○:委員
●:事務局

第19回 公益法人制度改革に関する有識者会議

−議事録−


平成16年9月15日(水)10:00〜12:30
場所:虎ノ門第10森ビル3階 会議室

○ おはようございます。夏を過ごしまして、とうとう秋になりましたので、これから大変なスケジュールで皆様に議論をお願いしなければならないという季節になりました。
 ただいまから、第19回の「公益法人制度改革に関する有識者会議」を開会させていただきます。
 宇賀委員は、御都合により今日は御欠席であります。
 ほかの方は皆さん出席をされますので、十分な議論をしていただきたいと思います。
 そこで夏の間でございますけれども、私たちは結構お休みをいただいたのですが、その間にいろいろな公益法人に関する組織がそれぞれに研究をされまして、御提案とか、あるいは御意見とか、そういうものを結構寄せていただいております。
 それは非常にありがたいことで、大変私たちの議論とちょうど重なっている部分もありますし、我々がまだ少し検討不足だったなと思わせるところもありますので、それらを秋のところで入れていきたいというように考えております。
 一方、事務局の方を伺うと、皆さん結構精力的に幾つもの団体をお回りになってヒアリングをしていただいたようでございます。どうしてわかるかと言うと、うちには来ないけれども大丈夫なのでしょうかというようなお問い合わせがありましたので、随分細かく回っていただいているのだなと。また、その資料も多少いろいろお話を伺ってみると、よくお聞き取りをしていただいているように思っております。
 そして、いろんな内外の資料をバックアップの材料として、皆さんのより進んだ議論をとりまとめなければならない。ただ、若干最近の状況によりますと、本当は9月ごろから税調と同時並行して議論をする予定でございましたけれども、こちらの議論がまだ最終的な決着をしておりませんので、それが終わってから税調の方といろいろお話しをするということになるかと思いますので、そのためには、当初12月ごろと予定をしていたわけですけれども、1か月以上繰り上げて、私たちの方も仮案を出さなければいけない。そうしないと税調の方で、税調の専門委員でございますが、その方で必ずしも検討ができないのではないかという意見がございましたので、進行は多分そのようになって、皆様に日程をかなり厳しくお願いをせざるを得ないというように考えておりますが、よろしく御了承いただきたいと思っております。
 それでは、本日予定しております議事と配布資料と今のような当面のスケジュール等について、事務局から御説明を申し上げます。

● 先だてこちらの方に、前任の長屋参事官に代わりまして着任いたしました横田でございます。よろしくお願いいたします。それでは、座らせていただきます。
 まずは、配布資料を御説明させていただきます。
 お手元に資料1としまして、横長の資料を配布させていただいていると思います。これは1枚おめくりいただきますと、目次ということで、4つほど事項を並べております。これは7月までに御議論いただいた点について、更に議論を深めていただきたいということで、いろいろ議論の中で宿題としていただいておった事項等につきまして、我々の方で整理いたしたもので、ここの紙には次の4点、
 1.といたしまして「公益性の判断要件のあり方」。
 2.といたしまして「適正運営の確保のあり方」。
 3.といたしまして「判断主体のあり方」。
 4.といたしまして「公益性を有する財団形態の法人に固有の必要な規律」ということで、掲げさせていただいております。
 ここに配布できておりませんですが、もう1つ実は宿題をいただいておりまして、内部留保の規律のあり方についての会計専門家の意見を聞いてきてはどうかというような御指摘がございましたので、事務局におきまして、この夏にヒアリングをそれぞれさせていただきまして、ただ本日までにまだ資料がまとまっておりませんので、これは次回に御議論していただきたいと思います。
 先ほど席上に配布させていただきましたが、非営利法人ワーキング・グループの資料もお手元の方にお配りさせていただいていると思います。これは本日、御議論いただく内容につきましては、非営利法人の1階部分の制度が前提になる部分もございますので、併せて見ていただくという趣旨で配布させていただいております。
 本日は、この資料1に基づきまして、御議論いただければと思います。お時間の関係上、全部御議論できるかどうかということは時間の都合等あろうかと思いますが、できるところまで議論いただければと思っております。
 今後、我々政府サイドといたしましては、年末に基本的枠組みを具体化するということで、昨年の閣議決定の上でスケジュールが定められております。したがいまして、これまで御議論いただいたことに付け加えまして、残された課題、例えば、移行のあり方をどうするかということ、あと、ワーキング・グループで御議論いただいております非営利法人制度につきまして、今後、御議論をいただいた上で有識者会議としての報告書のとりまとめをお願いできればと思っております。とりあえず、以上であります。

○ ありがとうございました。
 ただいまの趣旨に沿いまして、個別検討事項ごとに区切って、今日は12時半まででございます。個別検討事項の資料1の1でございます「公益性の判断要件のあり方」の「公益性を失った法人の財産の取扱いについて」というところをまず事務局から御説明をいたします。

● それでは、資料1の1ページ目でございます。
 最初に、「公益性の判断要件のあり方」の中で、「公益性を失った法人の財産の取扱いについて」を御議論いただけないかと存じます。
 公益性を有します社団形態の非営利法人の残余財産の帰属につきましては、7月の全体的討議の際に、構成員に帰属させることは不可とする点について御議論いただきましたが、具体的にはその箱の中の前段にございますように、定款の定めの内容につきまして、いわゆるNPO法等の規定も踏まえて、例えば、帰属者となり得る者を他の類似目的の公営性を有する非営利法人、あるいは国や地方等、一定の範囲に限るということを念頭に置いております。この場合に、その法人が公益性を失った際、その残余財産について何らかの措置を講ずる必要があるのではないかという点でございます。
 留意点の1点目は、公益性を失った後、財産の処分について制約がなくなりますと、公益目的を前提にした寄附等の財産が、残余財産として構成員間で分配可能になるなど、問題があるのではないかという点。
 2つ目のポツが、何らかのそうした措置、あるいは規律を考える場合に、その公益性を有する非営利法人の保有財産を、その生じた原因によって分類して考えますと、公益目的のための第三者から受けた寄附や助成による分、その税優遇による受益分、あるいは収益事業から生じた分等々が含まれているという御指摘がございます。
 更に、それぞれの要素につきまして、付加的に留意点をその下に載せてございます。
 1点目、寄附分につきましては、いわゆる一般の非営利法人として活動した実績を持つ法人の場合、そのすべての財産を今、申し上げたような何らかの規律や措置の対象と考えるのかどうか。更に、そうした必ずしも公益性を前提としない寄附と区分して取扱うために、個々の寄附等の管理も含めて必要かどうか。
 2つ目のバーでございますけれども、税優遇による受益分につきましては、何らかの措置や規律の対象とするといった考え方のほかに、ここにございますように、公益活動によって既に社会に還元されているといった指摘もございますが、どのように考えるか。
 1枚おめくりいただきまして、2ページ目の上でございますが、収益事業から生じた分につきましても、これは本来公益目的に使われるべきと現在されております。そうした、先ほど寄附分で申し上げたのと同様に、すべてのものにつきまして、何らかの措置の対象とするのか、あるいはより精緻に公益的事業に使われるとされた分を区分して、そうした措置の対象とすべきか、という点がございます。
 なお、下の注は、公益性が取り消された場合であっても直ちに解散するわけではなく、残余財産の処分が求められるといったことにはならないという点の留意事項を付記させていただいております。
 その次の中ほどからのポツでございますが、そうした何らかの措置や規律のあり方として、先般7月の全体的討議におきましては、そこにありますようにaとb、2つの考え方が提出されたところでございます。
 1つ目は、公益性を失った後も解散があるまで引き続き構成員の残余財産の帰属は不可とする方法。具体的には先ほど申しましたように、帰属者となり得る者を他の類似目的の公益性を有する非営利法人、あるいは、国、地方等一定の範囲に限るとする方法。
 または、bといたしまして、公益性を失った時点で本来、社会が受け取るべき分は社会に帰属させる方法ということでございますが、それぞれに関連した御意見をその下に紹介させていただいております。
 前者につきましては、概ね、公益性を失って一般の非営利法人に戻った場合でも、残余財産につきまして、構成員に帰属させるべきではないという御意見が多かったかと存じます。
 また、bにつきましては、先ほど申し上げたような法人の財産の中の拠出分、寄附分等々、それが法人の財産のどれに当たるのか区別するのが困難という御意見。また、関連する御意見といたしまして、公益性が認められなくなった場合も、その財産に対する取扱いは制裁的なものではないことが望ましいという御指摘もございました。
 1枚おめくりいただきまして、3ページ目でございますけれども、今日御議論いただきたい点でございますが、今、申し上げた2つの方法のうち、aの方法につきましては、今申しましたように、公益性を失った後も残余財産の帰属に係る規律が遵守されているかどうか、これを判断主体が引き続き事後チェックし続けることになります。こうしたことがコスト面、あるいは、その実効性の点で問題がないか、どのように評価するかといった点。
 更に、残余財産の帰属に係る規律だけではなくて、更に厳しく法人の目的や事業についても何らかの制約、あるいは、制限をとられるべきとの考え方もありますが、どのように評価するかといった点について、御意見を賜れないかと存じます。
 一方、bの方法につきましては、社会に帰属させるべき財産分の計算は困難であるといった先ほどの指摘のほかに、公益性を失った際に類似の公益目的等に帰属させるとなりますと、法人の事業活動の継続に支障が生じるおそれがあると。更には、法人の財産権の侵害に当たるといった考え方もあり得ますが、どのように評価するかという点についても御意見を賜れないかと思います。
 なお、最後のポツは、先ほど、寄附分のところの考え方で申し上げた一般非営利法人としての活動実績を持つ法人の場合には、同様に、より精緻な取扱いをする余地があるという旨を念のため付け加えたものでございます。
 説明は以上でございます。よろしくお願い申し上げます。

○ ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明を踏まえて、公益性を失った法人の財産の取扱いについての議論でございます。
 重複しますが、特に公益性を失った法人の財産に関して、1つは公益性を失った後も引き続き残余財産の帰属等について定款上の制限を課す方法。
 2番目に、本来、社会が受け取る分は社会に帰属させる方法について、その実効可能性あるいは法人の事業活動への影響等も踏まえて、どのように考えるかという点でございます。
 どうぞ、御発言をお願いします。

○ この個別の検討事項に入ります前に、1つ、今後の進め方について質問させていただいてよろしいでしょうか。
 ただいま横田参事官からも御説明がございましたけれども、この1、2、3、4の項目のほかに、あと検討すべき問題として、内部留保のあり方についてのヒアリングの結果と、移行の問題とワーキング・グループのたたき台についての検討を、これから行うという御説明があったかと思いますけれども、議題としては、それだけということになりますでしょうか。

○ どうぞ、その間で何でも結構です。

○ これが当面、11月の報告書をまとめるまでの議題でしょうか。

○ いえ、これで報告書が完成するものではありません。

○ そうしますと、前々から発言させていただいております、この有識者会議として、非営利法人制度に対する税制というものがどうであってほしいかという議論の機会を与えていただきたいと思います。

○ 税制に対する希望、あるいは、次の社会として、かくあるべきだというような議論、そういうものがあれば、それは勿論言っていただいて結構です。
 ただ、今日の場合は、議題がそろっておりますので、議題順に片付けていただかないといつまでも堂々巡りになってしまうので、その辺は御考慮いただきたいと。

○ 私は今日そういうことを検討したいというのではなく、今後の議題にのせていただきたいということでございます。

○ 入れます。もし、○○委員の1つの理論の筋立てがあるならば、どこかの時点でペーパーで出していただいても結構だと思います。そうしましたら、それを基にまた皆さんでいろいろもんでも結構です。
 ただ、最終の報告書にはある程度税についての、私たちは全く税にノータッチというのではなくて、例えば、従来の公益法人が受け取っていたような制度がそのまま残った方が望ましいとか、いろんな表現があると思いますけれども、そういうようなことは十分配慮すべきだと思っております。

