども、大きくなるということは間々あることでございます。だから、すなわちいけないということではなくて、その収支差額が、どう使われるということが、つまりそれが公益に使われるものであれば、むしろ推奨すべき場合もあるのではないかと思います。
 それで、今、座長がおっしゃられたように、事業規模は総支出から見ていくというのではないというお話があったので、この文章はこれでいい。確かに、外に向けてこういう報告書を発表するときに、幾らでもいいというようにはなかなか書きづらいこともあるのだろうと思いますから、今、○○委員おっしゃったような形で、つまり事業の規模というのは、支出金額だけから見るのではないというようなことが少し入ればいいのではないかと思いますけれども。

○ この辺、ちょっと文章を修飾しましょう。

● わかりました。私、申し上げたのは、いわゆる経営資源とかいろいろ法人の有する資源の大部分が、収益的な事業に使われるような、そういう状況は余り望ましくないのではないかという、そういう意味も含めてでございましたけれども、今、座長が申されたとおり、少し何か表現ぶりを変えられるかどうか検討したいと思います。

○ 今のお三人の意見を入れて多少17ページの上段の部分、修正いたしましょう。ちょっと今すぐではなくて、後ほど。
 それともう一つ、29ページのところについて○○委員が税制のことについて御意見ございましたけれども、これは前から論議されたところでして、とにかく書いても差し支えないと言うとおかしいのですけれども、かえって誤解を招くような書き方だといけないので、どういう書き方があるかといって、いまだに悩んでいるところなのです。ですから、もうちょっと書けるかどうか、これも検討してみます。
 どうぞ。

○ その税のところなのですが、私は今まで法人の問題と税の問題は一応分けて考えてきまして、この点については特に発言してまいりませんでした。一応、この報告書ができた段階で、税の方についてどういう要望があるかということを、ですから、この報告書に書くということではありませんが、述べておきたいと思います。私の率直な感じは、やはり税調は恐らく新しい税制は余りつくらないであろうと思います。今のままでは新しい税制の方に動くモーティブがないのではないかと思うのです。そういう意味では、こちらから税調に対してメッセージを発しないといけないだろうと思っています。
 その際に、抽象的にただ言ってもいけなくて、何か具体的なポイントを押さえなくてはいけないのだと思いますが、私も余り税の専門ではないのでわかりませんけれども、ポイントは恐らく2つあって、1つは今度公益性の認定される団体について、いわゆる寄附金控除と言うのでしょうか、これまで特増に限定されていたものを、とにかくそれを広げるという寄附金控除という形の税の優遇措置というものを広げるというのが1つです。
 それから、もう一つは、もしこの公益性の認定された法人についてだけ何らかの形で税の優遇措置を認める。しかも、場合によっては従来と同じように、特増と同じように寄附金控除というものは狭い範囲でしか認めないということになると、これも現在の税制と何も変わらないわけです。しかし、少しでも、それをもし変えるのであれば、これは今まで非営利法人についての税の優遇措置ということを言われた方の御意見も多少取り入れる考え方ですけれども、要するに非営利法人であっても、非営利法人ですから公益性の認定を受けない法人であっても、一定の要件を満たすもの、その要件はなかなかなそこは難しいかもしれませんけれども、実際にやっている公益活動なり、あと、組織の面での一定の基準を示して、そういう一定の条件が満たされるものについては何らかの優遇措置を与えるという、この2点が私の素人的な感じですけれども、ポイントなのではないかというように思います。

○ そうですね。全くおっしゃるとおりだと思います。ただ、一般的な非営利法人の方でも、全くというより公益性が極めて少ないところもありますね。

○ そうですね。

○ そこへ分けなければならない。それは定款でもって、例えば残余財産の分配を認めるか認めないかというような基準もあり得るわけですけれども、そこまで書いてしまうとちょっとこれは税調の問題。

