渡辺 喜美元行政改革担当大臣記者会見概要

平成19年
1月5日(金)閣議後記者会見 1月9日(火)閣議後記者会見 1月16日(火)閣議後記者会見
1月19日(金)閣議後記者会見 1月26日(金)閣議後記者会見 1月30日(火)閣議後記者会見
2月9日(金)閣議後記者会見 2月13日(火)閣議後記者会見 2月16日(金)閣議後記者会見
2月20日(火)閣議後記者会見 2月27日(火)閣議後記者会見 3月2日(金)閣議後記者会見
3月6日(金)閣議後記者会見 3月9日(金)閣議後記者会見 3月13日(火)閣議後記者会見
3月16日(金)閣議後記者会見 3月23日(金)閣議後記者会見 3月27日(火)閣議後記者会見
3月30日(金)閣議後記者会見 4月3日(火)閣議後記者会見 4月6日(金)閣議後記者会見
4月10日(火)閣議後記者会見 4月13日(金)閣議後記者会見 4月17日(火)閣議後記者会見
4月20日(金)閣議後記者会見 4月24日(火)閣議後記者会見 4月24日(火)閣議後記者会見(臨時閣議後)
4月27日(金)閣議後記者会見 5月8日(火)閣議後記者会見 5月11日(金)閣議後記者会見
5月15日(火)閣議後記者会見 5月18日(金)閣議後記者会見 5月22日(火)閣議後記者会見
5月25日(金)閣議後記者会見 5月29日(火)閣議後記者会見 6月1日(金)閣議後記者会見
6月5日(火)閣議後記者会見 6月8日(金)閣議後記者会見 6月12日(火)閣議後記者会見
6月15日(金)閣議後記者会見 6月19日(火)閣議後記者会見 6月22日(金)閣議後記者会見
6月26日(火)閣議後記者会見 6月29日(金)閣議後記者会見 7月3日(火)閣議後記者会見
7月6日(金)閣議後記者会見 7月10日(火)閣議後記者会見 7月17日(火)閣議後記者会見
7月24日(火)閣議後記者会見 7月31日(火)閣議後記者会見 8月3日(金)閣議後記者会見
8月7日(火)閣議後記者会見 8月10日(金)閣議後記者会見 8月15日(水)閣議後記者会見
8月27日(月)閣議後記者会見 8月27日(月)2閣議後記者会見 8月31日(金)閣議後記者会見
9月4日(火)閣議後記者会見 9月7日(金)閣議後記者会見 9月11日(火)閣議後記者会見
9月14日(金)閣議後記者会見 9月18日(火)閣議後記者会見 9月21日(金)閣議後記者会見 
9月25日(火)閣議後記者会見 9月26日(水)閣議後記者会見 9月28日(金)閣議後記者会見
10月2日(火)閣議後記者会見 10月5日(金)閣議後記者会見 10月9日(火)閣議後記者会見
10月12日(金)閣議後記者会見 10月16日(火)閣議後記者会見 10月19日(金)閣議後記者会見
10月23日(火)閣議後記者会見 10月26日(金)閣議後記者会見 10月30日(火)閣議後記者会見
11月2日(金)閣議後記者会見 11月6日(火)閣議後記者会見 11月9日(金)閣議後記者会見
11月13日(金)閣議後記者会見 11月16日(金)閣議後記者会見 11月20日(火)閣議後記者会見
11月22日(木)閣議後記者会見 11月27日(火)閣議後記者会見 11月30日(金)閣議後記者会見
12月4日(火)閣議後記者会見 12月7日(金)閣議後記者会見 12月11日(火)閣議後記者会見
12月14日(金)閣議後記者会見 12月18日(火)閣議後記者会見 12月21日(金)閣議後記者会見
12月24日(月)閣議後記者会見 12月28日(金)閣議後記者会見  
 
平成18年分
 
平成20年分

>>> 甘利明大臣記者会見概要
>>> 茂木敏充元大臣記者会見概要
>>> 佐田玄一郎元大臣記者会見概要
>>> 中馬弘毅元大臣記者会見概要
>>> 村上誠一郎元大臣記者会見概要
>>> 金子一義元大臣記者会見概要
> >>> 石原伸晃元大臣記者会見概要
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本概要については、追って修正する場合がございます。


平成19年8月27日(月)

<冒頭発言>

 本日の閣議において辞表の取りまとめを行い、私も辞表を提出をしてまいりました。総理の方からは11カ月大変御苦労さまでした、ありがとうございましたというお話がございました。私自身は去年の暮れからでございましたので、正確に言いますと8カ月間でございました。大変短い期間ではありましたが、非常に充実した8カ月間であったと思います。
 今年の初めにはだれも成立すると思っていなかった国家公務員法の改正も行うことができました。これは御案内のように、霞ヶ関の年功序列秩序とか、あるいは天下りといった実態的なルールについて切り込む制度改革でありました。まさにこうした岩盤のようにそびえる本音のルールを変えていくことによって、ほかの行政改革が一点突破、全面展開のシナリオで進んでいくことを期待をいたしております。
 今後の課題は、官民人材交流センターの制度設計、あるいは全体パッケージの検討であります。その中でいろいろな論点がございますが、たとえば政治任用とか、あるいは労働基本権等々については、参議院における多数派が民主党でございますから、民主党の言い分も考慮に入れた制度設計を行っていく必要があろかと考えております。いずれにしても、これは次の第二次内閣における課題になろうかと思います。
 公務員制度以外の行革につきましても、政策金融改革法が成立を見ました。これも非常に大きな改革であると思います。また、公益法人改革も、公益認定等委員会の立ち上げを行うことにより、軌道に乗せることができました。今後、独立行政法人の全面見直しの作業がございます。今月中に各省の見直し案が出てまいります。これを今年中にさらにふるいにかけて全面見直しを行うということであります。
 また、社保庁改革も年金業務・組織再生会議を立ち上げ、議論がスタートしたところでございます。地域活性化につきましては、地域再生法、特区法の改正を行うことができました。残念ながら、地域活性化が安倍内閣において初めてつくられた担当大臣ではあったんですが、非常に期間が短かったことから、十分なPRができなかったことについて、大変残念に思います。
 道州制というのは、まさに究極の地域活性化であり、究極の地方分権体制の確立であります。これについても今年度中に中間取りまとめを行っていただくことになっております。規制改革につきましては、年内に第二次答申をいただく予定になっております。
 以上、短い期間での大変な成果と同時に、仕掛かりの仕事も非常に多いということでございますので、第二次安倍内閣の次期大臣におかれて、こうした問題解決に取り組んでいただくことを希望いたします。
 私の方からは以上であります。

<質疑応答>

【問】 仕掛かりの仕事を引き続き御自分が担当なさるというふうなお考え、もしくはそのサジェスチョンみたいなものは。

【渡辺大臣】 全くそういう話にはなっておりません。

【問】 党三役が新たに決まりましたけれども、それについての受け止めをお願いします。

【渡辺大臣】 それぞれ第一次安倍内閣の政府等の方で活躍をされてきた実力者ばかりだと思います。昔は党三役というと、大派閥の1、2、3ぐらいで割り振っていたものでありますが、そういうことでは全くない布陣になったということで、やはり自民党も相当昔とは変わってきているなという感じがいたします。
 いずれにしても、非常に適材適所の人事だと思いますので、党三役におかれては、先の参議院選挙の大敗からいかに自民党を再生再興をしていくかということを担っていただきたいと思っています。

【問】 それに関連してなんですけれども、政調会長に石原さんがなられたんですけれども、今まで地域活性化をやってきて、これからも総理も地域活性化、地域への視点というのは重視するんだということをおっしゃっていますけれども、東京出身の石原さんが政調会長で、こういうことに力を入れていけるのかという観点はどうでしょうか。

【渡辺大臣】 ですから、政治家というのは、国会議員は全国民の代表なんですね。ですから、自分の選挙区の代理人という位置づけではないわけでありますから、石原政調会長におかれても、まさしく自分は東京の代理人だと、そういう意識で政策の担当をやってもらうわけにはいかんと思います。
 今までの石原さんの過去のいろいろなキャリア、あるいは行動を見ておりまして、大都市部に偏重した政策をとるということは到底考えられないことでございますので、大いに新しい体制のもとで地域活性化を実行あらしめる政策の具体化が期待できるものと思います。

【問】 振り返りまして、第一次安倍内閣についての率直な御感想をいただければと思うんですけれども、ここがよかった、ここが問題があったというのは。

【渡辺大臣】 私の立場から申し上げますと、非常にスピード感をもって諸課題に取り組んできたな。また、それを大変なスピードで実現をしてきたなという思いがいたしております。
 ですから、私の担当の範囲では、非常によくやってきたのが安倍内閣だったのではないでしょうか。何といっても、今年の初めに公務員制度改革が60年ぶりで成立すると考えた人はほとんどいないわけですよね。それをやってしまったわけでありますから、これはやはり私自身も驚いておりますし、大変な成果だったと思います。ということは、裏を返せば、大変な摩擦とハレーションが起こったことも紛れもない事実ですね。ですから、正直、霞ヶ関の目に見えないルール、こういうものの岩盤のような強さを改めて感じさせられた8カ月間だったと思います。そういったものに真正面から立ち向かうという精神は、ぜひ第二次安倍内閣においても忘れないでほしいと思います。