○ ありがとうございます。

○ 本題の方で、どうぞ。

○ 私はこの件については、公益性を失った法人について、それまで公益性があるということで、寄附なり無償の労務提供を受けていたということへの信頼を裏切らないためには、やはり変わっても残余財産について分配できないというルールをつくるべきだという意見を申し上げたことがあるのですが、この問題はよく考えてみますと、公益性のある法人だけでなくても、共益的な法人についても同じようなことがあり得るわけです。みんなのためにやりますよと、残余財産を分配しないから寄附してください。あるいは、労務提供を受けたいというようなことがあり得るわけですね。そうなりますと、公益性の有無にかかわらず、この一般非営利法人制度の構築等含めて、残余財産が分配可であるものと分配不可、分配先限定というのが正確なのですが、というものに類型を分けておいて、その選択は自由であると。
 ただ、一旦分配不可、要するに、公益分野にしか分配できないよということを選んだ場合には、分配可には戻れないというような法制にしておけば、寄附をした人が信頼を裏切られるということはないのではないかと。
 現実に公益活動、準公益活動、あるいは、共益活動をやりたいという団体の方も、そういうことで選んで、こうですと、あと分配可能にはなり得ませんということでやると、寄附を集めるのもやりやすいのではないかというようなことを考えています。
 もう1つ、ここに掲げられております問題は、公益性を失ったときに社会に戻すべきということは簡単な用語で言えば、召し上げてしまうということだと思うのですが、これがどうかということで、これもよくよく考えますと、その団体に寄附をされる方というのは、公益という茫漠たる概念に寄附されるわけではないですね。どういう活動をやりましょうと、その活動自体がかなり共益的な部分も持っている可能性もあるわけです。
 ということで考えますと、ある段階で公益性の判断を受けて、公益性を認定されて、ある段階で公益性の判断基準に合わなくなる。この場合、いろんなケースが考えられるのですが、1つは行っている事業自体は変わっていないのだけれども、時代に合わなくなって公益ではないという認定をされてしまったというケースと、行っている事業の中で公益的な事業のウェートがだんだん下がってきて、共益的な事業がどんどん増えてきたということで、もうこの団体は公益性の認定はないよということになる可能性があるわけです。
 ただ、そこへ寄附した方というのは、そこのやっている事業に対して賛同して寄附されているわけですから、そのお金を公益分野に置いていけというのは少し乱暴な議論ではないかなという感じがします。
 ですから、非営利法人については公益性は否認されても、その財産を公益分野に置いていけということではなくて、その非営利法人で持ち続けると。ただし、残余財産については、国とか地方公共団体とか同種の団体に渡しますという規定については変更できないということにすれば、ある程度、整合性は取れるのではないかというように考えています。

○ この問題は考えていくと、えらく細かくなるのですね。いろんなケースが起こり得るので、それをあらかじめ想定して整理をするということはなかなか難しいのですが、今の○○委員の御意見について、どなたか補足、あるいは、それで賛成というような御意見は。

○ ○○委員のは前からの御持論で、非営利法人のレベルにおいても、寄附を集めるときにその非営利法人が残余財産を分配しないという法人であれば、それは後で変更することができないと、そういう趣旨を含まれていますので、今の議論の範囲を少し超える部分があると思いますので、元に戻して、公益法人という形でもって活動した後、非営利法人に変更と言いますか、2階から1階に下りるときにどうなるかという問題に限定したいと思います。
 私は私なりにいろいろ少し違う意見を持っていますけれども、一応、公益法人の場合には残余財産の分配の制限があるという前提をとるのであれば、これは非営利法人に変わる際に、召し上げると言いますか、取り上げてしまうのではなくて、非営利法人に戻った段階で、いわば処分制限付きの財産をそのまま非営利法人に引き継ぐという形の処理で、この部分は○○委員の御意見と同じですが、そういうことではないのではないかと思います。
 ただ、今日の報告にもありましたように、恐らく2つ大きな問題があって、1つは今、残余財産の帰属の問題ですが、これは今、申し上げたように非営利法人に変わってからも制限を受けるということでいいと思いますけれども、問題はその事業ないし目的の方だと思うのです。例えば、さっきから考えていて、これはという例がないのですけれども、仮にその公益法人の段階では、スポーツ振興ということで事業を行っていたと。それが非営利法人に変わって、非営利法人に変わればその段階で目的の変更も比較的自由にできるのだと思いますけれども、ただ、公益法人で活動していたときの財産というのは、スポーツ振興ということで公益法人として活動していたのであれば、非営利法人に変わってからもその目的ないし事業の制限というのは及びそうな気がするのですね。
 そうすると非営利法人に変わってから、なかなか複雑な場合が出てきて、同じ事業・目的で行動していれば大した問題は生じませんけれども、変更したということになるとその公益法人から引き継いできた財産については、なお目的事業の制限が付いていて、非営利法人がある意味で変更した後の別な、例えば、さっき言ったようなスポーツ振興でもって公益法人として活動してきたのが非営利法人に変わってから、例えば、サッカークラブ的なものに変わったと。そうすると、そのサッカークラブ的な非営利法人としての活動を一方で行いながら、他方でスポーツ振興という、今までの公益目的なその事業に、その2つの両方を行わなくてはいけないというような事態が生じてきて、なかなか複雑な問題が生じる。
 この目的事業の方をどうしたらいいかというのが、従来も議論があったと思うのですけれども、今日の新しい問題の1つではないかというような気がします。

○ ありがとうございます。
 皆さん、公益法人が目的を変更、あるいは、時代に合わなかったという場合に、残余財産の処分について制限を加えるということについては、もう体制は皆さん御賛成だと思うのですが、今のようにステータスが変わった場合に、その残りは一体どうするのかという問題が考えれば考えるほど複雑になってくるのですね。これを何かもう少し切り分ける名案はないでしょうか。

○ 名案とは自分でも思っていないのですけれども、問題は2つあるような感じがいたします。
 1つは、1階に下りた後も構成員に分配を認めるべきでない財産をどういう根拠と基準で切り出すかという問題です。
 もう1つは、その切り出した部分をどうやって本来の目的のために使うようにしたらいいのかということです。
 第2の問題は、1階に下りるその時点で、本来の目的に充てるという方法と、解散するときに充てるという方法と、それからその間、つまり1階に下りた後、解散までの間に何らかの方法で本来の目的に振り替えるという方法と、多分3つぐらいあるのだろうと思います。
 この第1の問題と第2の問題の整理が、ここで出ている(a)(b)と必ずしも対応していないのかもしれませんけれども、どうも問題はその2つがあると思うのです。第2の問題で、切り出した部分をどうするかということについて、残余財産の分配を禁止するというのがここに出ていて、大体それが大勢だと思うのですけれども、それしかないのだろうか。つまり、もし解散までの間、拘束しておくということになりますと、当然、判断主体のチェックということが及んで、かえってコストがかかってしまうのではないかという気もするのです。
 ですから、例えば、これは既に出ている考え方ですけれども、切り出した部分の財産を一種の信託財産というように考えて、それに対してコントロールしておいて、もしその途中で、あるいは、1階に下りるときでもよろしいのですけれども、類似目的の法人のためにその部分を振り替えるというようなことでもあれば、そこで拘束が解けるというような方法もあるのかなと思います。
 最終的には、解散時にということになるのでしょうけれども、それまでに法人が幾つかの選択をとれるような方法を設けておくというのもあり得るかなというように考えています。

○ ありがとうございます。

○ 今の○○委員のお考えに近いのではないかと思いますけれども、公益目的の法人から一般非営利法人に移った場合、いただいた資料の2ページの真ん中の注のところに、解散するわけではないというように、確かに法人としてはそのままつくるわけですけれども、ただ、財産的な扱いの考え方としては、そこで一旦、公益法人としての言わば財産は締めて、言わば清算貸借対照表なり、あるいは、合併するときに作成するような合併貸借対照表みたいなものを作成しまして、そこで出てきた、言わば純資産分については、これは本来公益法人として公益目的のための使う財産であったわけでありますから、その分をたとえ一般非営利法人に転換した後も、その分の純資産については本来のもともとの公益目的にしか使えない資産、言わば拘束資産として一般非営利法人の貸借対照表の中の言わば特別目的資産として残しておいて、それを使用する際には、もともとの本来の公益目的にしか使用できないという、この後に出てきています残余財産分配の際の制限が、その特別財産については及ぶというような形のルールを考えてはいかがかというように思っております。

○ いかがでしょうか。

○ 基本的には同じことだと思いますけれども、法律的な説明としては、今まで公益法人の下でもってその法人の財産となっていたものは、信託財産という形でもって非営利法人が引き継ぐということですから、その信託の目的、これは従来の公益活動の事業目的であり、そういう目的の制限を受けた財産を引き継ぐという形なのだろうと思います。
 これは非営利法人になってもその事業、その事業というのは従来の公益法人の下で行ってきた目的及び事業の範囲、あるいは、その範囲内の活動を非営利法人がそのままするのであれば、これはその財産を使っても構わない。そういう形でその財産がどんどん使われて最後なくなるということもあるでしょうし、非営利法人が先ほど私が言ったように違う活動をするのであれば、その財産を言わば凍結するような形でそのまま引き継がれて最後、解散まで残っていれば、そのときに処分制限に従って国または地方公共団体に償還されると。そんな形だと思いますので、○○委員、あるいは、私の考え方は基本的には同じだと思うのです。
 ○○委員が心配されていた点ですが、その信託目的で拘束された財産であるというときに、どういう形でその信託目的どおり使われているかというチェックをするかしないかということなのですね。これは普通の信託であれば受益者がいますので、受益者が監督することになるのですけれども、これがもともと公益法人として活動していたというその目的、公益目的ですから、公益信託的なものであって受益者がいないので、それでどうするかと。
 一応、信託の法理を使って目的の制限は加えるけれども、全然だれもそれを監督する人がいないという状態で、その方がいいのか。あるいは、例えば、従来の公益性判断の主体を受益者みたいに仮に見立てて、従来の判断主体の監督権限すべてがそのまま残るのではなくて、公益信託における受益者的な立場の監督を残す。
 これは具体的にはもう少し議論しなくてはいけないと思いますけれども、ある意味で軽い監督なのでしょうね。そんなものを残すということは考えられるかもしれません。

○ 場合によっては、税務上の監督をしていただいた方がいいのかもしれません。
 これは先ほどの○○委員のお話もあるのですが、例えば、そういう取扱いについてもそういう方法があるよというサジェスチョンぐらいは我々の方でできるのではないかということです。

○ ここの中で、もう1つ現実的な問題として検討していかなければいけないのではないかと思われることに、その残余財産なり本来あった財産を、非分配とした時の取扱いです。ここでは国、地方公共団体か、あるいは、同種の公益目的団体に寄附をするという、従来の公益法人の解散時に課せられているやり方を踏襲する形で書いてあると思うのですけれども、国や地方公共団体に寄附する場合は比較的単純だと思います。しかし、社会的、公益的な団体に寄附するというようになったとき、今までは主務官庁がいて、ケースによっては、そこの団体がここに寄附をしたいと言っても、主務官庁がそこではなくてこっちにしろとか、そういうことが実際に起こっていました。今回、どこかに寄附するというようになったときに、公益性があると認定された団体で同種であると認められれば、そこの団体の自由意思において寄附ができるのか。あるいは、判断主体なりとの協議のようなものが必要なのか、この点についても検討すべきではないかと思います。

○ それは、後ほど議論の対象になります、判断主体の機能の中に含まれてくると思うのですが、今お話のことがございましたけれども、私の経験では今まででも主務官庁が、この団体と合併した方がお互いにいいのではないかというようなときに、意見を聞いてくださったことはあります。
 したがって、それが主務官庁ではなくて、今度の新しい判断主体になってくると、よけいその辺りのことはわかりやすくなってくるのではないかというように思いますけれども、ただ、それを文章にして残しておくかどうかということは、また別の話なので考えていく必要があると思います。