○ ここで書くという問題ではない。

○ 税調の問題になるので、それをにおわせるようなことが書けるか書けないかなんです。これをずっと考えてきましたが。

○ 具体的措置についてまで言及するのはちょっと行き過ぎではないかと思います。それで、座長の御判断でこういう意見もあったというようなことを口頭でおっしゃるということはあり得るかと思いますが、その場合にも具体的な制度について言及するということは、やはりちょっと税調の方が、本当は専門家ですから、ちょっと具体的な問題についてこうしてほしいとか、○○さんの言われたことは気持ちはわかりますけれども、ちょっとそこまで言うのはどうかなという感じがいたします。

○ 今の○○委員のお話のとおり、なかなか具体的なことをここで言う場所では基本的にはないのだと思います。ただ、一方で、この前書きのところ、「はじめに」のところで、民間の非営利部門の重要性なり今後への期待なり、そのための新しい仕組みという、再構築ということをいろいろ書いているわけですから、最後のその他のところでも、そこを引っ張ってきて、民間非営利活動の重要性ということを考えると、ここで報告した中身にふさわしい新たな税に関する枠組みをというようなことを書くのは、これは何らはばかるところではないのではないかなと。ですから、そういうことを受けて所管省で専門的検討が進められることとされている、あるいはことを期待するという書き方であれば、いいのかなと思います。ですから、そのダブるようですけれども「はじめに」のところを、「また」の後ぐらいのところに2、3行入れると、余り座長のコメントに全員が期待して、座長ばかりに御負担をかけるよりは、ここのところにそういうことを書いておくということでどうなのかなと思います。それほど、税調に気兼ねばかりすることもないなと。
 もう一つ、ややポリティカルな言い方をすると、この報告書というのは、世間に出たら、あとはもう報告書がひとり歩きするものだと思います。それで、ここの委員は皆さん今まで本当にもうこの全体のテーマについて、長々といろいろ考えて議論されてこられた方ばかりですから、いろんなところに言葉の端々にいろんな思いが詰まっているということを見抜くわけですけれども、報告書が出ると、これを読む人たちはマスコミの人を筆頭に、そんなにそれを言葉の端々まで読み取ってくれないのだと思うのです。大まかところで、彼らが関心があるところだけ、税はどうなっているのかな、それからもっと参入しやすくするというのは、本当にそうなっているのかな。あるいは、逆に不正防止、あんなに不正があったのだから、それをかっちり締めるというのは、そこはどうなっているのかなと。その断片的な関心のところしか見ないわけですから、そういう目に対する配慮というのもやはり報告書というのは大事なのではないかなというように考えると、税についてもやや冗長的な、あるいは感覚的な話かもわからいないですけれども、やはり思いを書くという意味で最初の部分をある程度繰り返すような形で書いておくというのは、私は割合大事なことではないかなと思います。

○ ありがとうございました。
 はじめの部分を繰り返すようにというというのは、どこに。17ページのところですか。

○ 「はじめに」のところで、民間非営利活動の重要性、今後での社会における期待が前半のところに大分書かれていますけれども、それを29ページのその他の@の3番目のパラグラフのまたのところが税のことですから、また現行税制では、税制上の優性が講じられているが、新たな非営利法人に対する税制上の取り扱いについてはの後ぐらいに民間非営利法人の重要性云々、最初のところ、21世紀にふさわしい仕組み等々を考えると税というのもやはり大事だからというようなことを数行ここに入れて、そんな見地から所管省において専門的検討が進められることとされているというようなことでいかがなのでしょうか。それは、むしろ税調に対してもある種の私は敬意を払うことになるわけですから、何も遠慮することはないのではないかなと思います。

○ ということで、どこかに差し支えない範囲でもう少し言葉を加えると29ページになるか、あるいは17ページになるか、あるいは最後のところになるか、それはちょっと別ですけれども、比較検討いたしましょう。
 どうぞ、○○さん。

○ そういうことで是非お願いしたい。それから、○○委員が大幅に強化するものとして2点言われましたことについて、報告書に書くということではないのかもしれませんけれども、今ある税制上の措置に加えて新たに考える制度について、どういう場がいいのかわかりませんけれども、税調にこちらの方から説明される機会をとらえて是非おっしゃっていただきたいと思います。