【問】 問題点というのは、中にいてお感じになることは。

【渡辺大臣】 私の担当レベルでは、問題点は確かにいろいろありましたよ。例えば、先ほど申し上げた摩擦とか軋轢、ハレーション、こういう形で、正直、官僚だけでなくて、政治家サイドからもそういったものは起こってまいりました。ですから、そういうものを乗り越えて法案成立を果たしたわけでありますから、これは今のところ、余り評価してくれる人は少ないんですけれども、後世、この改正が行革の一点突破、全面展開のシナリオに結びついていくと。例えば独法改革とか公益法人改革、道州制、はたまた中央省庁大再編、こういうところにつながっていく導火線になったということであれば、これは大変な歴史の評価をいただけるではないでしょうか。
 いずれにしても、こうした問題はしかかり中でございますから、まさに第二次安倍内閣に期待するところが大であります。
 どうも短い間ですが、ありがとうございました。


平成19年8月15日(水)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 本日の閣議についての私の方からの報告事項はございません。

<質疑応答>

【問】 また改めてちょっとお伺いしますけれども、靖国の関係で、今日既に参拝されたり、あるいはこれからいらっしゃるという御予定はございますでしょうか。

【渡辺大臣】 ありません。

【問】 もう一つ、それに関連して、安倍総理が参拝するしないは言わないというふうにおっしゃって、事実関係を明らかにしないことをおっしゃっているんですが、こういう姿勢や、あるいは全閣僚が参拝しないというふうに明言されている状況で一人だけ明言を避けておられる状況について、国民の理解は得られるというふうにお考えでしょうか。

【渡辺大臣】 これは個人の宗教感情のあらわれとして、参拝するしないというのは判断されるんだと思うんですね。ですから、総理におかれてもまさに個人の行為であるという点で、これは一々公にすることは控えましょうと、こういう御判断だと思いますよ。それ自体は何ら問題ないと思います。

【問】 それに関連してですけれども、全閣僚が8月15日参拝しないというふうなことを明言されていますけれども、これについて、まず閣僚が全員参拝しないということについてはどのようにお考えでしょうか。

【渡辺大臣】 たまたまそうなったというだけのことじゃないでしょうか。

【問】 今朝小泉前首相が靖国に参拝されたみたいなんですけれども、首相経験者による参拝というのはどのようにお感じになりますか。

【渡辺大臣】 それはそれぞれの個人の宗教的信念のあらわれであって、それについていいとか悪いとか言うことは控えたいと思います。

【問】 関連してですけれども、在任中に安倍総理は参拝すべき、あるいはすべきではないという、個人的にはどういうふうにお考えでしょうか。

【渡辺大臣】 それはまさに個人の宗教的信念として御判断されることであって、一々そのことについて公にする必要は全くないと思います。

【問】 今日の閣議が恐らく改造前最後ということで、今のメンバーでやる最後の閣議になると思うんですけれども、改めて大臣に就任されてから今日まで振り返られて、印象に残っていることなどをお聞かせください。

【渡辺大臣】 そうですね、印象に残っていることはたくさんありますけれどもね。安倍内閣、私は7ヵ月間、8ヵ月間ですか、のおつき合いでございますが、よくもこれだけ次から次へと難問を片づけてきたなという思いがあります。私が大臣になりました昨年の暮れには、例えば公務員制度改革が実現すると思った方はほとんどいらっしゃらなかったんじゃないでしょうかね。ですから、まさしく小泉内閣時代の積み残しの課題、これを片っ端から片づけてきたわけであって、このスピード感覚はすごいものがあったと思います。残念ながら、世間的にはそれほどの評価をいただいていない、PR不足の感は否めませんけれども、しかしこの8ヵ月間の問題解決というのは、これは語り継がれて然るべきなんではないでしょうか。

【問】 ずばり伺うんですけれども、御自身の留任というのはあると思いますか。

【渡辺大臣】 わかりませんね。総理に聞いてください。

【問】 安倍総理は人心一新という考えを示していますけれども、どういう姿勢で新しい内閣をつくってほしいと思われますか、安倍総理に。

【渡辺大臣】 やっぱり一言で言えば、適材適所ということでしょうね。これは古くて新しい課題なんですが、昔は適材適所と言いながら派閥推薦で、ちょっと派閥が多めに推薦しておいて、その中からピックアップするような人事をやっていたんですね。ですから、そういうやり方を復活しようというのでは、これは元も子もない話であって、やはり新しい政治主導の体制、すなわち官邸主導の体制というのが生まれたわけでございますから、これは政党中心主義、官邸中心で適材適所の人事を選んでいくと。それを断行したらいいと思いますね。

【問】 その後の独立行政法人改革ですとか、公務員制度全体改革ですとか、さらに大きな難問も待ち受けていると思うんですけれども、そういうことを踏まえて、ぜひ御自身が引き続き担当したいという思いはおありでしょうか。

【渡辺大臣】 これはまさに官僚主導から政治主導へという流れは、これは改革の基本中の基本でありますから、誰が大臣になろうともこの流れを変えるということにはならないと思います。私もどういう立場にあっても、中央集権から地方分権へ、官僚主導から政治主導へ、こういう流れは推し進めていきたいと思っています。
 ついでながら、小池大臣と塩崎官房長官の話が取りざたされていますが、この個別問題について言及するわけでは全くありませんけれども、要は政治主導というのはまさに大臣が人事権をきちんと行使するということなんですね。したがって、その政治主導を担保するために官邸主導体制というのはあるわけですよ。ですから、役人が抵抗して政治主導を妨げようということを排除するために、やはり官邸の人事検討会議というのが、これはたしか橋本内閣のときにつくられたわ けですね。ですから、そういう体制が今問われているわけであって、この点は一つのレッスンとして今回の問題は考えていただきたいと思います。

【問】 そうしますと、受けとめ方ですけれども、今のは小池大臣の方が分があるということですね。

【渡辺大臣】 いや、誰が分があるとかいう話では全くなくて、官僚主導から政治主導へというのが流れなんですよ。ですから、まさに大臣が人事権を行使する。しかし、各省割拠主義というのでは、真の政治主導は実現できないわけです。だからこそ、官邸主導の体制で人事検討会議というのをつくって、幹部人事の一元管理という方向でもう既に何年も前から動き始めているわけですね。ですから、私の公務員制度改革の担当の立場から言わせていただきますと、採用も一元化したらどうだという意見もあります。幹部人事の一元化はもとより、そのプロセスの人事も一元化という意見すらあるわけであって、まさしくそういうことをこれから大いに議論していくわけでございます。官邸主導の体制というのが、政治主導の基本的なあり方であるということをぜひ御理解をいただきたいと思います。

【問】 参院選の厳しい結果を受けて、これからなかなか官邸主導というのが進めにくくなるんじゃないかという声がありますけれども、その辺について今後も官邸主導ということを推し進めていけるというふうにお考えでしょうか。

【渡辺大臣】 ですから、まさしくそれが試練にさらされているということですね。しかし、ここで昔に戻して、各省割拠主義、縄張り主義をまた認める、自民党内にあっては派閥の縄張り主義をまたしても復活させる、そういうことをやっちゃおしまいでしょうと言っているんです。


平成19年8月10日(金)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 本日の閣議において、独立行政法人整理合理化計画の策定に係る基本方針について決定をいたしました。この基本方針は、昨日総理に報告された行政減量・効率化有識者会議の取りまとめに沿って、年内を目途に策定する予定の独立行政法人整理合理化計画に係る具体的な方針を定めるものであります。
 お手元にお配りしてありますように、私の方から各主務大臣に対してはこの方針に基づき、所管法人についてゼロベースで聖域なき見直しを行い、徹底した整理合理化案を策定していただくよう要請をしたところであります。
 詳細については、事務方にお問い合わせをいただきたいと思います。
 私の方からは以上です。

<質疑応答>

【問】 改めてですけれども、この閣議決定の重みというか、意義というのを教えていただきたい。

【渡辺大臣】 これは、総理から101独法を聖域なき見直しを行ってほしいとの強い指示を受けて見直し作業にとりかかったところでございまして、閣議決定をすることによって、各省、各主務大臣にしっかりとたがをはめさせていただくと、そういうことであろうかと思います。

【問】 同様に、各大臣に説明義務というのを課せると思うんですけれども、これも同じように、骨抜きを防ぐための仕掛けと考えてもいいんでしょうか。

【渡辺大臣】 そうですね、今回は総論の基準でありますけれども、この基準に沿った説明責任が求められるということであります。

【問】 以前、独法改革で数値目標みたいなものを立てることが重要だという考えを述べられたんですけれども、自民党内には数値目標を立てることにやや難色を示している声が聞こえてくるんですが、数値目標を立てることの意義というのはどういうところにあるのでしょうか。