○ 正確に理解していなかったかと思うのですが、この問題は2階から1階に下りて、そして更に1階から出て行くときに残余財産の分配という問題が起こるのだろうと思っていたのですが、2階から下りたときに財産をどこかに寄附するとか、あるいは、その他処分をするということもあり得ると思うので、その問題も、あるいは、検討対象にしなければいけないと思ったのです。1階からも出て行くときのことを残余財産の分配と呼んでいるのでしょうね。2階から1階に下りたときに財産を処分したいと考えたときの問題も、あるいは、あるのかなと今、伺っていて思ったのです。少し御検討を。

○ 原則的な立場は、これは○○委員の言われたことに一番同調するのですが、今、議論をやっていることは、新しく組織をつくりますね、人が集められて委員が定められる。そこで具体的なチェックの仕方をその人たちが責任を持ってやるわけで、そのときにはいろんな観点でまた議論が始まると思うけれども、前の懇談会ではこんな議論がありましたということを残し伝えれば十分であって、責任をもって育てる人たちがこんな具体的な話はそこで詰めればいい話だと思うのです。
 この席では、そんなに細かいことを全部決めるというのは無理だし、その必要もないと、大枠でぼんと渡してしまえば構わないと。ルールの細かい策定は、今度新しくつくる委員の連中がやればいい話ですよ。と私は思っているのですが、違いますかね。

○ おっしゃるとおり、あらゆるケースを想定して細部までここに書き込んでおくということは全く必要ないと思いますが、この程度まで議論をしておいて、それを渡すということでよろしいのではないかと思いますが、いかがでしょうね。

● この後、この有識者会議の報告をいただいた後、来年は法制化の作業に入るということになるわけですけれども、そこの法制化につなげるためにも、この会議でできるだけ詰められる部分は詰めていただきたいと思います。例えば、残余財産について、2階から1階への移行の際のルールと言いましょうか、そういったものについて、どう考えるべきか、そこら辺をきちんと決めておいていただけると、来年以降のそうした作業に結び付けていきやすいということでございます。

○ ということで、結論まで出してしまう必要はない。だけど、ここまでいろいろ皆様の御意見をいただいておけば、それで十分材料になるということではないかと思います。よろしいですね。

○ 私の意見ということで。○○委員のさっきのお話は、公益法人の2階から1階に下りる、その段階でもって、そもそも処分をするということがあり得るかという、その話だったと思うのですけれども、これはその法人が非営利法人として存続するということを前提としつつ、その途中の段階で財産を処分するという問題なので、法人財産を途中で処分する、そういう一般的な問題、特殊ではありますけれども、そういう問題だと思うのですね。
 これは法人の財産を処分するのは一般的には可能なので、その法人の目的とか法人の内部規律とか、それに反しない限りでは処分できるというように考えられるのではないかと思います。
 ただ、その目的との関係で法人が存続しているので、全部処分してしまうということが可能なのかどうかとか、そこら辺が気になる点ですけれども、問題はそういう整理ができるのではないでしょうか。

○ 私は今ここで議論しているのは、まさに○○委員がおっしゃった、その公益法人から一般非営利法人に移って、一般非営利法人が存続している間にかつての公益法人が持っていた財産をどこまで処分できるかということを、今まさに議論しているのであって、その部分については私のさっきの意見は特別財産として原則としては処分できない。ただ、それを処分したいときには本来の残余財産の分配と同じような形での制約を受けた形の処分しかできない。そういうことで整理してはどうかということです。

○ よろしいでしょうか。

○ わかりました。ただ、何というのか、例えば、別の公益法人に寄附するというようなことはあり得るわけですね。拘束財産ではなくて。

○ それはあり得るでしょうね。
 ただ、そのときに○○委員がさっきおっしゃったように、自分のところと非常に似た性格のミッションを持っているところにできれば渡したいのだけれども、というような希望が通るか通らないかですね。そういうことだと思います。

○ だから、そこは判断主体の権限、監督というものを考えるということですね。

○ そうですね。いろいろ細かい議論をしていただいて、ありがとうございました。
 それでは、2番目の「適正運営の確保のあり方」。その理事・監事の責任及び寄附者、あるいは、国民一般による代表訴訟類似の制度というアイデアがありますので、それについて事務局から御説明をいたします。

● それでは、資料1の4ページからでございます。
 「適正運営の確保のあり方」の中で「理事・監事が寄付者や国民一般に対して責任・義務を負うこととすべきか、また、寄付者や国民一般による代表訴訟類似の制度を導入すべきか」という点でございます。
 留意点でございますが、今の民法では公益法人に対する理事・監事の責任が法律上明確化されておりません。ワーキング・グループの方では、その下のポツでございますけれども、一般の非営利法人につきまして、その下にありますような規定を設ける方向で御検討いただいております。
 1つは、法人と理事・監事との関係は、委任に関する規定に従い、理事・監事は法人に対して、そこにありますように善管注意義務を負うこと。なお、理事は法人に対しまして、いわゆる忠実義務を負うというものであることを明らかにすべきという御指摘もあると存じております。
 2つ目が、理事・監事の法人あるいは第三者に対する責任について規律を設けまして、理事・監事が法令等に違反する行為となった場合の法人に対する損害賠償責任等を明確化すると。また、その際の責任は過失責任であって、その責任の制限に付きまして、何らかの規定が必要かどうかについて、その後にございますような、例えば、善意無重過失を要件とするか、報酬の有無、常勤・非常勤の別を考慮するか、事後の免除や事前の制限の適否をどう考えるかといった観点から、現在御検討いただいているところでございます。
 第三者に対する責任につきましては、悪意、重大な過失があった場合に賠償責任を負う方向で御検討をいただいております。
 次のポツでございますが、公益的な非営利法人の場合に、こうした点に加えまして、いわゆるフィデュシャリーの責任の考え方に基づいて、寄附者や国民一般も広く受益者と捉えまして、そうした寄附者、国民一般に対して責任を負うとすることにつきまして、どう考えるか。この点につきましては、これまで、その次のページにございますような両論が示されておるところでございます。
 5ページ目でございますけれども、理事について受託者責任を基礎として考えるべき、あるいは、公益性を有する法人は社会のために財産を預かっているという観点または社会監視を強化する観点から、寄附者や国民一般に対する責任・義務は必要といった御意見の一方で、理論的には考えられるけれども、理事の責任をそこまで広げることについて、それを受け入れるところまで熟成しているかどうか、あるいは、理事の責任を強化し過ぎると引き受け手がいなくなるといった御意見がございました。
 関連することといたしまして、寄附者や国民一般が理事・監事に責任を追及することを可能とする代表訴訟類似の制度につきましても、同様に両論が示されているところでございます。
 御紹介いたしますと、そうした制度を認めるべきとの御意見の一方で、住民訴訟制度と同程度の信託関係が一般国民と公益性を有する法人との間にあるとは言えないのではないか。あるいは、その他の税制の措置を受けている者や補助金を受けている者ともバランスの問題もあるという御意見。また、法人自体のガバナンスが強化され、判断主体がチェックすることになる中で、こうした代表制度類似の制度まで導入することは行き過ぎではないかといった反対の御意見もございました。
 こうした理事・監事が寄附者、国民一般に対して責任義務を負うこととすべきか、あるいは、関連してそうした者による代表訴訟類似の制度を導入すべきかにつきましては、6ページ目でございますけれども、他の関連制度とのバランス、理事・監事の負担の問題、今回の仕組みの下でのガバナンスのあり方、あるいは、その事後チェック、社会監視の仕組みなども総合的に考慮した上で慎重に対応する必要があると考えますが、この点について、御意見をいただけないかと存じます。
 また、先ほど御紹介いたしましたように、一般の非営利法人につきましては、理事・監事の法人に対する責任制限のあり方を検討していただいております。こうした公益性を有する非営利法人の場合、役員の責任制限についてどう考えるか。そうした役員の責任制限について、一般の非営利法人とその取扱いを異ならせる必要があるかという点についても御意見をいただけないかと存じます。
 以上でございます。

○ ただいまの説明を踏まえて、理事・監事の責任及び寄附者や国民一般による代表訴訟類似の制度についての御議論も少し深めていただきたいということであります。 今、御説明のように、役員が寄附者や国民一般に対してまで責任義務を負うべきか、または寄附者や国民一般による代表訴訟類似の制度を導入すべきかについては、当会議については、かつて賛否両論がございました。ほかの関連制度とのバランス、あるいは役員の負担、引き受け手がなくなるのではないかというような御指摘もありました。そういうことも踏まえて、どのように考えるか。再度少し議論を深めていただければと思います。
 併せて、公益性を有する非営利法人の役員の責任制限の取扱いということについても、御議論があるかもしれません。
 どうぞ御発言をお願いします。

○ 私は少数意見だったかもしれませんけれども、代表訴訟的なものを認めていいのではないかという意見を述べたことがありますので、この段階でもう少し議論を深めて、できるだけ合意に至れるような、そういう提案として、少し再構成したいと考えております。
 私が公益性のある法人の理事のフィデュシャリーの責任というものを認めた方がいいのではないかというように考えている最大の理由は、必ずしもその代表訴訟を導入するということではなくて、理事等が実際の公益法人の受益者である社会とか寄附者も含めていいのですが、国民一般、こういう者に対していろんな義務・責任を負うのだということを明確にするという点に最大の理由があるわけでして、具体的にそこからどんな法的な権利を受益者であるその国民に与えるかというのは、次のいろいろ制度的な考量から決まってくる問題だと思うのです。
 今、言いましたように、公益法人の理事等が社会に対していろんな責任を負うということをまずフィデュシャリーの責任として明確にした上で、例えば、そのいろんな情報の開示の義務であるとか、あるいは帳簿閲覧なども問題になるかもしれませんが、そういうものであるとか、そういうものを理論的に根拠づける義務として、フィデュシャリーの責任を考える。
 更にその上で理事の責任、監事の責任を根拠づける上で、どこまで行けるかということなのですね。代表訴訟というのは少しドラスティックではあり、ほかの制度と比較しますと、例えば、住民訴訟というのは非常に近いと思いますが、住民訴訟的なところまでいけるのかどうか。フィデュシャリーの責任というだけでは簡単には、恐らくいけないかもしれないですね。公益信託というのは常に比較の対象として見てまいりますと、公益信託も社会を受益者とする信託で、その場合の受益者というのにどの程度の強い権限が与えられているかというと、現在の一般の信託理論では受益者自身には、信託の場合ですと受託者ですが、それに対する責任追及とかいう法的の手段が与えられているわけではないので、ここでも代表訴訟的なものを政策として取り入れることが望ましいと言いますか、私の意見としてはあり得ると思いますけれども、そこまで強いのはアンバランスだということであれば、少しトーンを落として、社会一般には、例えばその法人の監査役に対して業務監査を請求するとか、あるいは理事の責任の追及を求めるとか、1つクッションを置くということは考えられるのかなと。
 それ以上にその監事が行動に出なかったときに、今度は国民一般が直接代表訴訟を提起するというところまでは必ずしも認めないでもフィデュシャリーの責任としては、それなりのものができるかもしれない。そんなことも考えております。

○ 今の○○委員と大体似たような印象なのですけれども、やはり理念としては社会国民一般に責任を負うというものではないかと思います。ただ、それも厳密に言うと、法人がそういう責任を負うというのと、その理事が責任を負うというのと、多分2段階があって、そこが少し切り分けが必要かと思います。
 先ほど、情報開示とか帳簿閲覧という例を挙げられましたけれども、それはむしろ法人の義務ではないかなという感じがいたします。その先の具体的な方法がいろいろあるというのは、まさに御指摘のとおりでして、代表訴訟というのは今の言葉どおり、ドラスティックな面もあって、若干問題もあり得るのではないかと。ほかの方法としては、例えば、一定の適格団体に訴権を認めるというような仕組みも考えられると思いますけれども、しかし、それもなかなか大がかりで大変かもしれない。
 そうしますと、判断主体に対して国民が通報するというような方法でコントロールしていく、その理事の責任を追及していくというようなこともあり得るかなと。恐らく具体的な方法はいろいろあるのだろうと思いますが、基本的には社会に対してフィデュシャリーに基づく責任があると考えていいのではないかと思います。