○ それは、○○さんもおられるので、わかっているわけですね。ですから、世の中にどう見えるかということが今、○○さんの言われたことであって、税調の方に今の○○委員のことを言うのは、ちょっと違うのではないかという気がしますけれども。

○ 言うチャンスがあればということです。

○ 例えばというようなことであるかもしれませんね。こういうすき間がありますよというような。

○ あるいは、座長の記者会見とか、いろんな場があるのではないかとも思いますが。

○ でも、記者会見というのは、マスであると同時に税調にも届きますからね。その日のうちにホームページで届きますから、それは極めてクリティカルなところだと思います。
 どうぞ。

○ 今の○○さんの御発言、それから先ほどの○○さんの発言につながるものかどうか、ちょっと私自身頭の整理が十分できていないのですが、今の特増というのは、これは公益性を言わばダブルで判断するということです。ですから、私は税のことをここに書く場所ではないし、必要ないと思うのですが、あるいは、書いたところで税調には反発はあっても声は届かないと、ああいう場所ですから。ですから、それを考えると、私はここで行う公益性の判断というのは、ほぼ絶対的な権威を持つものだというところをもう一言強調してもいいのかなと。と言いますのは、公益性があると、その専門性があり、しかも現場性がある人たちが判断する。そのためのレッスンの仕組みを考えたのだと。だから、大事なのだということを強調しておけば、また課税当局がそれにまた屋上屋を重ねてダブルで公益性を判断して、そこが判断されたところだけに寄附を認めるというのはおかしいではないかということに対する私は抑止にはなるのではないかと。ですから、税制をどうこうという必要はなくて。

○ それは文中でしっかりした仕組みをつくるのだということを書いてありますので、私はそれで十分ではないかという気がしているのですけれども。

○ 先ほど座長おっしゃいましたように、私は税については所管官庁、あるいは税調に対して何かというよりは、世間に対してアピールしておくというのが大事なのではないかな。世間を見方に付けて、そちらをバックにして税のことについて引き続き各委員が発言していくということでいいのではないかなと、こう思います。
 ついでに申し上げますと、先ほど運用の話が出ましたけれども、運用の以前の問題として私は報告書を今度具体的な法律にしていくという作業があると思います。ですから、まずは運用の前に、報告書をここのこの報告書の意を十分体したものに、法律をしてもらうという、これは事務局の大変な御苦労があるわけですけれども、そこをまず期待しないといけないのです。ですから、そこについての法案が作成されて、それが成立プロセスで、これはちゃんと報告書に基づいたものなのですよということを委員に対してフィードバックする機会というのがあるのかないのか、普通は余りこういう審議会的なものはないわけですけれども、むしろそういうものをお考えいただいてもいいのかなという気がしておりますし、更につけ加えますと、税についてやはり私を含めてこの委員の中の多くの方もそうですし、世間も税については非常に大きい関心を持って、むしろそちらの方が仕組みそのものよりもわかりやすいですし関心が強いわけですから、税について例えばこの委員会ということではなくて、この委員会の有志として、税について引き続き発言していこうということをボランタリーにやってはどうかなと、こんなふうにも思っていますし、もしそれが事務局の法案作成作業に妨げにならないのであればですけれども、そうやって事務局がちゃんとしていくというのを我々がウォッチする役割もあると思いますし、逆に事務局ができるだけいい法案をつくる応援部隊として、外から事務局にあれやれこれやれと言うばかりではなくて、外から応援する役割というのも果たせるのであれば、していってもいいのかなと、実はそこのプロセスが大変大事なのではないかなと、一つひとつの細かい文言よりも、そんなふうに考えます。