【渡辺大臣】 これはこれからの議論の話ですけれども、例えばお金について、一般会計から3兆5,000億円程度流れています。特会からは、正確ではないですが、その10倍を超えるお金が流れているのではないでしょうか。したがって、こういうお金の流れを精査をしていく必要がございます。これについて、その数値目標を掲げるという議論もあり得ると思います。また、人の流れ、これについては天下り規制を導入をするわけでございますから、これについても数値目標の議論があり得ないわけではなかろうと思います。業務の精査をきちんとした上での話でございますが、最終的にどうしても存続する独法というのが出てくることも考えられます。全部廃止、民営化という具合いに行かないという事態も考えられるわけでありますから、その場合は出口の議論として、101独法をどれくらいにするかということを議論するのは大いに意味のある話かと思います。
 先ほど3兆5,000億円と申し上げたのは、一般会計だけでなくて、特別会計も含む国費投入額ということでございます。

【問】 一般会計はうち幾らと……

【渡辺大臣】 後ほど事務方から説明させます。

【問】 この方針を受けて、今月下旬までに合理化案というのが出てくるかと思うんですけれども、以前だと大体ゼロ回答というのがあったと思うんですけれども、またそのようにならないか、懸念もあると思うんですが。各主務大臣が提出するですね。それについては。

【渡辺大臣】 厳格な総論の基準をつくって投げたわけでありますから、それに対して今月末にどういう回答が来るのか、厳しくウオッチをしていきたいと思います。

【問】 きょうの閣議で、シーリングの方は行いましたけれども、これについて大臣の感想と、特別枠の中の地域活性化といいますか、その点について、地域活性化担当大臣としてどのようなお考えをお持ちか。

【渡辺大臣】 基本的には、骨太2007に沿って財政の規律を守り、簡素で効率的な政府を目指す、そういう路線にのっとったものだと思います。

 一方、安倍内閣の最重点課題の一つである地域活性化については、御指摘のような枠が設けられるということは大変に、これは新しい地方戦略を考える上で有意義なことだと思います。こうした枠は、まさしく地域の自立的な創意工夫、これを促すものでありまして、かつてのような全国一律、金太郎あめ方式のばらまきとは根本的に異なる種類のものであります。したがって、大いにこうした新しい地方戦略を予算面において進めていくことが重要だと考えています。

【問】 8月15日の終戦記念日が近づいてきましたけれども、15日当日、大臣は靖国神社を参拝なさる御予定はありますでしょうか。

【渡辺大臣】 ありません。

【問】 15日の前後を含めてないですか。

【渡辺大臣】 ありません。

【問】 それは何か理由というのはありますか。

【渡辺大臣】 大体こういう話というのは親から子に伝えられることが多いんですね。私の親父は、8月15日は大抵地元でお盆回りをしておりました。私もその流儀にならって、例年8月13、14、15日は地元の初盆回りをいたしております。したがって、靖国神社に参拝をするという習慣がございません。今年は閣僚ということでございますので、東京には出てまいります。閣議と、それから全国戦没者追悼式がございますので、そちらの方には出席をいたします。

【問】 関連でなんですけれども、総理は15日、今年は見送るのではないかといったような報道もありますけれども、総理の靖国参拝についての御見解、どのように考えていらっしゃるかどうかというところをお伺いしたいんですが。

【渡辺大臣】 ですから、これは最初から靖国参拝については個人の問題でありますから、行くとも行かないとも申し上げないというスタンスをとっておられるんだろうと思います。したがって、それでよろしいのではないでしょうか。

【問】 来週お盆に入るわけなんですけれども、大臣、夏休みというのは。

【渡辺大臣】 お盆中は政局に対する発言はありません。特に講演をやるとかということもありません。ですから、15日に閣議で上京をするということでございまして、講演も、政局に対する発言もございませんので、そういうつもりで皆様のスケジュールは立てていただいて結構でございます。

【問】 外遊に行かれるように伺ったんですが。

【渡辺大臣】 まだ検討中でございますが、決まりましたら発表させていただきます。


平成19年8月 7日(火)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 本日の閣議についての報告事項はございません。
 どうぞ。

<質疑応答>

【問】 公務員制度改革の関係なんですけれども、今朝ほどの新聞にインタビューという形で、大臣が、民主党との協議の中でということなんですけれども、独立行政法人の天下り規制については過渡的な対象措置として検討の余地はあるというようなニュアンスの発言が紹介されていたんですけれども、これについて独立行政法人に対する天下り規制について考え方をお願いします。

【渡辺大臣】 独法の見直しは、御案内のように行政減量・効率化有識者会議で精力的にやっております。理屈の上からは、101独法をすべて廃止ということもあり得るわけですね。また、全部民営化ということも理屈の上ではあり得るわけでして、そういう段階で、国家公務員と同じ天下り規制をかけるというのはちょっと筋が通らないと、この前の国会では申し上げてきたわけでございます。
 精力的に見直しをやった結果、何がしかの独法が残り得るということも理屈の上では考えられるわけでして、では、その場合に、天下り規制をかけた方がいいのではないかという政策判断もあり得ないわけではなかろうと思います。
 したがって、これは独法改革、独法の全面見直し、聖域なき見直しがまず先に来るわけでございまして、その議論を待った上での話になろうかと思います。

【問】 それとその独法改革の方なんですけれども、今週中には恐らく行政減量・効率化会議で基本方針が出ると思うんですけれども、これについて基本方針はどのような形になっていくと思われますか、大臣の方は。

【渡辺大臣】 ですから、これは独法見直しの言ってみれば総論に当たるものでございまして、これはかなり厳格なものが出てくると思っております。
 101全部をゼロベースで見直してほしいという指示でございますから、これはその要請に応える総論部分の基準づくりということになろうかと思います。

【問】 今日から臨時国会始まりますけれども、野党側は参院選の勝利を受けて攻勢などを強めていますけれども、どういった国会になることを期待されますか。

【渡辺大臣】 今国会は何日か知りませんが、次の臨時国会ですね。これは、私としては建設的な政策論議が闘わされることを希望いたします。
 とにかく政局オンリーで政府を追い詰めればいいんだということでは、議論の歯車がかみ合わないと思うんですね。ですから、これはやっぱり国民にとっても不幸な話ですから、ぜひ前向きの議論を闘わせていただいて、お互い聞く耳を持ちませんと、すべての法案が通らなくなってしまうということになるわけであります。ぜひ、建設的な妥協もあり得るんだと、そういう発想で議論は進めていただきたいと思います。
 また、私の立場として、参議院の多数派である野党、とりわけ民主党の主張には、選挙の結果を踏まえて謙虚に耳は傾けていきたいと思っております。

【問】 先週もお聞きしたんですけれども、自民党内で、今、政治とお金の新しい規制をめぐって議論が進んでいますけれども、1円からにするかどうかということで、党内からはかなり異論が相次いでなかなか調整がうまくいっていないようなんですけれども、今の自民党の議論の状況をどのようにごらんになっていますか。

【渡辺大臣】 ですから、これはやはり国民の常識とずれた感覚でやってはいけないと思いますね。やはり政治資金も政党助成金などが導入され、税金によるサポートというのがあるわけでございますから、ぜひこれは国民の常識にかなった解決をしていくべきだと思います。
 いずれにしても、前回も申し上げましたように、政治家事務所の生産性の向上、これは必要ですね。余りにも旧態依然たる体制であってはいけないと思います。まさにIT活用によるイノベーションというのだったら、まず政治家事務所からやったらいいのではないでしょうか。
 ありがとうございました。


平成19年8月 3日(金)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 私の方からの報告事項はございません。
 どうぞ。

<質疑応答>

【問】 今、一部報道の中で、民主党案への天下り根絶法案の譲歩という記事が大きく載っていましたけれども、あれについてどのような方向性で調整なさっていくのかというお考えをお願いします。

【渡辺大臣】 政府案がベストだと思って出しているわけでして、それが成立をしたわけでありますから、譲歩ということはあり得ません。

【問】 先日、報道ステーションに出られた際に、場合によっては建設に妥協といいますか……

【渡辺大臣】 それは、政策論争は大いに結構なことではないんですか。お互いに政策をぶつけ合って建設的な妥協を図るというのは大いにあり得る話であって、国家公務員法改正について言えば、これはもう成立をしているわけですね。
 ですから、政府案よりももっといい話があるんだということが証明されれば、また話は別でございます。大幅譲歩の方向で検討しているということはあり得ません。

【問】 もっといい案があればというところには、人材交流センターとか制度の根幹にかかわる部分ということが入ってくる可能性はあるんでしょうか。

【渡辺大臣】 ですから、官民人材交流センターがなぜ必要なのかという点ですよね。これはまさしく、将来、官と民との交流を促進をする、そういう意味合いも持たせているわけですね。
 ですから、政府案と民主党案の最大の違いは、官民交流、その垣根を高くするのか、低くするのか。我々は低くしていこうということを言っているわけですね。一方、民主党は、とにかく官と民との垣根は高くし続けようと。もっと高くしてしまおうというのが民主党案ですよね。それは我々の目指すべき方向性とは違うということです。