○ ありがとうございました。

○ ここに「報酬の有無や常勤・非常勤の別を考慮するか」と書かれていますけれども、実際上、組織の上では報酬があるとかなしとか、そういうことは関係なしに役員会等でいろいろな決定がなされていくわけであります。ですから、報酬の有無と責任をリンクさせることには反対です。
 また、その法人が誰に対して責任を負うかというと確かに広く国民一般なのでしょうけれども、報酬のない理事がどこまで責任を負えるかということも一方の歯止めとして考えるべきことなのだろうと思うのですね。私どもが代表訴訟について心配しているのは、嫌がらせ的なものでありまして、理事が悪いことをしていたり、あるいは不適格なことをしていたりというのであれば、それは代表訴訟でも何でもありですが、嫌がらせを防ぐために、そういう手続をほかの手段でできないかということです。第三者判断機関というのを今回予定しているわけですので、そちらの方を通して、一応チェックをして訴えるとか、そういうような方法がとれるのではないかなと思います。

○ 今回の公益法人改革を運動論として考えると、やはり民間の公益活動やそれにいろんな個人がボランティアで参加していくことを促進していくことに大きな目的があるということになります。そうであればいろいろな公益法人の活動に個人が参加しようという意欲を阻害するような制度をつくるというのはいかがなものかと思います。
 一方でその税制上の措置等が与えられるわけですから、そのガバナンスを強化していく方がいろいろ検討されているわけですね。理事会を設置したり、あるいは場合によっては監事を必置にするといったことも考えられるわけです。
 それから、いろんな方法でのディスクロージャーの強化も検討されています。これらの方策だけでもかなりのガバナンスの強化になると思うのですけれども、更に今度は公益性の判断主体がまたいろんな形で法人の設立後もチェックをかけていくことも考えられています。
 これに加えて、その代表訴訟制度の類似の制度をつくった場合に、そういう公益法人に個人がボランティアで理事等として参加する意欲が果して湧いてくるかという問題が実際にあるわけです。それは今でもそういう法人から参加してくれと言われたときに忙しいのだけれども付き合いということで参加したり、ただ理事会に出て会の趣旨をいろいろ広めてくれればいいですよという条件で参加している人が多いわけです。それが代表訴訟制度類似制度が入るのであれば断る理由になってくる、そうするとそういう人たちが参加しなくなってきた公益法人活動というのはどうなのかと。
 株主代表訴訟の行き過ぎ是正が、営利法人の場合には法改正で行われております。営利法人の場合にはやはり利益処分を目的としているわけですから、そこについて不適正な経営が行われれば、代表訴訟をやろうというのはわかるのですけれども、この非営利の残余財産も勝手に処分できないような、そういう公益法人において、そういう株主代表訴訟の類似の制度をつくる必要があるのか疑問です。利益処分とは関係ない一般のその管理責任の問題を追及するのであれば、先ほどのガバナンスの強化の中で判断主体というのもできるわけですから、そこがそういうことをすれば足りるのではないかと。だから、代表訴訟の類似制度だけを大幅に強化しなくてもいいと思います。

○ 意見というよりも質問なのですけれども、寄附者の立場から見たときにどうなるかということなのですが、最近コミュニティーファンデーションというのが大阪にしかありませんけれども、この場合、世界的にも広がっていく類いの寄附集めだと思うのですけれども、一般的に金に糸目を付けない形で寄附をするという方法もありますが、いわゆる指定をして、こういう分野に使ってくださいという形で寄附者の意思を重んじて寄附金を集めるという方法があるのですけれども、これは今後、寄附を促進する上で非常によいスキームだというように考えています。
 そうなったときに寄附者がもし自分の寄附したお金というものが違う方向に、違う分野に使われたというときに、これはだれに対して訴えられるのかということなのですが、これは法人に対してなのでしょうか。それとも理事に対してなのでしょうか。

○ 寄附の目的を言わば限定して寄附したときの話ですけれども、それは法人が寄附を受けるわけですから、法人が本来はその目的に従って、その寄附を使わなくてはいけないという義務を負っているわけですね。
 同時に理事はその法人の目的と言いますか、その負っている義務を言わば体現する実際の執行者ですから、当然、理事もそういう義務を負っているということになります。そこまでは恐らく問題はないと思うのですけれども、その寄附者がもし目的以外のことをしたときに、何か積極的にその責任追及ができるかと。それが○○委員の次の質問なのだと思いますけれども、これはなかなか現在の法律構成で意外と難しいのですね。
 一番簡単なのでは、寄附は実は信託だと言って、そうすると信託の委託者というのがそれなりの権限がありますので、そういう方法を使うのが1つですが、寄附は一般的には今までは贈与だと考えられていて、贈与だというように考えていくと、一応、贈与を受けた側、今の場合、法人、法人の負っている義務の範囲内で執行する理事ですけれども、そこがなかなか法的には追及しにくいのが現在なのではないかと思います。
 ですから、それをその立法で、例えば、今回のように寄附者に一定の権限を与えるというのは、新しい立法をつくるというのは従来、言わばなかなかできなかったことをしようという意味で新しい提言になるのではないかと思うのですね。

○ 結局のところは規律と言いますか、ガバナンスがどのように適正に行われているかということなのですね。私は、○○委員の言うようなところに近い意見を持っているのですが、やはり不特定の第三者による代表訴訟的なものを実際導入しても、実効はないし、ドラスティックな影響があるばかりで、それから理事に就任する方もつい逡巡するということになってしまうと、やはり全体の新しい公益法人活動を阻害するようなことになってくるのではないかということをおそれるのですが、ではそれをどうしてそのようなガバナンスを保証するかということは、勿論、法人としての責任と、それから代表者としての理事長、それから理事の責任があるとしても、その理事にも常勤と非常勤とありまして、非常勤の方というのは、1年に2回の総会で、簡単に言えば事業報告と事業計画と、それから決算と予算、これを審議するだけなのです。
 そうしますと、それがもし正しく表示されていない場合は、本当にわからないのです。一体だれが一番よくわかるのか。それは、常勤になっているこの組織の中の理事、及び一般の職員ではないかと思うのです。その方々の通報制度を、この審査機関のようなところに直結するような仕組みをつくるということも、1つの方法ではないかというように思うわけです。
 もう1つは、アメリカの場合に、報酬を受けている理事が結構いますね。その方々は、そのような各種の訴訟が起きた場合の保険を皆さんおかけになっていますね。日本の場合は、全く報酬がなくて保険だけかけろというのは、これは少し酷な話で難しいのではないかと思うわけですけれどもね。

○ この議論は大ざっぱに考えると、どこでも制度改正をやるときに理念論、理想論という次元の高い議論が1つの流れとして必ずどこでもある。今、○○委員みたいに、座長もおっしゃったけれども、現実論というのも典型例の1つですね。
 さっき、○○委員が代表訴訟という手法については取り下げるにしても、その次の何かもう少し穏当だけれども実効性がこれなら多少はあるかなということをおっしゃったと思うのですね。今、我々が2万6,000の公益法人があって、その中に政府関係の受託専門もあれば民間のも全部ある。見られている一般の目というのは、雑誌、マスコミの世界を全体を通じて見れば、何かうさん臭いことをやっているかもしれないなと。しかし、材料がない。だから、書かないというだけの話なのですよ。材料はたまに内部告発的な声が、内部で起こるか外部に流れてくるか。外部に流れてくるときには、それを材料にして丹念に取材して、ある時期ニュースにするというのが普通のやり方ですね。それで、外部から理事長もそれなりの反省なり態度の表明なり、何なりを迫るという形しかないのですよ。代表訴訟だとストレートに行くと思いますけれども。
 だから、代表訴訟やらなくても、まあまあこの世界はほかにやり方があるわけで、道が開けばあるので、その志がある中にいれば、一遍で解決できないけれども、余りにもひどいやつがいれば、やはりどこかで足を引っ張られるのですよ。それが人間社会のいいところで、みんながみんな隠蔽工作で何もやらないというのも一面的過ぎると思うので、そこに期待をして、あり得るだろう。期待して現実的な話をやるという方が話が現実的だと思いますけれども。

○ わかりました。それから、2万6,000 がすべてそうであるという仮定はできませんので、非常にまれな例がやはり新聞等で出ている。

○ 先ほどの○○委員の件について少し。私どもでも公益信託を一時運営しておりました。その時の経験からも、寄附者の本来の意図に反したお金の使われ方というのは多いに起こり得ることだと思います。
 寄附者がこういうように使いたいと言っても、何年か経つうちにそういう状況はもうなくなるということが起こり得て、そうするとその時点で必要な方にお金を回したいと、受託者は考えるわけですね。
 寄附者とどういうようにお金をシフトしていくかというような協議をして了解をもらうわけですけれども、その了解がもらえないときもあり得るだろうと思います。そうすると特定目的に対して寄附したときで、その使途が契約どおりにいかなくなったときは、一気に代表訴訟までいくのではなく、例えば、両者協議の上でその寄附金を引き揚げることもあり得るというような条項を契約金に盛り込むことができるのか。
 もしそういうことが起こったとした場合に、残余財産の処分等の問題にも関わってくるのではないかと思います。余り細かいところまで書けないにしても、市民からたくさんお金を集めている場合、そういう問題は起こり得るかなと思います。

○ ありがとうございました。

○ これは幾つかの問題がありまして、整理して考える必要があるかと思います。ここで書かれております代表訴訟について、かなりいろんな御意見があったわけですけれども、寄附者や国民一般が提起する代表訴訟の問題と、あともう1つ、公益社団法人などの場合の社員が提起する代表訴訟。これはまず分けて考える必要があると思いまして、○○委員等がややドラスティックになるとおっしゃったのは、前者のことについておっしゃっているのだろうと思います。
 ただ、前者の中も、ここでは国民一般と寄附者を一緒にして書いてありますけれども、今の○○委員の御指摘等を伺って、寄附者について、国民一般とまた少し違った考え方ができる余地があるのかなという感じはしました。
 国民一般に対しては、関係がかなりモートなので、代表訴訟まで行くのは、ややドラスティックかというのがかなり多くの御意見かなという感じはいたしました。
 それ以外について考えますと、さっき座長が御指摘のように、場合によるとその非常勤でよく実態がわからない理事者まで責任を追及されて、それによってこういった公益法人等の活動に参加することにシュリンクするおそれがあるのではないかという御懸念があることも十分理解できますけれども、一方で本当に実際、常勤でそれを扱っている人が不当な業務執行をやって、その結果、非常に大きい損害を与えて迷惑を及ぼすということも起こり得るわけで、本当にまずいことをやった人がいたときに、その人に対する責任追及が行われるような仕組みはやはり必要なのではないかと。
 直接関係する事件のことを申し上げるのは気が引けるのですけれども、最近ある財団法人が破綻いたしまして、学会事務センターというところですけれども、その結果、各学会は大変な損害を被ったわけですけれども、そのために私どもの属している学会でも善後処理で大変な損害を被ったものですから、会議を開いたときに非常に会員理事の方から強く出たのが、本当に責任のある人の責任を是非追及してほしいということが非常に強く言われまして、やはりその放漫経営なり、あるいは場合によっては横領的なことをした内部者の理事の方がいた場合に、その人の責任が全く見過ごされて終わるということがあるのは、まずいのではないか。
 ですから、本当にその責任のある人の責任は追及できるような制度は、最低限用意しておく必要があるのではないか。
 さっき、営利法人との比較で、その代表訴訟の是非を大分御議論いただきましたけれども、今、下の一般非営利法人の方で、その問題も検討しているわけですけれども、基本的にはここでの御意見にもありましたように、一般の営利法人である株式会社に準じて責任免除等も認めましょうという方向で考えておりまして、そうしますと一般の株式会社についても現行法上、報酬の2年分までの責任に限定することができるということになっていまして、ということは逆にほとんどの非常勤の理事の方は無報酬。現在の日本の公益法人はほとんど無報酬ですから、ということはゼロまで、その責任が限定できるということになるわけでありまして、その点をあらかじめきちんと契約で結んでおけば、それによって責任の限定ができるということは、はっきり言えば、実際にタッチせずに直接に関わりのない無報酬の非常勤の理事の方が責任追及されることはまずない。
 あるとしたら、悪意、故意の場合で、これは悪意の場合まで、その責任がないと言われたら、これはまずいので、そういった場合にだけ、やはりそれに準ずる重過失のときにだけ責任が追及されることがあるだけでありまして、そうでない場合については、責任は追及されないわけですから、よほどひどい場合にだけおさえる。
 特に常勤で実際にその業務執行にタッチして、横領なり放漫経営をやっていた内部の理事の人が代表訴訟で責任を追及される道というのは、やはり用意しておく必要があって、それは私はやはりその社団形態であれば、社員の人がそういった代表訴訟を起こせる。これが法人の一般原則でありまして、中間法人でもそうなっておりますし、その他の各種の協同組合等もそういうような法制になっておりますので、それに準じた最低限の代表訴訟は用意しておく必要があるのではないかというように思っています。
 ただ、その国民一般というのは、やはりモートになりますから、そこまで用意する必要はないでしょう。
 寄附者については、考える必要があるかなと思うのは、財団法人の場合は社員がいないものですから、その代表訴訟を提起する人がいませんので、その社員に代わる者として寄附者ということが1つ考える可能性があるのかもしれない。
 ただ、一方ではさっき○○委員が御指摘のように、最初に契約できちんと逸脱するようなことが行われたときには、寄附を返還させるなりの契約を結んでおけばいいというお考えもあるかもしれませんが、これは更に検討の余地があるかと思いますけれども、さっき申しましたような極端な場合について、内部者等の責任追及できるという意味での代表訴訟制度はやはり用意しておく必要があるのではないかと思っております。
 以上です。