○ ありがとうございました。どうぞ。

○ 今、○○委員が言われたことは本当に重要だなというように思っています。私もこの書かれた報告書については、26回ですか、非常にいい審議を重ねてきまして、それぞれの委員の意見が十分ではないにしろ9割は反映されたものになったというようにおもっておりまして、事務局の方に非常に感謝を申し上げていきたいというように思っています。
 ただ、重要なのは書かれても実行されないということが、どのところでもありますし、あともう一つは今回は判断主体のところに相当な権限というと変ですけれども、重要な役割を持たせた私たちの提案になっています。ですから、実際上の制度の中で一番重要なのは、判断主体をどうつくるかということが一番重要ではないかというように思います。
 特に、公益性を判断すればある意味そこにもう税制というのは判断を、先ほど○○委員が言われたようにある意味で税制が判断する必要がないぐらいの公益性を持った位置づけにすれば、税制は付いてくるというように思いますので、そういう位置づけからすれば、これを紙に書かれたものが形になるというプロセスが実は私たちの中でも重要だというように思います。
 特に、これから私たちがやらなければいけないところは、○○委員が言っていただいたように、側面というよりもまさに主体としての応援をするべきだろうというように思うことと同時に、前々回と言うか今までもそうなのですが、私たちが考えていたことが思ったように伝わらない。国民と言いますか、広くにも伝わりませんし、ある意味マスコミの方にも伝わらないということがありますので、新聞なりいろんなところで報道された後も十分に事務局が再度それに対してコメントをいただくような場面とか、信用を伝えるような場面を多く持っていただきたいということと、もう一つは判断主体をつくる段階においた透明性です。どうつくられていくのかというプロセスの透明性と、やはり客観、中立性というところも是非目配りを、私たちもしていく必要があるかと思うのですが、是非それを透明につくっていただく過程自体も見せていただきたいということを是非お願いをしたいと思います。
 更に、この制度ができ上がった後、運用のところなのですけれども、実は私は余り運用は心配していないのです。なぜかと申し上げますと、これができることによってNPO制度もそうですけれども、皆様が思っている以上に多くの市民とか、地域の人たちがこの制度を期待して待っておりまして、非常に広く使われていくだろうというように思っています。その中で、ある意味でそれぞれが経験値を積むことによって、ノウハウ、もしくはそのスタディーというものが、その地域化されるというように思いますので、余り日本の人というのは、NPOの方法もそうなのですが、心配ばかりする国民なのです、実を言うと。というように私は考えておりまして、できればもうちょっと普通の市民を信用して、一般の方を信用して非常にいい運用になるというように、その評価を逆にポジティブに評価をするという場面の、いわゆるアナウンスを多くしていただきたいというように思っています。

○ ありがとうございました。
 今、先ほどの○○さんのお話にちょっとお答えすると、皆さんのお話ありましたので、税についてどこまで書けるか。あるいは、どこのところにそれを入れるかというようなこともまだあと数日ありますので、3日間ですか、これを一度考えさせていただきたいと。 それから、法制、それから運用、それに対しての期待、これをここに書き込むかどうかということは、もしあれだったら最後にこれが法制が我々の委員一同の期待どおり作業が進んで、しかも判断主体の仕組みを上手につくって、運用がうまくいくことを深く望むものであるみたいなことをさらっと入れておいてもいいのではないかなという気がするのですけれども。
 それから○○さんの言われるボランティアでもってみんなでやろうよというお話は、これは例えば構想の日本というのは、もう既にあるわけですから、構想の日本でおやりになることについては、一向事務局は妨げることはないと思いますけれども、そこで応援していただいたもいいし、あるいはむちでたたいていただいてもいい。それは構わないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

● 事務局がどうのこうの言う問題ではないと存じます。

○ どうぞ、○○さん。

○ 本当に最後のところで、ずっと私も申し上げたいと思ったことを皆様に言っていただけで、大変私はうれしく思っております。○○さんの御提案に関しても、私も是非参加させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○ ほかにいかがでしょうか。