【問】 つまり、その部分では譲歩はできないという理解でよろしいんですか。

【渡辺大臣】 ですから、それは方向性が全然違うわけですからね。

【問】 民主案と政府案にかなり方向性が違う面もあるかと思うんですけれども、天下りの今の現状を変えていかなければいけないという意味では同じようなところがあると思うんですが、政策的な協議ができるとすればどういう点ができるでしょうか。

【渡辺大臣】 ですから、天下りを根絶するというのは我々も同じ方向性ですね。民主党も同じ方向性で、政府案よりももっといい天下り根絶案があるのかどうかですね。衆議院に出された民主党案でいい案だとはちょっと思えないですね。
 要するに、我々の方向性は、各省のあっせんを全面禁止。民主党はこれを丸のみしたわけですね。官民人材交流センターのあっせんもやらないということです。ですから、独法の天下りも認めないと。我々は、独法は101独法すべてを見直すと。
 独法というのは、政府からより民間に近づけるという方向性を持っていますからね。ですから、そういう方向で、今まさに行政減量・効率化有識者会議の方で見直しの基準づくりを今やっているわけですから。それを見て、場合によっては101独法全部廃止という結論だって理論的にはあり得るわけではないですか。 廃止するのに天下り規制をかけるというのはおかしな話ですよね。ですから、それを待っての議論になるわけですね、独法問題というのは。

【問】 とりあえず、民主党が今の案というのをもっと修正して出してほしいということですか。

【渡辺大臣】 ですから、建設的な妥協については我々も聞く耳を持っていますよということですよ。しかし、ただ単に、政治を混乱させる、政府のイメージダウンを図る、そういうのでは到底のめませんよねということですね。
 政策的な論争が起こることは大いに結構なことではないんですか。衆議院と参議院と多数派が違ってしまったわけですからね。ですから、これは大いに緊急感があってよろしいのではないんですか。建設的な政策論争をやる絶好の機会だと思います。
 でも、政局オンリーで、とにかく政府を追い詰めて解散に持ち込むんだと、これでは話になりませんよね。

【問】 そうすると、もっといい案が出てきた場合という、そのもっといい案の中に、これまで衆議院で民主党が出されてきた対案ですね、これは含まれるんですか、含まれないんですか。

【渡辺大臣】 衆議院の対案は衆議院では否決をしたわけですよ。ですから、我々は政府案の方がベストだということで否決をしたわけであって、あのままそっくりそのままのことを言われても、それは無理ですよね。

【問】 部分的に、例えば協議に応じることもあり得るということですか。

【渡辺大臣】 我々の発想は、官と民との垣根をできるだけ低くしていこうと。一方において、天下りネットワークが温存をされるのは絶対に認めないという立場ですよ。
 ですから、天下りネットワークを根絶するという方向で一致できるのであれば、それはまた話は別ということですよ。

【問】 官民の垣根をできるだけ低くしようという基本的な理念については、これはもう譲歩する余地はないと考えてよろしいんでしょうか。

【渡辺大臣】 だってそういう基本コンセプトで我々は公務員制度改革のプランをつくったわけですから。これは衆参の多数の議決をもって成立をしているわけです。
 一方、天下り根絶については大変な抵抗があったわけですね。ですから、中には政府案を否定しようと、敵の敵は味方というような感覚の連携もなきにしもあらずだったんですね。
 ある野党議員が言っていましたよ。呼びもしないのに、最近役人がしょっちゅう来るんだとか。ですから、そういうことを考えれば、我々は、天下り根絶、天下りネットワークは許さない、そういう点での方向性で建設的な議論ができれば、それはそれで国民にとっても結構なことではないんですか。

【問】 もう既に、官民人材交流センターの方は制度設計に関する有識者懇談会が始まっていまして、これは今後、政策論争が起こった際に、官民人材交流センターの制度設計にかかわる懇談会の中でその議論というのが反映されていく余地というんですか、これは制度設計の中でいろいろな形で建設的妥協というような言葉でいいのか、これはそういうことは影響してくるかどうか。

【渡辺大臣】 ですから、官民人材交流センターというのは、官と民との垣根をできるだけ低くすると。しかし、一方において、官民癒着はだめですよと、そういう2つの要請を同時に満たしていく背景から、ああいう制度設計が行われているわけですよね。
 ですから、我々としては、天下りという言葉が死語になるような、そういう官民交流のあり方というものを追求しているわけでありますから、選挙結果を踏まえてこの懇談会でも議論はしていただいておりますけれども、特にその懇談会がなくなってしまうとかそんなことはあり得ないですよね。粛々と議論はしていただくことだと思います。

【問】 ちょっと話が変わるんですけれども、自民党の中川幹事長が政治資金規正の問題について、すべての政治団体について1円からという考えを示しましたけれども、大臣自身はこの考えについてはどのようにお考えになりますか。

【渡辺大臣】 ちょっと私もその話はよく勉強していなくてわからないんですけれども、事務所費以外のものも含めてということですか。

【問】 そうですね。人件費を除くということだと思うんですけれども。

【渡辺大臣】 人件費を除いてね。いずれにしても、前から申し上げているように、今の紙と鉛筆でやっているダンボール会計の実態を改めていきませんと、なかなかこの世界で生産性の向上を伴った改革というのは難しいと思うんですね。
 ですから、本当にこのIT技術を使えば、そんなコスト負担を伴わずに、割と透明な政治資金会計はできてしまうんですよ。ですから、ぜひそのデファクトの改革としてそういうことを行っていくべきだと思います。
 ですから、その領収書をつける、つけないというのは、これはもう自民党の議論にお任せいたしますけれども、余りにもその実態がちょっと古いですよね、ダンボール会計で。ですから、パソコンとソフトぐらい使ったらどうですかと、私などは常々言っております。

【問】 前の国会では、今までの範囲を広げることにかなり自民党内でも抵抗の声があってなかなか進まずに、結局、資金管理団体のみということになったわけですけれども、今後広げていく方向で進めようとしたときに、自民党内というのは話がまとまっていくことができると思われますか。

【渡辺大臣】 ですから、要するに、実態が余りにもちょっと旧態依然だと思うんですよ。ダンボール会計で、手書きで帳面をつけていて、それで負担が増大するというところからいろいろな反対が起きるんだと思いますけれども。ですから、これを皆さんがやっているみたいに、今若い人はパソコンを使うのは簡単にできてしまうわけだから。だから、そんなものはもう政治資金会計ソフトを入れてやればそんな難しいことはないんですよ。
 ですから、そういうデファクトの改革が行われていくと、そんな世間とずれたようなことをやらずに済むようになると思いますよ。

【問】 今、閣議の後、大臣お残りになられたようですが、総理や長官なんかと公務員の話について何か指示を受けたということですか。

【渡辺大臣】 総理とは話しておりませんが、官房長官と話をしておりました。これは官房長官に聞いてください。

【問】 日本年金機構の現在の社保庁の職員を移す採用方針を話し合う懇談会というか会議というのは……

【渡辺大臣】 第三者委員会ですね。

【問】 あれはいつぐらいに……

【渡辺大臣】 すみません。ちょっと選挙があったものですから作業が遅れておりましたが、人選を今最終的に詰めているところです。選挙中も詰めていたんですが、詰め切れずに今日まで来てしまっておりますので、早急にこれは最終的に人選を詰めて、官邸とも相談した上で発表をさせていただきたいと思ってい ます。

【問】 第1回目の会合のめどはまだちょっとわからないということですか。

【渡辺大臣】 できるだけ早くやります。
 よろしいですか。
 ありがとうございました。


平成19年7月31日(火)

<冒頭発言>

 今朝の閣議についての私の報告事項はございませんが、閣議終了後、総合海洋政策本部会合が開かれました。ついでながら、私、大陸棚議員連盟の幹事長をやっておりまして、2009年までに日本の大陸棚調査、太平洋側でございますが、こちらの調査を終えまして、国連大陸棚限界委員会の方に提出をすることになっております。ぜひこういった本部ができましたことは大変結構なことでございますので、この作業を各省横断的に進めていく必要があるかと思います。
 私の方からは以上でございます。