○ 大体まとめていただきました。
 質問なのですが、商法並びで今のような悪質なものについては、背任等のような条項を付けることはできるわけですね。
 もう1つ、何もそういうことをしなくても、一般の民事、刑事の訴訟で十分対応できる部分もあるのではないでしょうか。

○ 当然、一般の民事、刑事は背任等の責任は当然負いますけれども、ただ、実際にその本当に責任追及がどこまで行われるかという実効性の問題を考えると、やはり代表訴訟というのが実効性のかなり高い制度でありますので、それはあった方がいいのかなと思います。

○ つまり内部の直接関係者による代表訴訟を限定したということですね。

○ 今、既存の大きい公益法人の代表訴訟制度というのは、割と可能性があるというように思っているのですが、私どもがこの会議の中でやろうとしているのは、これから新しい公益法人を準則でつくって、ある意味で公益法人をもう少し国民の皆さんにつくっていただこうという意味でのキャンペーンと言うと変ですけれども、もし、背中を押す役目をするとするならば、今まで100 年間も代表訴訟制度がない形で公益法人を運営をしてきたのに、更に新しくこれから公益法人になるところは、割と今のように何百億というような財団ではなくて、非常に民意、私意の方が普通に公益性のある、自分たちで公益性がある、もしくは社会のニーズがあるというところでなっていく。特に福祉系、子育て、シニアの自立のようなところの公益法人というのは、非常に小さい。更に地域限定、顔が見えるという形になってきますと、そういう意味では、代表訴訟制度そのものがペアで理事についているということ自体は、ある意味でその公益法人の理事、もしくは監事になりたいという人の、ある意味で意識を阻害するという部分は否めないというように思っております。
 一方で、社員の方からという内部告発を含めた部分についての一定のチェックというのも必要だなというようには思っているのですけれども、私としては、その代表訴訟制度までというものではなくて、通報であるとか外部チェックの強化というようなところで収めていただいた方が、実質上はいいのではないかなというように思っています。
 代表訴訟制度が仮にあったとしても、実質上、私はあまり現在もある意味で担保されていないというように思いますので、これから公益法人を多くつくっていこうという部分で言えば、もう少し後からでもいいかなというようには思っています。ここの段階でペアで出さなくても、もう少し後からそれを付け加えていただくというような時期が来たときに付け加えていただく方がいいのではないかなというようには思っています。

○ わかりました。
 ここでは代表訴訟制度というアイデアがあって、それも一般第三者ではない方がいいという、そこまでのことであって、大体この辺で皆さんの議論を収束したいと思います。
 今の○○委員の最後に言われました、非常に悪質のものがあった場合に、その責任追及にどのような実効性があるのかということについては、これはもう少しワーキング・グループの方で検討していただいて、それを本会議の方に持ち帰ったらいかがかというように考えております。よろしいでしょうか。
 その後、判断主体のあり方という問題が、まだ十分議論を尽くさないまま残っております。
 これについて、8ページから説明をどうぞよろしく。

● では、8ページでございます。
 「判断主体のあり方」につきましては、そうした判断主体がどのような機能を担うのか。また、それらの機能を適切に果たすためには、どのような組織体制とするのが適切かという点でございます。
 留意点の1つ目、2つ目のポツは、これまでの事項の再掲でございます。どのような組織体制としての要請を満たす必要があるのかどうか。判断主体を担うべき主な機能は何かという点を、もう一度書かせていただいております。
 今日、主に御議論いただきたいと思っております点は、3つ目のポツのところでございます。
 まず1枚めくりまして、9ページをごらんいただきたいと思います。前回、7月の全体的討議では、この9ページのこのポンチ絵風の図の@からBの選択肢について御議論をいただきました。その際、AやBのいわゆる審議機関のタイプにつきまして、行政委員会との関係でどの程度の機能を持たせることができるのか調べてみてほしいという御指摘をいただきました。
 その点を整理いたしましたのが、1枚おめくりいただいた、10ページのA3の大きな横紙でございます。こちらをごらんいただきたいと思います。
 横に広げていただきまして、これは審議機関の例の表でございますが、ごらんいただきますと、左側、上から5つ目までが、いわゆる大臣が許認可等の行政処分、あるいは、その取消しを行う際に必ず審議機関の意見を聞かなければならないという意味で関与しているタイプのものでございます。
 その下の2つの証券取引等監視委員会等がいわゆる立入検査や調査といった事後チェックに特化したタイプのものでございます。
 一番下が、不服審査の機能に特化したタイプとして、情報公開審査会が書いてございます。
 横の欄を御覧いただきますと、今、申し上げました行政処分への関与、事後チェック、不服審査の機能のほか、中ほど以降は運用等につきまして、政省令を制定する際に審議機関がどの程度関与するかどうか、それから、その他の主な審議機関の事務。その右の方には、委員の常勤・非常勤の別、あるいは、その任命に際しましての両院の同意が必要かどうか、その資格要件等々について記載をしております。一番右端が、独立した事務局があるかないかという点でございます。
 主な欄には、左上の方に○×を付けてございますが、○が多いほど、基本的には行政委員会的な要素が強くなるというように考えられます。
 恐縮ですが、最初の8ページの3ポツ目の方にお戻りいただきまして、留意点の3番目でございますけれども、今、御覧いただきましたように、現行の審議機関にはさまざまな機能なものが存在しておりますが、こうした機能を適切に組み合わせることによりまして、行政委員会と機能的に遜色のない判断主体とすることが可能かと存じます。
 行政組織の膨張抑制の要請を踏まえますと、現在の主務官庁から中立的に判断を行い得る特定の大臣の下にこうした民間の有識者からなる審議機関を設けまして、その審議機関による公益性の判断、その御意見に基づいて、大臣が判断を行うと。それで、事後チェックや不服審査の機能につきましては、現行の例も参考にしながら、大臣と審議機関が適切に分担して行うということが考えられますが、御意見を賜りたいと存じます。
 なお、こうした仕組みにつきましては、さまざまな公益の活動分野がございます。そうした分野の公益性を適切に判断する観点から、民間有識者からなる審議機関がそうした各分野に応じた専門性を備えることが可能かという指摘がございますし、また、そうした各分野の公益性については、所管省庁が有益な情報を有しているのではないかといった指摘もあることに留意が必要かと存じます。
 説明は、以上でございます。よろしくお願いします。

○ ただいまの説明を踏まえて、判断主体のあり方について、もう一遍御議論いただきたいと思います。
 夏前の議論を軽くしたわけですが、今日はもう少し深くしていただきたい。あのときに、例えば、公正取引委員会のような独立の大きな機能を持つ機関を設けることも1つの考えであると。あるいは、イギリスのチャリティーコミッションのように数百人を要するような機関を設けることも1つであるということもありましたが、たしか○○委員から、そのような独立機関であっても、またこれはこれでいろいろ問題があるという実際の御経験も披瀝されたところであります。
 松田局長からは、今の行政改革の実情に伴って、そのような大きな機関をつくるということは、スクラップ・アンド・ビルドのルールに従えば、1つ大きな組織を取り壊して、そういうものをつくることが果たして現実的に妥当なのかどうか。それでは、そうではない機関で現在あるものはどんなものかということをここへ挙げていただいたわけであります。
 したがって、行政組織の膨張抑制という観点がまず1つあるわけです。そして、しかも適切な責任を確保するという要請があるわけです。そして、公益性判断でありますとか、あるいは、場合によったら、税制上の優遇についてのある程度の見解を持つような、そういう判断機能があるようなものができるかどうか。
 現在の主務官庁から中立的に判断を行い得る特定の大臣の下に民間有識者からなる審議機関を設けて、その審議機関による公益性の判断に関わる意見に基づいて、当該大臣が判断をすることができる。
 事後チェック、あるいは、不服審査、こういうことは当然やるべきであるということなのですが、これを審議機関と大臣が分担して行うことが適当であるのかないのかというようなことについて、これから議論を深めていただきたいと思っております。
 もう1つ、ここまでの議論をやってあるのですが、特定の大臣あるいは特定の省庁が所管して、それを民間の組織に実際にこういうことを委託するというアイデアもあり得るのではないか。
 現に文化庁の下で、私たち、企業メセナ協議会は寄附についての税制優遇を審査する機能を持たせていただいておりまして、そこで委員長の下、民間の8人の委員がおられまして、かなりな議論をしていただいて、そのようなことを決めさせていただいております。
 その結果は、文化庁、国税庁の方にも、それが結局回ることになって、その分については寄附についての税制上の優遇が得られるというような仕組みが現にございますので、そういう方法もあり得ることを含めて、ここにあるような幾つかの審査機関の妥当性というようなことについて、皆さんの御議論をいただけたらと思っております。

○ 2点、異なる内容でコメントさせていただきます。
 1点目は、今の民間に委託をするという件ですが、これはやはり私はその民間がそういった公益性の判断や税に関わる判断をすることについては、それなりの正当性がない限りは難しいと思います。
 そういう意味で、なぜ、メセナ協議会がこういう仕事を受託できたのかというところの説明、妥当性とおっしゃいましたが、これは正当性だと思うのですが、そこはもう少し詳しくお伺いしたいですし、今後そういうことを検討するに当たって、必ずこれは正当性の問題が出てきますし、民間であるがゆえに、これは選挙で選ばれていないわけですから、別の理由を持ってこなければいけないという意味で判断し、私は根本的なところでかなりチャレンジングなことではないかと思います。
 もう1つは、この審議会に関することなのですが、この委員というのは、いわゆるほかに常勤の職を持っていて、それで委員を任命されるという形です。

○ それはこれから論議していただければ。

○ というのは、これはどう考えても、1万7,800 のNPO法人と、今回は省きますけれども、潜在的な母集団ですね。それと2万6,000 の団体の公益性の事前と事後のチェックをするという相当量の作業がありますので、これを常勤の職員がいない形で作業するのは、私は現実的には無理ではないかと思います。以上です。

○ 前回、座長がおっしゃったみたいに大まかに言われたときに、たしか私はいなかったのです。だから、今日はこれから、恐らくそのときにしゃべったであろうことを申し上げて、責任を果たしたいのです。もう少し深い議論をやろうねと言われてことについては、私は余り能力がないのですが。
 第1に、どう考えても公取みたいなものを別途つくって、大蔵OBの次官レベルを全部ボスに据えるのだというようないレベルのものは、今の世の中に全く通用しないと。最初からペーパーに書いてもいいけれども、そんな話は書くまでもないと。
 2番目のことしか現実的には道がないと思うのですよ。私は若干、これは経験が全くないのだけれども、証券取引等監視委員会とあるでしょう。ここに書いてあるでしょう。私は友人がNHKと読売にいるのですけれども、6年、6年で12年間、あそこの理事をやったのを知っているのですよ。よく遊びに行ったしね。