○ よろしいですか。

○ どうぞ。

○ 前回、このレポートについてのパブリックコメントをしないと伺いました。中間整理のときにいろいろ聞いたからということでしたが、やはりこれだけ2万6,000の公益法人、更にはいろんなNPOが関心を持っている問題でございますし、こういうように文章化されてみると、その前にいろいろ意見が出されたといっても、またいろいろな意見が出てくるだろうと思います。しかるべき段階、例えば政府税調の答申が出てきて全体像が見えてくる段階なのか、あるいは法制化をする段階なのかわかりませんけれども、是非パブリックコメントと言うか、そうしたものをお願いしたいと思います。
 これは、有識者会議でこの新しい制度の枠を書いて、政府税調の方でまた税制上の措置を書いて、それが両方でばちっと整合していればいいですけれども、こちらの制度は厳しいが税制上の措置は不十分だ。あるいは、反対に税調の方ですごい税を上げるというようなことになれば、またこちらのガバナンスの方も見直すといったことになると思います。あまり考えられないことかもしれませんけれども、双方でキャッチボールをする関係にあるわけですから、そういう意味で税調の審議と関係付けて、しかるべきタイミングで皆さんの意見を聞くというプロセスがあった方が良く、また、民間人がいろいろ意見を言い合って、私たちがつくった制度だということになるのではないかという気もしておるのですが。

○ 御趣旨はよくわかるのですが、とりあえずこの報告書についてはパブリックコメントをとらないということできておりますので、この報告書が終わると有識者会議はそこで解散になるわけですから、解散と言うより任務を修了したわけですから、そうなると事務局はどうなるかというとことでありまして、その段階で今の税調のことも含めてパブリックコメントをとるということは、非常に困難なのですね。どういうようにしますかね。そうではなくて。

● これからの作業ですが、これから報告書をいただきまして、それを基本的に尊重して推進をしていくということになるわけでありますけれども、年末にこの報告書の言わばエッセンスと今後の言わば推進方針をとりまとめるような形での基本的枠組みの具体化ということを言っておりますけれども、年末に新しい行革方針を決めますので、その中で決定をしていきたいと思っております。
 その後、来年以降法案の作業を私どもが中心になって作業をしていくことになりますし、別途税制については税調の方で御検討いただくということになっていくわけです。
 更に、税制の最終的な議論を来年末にかけて政府内にとりまとめるということになりますし、それから判断主体に関わる組織の改正検討も進めていくということになりまして、この制度改正の関係では、そういう議論、幾つかの段階を経て最終的には平成17年中の法案提出ということを目指した作業を指示して進めていくことになるわけですが、そういう段階段階に応じて、いろんな各界の御意見の聞き方もございますし、また税制はまさに税調で、そういう各界の御意見を聞きながらやっていくわけでありますし、法案の全体像が固まった段階で、また御意見を聞くというようなことも考えられると思いますし、そういう各界の方々の御意見を聞く場面というのをいろんな形でつくりながら、今後作業を進めていくということになろうかと思います。
 パブリックコメントと言いましても、正式なものがあるわけではありませんので、いろいろそういう民間の方々、各界の方々の御意見を聞く場を段階段階に応じて、考えながら進めていく。とりわけ重要なのは、いよいよ進めますということになりますと、2万6,000 の現行法人の移行ということが、これは大変大きな作業になってくるわけでありまして、相当具体的な作業、計画、その前提としての具体的な方針みたいなものをとりまとめながらやっていかないといけないということになりますし、これが混乱しますと大変なことになりますので、十分にその辺りは関係の当事者の方々の御意見、更には幅広く各界の方々の御意見も聞きながら進めていく必要があるのかなと、こう考えておりますので、この場面だけではなくて、いろんな場面でそういう御意見を聞きながらやっていきないといけないのだと、こう考えている次第でございます。

○ ありがとうございました。
 私から○○委員にお答えするとすれば、この種の問題というのは、おととしの日経の1月1日号ですか、大きな見出しで「解はひとつではない」という見出しがあったのです。つまり、解は1億人の人がいれば、1億人の解があるので、これをすべて1つの議論の収束ということは、事実上不可能なのです。
 ここでは、その例えば公益法人協会をバックにしたり、あるいは実際の公益法人を運用している方だったり、そういう学者の方だったり、そういう方々が代表してその人たちの意見をしょって出てきている。いろいろな御意見をちょうだいしたというように思っているわけです。
 これは、またそれを例えばデモンストレーションの意味で、皆さんから御意見をいただくというのはいいかもしれませんけれども、ここまで作業が濃縮、凝縮したときには、もはやパブリックコメントの段階ではないというように考える。
 むしろ、今、局長が言われたように、その場その場でいろんな問題が出てきたときに、例えば公益法人協会からの御意見をいただくとか、あるいは構想日本からの御意見をいただくとか、あるいは経団連からの御意見をいただくとか、そういうことはあろうと思いますけれども、それは自由に出していただいて構わないのではないかというように私は考えます。意見を出したけれども、お前たちの意見は聞かないと、そういう事務局ではないと私は考えておりますので。