<質疑応答>

【問】 参議院選挙で自民党大敗しました。これについての受けとめ、感想を。

【渡辺大臣】 私が各地を回っておりまして、よく政府の立場を説明をすればわかってくれる、そういう印象は持ちました。しかし、残念ながらそのための時間もございませんでした。結果については厳粛に、謙虚に、真摯に受けとめる必要があろうかと思います。政策論争に入る以前に、政治と金や相次ぐ失言問題などでエラーが、大変ダメージになったなという感じがございました。そういったことから、本来、自民党支持の方々の自民党離れが進んでしまったのは大変残念でありました。
 年金記録の問題については、これは説明をすればよくわかっていただける話であったと思います。また、中・長期の持続可能な社会保障制度の構築に政府としても極めて前向きに取り組んでいる。例えば社会保障電子通帳の創設といったことを説明をすると、本当によくわかっていただいたわけでございまして、選挙戦があと1カ月ぐらいあれば、よく国民の皆さんにわかっていただくこともできたのになという思いがいたします。
 また、私の担当で、公務員制度改革により1週間選挙戦がずれたわけであります。このことについて、例えば1週間ずれて夏祭とか地方議員の海外視察とか、そういったことも影響したのではないかと言われております。確かに夏祭などと重なったという地域はあったと思いますが、公務員制度改革自体が敗因であったとは思っておりません。公務員制度改革をやり過ぎたから公務員の票が集まらなかったんだというご意見もございますが、これは本末転倒の議論だと思います。
 自民党の従来の支持層が、従来のように各種団体の票が集まっていないではないかと、こういうご指摘はそのとおりだと思います。これもまさに小泉改革の時代からそういう傾向は続いてきているわけでして、昔に戻そうという発想の方からはそういった批判はあり得ると思いますけれども、我々のように前を向いて改革を進めていこうという立場からは、やはり自民党の参議院改革を大いに進めていただきたいと考えております。
 一方、民主党の方は比例上位当選の方々、非常に労組出身の方多いですよね。自治労出身の方がトップ当選。しかも、前回の3倍ほどの票を得て当選をしたというのは、まさしく公務員制度改革に対する危機感の反映であったかもしれません。しかし、そのこと自体で我々の方向性が間違っていたということにはならないわけでありまして、我々としては、ぜひともこの改革をこれからも推進をしていきたいと考えております。
 早い話が、急所を突いた改革だったんだろうと思うんです。したがって、リーク・悪口・サボタージュと言われる三大話が起こったんだろうと思います。したがって、これはこうした拒否反応にくじけることなく改革は進めていきたいと考えております。

【問】 大臣から見て、今回の選挙の敗因は何だったとお考えですか。

【渡辺大臣】 ですから、表向き年金記録から自民党何やっているんだと、こういう話が進んだんだろうと思います。しかし、これはまさしく社保庁の体質、旧態依然たる労使関係、オンライン化に反対をする、そういった体質から生まれたことである。また、このITシステムについて、相当いいかげんな仕事ぶりであったということを説明をすればわかってくれるんですね。ですから、こういったことがまず最初にあって、自民党の地盤がちょっと緩んでいるところに失言・放言があって自民党離れが加速をしたと。そこへ持ってきて、地域間格差とか、所得格差とか、こういったことが従来から言われていて、そういう隙間に対して民主党の社会主義的なメッセージが非常に心地よく響いたというところから、無党派、あるいは従来の自民党支持層が民主党に流れてしまったということが敗因であったろうと思います。
 いずれにしても、衆議院の選挙というのが、まさに政権選択の選挙になるわけでありますから、我々としては、これは角番であるという認識を持って改革は進めていかなければならないと考えております。

【問】 総理は続投の意向を示していますけれども、これについては批判も出ていますが、大臣としてどのように考えていますか。

【渡辺大臣】 これは参議院選挙後に首班指名を行うというルールがないわけですね。従来、中選挙区的な発想の時代においては、自民党内の派閥勢力が非常に強くて、派閥間の争いによって総理総裁が決まったり、引きずり降ろされたりしていたわけですね。したがって、参議院の敗北というのを受けて、キングメーカーみたいな方が次はだれそれ君と、こういった、まさにキングメイキングをやることによって内閣が変わっていたという時代がありました。
 しかし、小選挙区、政党中心主義が徹底をしてまいりますと、やはりマニフェストに基づいて政権選択を行う、次の総理は誰にするというのは、まさしく衆議院選挙なんですね。ですから、まさにこの点において、今回は次の衆議院選挙の中間選挙ということであったかと思います。いずれにしても、結果については真摯に受けとめる必要があるわけでして、我々が角番に立たされているという認識は持ち続けなければいけないと思います。

【問】 総理の続投は当然だというご認識ですか。

【渡辺大臣】 ですから、結果については厳しく受けとめるということです。もう後がないという認識でやっていく必要があろうかと思います。

【問】 きょうの閣議や閣僚懇で、総理から参院選に関して何か、閣僚に対して何か。

【渡辺大臣】 閣僚懇についての話は官房長官に聞いていただければと思います。

【問】 今回の選挙結果の今後の公務員制度改革に与える影響についてはどのようにお考えでしょうか。

【渡辺大臣】 先ほどもご紹介したように、公務員制度改革やり過ぎたから選挙に負けたんだと、こういうご意見が一部ございます。したがって、そういう声が大きくなるのかならないのか、そのあたりはよく見ていきたいと思っております。
 私の立場としては、やり過ぎたから負けたということでは全くなくて、その制度改革の真意が上手にPRできていなかった、浸透していなかった。しかし、説明すればよくわかっていただけるというものであったと。ですから、時間がもっとあればもっと説明できたのになという思いでございます。

【問】 総理が続投を表明された後に、公務員改革について何らかの指示、変わりなく、何らか公務員制度改革の今後の進め方についてお話というのは。

【渡辺大臣】 特にございません。ですから、これは全く選挙前と変わらないということだと理解しています。
 また、選挙前でございますが、どちらかの社の報道で、選挙目的で懇談会などを集中的にやっているんだという、内部の話としての報道がございました。これについては、内閣の方針を意図的にねじ曲げて説明をしたということであれば、国家公務員法違反の可能性がありますので、選挙結果とはかかわりなく大問題であります。これについては厳重に、徹底して調査を進めてまいります。


平成19年7月24日(火)

<冒頭発言>

 本日の閣議について私の方からの報告事項はございません。

<質疑応答>

【問】 昨日の懇談会のお話で恐縮なんですけれども、事務次官OBの出席要請というのは、なされたのかなされてなかったのかがはっきりしなくて……。

【渡辺大臣】 これは私の方から行革事務局に対して23日の会合に7名の次官OBの方に出席をお願いするように明示的に指示を出しております。したがって、週末の時点で事務局から事務次官OBが都合がつかないようだという報告がございました。これを官房長官の方にも報告をしておりますので、官房長官の方では事務次官OBが出席したくないと言ってきているという理解をされたんだと思います。
 昨日の説明によれば、皆様もお聞きになっていたと思いますが、行革事務局と各省との間でどういう内容を聞くかなどの打合せをしておったと。そのうちに時間切れになってしまったという説明でした。つまり、次官OBには直接声をかけていなかったというのが真相だったのというのが昨日の説明でした。
 これは私の理解では、行革事務局と各省が、意図的にか意図せざるものかは別として、結果としてサボタージュを行ったと言われてもやむを得ない結果だと思います。事務局にはこうした不手際を繰り返さないよう私の方から強く指示を出しております。
 事実関係というのはそういうところですね。

【問】 次回の出席に関しては、25日予定の懇談会。

【渡辺大臣】 これはまだ結論聞いておりませんが、昨日の時点で私から、今度は田中座長名で出席要請をするという仕切りで昨日決まりましたので、その手続を早急に開始するように強く指示を出しております。

【問】 確認なんですが、要するに次官OBのところまで、本人には伝わってなかったという認識でよろしいんですか。

【渡辺大臣】 事務方の説明では、結果としてそういうことだと思います。つまり、各省といろいろ打合せをしているうちに時間が過ぎてしまったということですから。ですから、結果として伝わっていなかったと。ですから、それが意図的にやったのか、成り行き上そうなってしまったのかについては判然としません。結果としてサボタージュと言われてもしようがないなということではないでしょうか。

【問】 もう1点だけ、昨日の懇談会の話で恐縮なんですけれども、官房長の中で渡りの部分についてですが、OBのことはかかわっていないみたいな御報告があったと思うんですけれども、懇談会の中で、渡りの部分を前倒しして規制かけるみたいな議論をされていると伺いましたが、その兼ね合いはどうなるんでしょうか。

【渡辺大臣】 これは1回目の会合のときもかなり議論をされたことです。つまり、現行法制のもとでも2回目のあっせんというのは違法ではないか。すなわち、退職をしたOBというのは民間人でありますから、民間人に対して便宜供与をする、つまり再就職のあっせんをするということが全く法令上の根拠に基づかない、職務違反になるではないかと、こういうことが論拠だったわけですね。したがって、これはかなり説得力のある意見でございまして、昨今のいろいろな不祥事やら批判の高まり、また法改正が実現をしたと、こういうことから、では法の施行を待つまでもなく2回目のあっせんについては、これは例えば閣議や閣僚懇談会での申合せとか、いろいろな手段、方法はあろうかと思いますが、そういう仕方で前倒しで禁止をしていくということは大いに検討すべき課題だと考えております。