○ 証券取引等監視委員会ですね。

○ これは、ベテランが証券の内容を全部調べるわけだから、素人は全く役に立たない世界なのですよ。これは専門家が来て、全部いろいろやって、民間からも登用して、余った連中も入れてやっていて、結構それなりに、完全とは言わないし、アメリカに比べればまだ手薄であることは皆さんわかっているし、これから強化しようという議論もあるけれども、12年間、まずまずやってきたのです。考え方の見識を問われるような不出来なことではなかったことは間違いないのですよ。
 だから、今度これは、今お話があったけれども、膨大な数の問題を処理するという実務的なこともあるし、さっき代表訴訟の話が出たけれども、ここでいろいろな苦情がここに持ち込まれれば、それをベースにして、調査、立入検査をやらなければいかぬという立場もあるから、これは容易な話ではないと思う。一体、どれくらいの人間をどこの役所から全部かき集めてくるのだと。現場から、民間から、そういうのはよくわからないけれども、いずれにしても、2番目のところで何か工夫をして、このテーマにふさわしいような工夫をしたものをつくるしかない。と私は思うのですけれども。余り参考にならないですね。

○ わかりました。ということは、証券取引等監視委員会というのは、1つのモデルになり得ると。

○ 私はよく知りませんから、そこでは結構やっていますよということを申し上げたのです。

○ 実際、あれができてから、かなりチェックは厳しくなりましたね。したがって、大きな事件というのは、それほど起きておりませんね。

○ 監視しているとわかるのですよ。

○ そうですね。どうぞ。

○ この前も申し上げたと思うのですけれども、私は国で1つというチェック機関というようには想定していただかない方がいいのではないかというように提案申し上げました。これから事後チェック、それとある意味で相当近い立場、近くで見える立場、更に見ていかなければいけないということになりますと、やはり都道府県に1つぐらいのところまでのチェック機能がないとだめだろうと私は思っていましたので、今日御提案をいただいたところというのは、全体を見るという意味での審議会があって、その下部とは言いませんけれども、基本的に権限が同じですけれども、もう少しエリア限定の公益法人というのがかなり出てきますので、その部分を見る部分については、また違う機能を持たせていただくというところを、是非私の方は提案させていただきたいと思います。

○ 全体を見る審議会があって、その下に。

○ 下にということではなくて、いわゆるここで言っている大臣が主体とする、全国で公益法人をやりたい。全国区の公益法人の場合には、こういった大臣所管の全国区用のチェック機構としては、1つ絶対必要だと思うのですけれども、やはり全国区が大変小さい地域の小さな公益法人をチェックし、実質上監査するというのは難しいと思うのです。ですから、やはりその地域なり特定の公益として判断できるかどうかというのは、現場サイドにチェック機関もないとだめだろうと思いますので、都道府県レベルで同等の地域を限定した形での、同じようなチェック機能を持たせた機関が必要ではないかと思います。

○ それは公的な意味ですか。

○ そうですね。公的にするか、先ほど座長の方からも御提案がありましたように、民間組織に委託するという形で、ともかく国に1個しかないという、今、皆さんの頭にある概念を一度払拭いただけないかと思うのですけれども。

○ そんなことはないので、前から地方はどうするかという議論はやっていましたね。

○ ですから、それを前提にここに前から申し上げているように、書き込んでいただきたいということが、これは前にも申し上げたはずなのですね。

○ そうです。

○ ですから、それを今回まとめていただいている割には全然入ってないということです。
 それと、先ほど申し上げているように、必ずしも特定大臣の下ではなくてもいいと思います。

○ 今、○○委員からお話のあった、ローカルな認定の仕方、これについては、私も申し上げましたし、何人の委員から出て、以前の紙にはたしか入っていたと思います。ですから、これはやや事務局に小言のようになりますけれども、いつの間にかこれが抜けているというのは、ペーパーのつくり方が不適切だと思います。これは、むしろ、あまりこういうことをやると事務局の信頼に関わるのではないかと思います。
 それから、今のローカルに行うというのは、非常に重要なポイントですから、やはりきちんと議論しないといけないと思います。それが1点です。
 2点目は、先ほどの○○委員の、どういうオーソリティーを持ってやるか。これはもう一番本質的なところだと思います。ですから、ここは根幹に関わる、理念に関わるところだと思います。
 ただ、そのときに、私はこういう整理はできるのではないかと思うのですが、むしろこれは御専門の○○委員に伺いたいのですけれども、公益性を判断するということに関しては、これは本来行政が判断すべきものか、そうではないのではないかというのが、今回のこの会議の原点だと思うのです。公益性の判定というものを行政、すなわち官のみがやるということ自体が問われているわけですから、公益性というものは世の中が判断するものではないか、社会が判断するものではないかというところが原点だと思いますから、ですから、官が一元的に判断するというのでむしろない、そこからなるべくいろんな仕組みをつくって距離を置くような仕組みをつくるべきではないかというのが、これが原則論として申し上げたいと思います。
 更に言えば、公益というのは、先ほど代表訴訟のところでも、国民全体がステークホルダーという下りがありましたので、それ自体余りそうではないのではないかと思いますが、公益法人なり、あるいは、今後の可能性も含めて言えば、ここで議論するときには、皆さん全体的にとてもトップクラスの団体の方が多いものですから、草の根的なところはついつい視野から外れがちになっているのではないかと思うのですけれども、ローカルに、非常に地域的に、しかも先ほども出ましたけれども、教育ですとか、福祉ですとか、具体的な活動をやっている団体というのは、もう非常に地域的なのですね。ですから、ステークホルダー自体がローカルな人たちですし、国益、国全体という視点もあまりないわけです。ですから、公益性の認定というもの自体を、そういう意味でもローカルに判断する仕組みというのは、行政上の都合云々以前の問題としてよく考えないといけないと思います。それ全体が1点です。
 2番目に、公益性の認定をして、実質的に、ではどういう利益があるかどうかということになってくると、今度はその典型が税の優遇といったようなことだと思います。その税の優遇ということになってくると、確かに、課税当局が税金をかけるか、かけないかというものを判定する権限を勿論持っているわけですけれども、先ほどのメセナ協議会の例もそうだと思いますけれども、税をかけるか、かけないかという判断をするのは、これは法律に基づいて課税当局が行うわけですけれども、その判断をする際の判断基準、メセナ協議会が、これは世の中の役に立っているから、世の中の構成員としての視点から公益性がある。したがって、税金はかけないでいいではないかという判断をすれば、その判断基準をそっくりそのまま取り入れた形で、課税当局が、ではかけるのはやめましょうという判断はすると。
 判断主体と、判断の根拠を示す主体が、私は分かれていてもいいのではないかと。そこを実は○○委員にお伺いしたいのですが、そういう考え方は当然あるのではないかと。
 というようなことを考え合わせると、公益性の認定というのは、なるべくローカルにして、しかも行政からなるべくワンクッションか、ツークッションか、距離を、行政と関わりがないという意味ではないですが、置けるような仕組みにしておいて、それでしかもそれなりのオーソライゼーションが行うことはできる。しかも、税といったような法律に基づいた権限とのリンクをそこで整理することはできるのではないかと思います。

● 事務局の作業の仕方について御指摘がありましたので、御説明させていただきます。今でも公益法人が2万6,000 のうち地方所管が一万数千はありまして、それは都道府県知事が管理されておるわけですけれども、そういう地方のあり方について、当然別に考えていかなければいけないということで、それは前から資料でお示ししているとおりでございまして、そこは事務局が何か考え方を変えたとか、そういうことではございません。
 今回の御議論は、まさに国レベルの統一的な、あるいは、中立的な行政組織を考えた場合にどうなのかという議論をよりしていただくために、審議会のいろんな例を含めて御説明しているわけでありますので、決して地方の独自のあり方について議論を避けようとか、そういうことでは全くないということを御理解いただきたいと存じます。
 それから、今回、実はこの8ページの最後に付加させていただいたことについて、御説明を申し上げますと、実はこの有識者会議の御議論というのは、与党にもその段階、段階に応じて御説明をさせていただいております。
 この7月の全体会議の御議論を踏まえて、御議論の要旨のようなもので自民党、公明党、それぞれ説明をさせていただきました。党派は申し上げませんが、ある党派は割と、言わば大きくないものですから、議員の先生全体が御参加されて、我々の説明をお聞きいただき御議論いただきました。その御議論の中で、非常に強く御指摘があったのは、この統一的、中立的な判断主体・行政組織について、適切に運営できるのか。この公益的活動というのは非常に幅広い、広がりのあるものでありまして、公益性の適切な判断が、果たして統一的なところで可能なのかどうかという疑問です。それから、公益活動はいろんな行政と連携を取りながら行われている部分がございまして、そういう点は果たして大丈夫なのだろうかということが、特に文化系、福祉系の先生方からそういうところで強い御指摘がありまして、それをどう考えていくのかということを是非お考えいただきたいということで、付加させていただいたわけでございます。
 もう1つ、大きい党派の方は、専らこの公益法人とかNPOとかを考える先生方での御議論が中心になっておりまして、KSDの問題以来、大変公益法人については心配し、御議論をされてきた方々ばかりでありますので、今は純粋にそういう公益法人のあり方の議論が中心になっておりますけれども、これから具体的に改革の全体像が示され、御議論されていくという場合に、当然全党的な議論になるわけでありまして、そこにはもう1つの党と同じように福祉関係の先生、文化の関係の先生、それからそのほかのいろんな関係の先生もおられますので、そういう方々が同じような心配をされていくということも当然あり得ることであります。その辺も是非御検討の中で念頭に置いていただきながら、この判断主体の話は御議論いただければという趣旨で、この最後の3行を加えさせていただいているところでございます。

○ ありがとうございました。先ほどの文化庁とメセナ協議会の関係というのは、文化庁では限られた数の職員の方が、沖縄の組踊りからバレーからすべてを考えることはできないのです。ちょうど今のお話と同じなのですね。ですから、そこに審議会を置くよりは、信頼できる機関を、機関というか、実質文化庁に代わって審議できる機関をつくって、そしてその審議機関でもって文化庁がそれを認定するということになっているわけです。
 ですから、それが自動的に国税庁に行くかどうかということ、これは今の○○委員のお話と同じで、判断主体はあくまで国税庁であるということです。

○ これまでの○○委員、○○委員、○○委員の御意見に私は全面的に賛成です。今、局長がおっしゃいました最後の点につきまして、少し意見を述べさせていただきたいと思います。主務官庁の方が有益な情報を有しているのではないかという指摘につきまして、経験論として私はそれはほとんどないと申し上げたいと思います。主務官庁は国の政策としてそういう情報を確かにお持ちです。でも、やはり国の政策のいろいろな優先順位の中で公益法人事務は決して高くない。要するに、政策には余り関係ない方が判断しているというのが現実であると思います。もちろんそれが、すべてだとは申しません。ですから、そこで主務官庁の方が、例えば、メセナ協議会とか、そういう分野で活動してきたところよりも、比較優位を持っているということは必ずしも言えないと思います。また、国会議員の方も実際の審査の現状というのを、はっきり言って余り御存じない方がいらして、幾つかのケースを国会議員の方にお話しすれば、え、それが現実なのと、皆様、一様にびっくりされます。それが現実だということを、私は申し上げておきたいと思います。