○ よろしいですか、今のパブリックコメントに関して。

○ どうぞ。

○ 私はこの報告書自体についてのパブリックコメントというのは、なくていいのだろうと思うのです。ただ、恐らく多くの法律で現在非常に重要な法律については、これは法務省所管の法律なんかもほとんどそうだと思いますけれども、法案のどこかの、ちょっと余りルールはよく知りませんけれども、どこかの段階でパブリックコメントというのを求めていることは多いのだろうと思うのです。ですから、そういうのはあってよい。しかし、それはここの問題ではなくて、この後にできる法案のどこかの段階でパブリックコメントはあり得るのではないだろうかというようにちょっと個人的には思います。

● パブリックコメントについて政府として、制度的に決定していますのは、規制を新設をするときには、まさに規制を受ける業界の方々の意見も聞いてきちっとやらないといけないということで、パブリックコメントを各省で義務付けております。それ以外につきましては、重要なものについて、その省その省の判断で聞いてもいいということになっておりまして、その省その省の判断でそのほかのことについてはやられていると。
 法律については、実はちょっと与党サイドにもいろいろな意見がありまして、国会で審議されるべきものについて事前に国民的な言わば判定をするような形でのコメントを制度化するのはどうかという意見もまたございまして、そこら辺はやや微妙なところがありまして、そういう規制の新設以外のものについてはものによって、その課題の特性に応じてやっているというのが今の状態です。

○ ありがとうございます。という補足でございます。
 それから、税調で今度作業が始まるわけですけれども、多分税調の方では今までのいろんないきさつを考えても、例えば地方で公聴会みたいなのを開くとか、そういうことはかなり抜かりなくやっておられるので、今回のことについてもそう簡単に大きな変更があるというようには私は考えていないわけですけれども。○○委員、大体そういうようにやっていらっしゃいますね。

○ そう思います。

○ あと、いかがでしょうか。
 それから、今の局長のお話から言えば、規制をするのではなくて規制を緩める方向の話なので、ただし、緩めるけれども締めるところはちゃんと締めますというだけの話でして。

● ですから、今、この新しい新非営利法人制度に関する法案を策定する最終段階で、パブリックコメントをするかどうか、しないと申し上げているわけではなくて。

○ そういう微妙なことがあると。

● いろんな形で御意見を聞いていきますが、そのときにどうするかという判断だろうということでございます。御意見は尊重して対応していきたいと思っております。

○ そういうわけであります。ひとあたりお話を伺ったのですが、よろしいでしょうか。

○ ちょっといいですか。

○ どうぞ。

○ 今の規制を緩める方向かどうかということについてなんですが、これは私は勿論基本的にそういうことなのだとおもいます。
 ただ、先ほども申し上げましたように世間に出したら報告書というのはひとり歩きします。それで、この場での議論を比べると、こういう言い方をする偉そうな言い方になりますが、誤解を恐れずにあえて言うと、この場での議論のレベルと比べるマスコミを含めた世間全体の理解の度合いというのは、はるかにやはり断片的だと思っています。
 ですから、一方でNPO、こういう活動をやっている方を含めて規制を緩めるべきだという大勢の声がある反面、マスコミ、あるいは政治家の中には公益法人に対する何だあいつら勝手なことをやってけしからぬ、もっと規制を強化しろという声が相当強くあるのもこれは事実だと思います。
 私は、ここで言っているロジックそのものがその両方にどっちかに比重をかけるのではなくて、ロジックとして両方に対応するものだということは、今後も事務局から是非よく説明していただく必要があるのではないかと。規制を緩和するのだけれども、だけれども、やらないといけないこともやっていますというよりも、やはり設立、法人と公益性を分けるということ自体が既得権益化を原理のところで防ぐのだという、ですから、規制緩和イコール今までの公益法人の問題を原理として防ぐということは、もう組み込まれているのだということです。そこのロジックを、私も文言のところで大分そこは入れていただきましたけれども、はっきりこれも余り事務局も遠慮せずに両方やるのだと。同じ新聞社でも社会部の人はNPOの観点からばかり言って、一方政治部の記者は公益法人規制強化ということばかりしか見ていないということは、今までも新聞を見てもあったわけですから、そこは事務局からの今後の説明も大事だと思います。