【問】 別件なんですが、参院選まで1週間切る中で、各紙世論調査をする中で、自民党と内閣に対してはかなり厳しい数字が出ているんですが、それについてはどのように受けとめられますでしょうか。

【渡辺大臣】 世論調査というのは、その時点での世論を調査をし、かつ分析をしてお出しになるんだろうと思います。よくアナウンスメント・イフェクト、揺れ戻し効果などと言われることもございますが、こういう世論調査がどういうぐあいに影響を及ぼしていくのか。過去においては大変大きなアナウンス効果があった選挙もございました。
 私の直接的な印象では、各選挙区を回っておりまして、説明をすればわかってくれるという印象を非常に強く持っているんです。つまり、今まで安倍内閣がやってきたことが正当に評価されていない。いわばイメージ的に安倍内閣のいろいろな粗拾いが功を奏して支持率が下がっているということだったと思うんですが、しかし、きちんと説明をし、安倍改革というのは相当すごいことをやってきたんだなということがわかれば、例えば、従来、自民党支持層が再び戻ってくるということは大いにあり得ることだと思うんです。したがって、あと1週間ございませんが、残された期間、誠意を持ってこうしたPRをしていけば、そんなに負けることはないのではないかと私は個人的に思っております。

【問】 参院選の関連なんですけれども、今までの演説等々でも道州制の議論が、与野党含めて余りされていないと思うんですけれども、このことに対しては担当大臣としてどのように。

【渡辺大臣】 道州制も今のところ地域差があるんですね。北海道のように非常に関心の高い地域、九州や近畿も割と関心の高い地域だと思いますが、残念ながら余り関心のない地域もございまして、これが今回選挙の一大争点という具合には高まっていないのは、私としても残念でございます。今回、年金がシンボリックになってきてしまっておりますが、これを越えて、いろいろな改革の中の究極の地域活性化であり、究極の分権改革として道州制の論議はもっと高めてい く必要があるかと思います。

【問】 今日の懇談会で、公開にするということを改めて、先ほど座長からお話がありましたけれども、公開にするねらいなんですが、人材バンクの方はブラックボックス、闇を白日のもとにさらすということを明示されていましたけれども、今回、公開するねらいというのを改めて教えてください。

【渡辺大臣】 今回は、全体パッケージの議論をやるわけです。したがって、かなりテーマとしては大テーマになります。ただ時間的には来年の通常国会にプログラム法を出すわけでありますから、そう長い時間かけていられない。また、もう既に先行して議論が行われている専門調査会の結論、あるいは官民人材交流センターの方の議論との兼ね合いもありまして、先ほど岡村座長が説明したスケジュールになるわけであります。
 官民人材交流センターの方は、かねてトンネル機関化のおそれというのが指摘をされているわけでありまして、そういう意味で、こちらの方は完全公開という手段、方法を選んだわけであります。こちらの全体パッケージの岡村懇談会の方は、その手段、方法は違いますが、基本的に記者の皆さんの同席を、最初から最後まで公開するということでありますし、インターネットの配信もやるということでありますから、地方分権改革推進委員会とか、そういったところと同じ手法での公開になると思います。いずれにしても、こうした会議の透明性を確保し、かつ国民に直接アクセスが可能にするという点においては、非常に結構なことだと思っております。


平成19年7月17日(火)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 台風や地震で被災された皆様には、心から早期の回復、復興に努力することをお誓い申し上げます。
 閣議について、私の方からの報告事項はございません。

<質疑応答>

【問】 閣議で公益法人についての発言があったということですけれども。

【渡辺大臣】 公益法人制度の改革について、改革に関する準備を確実に進め、来年12月を目途に全面施行されることになっており、新制度への移行に万全を期していくこととしております。主務官庁の裁量権に基づく許可権限を廃し、新たな法人制度に移行するまでの間は、各主務大臣が各法人を引き続き所管することになります。閣僚各位におかれては、所管の公益法人について問題があると認められる場合は、必要に応じて許可取消も視野に置きつつ、事業内容、事業形態などに関し、適切に指導監督をされるようお願い申し上げますという発言をいたしております。

【問】 この時期にこのような発言をされた理由と、あとはこれについてほかの大臣から発言があったかどうかを。

【渡辺大臣】 総務大臣からは平成19年度の公益法人に関する年次報告についての発言がございました。これは公益法人の実態及び所管官庁による指導監督の実施状況等を明らかにしたものであります。公益法人の総数は24,893法人で、新設が150法人あるものの、全体では前年比370法人減少、このうち国所管法人は6,776法人となっている。閣僚各位におかれては、引き続き所管の公益法人に対する適正な指導監督に御尽力していただきたいという発言が総務大臣からありました。これを受けての私の先ほどの発言となったものであります。

【問】 行革担当の審議官を公募制にするというような報道があったんですけれども、これの事実関係の確認と、それともし事実であればそこのねらいを。

【渡辺大臣】 一般的に定員の問題というのがございまして、いわゆる座布団というやつですね。この座布団制度というのが非常に厚い壁になっています。 ですから、私のところで例えばスタッフを欲しいと言っても、定員がないわけですね、こちらの方には。座布団がないわけであります。したがって、座布団を同時に提供してもらわないと各省からスタッフをこちらで集めることができないという一般的な現実がございます。
 次の公務員制度の課題として、公募、「官から官」公募、それから「民から官」公募、両方ございますけれども、こういうものを拡充をしていこうという方向性は打ち出しておりますが、具体的なスキームはこれからの話なんですね。したがって、具体的な個別の人事についての言及はいたしませんが、やはり公募の拡充という大方針については、しっかりとこれを具体化していく必要があるかと思っております。
 いずれにしても、公募によってスタッフを補充するということは、非常にいい試みだと思います。官房長官の方でルールづくりをやっていただいておりますが、これを待って私の方としては実施をしていきたいと考えております。
 それから、有識者懇の方でございますが、官民人材交流センターの方の詳細設計有識者懇の方でございますが、明日第1回目の会合を開催をいたします。国会でも議論がございましたが、できるだけオープンな議論をしていきたいと考えております。今回の改革は、霞が関の人事慣行として、長い間ブラックボックスの中で行われてきたものを透明な制度に大転換をしようというものであります。天下りネットワークを解体していくわけであります。
 したがって、議論も密室の中での議論ではなくて、できるだけオープンな議論をやっていただきたいと希望をしております。
 この議論のプロセスを国民に明らかにしていくことが大事であります。その中で国民から幅広い御意見もいただきながら、一部の隙もない天下り根絶センターをつくっていきたいと考えています。国民の目から見て納得のいく制度設計をしたいと思っております。
 会合の段取りとしては、2回目以降になりますが、実態の解明を徹底的に行ってまいります。ブラックボックスの中身を白日のもとにさらすことなく、天下りネットワークの解体はできません。まさしくそういう観点からこの懇談会を立ち上げたいと考えております。

【問】 そうすると、今のオープンな形でというのは、インターネットでの中継という……。

【渡辺大臣】 手段方法については、第1回目の会合で御決定をいただくことになるかと思います。


平成19年7月10日(火)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 本日の閣議についての報告事項はございませんが、本日付の人事異動で、行政改革推進本部国会連絡室長の谷家茂を内閣参事官に昇任させる発令を行いました。
 彼は、いわゆるノンキャリでございますが、長年にわたり国会連絡室に勤務し、今回の国家公務員法を始め、数多くの重要法案にかかわってまいりました。これらの法案の成立に際して、彼の調整能力や長年の実績によるところが非常に大であります。
 いわゆるノンキャリ職員が内閣参事官に発令をされるのは初めてであります。今回の発令は、まさに前国会における能力実績主義の先取りであります。
 詳細については、行革事務局の方にお尋ねをいただきたいと思います。
 また、先週、官房長官の方から2つの有識者懇談会についての人選の発表を行っております。いずれも事務局は行革事務局であります。担当大臣は、私、公務員制度改革担当でございます。
 2つの懇談会、双方とも日程は調整中でありますが、できるだけ早く開催をしたいと思っております。それぞれ月内に第1回目の会合を開きたいと考えております。
 総理の下に置く公務員制度の全体パッケージについては、次期通常国会への法案の提出、また、官房長官の下に置く官民人材交流センターについては、来年中に立ち上げます、そのための予算要求が必要でございまして、いずれも秋までには結論を出す予定でございます。
 人選の基準でございますが、産業界、学会、その他の幅広い分野からふさわしい方にお願いをいたしました。特に、全体パッケージ、総理の下に置かれる懇談会では、国家のあり方にも及ぶ大きな課題を論ずるにふさわしい方を選んでおります。
 官民人材交流センターの懇談会では、役所の抵抗にひるむことのない人、新たな仕組みへ大転換ができる、そういう取組のできる方という点を重視いたしております。いわゆる公務員OBの方も入っておられますが、当然のことでありますが、役所の立場に立って発言される方ではございません。
 私の方からは以上でございます。