○ ○○委員の御質問に、○○委員まだお答えになってないですね。

○ 先ほどの松田さんからの、ローカルなのを外したのではないと断言していただいて大変ありがとうございます。心強く思っています。今、○○委員のお話で、これは1分ぐらい余談なのですけれども、東洋文庫という大変に立派な、あれは財団ですか、ありますね。もう世界的な有名な、ライブラリー、アーカイブであり、研究機関ですけれども、これが今、いわゆる特増法人から外されようとしているわけです。
 今の○○委員のお話なのですけれども、特増の1つの基準として、例えば、そこにパーマネントな研究員が何人いて、そのうちの何割がPhDを持っていることとなっているわけです。ところが、そこの研究員の方というのは、日本の文化系の社会科学、人文科学系のPhD、博士課程というのはものすごく難しくて少ないのです。もう本当にだれでも知っているような、我が国の長老のような方がそこに属しておられるわけですけれども、ところが、そのうちのかなりの方が博士号を持っておられないのです。
 ですから、それでやはりだめだということで、担当官が切ろうとしているわけなのです。だれが見てもおかしいわけなのですけれども、というようなことは実は頻繁にあるのだと思います。ですから、どうしても役所が見たら十分できるというよりも、むしろやはり形式基準でやってしまおうと、そういう人たちはどんどん、人事で2年ぐらいで代わっていますし、私はだからこそ、なるべくローカルなところで丹念に見ていくことが必要、実質的にも必要なのではないかと思っております。
 付け加えますと、勿論ローカルでやると、そんなものローカルでやったらなあなあで、その地域の顔役みたいなものが、まあやってやれみたいな話があるのではないかと。それは勿論あるのだと思います。ですから、ここはやはりどうしてもその間の、どこで、やはりなあなあにならないようにということと、形式的にそうならないようにということの、フレームの中で決めざるを得ないのだと思います。

○ 今の形式基準のことについては、では形式基準を取り払ってしまうと、今度は本当に裁量になってしまうのですね。ですから、ある程度の形式基準、例えば、今のPhDが何人いるかというのは、これはどう考えたっておかしいですね。そういうものが、形式基準に採用されていることは自体がおかしいので、だから寄附として成り立っている社団なのでしょう。ですから、寄附として成り立っているところであれば、その中がPhDであろうが、これはまた別な話ではないかと思うのです。むしろそういうことを現実的に整理していった方が、形式をなくしてしまうよりはやりいいのではないかと思います。

○ ですから、東洋文庫といったような、もう世界的に有名な研究機関の中身すら、実は知らないということの、これは極端な例かもわからないですけれども。

○ 先ほど○○委員が言われた点については、ほぼ全面的に私は賛成です。私の理解からすると、2つ大きな点があったと思いますけれども、1つは公益性の判断の主体を考えるときに、あるいは、今ここでどこにそういう機能を持たせるべきかという形でペーパーが用意されていますけれども、大原則の問題として、やはり公益性の判断というのは、行政が判断するのではなくて、社会全体が判断すべき問題なのだと。
 そういう出発点から考えたときに、どういう組織、どういうあり方があり得るかというように考えるべきだという点の御指摘は、全く私そのとおりだと思っております。
 したがって、現在使えるいろんな組織なり、機構などを考えるときに、仮に行政の中の審議会という形で設けられても、それは行政のものとして考える、行政組織として考えるべきではなくて、今いろんな審議会がありますけれども、仮に審議会という形を取っても、従来とは違うような運用がなされるような審議会になるべきであろうと思います。
 2番目の方は、こっちはなかなか難しくて私お答えできないと思いますけれども、まず前提として税の優遇措置を与えるかどうかについても、これも私は判断主体は税であるべきではないだろうというようにまず考えるのです。したがって、どういう団体に、どういう要件の下で税の優遇措置を与えるかというのは、税の優遇措置という制度自体は税の中に設けられるにしても、そのための要件、判断というのは、本来は先ほどの公益性の判断と同じように、同じようにと申しますか税の当局とは違うところで判断すべきで、したがって、審議会などでもって判断する方がいいのではないかと考えております。
 そういうように考えますと、判断主体と、それから実際の要件の問題が分離する問題はなくなるわけですが、しかし仮に税がそれを判断するべきだというようにしたときに、判断主体は仮に税当局だとしても、具体的な基準は別なところに任せるということがあり得るのかということですけれども、この辺は私もよくわかりません。わかりませんけれども、先ほどの最初の基本的な原則から考えていくと、そういうようにする方がよかろうと思います。ただ、これはむしろ○○委員の方が御意見いろいろお持ちだと思います。

○ この判断主体の問題については、前回かなり詳しく申し上げたように思いますので、ただ補足的に申し上げておきたいのは判断主体に公益性判断の基準を設定する権限を与えると云うか、認めると言いますか、それをしておいた方が、ルール・オブ・ローの観点から、判断が主観的、裁量的にならないようにするために、やはりきちんとした基準を設ける権限を判断主体に認める方がいいと、そうすべきだと思っております。
 これは、ルール・オブ・ローの精神がなるべく浸透するようにという考慮からもそう言えると思います。
 それから、そういう判断が適正であるために、審議が合議制で行われることが必要であると思います。これも、たしかずっと前に申し上げたと思います。
 それから、税の問題ですが、これは現在は各省庁が公益法人として許可すれば、その公益活動については、非課税の取扱いを受けるわけで、国税庁が判断するということはないわけです。
 ただ、収益事業をすれば、それについては法人税がかかる。そうすると、収益事業に当たるか当たらないかという点の判断、これはやはり国税庁、税務官庁がせざるを得ないわけです。権限行使の上で、そういうようになっているわけなので、そもそも公益的非営利法人として存在を認められたものについて、改めてまた本来の公益的な活動の部分についてまで、国税庁がいろいろチェックするということは考えにくいと思うのです。制度のあり方として。
 ただ、現在の各省庁が公益法人を許可するというやり方ですと、実際問題としてばらばらに利用がされて、本当に非課税にしていいかどうか疑問のあるような組織についても非課税になってしまうという問題は、私は具体的な例は知りませんが、あり得るという感じがするわけです。
 ですから、今度は各省庁から統一的な機関、判断主体に権限が移れば、そこはずっとよくなるのではないかという期待を持っているわけです。
 それから、税の非課税をするからには、しっかりした組織でなければならないと思うので、地方の問題については、地方でやるにしても、知事の下にきちんとした委員会を置いて、そこできちんとした判断ができるような体制になっていないと、困るのではないかという感じがいたします。その点は地方の問題は地方にというのはよくわかりますけれども、地方でやる場合にも、きちんとした体制を作る必要があると思っているわけです。以上です。

○ ○○委員の話で、私の発言の内容に補足しておきたい点があるのですけれども、よろしいですか。
 今の、例えば、特増の制度にしても、あれは要件はいろいろ書いてありますね。あれは、どちらかというと税当局と言いますか、それがつくっているわけですね。恐らくそこに1つの問題点があって、さっきの要件をつくるところと、判断主体という意味では、それに当たるかどうかの判断は、各主務官庁がやっているけれども、要件自体は国税の方がつくっていると。その要件自体も、○○委員のお話もそういうことが含まれていると思いますけれども、果たして税がつくるのがいいのかどうかということが問題提起されているのではないかという気がします。

○ そうですね、その点は、よく行政機関が何かをする場合には、どこそこと協議してとか、意見を聞いてというやり方がありますし、そういうやり方もあり得ると思います。新しい判断機関ができたら、国税庁が何か基準を決める場合にも、そこと協議して決めるとか、そういうやり方だってあるように思いますし、そこは工夫で、ここの会議として何か税の問題については、それほど立ち入った議論はしないということであるにしても、こういう点についてはこうしたらどうかと考えているという、何か提案というか、希望意見と申しますか、そういうものは出せるのでしょうね。

○ 済みません。先に失礼しないといけないものですから、言いっぱなしで恐縮なのですが、今の○○委員のお話についてなのですけれども、ローカルなものをというときに、1つこれも違う脈絡ではあるのですけれども、今、三位一体改革ということで、国と地方の関係を洗い直そうという作業が一方で進んでいます。
 ですから、私はやはり地方になるべく権限なり責任を持っていってというのも、1つの大きい流れなのだと思います。
 ですから、そのことを、国が上にあって、国があり、都道府県があり、市町村があり、これが上下関係だということをやめて、並列なのだと、やることが違うだけなのだという方向に持っていこうというのがこの趣旨ですから、私はそこはやはり別の大きな流れとして心得ておく必要があるのではないかと。これは原則論です。
 それから、もう1つは、その上でやはりさっきも何か知らない間にどこかで、人間関係で決まっているというようなことはあってはいけないわけでして、ルール・オブ・ローというのは、先生のおっしゃるとおりだと思います。ですから、そこはルールのつくり方だと思いますし、そういう意味でこれは以前、これは補助金を付ける補助金公募制、千葉県の我孫子市の補助金公募制についての仕組みというのは、私はなかなかうまくいっていると思いますので、あれを御参考にいたしましたのは、そういう趣旨です。
 これは、やはり行政とワンクッション置いてそういう委員会をつくっているわけです。全く勝手にだれかがやっているというわけではないわけでして、そこは両面の批判があり得ると思いますけれども、あれは1つの工夫だと思いますし、数年前に私は6、7人の知事に、千葉県我孫子市にこういう仕組みがあると、ついては寄附の付け方に、あるいは、公益の認定の仕組みなりについて、公益認定委員会みたいなものを県単位でつくったらどうかという提案を知事にしたことがあります。皆さん、大体賛同していただきました。これも、知事に対してそういう相談をするということ自体が、何か行政依存型になってしまうのですけれども、そのときの相談というのは、知事直属、あるいは行政の中ではなくてワンクッション置いた形でやるというのはどうかという相談に対して、当時6、7人の知事たちは、何かそういうことが是非やりたいと、それは現在の県議会、県議会というのは本当はそういう意味では公益性を審議して、そこに予算を付けたりという作業をする場所なのですけれども、そういう機能を考えても、何か今後のローカルな政治の1つの方向性かもわからないなという意見でした。御参考までに申し上げます。

○ ありがとうございました。確認なのですが、ルール・オブ・ローを中央政府なら中央政府でもって、きちんとしたものをつくれば、判断主体は離れていてもいいということですね。

○ もう一度お願いします。

○ 判断主体は、必ずしも政府そのものではなくていいということですね。

○ ただ、民主主義の政治体制の下では、政府が最終的に責任を負えないようなところで公的な決定が、最終的にされていいのかどうかという問題はあると思います。
 さっきおっしゃったメセナのそれも、そこにお任せして、そこで決定されたことは、もう拘束力を持つというわけではなくて、そこを尊重して受け入れてということだろうと思いますので、その方が適切な判断ができるだろうという考慮からそうなっていると思いますので、ですから、そこはそうだと思います。政府が最終的な責任を負い得るような体制であれば、やはり制度になっていればそれは許されることだというように思います。
 ただ、具体的にどうすべきかということになると、また全く別の問題です。

○ わかりました。

○ 判断主体に関しまして、若干違うアングルから事例を交えて話しをさせていただきたいと思います。今、○○委員の方から税務当局との関係で、法人税と収益事業に関わる課税の話がありましたが、恐らく現場の方たちにとって、最も切実なのは、いわゆる特増、受入れ寄附金に関する税の問題ではないかと思います。
 ここについては、かなり税務当局の裁量というものが、いまだに入っています。NPO法人に関しては、認定NPO法があって、パブリック・サポート・テストがあるとは言われていますけれども、今、私が関わっているNPO法人は、NPO法きちんと宗教と政治ではないということを認められて法人格を取りながらも、しかもパブリック・サポート・テストも全部クリアーしながらも、政治的に中立であるということを別途証明しろということを、課税当局が今、言われて、かなり苦しみながらいろいろと研究作業をされているということです。
 それを考えても、いろんな形式要件を備えたとしても、いろんな形で裁量が入ってきているような気がします。この事例から、憤りを感じでいるのですが、そもそも中立性の証明というのは、公益性ある非営利法人について、だれがいつ求めようと言ったのかと、公益性と中立性のすり替えだと思いますし、それから、NPO法というもので認めたものに対して、更に屋上屋を重ねるというのは、どういうことなのかと。
 そういう意味でも、判断主体が複数存在しているというのは、これはその手続をする側にとっては、大変な障害になるということを申し上げておきたいと思います。