○ ありがとうございました。この報告書の文言には、今の両方の点、かなり気を配って入れてありまして、ただし、先ほどお話したように規制を強化すべきであるという方が頭にきているのは、後ろの方に入れると。それでバランスをとると、こういう構成になっておりますので、それは事務局の方でいろいろな機会に特に新聞等に対する接触の場合に、そのようなことを御留意いただければと思います。
 もしなければ、先ほどから御指摘のようなことを事務局とまだ3日間時間がありますので、十分に詰めましてどこかに入れ込むことができないか、あるいはどこまで寄ることができるか、よく相談をいたしまして、そして報告書につきましては、これから先座長一任ということで、私と座長代理と事務局とこの三者でまとめ上げたいと思っておりますが、よろしゅうございましょうか。

(「異議なし」と声あり)

○ ありがとうございます。
 この有識者会議の開始以来、なんと26回、皆様の御意見をいただきまして、そして思わぬ議論は、私のもともとの考えとしては、議論を尽くすべきだというように考えていたのですが、100 %尽くしたかどうかわかりませんけれども、70%ぐらいは尽くしたというように考えております。
 それと、もう一つは、この会議はよく委員会等であるのですが、予定調和、落としどころが決まっていて、そしてそれに対して議論を補強していくということではなくて、ときにはひっくり返ったり、いろいろなことがありながら、このようにまとめることができたということは、これは皆様の御協力のおかげだというように私は考えおりまして、非常にありがたいと思っております。
 今後の予定でございますけれども、今の、ほとんどでき上がったようなものでございますけれども、これを今日御指摘のところを修正いたしまして、それで次回は19日と予定しておりますので、19日の会議で正式な報告書として大臣にお渡しをいたしまして、その後、公表という手順にすると考えておりますが、よろしゅうございましょうか。

(「異議なし」と声あり)

○ それから、またその後、○○委員の御指摘のように報告書がひとり歩きという可能性は十分ありますので、ここに加わっていただいた方々は、なぜこういうことになったのは、あるいはそのいきさつ等についても十分皆さん御承知と思いますので、皆様それぞれのお立場で、それを付言していただいて世の中が誤解をしないように、できる限りの御努力をいただけると大変幸いでございます。
 今日の会議の内容につきましては、事務局の記者会見、この3回ほどそうなのですが、といたしまして、最終19日大臣に報告書をお渡しした後では、座長が記者会見をすると、こういう段取りにしたいと考えておりますが、それでよろしゅうございましょうか。

(「異議なし」と声あり)

○ それでは、そのようにさせていただきます。では、19日の段取りをちょっと御説明ください。

● 次回19日の3時からということでございまして、一応この場には村上大臣にお越しいただきまして、その場で座長から大臣の方に報告書をお渡ししていただくという段取りを考えております。したがいまして、会議の時間自体は恐らくそんなにかからないと思いますので、よろしくお願いいたします。

○ というわけでございます。
 これをもちまして第26回の「公益法人制度改革関する有識者会議」を閉会させていただきたいと存じます。大変御協力ありがとうございました。
 議事録ではなくて、もう会議が終わったものとして申し上げると、私はPL法だとか、NPO法だとか、いろんな会議に出ましたけれども、こんなに皆さんの意見を事務局が柔軟に取り上げていただいた会議はかつて私は経験ございません。ですから、非常にその点では事務局がうまく柔軟に対処をしていただいて、しかもある筋の通った報告書になったということは、事務局にお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。


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