<質疑応答>

【問】 赤城大臣の事務所費の関係で、大臣の所感と、新たな法改正の必要性について、どのようにお考えなのかお聞かせください。

【渡辺大臣】 今日、赤城大臣の方で詳しい御説明をされると聞いております。詳細については、承知いたしておりませんが、今日の説明によって明らかになることを希望しております。
 かねて私が申し上げているように、事務所費の会計処理について、やはりもうちょっと現代的な処理の仕方があるんだと思うんですね。ちょっと政治家の事務所を見ておりますと、ダンボール会計的なところが多いのではないでしょうか。
 ちなみに、私どものところでは、政治資金の会計ソフトを導入しておりまして、これによって極めて簡単に会計処理が可能となっております。法定帳簿なども瞬く間にプリントアウトすることが可能なんですね。
 事務所費というのは、御案内のように、家賃それから通信費が非常に大きな項目になっています。家賃のかからないところでも、通信費、電話代とかそれから地元の方でばかにならないのは電報代なんですね。これは結構高くつきます。それから、地元の方だと結構高いのが車両保険ですね。車の保険、これなども大きい項目に入ってきます。それから、事務機器のリース料などもございます。あとは、ダスキンとかそれからお茶代とか、最近ペットボトルが多いので、これは結構高いんですね。ですから、そういうのをパソコン会計で処理しますと、そんな手間暇かかりません。
 したがって、そういうデファクトスタンダードを多くの事務所で導入していけば、恐らく次のあり方というのは見えてくるんだろうと思います。
 きちんとパソコン会計をおやりになることをおすすめいたします。

【問】 デファクトスタンダードを導入していったとしても、政治団体の領収書、これを明らかにするかというところでは、会計処理をきちんとしていっても、それを明らかにする必要があるかというのがまた一つ別の問題として出てくるものではないかと思うんですけれども、その点について、透明性という観点から今回の件でも領収書を明らかにすればいいじゃないかというような意見もあるんですけれども、それについては大臣はどのようにお考えですか。

【渡辺大臣】 ですから、アナログ的発想でいけば、領収書添付が必要だということになるんだと思いますが、例えば、電子申告とかがこれからどんどん出ていくようになりますと、アナログの証票書類の添付というのが非常にネックになるんですね。
 ですから、どういう証明の仕方が次の時代にふさわしいかという議論はしていいと思います。どうしてもアナログにこだわるんだというお立場からは領収書の添付が必要だということになるでしょうね。
 一方、電子化を進めていく場合には、そういったアナログ証票書類に代わるものが恐らく出てくるんだろうと思います。いずれにしても、過渡期なのでまだ混乱が続いているんだと思いますが、ダンボール会計からパッケージソフトを導入して会計処理をしていくことが一般的になれば、解決方法は、もっと簡単、便利かつもっと今よりも精緻なものができるのではないかと思っています。

【問】 簡便に透明性も向上できるということですよね。

【渡辺大臣】 はい。
 それから、私の方から茶飲み話ですみませんが、ここのところずっと地方の方を回っておりました。安倍内閣の支持率が芳しくないという報道に接するたびに、これだけ一生懸命やっているのになぜ理解してもらえないのだろうかと、閣内の一員として残念に思っています。
 民主党のマニフェストも発表されたようでございますが、その財源をどういう具合にひねり出すのかという点においては非常に不確かですよね。例えば、基礎年金の部分をお一人様月額6.5万円ぐらいですか、全員に税でお支払いをするとすれば、これだけで16兆円かかるわけですよ。消費税5%で13兆3,000億円ですからね。一体こういうのをどうやってひねり出すのかという説明は全くないわけであります。
 一方、政府の方は、財源の手当からすべて責任を持って説明をしなければいけません。したがって、そういう点で、こういう選挙になりますと一般受けする説明の方に傾きがちであるという傾向は否めないと思います。政府の方としては、これは責任ある立場でそういった問題について選挙戦を通じて真摯に説明をしていくしか方法はないわけでありまして、地道にやっていくしかないなという思いを強くいたしております。
 私の担当いたします公務員制度改革についても、説明を聞いていただくとすとんと腑に落ちていただくんですね。しかし、説明を聞くまでは、やはり政府案って大したことないよねと、官民人材交流センターなんていうのは天下りバンクでしょうと、こういう認識の方は多いんですね。
 しかし、私の話を聞いていただけば、官民人材交流センターというのは、まさしく透明なガラス張りのろ過装置を通して、予算とか権限とかきれいにろ過して市場価格で再就職をしてもらうわけでありますから、まさしく今までの天下りとは全く別物であるということがわかってもらえるんですね。
 ですから、そういう説明をこの3週間の間にどれだけしていくかということが勝負だと思っています。安倍改革というのは結構すごいことをやっているんだということがわかってもらえれば、これは我々としても非常にうれしいと思いますね。
 今回の公務員制度改革というのは、もうまさにあれだけの大反対を押し切って会期延長をして成立をさせたものであります。半年前にこの改革が実現すると思っていた人はほとんどいなかったわけでありますから、その点でもこれは大いにPRしていくべきであると思っています。
 能力実績主義の導入というのは、国家公務員の世界にとどまらずに、大学とか地方自治体とかあるいはマスコミとか、そういうところにも波及をしていく可能性は大でございますから、そういう点でも、これは日本の今までのカルチャーの大転換という側面は持つと思います。
 また、年功序列のなれの果てから生まれる肩たたきと天下りネットワーク、これも今回は全面禁止をするわけでありますから、まさしくこれは総理がおっしゃるように天領の召し上げ、こういう側面を持っているわけです。ですから、この特権を享受しようという人たちが人材センターなんて天下りバンクだよという願望を述べられるということはあると思います。しかし、それはメッセージとしては明らかに間違っているわけでありますから、その点も官民人材交流センターの有識者懇談会において具体的な議論を早々に開始をしていきたいと思っております。

【問】 一点だけ伺いたいんですけれども、公務員制度改革についてなんですけれども、総理が最近、その闘争がいかに難しかったかという説明をされるときに、押しつけ的天下りの定義として、事務次官会議で通らなかったけれども閣議で通したというふうにおっしゃっているんですね。この事務次官会議について大臣はどのように思っていらっしゃいますか。

【渡辺大臣】 これは総理がおっしゃるように、事務次官会議で4つの省庁のトップ、事務方のトップが反対をしたのは厳然たる事実です。ですから、それに対して、総理は事務次官会議にかけられて、そこを通らないと閣議にかけられないと、こんなものは憲法上の規定でも、法律上の規定でも何でもないわけです。単なる慣行ですよ。ですから、そんな慣行にとらわれることはないと決断をして、次の日の閣議に国民の目から見て押しつけ的なものも押しつけ的天下りには入るんだと、こういう閣議決定文書をかけることを決めたわけです。
 ですから、慌てたのは事務次官会議の方であって、あの日はたしかスウェーデン国王陛下の宮中晩餐会があって、そっちの方に出ておられた方も多かったようでございますが、私のところに事務次官会議を持ち回りでやって何とかオーケーを取りましたという報告が入ったのが夜中の12時半ぐらいでございました。
 したがって、体面上は持ち回りで通しましたということだったんでしょうけれども、実質的には事務次官会議が反対したということは厳然たる事実であって、それをはねつけたという点において、これは極めて画期的なことだったと思います。
 安倍内閣は役人主導体制は排除いたします。
 ありがとうございました。


平成19年7月6日(金)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 本日の閣議についての報告事項はございませんが、私の方から1点申し上げます。
 6月1日から29日まで、特区、地域再生、規制改革、公共サービス集中受付月間として、特区、地域再生の提案と全国で実施すべき規制改革の要望、公共サービス改革の意見を今回初めて窓口を特区推進室に一本化して受け付けました。これによって、提案を出していただきやすい環境が整ったこともあり、全体で ,092件の提案・要望が寄せられました。
 特区については400件の提案がございます。アジア・ゲートウェイ特区関係のものとしては、税関を24時間通常営業とするもの、空港内や成田・羽田間で貨物輸送するとき必要な承認手続を簡素化するもの、ビジネスクラス以上の旅客等に対する専用出入国レーンを導入するものなどが出ております。
 規制改革については、延べ561件の要望が寄せられています。例えば、学校など、補助金でつくった施設について、補助金適化法の問題でございますが、一定期間が経過すれば、地方公共団体の裁量で他の利用目的に転用できないかという要望、それから、古紙パルプ配合率100%のコピー用紙だけが国が定めたグリーン購入の対象となっているが、間伐材、製材工場から発生する端材ですね、合法性が照明された木材を原料として製造されたコピー用紙についてもグリーン購入として認められないかなどが出ております。
 本年9月を目途に政府として対応方針をまとめてまいります。
 私の方からは以上であります。