○ わかりました。今の、例えば、イタリアに駐在する社員は、日本の警察から無犯罪証明を持っていかなければいけないのです。日本の警察は、無犯罪証明というのは出さないのですね。そういう非常にややこしい、そういうことがたび重なったので、今ではイタリアの方も黙認していただいているようですが、フランスも同じですね。ですから、その挙証責任といいますか、何々の疑いがあるから、そうではないものを証明しろというのは、これはむしろ外から調べていただいた方がいいので、自分で証明しろというのは非常に困難なのですね。

○ 議論が2つの問題が混じっていて、わかりづらくなっているのかなと思うのです。
 1つは、判断主体を民間に委託するということが、いいかどうかという問題。
 もう1つは、中央の判断主体とは別に、ローカルな判断主体を設けるかという問題。この両者が混じっていて、どうも複雑になっているような感じがするのです。
 前者については、中間整理の前の段階から、そういう意見があったけれども、結局は中間整理の段階で考え方AとBになって、その後考え方Aを取るということで、ここで合意されたのではないかと。つまり中立で第三者的な、または単一の公的機関を念頭に置くということだったと思います。
 ですから、それは組織としては、公的なものだということを前提にしながら、しかし民間の考え方をそこにどうやって反映していくことができるか、その具体的な方法を考えていこうというのが、今の段階なのかなというように思っております。
 もしそれをまた引っくり返して、1から考えるということであれば、それはそれで構わないと思うのですが、ただその場合には公的な判断からあまりにも離してしまうと、結果的に国税庁の独自の判断が強くなって、かえってよくないのではないかという気がしております。
 それから、もう1つのローカルなものをどうするかというのは、これは私はローカルなものがあっていいと思っています。ただ、それと中央との基準の統一性であるとか、あるいは、事後チェックの仕方の統一性であるとかということについて連携を取っていくべきだろうと考えています。この2つの問題があるかなと思いました。

○ 大変明確に整理していただきました。
 1つ伺いたいのですが、事後チェックは同じ機関でやるかどうかということについては、いかがですか。

○ 今おっしゃっているのは、事後チェックについては、中央に全部を集めてしまうという御趣旨ですか。

○ そうではなくて、別な方法で事後チェックをするかどうかという。

○ そうすると、中央と地方と、更にそれ以外に事後チェックの機関をもう1つつくるというわけですね。

○ 中央と地方で事後チェックも全部含めてやれますか。

○ 私は、それを判断主体がやるのかなというように思っていたのですが。

○ そういう前提ですね。

○ 組織としては、事後チェックと事前チェックというのは、1つのところでやるのかもしれませんけれども、これはある種事後チェック、事前チェックで行われたことの不適切さを指摘することも大いにあり得ますので、ここは何らかの牽制行為というものを敷いておいた方がいいと思います。

○ 間接的に位置を持っていた方がいいかもしれないということですね。
 ほかにございませんか。
 それでは、大体ただいま議論を深めていただきましたので、その次に4番目、「公益性を有する財団形態の法人に固有の必要な規律」の「(1)公益性の判断要件のあり方(規律)」の中の「@評議員会構成の制限について」というところを、事務局から御説明します。

● それでは、資料1の15ページ目でございます。「公益性を有する財団形態の法人に固有の必要な規律」のうち、まず1点目は、評議員会構成の制限を加える方向で検討してはどうかという点でございます。
 非営利法人ワーキング・グループの御意見では、その下の留意点でございますけれども、一般の財団形態の非営利法人にあっては、評議員会構成の制限について、特にルールを設けることは検討されておりませんけれども、現行の指導監督基準や運用指針を踏まえますと、公益性を有する財団形態の法人の評議員会の構成につきましては、同一親族が役員に占める割合を制限する等、所要の規律を設ける方向で検討してはどうかという点でございます。この点について、御議論いただければと思います。
 以上でございます。

○ ただいまの説明を踏まえて、評議員会構成の制限についての話を残り時間でいただきたいと思います。ここでは、特に公益性を有する財団形態の法人の評議員構成については、社団形態の法人における役員構成の制限に関わる規律と同様の規律を設けることとしてよいかどうかの御確認をいただきたいと思います。

○ 今、指導監督基準で評議員会については、半分以下と、ここに書いてあるような規制がございまして、ただ今度、財団における評議員会をどういう構成にするかということは、今ワーキング・グループで御検討中でありまして、今日配っていただいた中の26、27ページ辺りに、評議員会というのが出ていますけれども、ここで今、御検討されている案によると、評議員会は理事、監事を選任すると。それから、自らも選任するという案になっています。
 そうしますと、組織上評議員会でヘゲモニーを握れば、すべて人事という面で支配できるという意味で、ある意味では理事会よりも大きな権限を持ってしまうということになります。
 現在、評議員会で実質的に支配できない程度で半分、片や理事会については3分の1というようなことで規制されていますのは、これは理事会の方が相当強い権限を持っているということから、理事会については3分の1というような規制があって、評議員会はあくまで諮問機関という位置づけでありますので半分というような規制になっているというように理解しています。評議員会にどのような権能を持たせるかということについては、いろいろ意見があって、これからまた議論しなければいけないかなと思ってはいるのですが、仮にこの案のように評議員が全人事権を持ってしまうということになれば、実質的に相当支配権を持ち得るということになりますと、半分ではまずいのではないかということになりますので、何らかの制限は必要だとは思うのですが、この議論に入る前に財団法人における評議員会というものの位置づけ、一般非営利法人について今、ワーキング・グループで検討されているところなのですが、それをまず決めてからでないと、具体的にどういう規制がいいかという判断は難しいという感じがいたします。

○ それでは、ワーキング・グループの立場から、どうぞ。

○ 評議員会の位置付けを議論するときに、とてもこの時間内に収まらない。また、別途集中的に御議論いただく時間が設けられると思いますけれども、前回この会議でも○○委員などから、評議員会の位置付けが適切ではないのではないかという、あるいは、権限が強過ぎるのではないかという御指摘をいただいて、我々ワーキング・グループの方では、理事会の権限を超えるほど強い権限を与えるという趣旨ではなくて、ちょうど理事会とチェック・アンド・バランスの機能を果たすような権限を評議員会に与えたらいいだろうということで、基本的には社団法人であれば、社員総会的な、そういう位置付けを評議員会に与えたいと考えているわけです。
 ですから、理事の選任権、あるいは、解任の権限はありますし、社員総会と全く同じではないかもしれませんけれども、基本的には自分たちを選ぶ権限もあるという位置づけになっているわけであります。
 しかし、実際の日常的な業務も、これは理事会、あるいは理事が行うわけですから、日常的な業務については、専ら理事会が独断と言いますか、自分たちで判断して行動できるので、そういう意味では実際の法人の業務活動には支障がないような構造になっているというように理解しております。
 あと寄附行為の変更とか合併とか幾つか、重要な事項について評議員会の方も多少タッチいたしますけれども、基本的な考え方はそういうことでありますが、それを先にここで議論した方がいいということでしょうか。
 あるいは、少しそれについての御意見を伺った上で、最終的にこの点について決着を付けるまでの議論はできないかもしれませんけれども、その上でこの問題に入りたいという趣旨なのだと思います。

○ それで、この案の中で、評議員が理事・監事を選ぶと、これは現行どおりです。評議員が自らも選ぶということになりますと、そういう選任という行為を通して実質的に支配してしまうという権限を持つことになります。
 となると、今の評議員会の位置づけ、諮問機関、あるいは財団の基本的な方向づけについて、設立者の意向を受けて間違いのないように運営していく牽制機能を果たすというようなところから、これからは自らも選べるようになるということになると、ある意味では、オールマイティーの権限を持ってしまうということになりますので、この選任のところは、今はいいかげんと言えばいいかげんなのですけれども、お互いに選び合うという形は、どう評価するか難しいのですが、現状の方がいいのではないかという感じはしております。

○ 私は、実際にいろんな財団、社団の評議員会、理事会等に出て、全く機能していないという説を既に持っているわけですが、しかしながら、理論上は今のような互選をすることによって、評議員が理事を選び、理事が評議員を選ぶことによって、最終的なチェック・アンド・バランスと言いますか、それを保つことができる保証ができるのではないかと思っていたのです。
 なぜそれが評議員会で両方決められるのかということを、○○委員に教えていただきたいと思います。

○ これは、いろんな考え方があるのだと思うのですけれども、例えば、評議員会のメンバーを理事会が選ぶというのは、この評議員会というのは、先ほども申し上げましたように、自ら業務執行するのではなくて、本来は業務執行機関である理事会を監督する機関ですので、その監督する機関を、監督されるものが選ぶというのは、これはそもそもおかしいというように思うので、そこで評議員をまず理事会が選ぶというのは、やはり選択肢としてはあり得ないだろうと。適当ではないだろうと。
 これは、たまたま先日オランダで、いろいろな会議もあったりして、その合間に、それと一緒にオランダの団体の調査もしていたのですが、オランダにおいても財団法人の形態において、理事と、それを監督する機関というのがありますけれども、そこでも監督する機関を監督される側が選ぶということは、あり得ないことだということで、その国ではそういう制度を取っておりませんでした。評議員が理事を選んだかどうかまで確認しておりませんけれども、少なくとも理事会が評議員を選ぶということはとっていないということです。
 ですから、評議員会の方は評議員会の方で理事会と関係なくメンバーを選べるということはいいと思いますけれども、そうすると次は理事を選任、解任するというところですか。それとも、私のそもそも認識の仕方と、根本的に違う考え方をお持ちなのか、まずはそこを確認させていただきたいと思います。評議員を選ぶのが理事ではおかしいのではないかという点についてですが。

○ この件に関しまして、○○委員は評議員会が監督機関であると。○○委員は諮問機関であるという、ここの考え方が、大きな分かれ道ではないかと思います。私も○○委員と同じように諮問機関でとどめておいていいのではないかと思っております。
 社団形式の、いわゆる会員制度を取っている団体においては、社員総会が実質的な、基本的な方針を決めることができると。これに対応するものが必要だというお考えから、監督機関ということで評議員会にその任を当てようとお考えだと思います。しかし、評議員会が本当に社員総会にあたるものなのか、もう少し御説明いただかないと納得いかないものがあります。会員に当たるものは、財団でいけば、どちらかといえば出捐者ではないかという気もいたしております。
 会員は自分が会員になりたいと思えば、一定の要件を満たし会費なりを払えば入会でき、それに対して何らかの発言権を持てるというものだと思います。財団法人の場合は現行では、出捐者が口を出してはいけないという、どちらかというと官庁の指導監督のようなものがありました。本来の構成のそもそもからいけば、むしろ出捐者が会員にあたるもので、評議員会は、あくまで諮問機関ではないかと思います。

○ ほかにございませんか。もしないようでしたら、いろいろ長引いて不手際で申し訳ないのですが、議論が中途半端になりましたが、積み残しで次回ワーキング・グループの方でももう一遍今の御趣旨、皆様の御発言の趣旨を御検討いただいた上で、この問題から次回入らせていただきたいと思っております。
 あと幾つかの問題を次回に残しておりますが、次回について横田さんからお願いします。

● 次回の日程でございますが、既に御連絡させていただいておりますように、29日水曜日10時〜12時半までということでございます。内容は、今日御議論をお願いした事項の続きからということで考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 参考までに、非営利法人のワーキング・グループでございますが、これは10月1日金曜日ということで予定しておりまして、一応ここでワーキング・グループとしての議論に一段落をつけていただくようにお願いしているところでございます。以上です。

○ この調子でいくと、場合によると1回ぐらい増えるかもしれませんね。急いでやるよりは、充実して皆さんの御意見をいただいておいた方がいいと思うのですが、それと御発言になったことは、必ずペーパーの方に載せると、先ほど○○委員に言われましたのでこの辺も、わかっていることだから載せないということではなくて、もう一遍繰り返しておくということだと思います。
 大変、いつもお昼過ぎまでかかりまして申し訳ございませんでした。これで、第19回の有識者会議を閉会させていただきます。次回もよろしくお願いいたします。

以上


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