公益法人制度改革(新制度の概要のポイント)
○ 16年行革方針等の既定の方針に基づき、法制化のための検討を進め、パブリックコメントを実施した上で、次期通常国会に公益法人制度改革のための所要の法律案を提出予定
- 総則的事項
- 社団形態の法人と財団形態の法人の二種類を規定。
- その行う事業の公益性の有無に関わらず、準則主義(登記)によって簡便に設立可能。
- 剰余金を社員又は設立者に分配することを目的とすることは不可。
- 社団形態の法人
- 社員となろうとする者2名以上が共同して定款を作成。
- 社員総会及び理事は必置。定款で理事会、監事又は会計監査人の設置が可能。
- 定款で、基金制度の採用が可能。
- 財団形態の法人
- 設立者が、定款を作成し、かつ設立時に300万円以上の財産を拠出。
- 評議員及び評議員会制度を創設するほか、理事、理事会及び監事は必置。定款で会計監査人の設置が可能。
- その他
- 理事等の法人又は第三者に対する責任に関する規定等を整備。
- 貸借対照表等の公告を義務付け。
- 大規模な法人について、会計監査人の設置を義務付け。
- 社員による代表訴訟制度のほか、合併、訴訟、非訟、登記、公告及び罰則等に関する所要の規定を整備。
- 法人の認定等
- 公益的事業(不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与することを目的とする事業)を行う法人を、行政庁(内閣総理大臣又は都道府県知事)が認定。
- 行政庁は、認定及び認定後の法人(公益認定法人)に対する監督を、民間有識者の意見に基づき実施。
(注)公益的事業の内容の基本を現行諸法律の目的を踏まえて定め、その具体化・周知の措置等を検討。
- 公益認定法人の認定基準等又は遵守事項(大要以下)
- 公益的事業費が原則、全事業費及び管理費の合計額の半分以上であること、等。
- 同一親族等が理事及び監事の一定割合以上を占めないこと、等。
- 株式等を特定の場合を除き保有せず、必要な限度を超え内部留保を有しないこと、等。
- 事業計画、社員・役員名簿等を備え付け、プライバシー保護等に留意しつつ一般の請求者に閲覧謄写させること、残余財産を国・類似目的の公益認定法人等に帰属させる旨定款で定めていること、等。
- 欠格事由は、以前に認定を取り消され一定期間を経過していない法人等である場合や、役員が暴力団員である法人、役員に一定の処罰歴がある法人等である場合。
- 手続的事項等
申請時の提出書類、認定時の行政庁による関係行政機関の長からの意見聴取、公益認定法人の表示、届出事項その他のこの制度の実施に必要な手続的事項等を規定。
- 監督
- 報告徴収・立入検査、必要な措置をとるべき旨の勧告・命令、公益的事業の実施が見込まれない場合に期限を定めて認定後に獲得した資産等のうち公益的事業に使用すべきものと認められる額を使用等すべき旨の命令。
- 所定事由に該当の場合には必ず認定を取消し又は認定取消しが可能。
- 委員会等
- 内閣府に有識者からなる合議制の委員会を設置し、その組織、運営、諮問事項その他の委員会に関する所要の規定。
- 都道府県についても、国に準じた機能を有する体制を整備。
- その他
国民への迅速な情報提供体制の整備、所要の税制上の措置を講ずること等を規定。
- 現行公益法人の存続
- 現行公益法人は、新法施行日において新法の規定による社団又は財団として存続。
- 「社団法人」「財団法人」というこれまでの名称を使用できるほか、現行の所管官庁が引き続き指導監督するなど、現行の公益法人と同様の取扱い。
(これにより存続する法人を以下「特例民法法人」という。)
- 公益認定法人又は通常の社団若しくは財団への移行
- 特例民法法人は、移行期間(新法施行日から5年)の間に、現行の所管官庁を経由して、公益性を有する法人としての認定を申請又は新法の適用される通常の社団又は財団への移行の認可を申請。
- これらのいずれの申請も認められない場合又は申請を行わない場合には解散。
- 通常の社団又は財団へ移行した法人に対する財産規制
特例民法法人が通常の社団又は財団に移行する場合には、移行の際に保有していた財産の一定額について、構成員等への分配等を制限する観点から一定の規制。
- 新法は平成20年度中に施行。委員会の組織等に関する部分は先行して施行。
- 中間法人法を廃止するほか、民法その他の関連法律の規定を整備。