<質疑応答>

【問】 本日、一部報道で特定級以上の職員の天下りの実態について出ていましたけれども、現状、一番新しい調査の状況がもしわかれば教えてください。

【渡辺大臣】 ちょっと数字を持ち合わせておりませんが、これはたしか国会に報告をしたものだと思います。局長級以上で勧奨退職者数が平成14年度から18年度、合計239名、そのうちあっせん者数が105名となっております。事務次官級で勧奨退職者数が43名、あっせん者数が15名となっております。この数字だったですか、今朝の新聞に出ているのはね。という状況でございまして、これは、当初、行革事務局が調べたもので、いわゆる渡りあっせんが16名という数字が出てきておりました。これは、私、非常に少な過ぎる、氷山の一角だということを申し上げました。調べてまいりますと、やはりぞろぞろ出てくると、そういう実態だと思います。
 いずれにしても、今国会における法改正によりまして、1回目のあっせんどころか、2回目、3回目のあっせんも全部禁止をされることになります。したがって、まさに天下りは根絶をされていくということになります。
 また、先ほど、行政減量・効率化有識者会議でも申し上げましたけれども、独法が隠れみのにならないように注視をしてほしいということも有識者会議の皆様にお願いをしております。
 政府案においては、司令塔機能を全面的に規制対象にいたしますので、まさしく、今司令塔が行っている天下り、あっせんが全面禁止になるわけでございまして、これが潜脱されないようなことをきちっと見ていく必要があるかと思います。

【問】 その239人のうち105人があっせんして、あっせんが目前であったということで、この数字については大臣はどのような感想をお持ちですか。

【渡辺大臣】 239人のうち105人で、そのほか、あっせんの有無が確認できなかった者が60名います。つまり、本人及び当時の人事担当者に接触できなかった者も含めて、ですから、あっせんの有無が確認できない者の中には、あっせんがあった者も含まれるわけでありますから、105名というのは突き詰めていくとさらに増える可能性がありますね。ですから、やはり局長以上においてあっせん、天下りあっせんで再就職をしている人がかなりいるというのが実態だろうと思います。
 ですから、こういう実態を見れば、やはり政府案において各省人事当局の天下りあっせんを全面禁止をし、ガラス張りの透明濾過装置、予算や権限を全部きれいに濾過をしてしまう官民人材交流センターにおける再就職という方向が正しいということがわかるわけであります。

【問】 数字としては妥当な数字というか、16人というときは非常に少ないと言われて……

【渡辺大臣】 それは、16人は渡りの数字ですね。

【問】 今回の調査というのはどういう。

【渡辺大臣】 これは、1回目の再就職の数字です。

【問】 氷山の一角とかじゃなくて、これはもう正確に実態がわかった調査という受け止めでいらっしゃいますか。

【渡辺大臣】 ですから、239のうちあっせんがあった者が105名確認されたと。確認できない者がほかに60名いると、こういうことでありますから、実態にはそくしている数字かと思います。

【問】 関連で、報道の中に、渡りについても16人ではなくて、32人というような数字が確認されたというような報道もあったんですが、こうした事 態、大臣おっしゃったように、氷山の一角ということかなと思いますけれども、これについては、この報告は受けられているのかということと、それに対して。

【渡辺大臣】 それは、国会に出した資料に出されている数字だと思います。今、ちょっと私のところに手元に資料がございませんので。国会には、その後わかった渡りあっせんについても報告はしております。しかし、そんなに数字として大きい数字ではございませんで、実態は恐らくもっと膨大なものだと思います。
 いずれにしても、こうした渡りあっせんをどこでやっているのかと言えば、それは各省人事当局が2回目、3回目をやっているというのが実態なわけですから、ですから、現職の人事当局が渡りあっせんをするから、正当性の根拠が出てくるわけですよ。それをどこか別のOBがやってみたりしたら、これは一種のマフィアシステムみたいになるわけですから、ですから、そういうことは根絶をされていくということになろうかと思います。現職が絡んでいるとか、そういうことになれば、完璧にアウトになるわけですから、今回はね。


平成19年7月3日(火)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 閣議において、これ閣僚懇ですかね、私のチャレンジ宣言というチーム・マイナス6%、1日どれぐらいCO2を減らすことができるかということで、私の場合は、残念ながら1キログラムまで行っていませんで、0.909キログラム削減にとどまっております。1日1キログラム削減できるよう頑張ってくださいと いうことを環境大臣の方から言われました。この項目の中に入っていませんが、例えば、できるだけエレベーターを使わないようにするとか、そういったことでも削減はできるのではなかろうかと思っております。
 先週末に国家公務員法が成立を見ました。成立直後にも申し上げたことでありますが、今国会において、国家公務員法が成立すると半年前に思っていた人はほとんどいなかったのではなかろうかと思います。国会対策上も、国家公務員法はいわゆるC法案でありました。C法案の法案が成立するというのは国会対策上どれぐらいの頻度であるのかは存じ上げませんけれども、このこと一つをとってみても、極めてナローパスをいかに切り抜けることができたかということであろうかと思います。
 成立する前までは、ステルス的な抵抗によって何とか廃案に持ち込もうとしていた人たちも、成立した後はそういったことは全く意味がなくなるわけでございますから、今度は恐らく骨抜きをもくろんでくることは大いに考えられるわけでございます。
 したがって、官民人材交流センターの詳細設計をこれから行っていくわけでありますが、我々としては、絶対骨抜きは許さない、そういう強い決意で臨んでいきたいと思っております。交流センターをトンネル機関にするつもりは全くありません。天下りネットワークは召し上げると、そういう強い決意で臨んでいきたいと思っております。官と民との今までの関係を大転換させる、そして霞が関の意識大改革を行っていくというつもりで行っていきたいと思っております。
 私の方からは以上です。

<質疑応答>

【問】 今おっしゃいました官民交流センターの制度設計なんですけれども、その有識者会議というと、具体的に議論はどの時期から、いつぐらいから始められるということですか。

【渡辺大臣】 できるだけ早めに始めたいと思っております。ただ、相手のあることでございますから、まず本人の了解をいただきませんとスタートできません。また、与党の御了解もいただく必要がございますので、そういったことが整い次第始めたいと思っております。

【問】 ちょっと質問変わりますけれども、今月中に始めたいとか来月までにはという時期的なめどはあるんでしょうか。

【渡辺大臣】 法案成立後できるだけ早くということを目指しておりますので、今月は選挙にかかってしまいますが、これはできるだけ早くということであれば、今月中に第1回目は開きたいと思っております。

【問】 その官民人材交流センターの制度設計を行う有識者会議と全体設計を行う総理の下に置く会議があったかと思うんですが、これは今おっしゃったのは人材センターの方の有識者懇談会ですか。

【渡辺大臣】 そうです。

【問】 そっちは総理の方のおまとめなんでしょうか。

【渡辺大臣】 これも全体パッケージは同時に進めていく必要がございますので、こっちの方もこれは人材センターの有識者懇と同時に手続は進めていくことになっております。こちらの方は総理の下に置かれますので、詳細設計というレベルとはまた違った人選になろうかと思います。

【問】 その官民交流センターの詳細設計を決める有識者会議なんですけれども、どういう人を有識者に置きたいなと考えていらっしゃいますか。

【渡辺大臣】 やはりある程度実情がわかっている人たち、それから国民の目線でこういった問題を考えられる人たち、いろいろな人選の観点があろうかと思います。ですから、一つの分野に偏った人選はいたすことにはならないと思います。

【問】 それぞれの有識者会議の規模というのはもう決まっているんでしょうか。

【渡辺大臣】 通常こういったものは、余り数が多過ぎても、船頭さんが多くて船が山に乗り上げてもしようがないので、適正規模で行きたいと思っています。そんな大人数にはならないと思います。

【問】 10人ぐらいとか。

【渡辺大臣】 何人とはここでは申し上げませんけれども、そんな大人数にはならないと思います。

【問】 今日の閣僚懇談会で、総理の方から選挙前の閣僚の発言について何か特段の指示などはありましたでしょうか。

【渡辺大臣】 閣僚懇談会の議論については官房長官にお聞きをいただきたいと思いますが、一般的には、やはり参議院選挙前になりますと閣僚の発言が物議を醸すことがございます。そういうデリケートなシーズンでありますから、閣僚たるもの発言には十二分に気をつけていく必要があるかと思います。
 一方において、選挙も、まさに我々は政治家でありますから、選挙戦に臨むに当たって発言が萎縮をしてしまったのでは、これは国民にPRができないわけであります。したがって、まさしく萎縮をせずに堂々と発言をすることも大事でありまして、それが失言に当たるか否かというのは、もうまさしくそれぞれの閣僚の失言フィルタがしっかり機能しているかどうかということではないでしょうか。

【問】 今回の久間大臣の発言ですけれども、これはいわゆるその失言フィルタを通ったものなのでしょうか。久間発言についてはどのような御見解をお持ちでしょうか。

【渡辺大臣】 適切な発言であったとは思えません。

【問】 参議院選挙に与える影響についてはどのように御覧になっていますか。

【渡辺大臣】 これは久間大臣が発言を撤回されておわびをされておられるわけです。長崎県御出身の政治家でもあり、原爆の悲惨さについては御自身が一番よくわかっておられるのだと思います。したがって、まさしく本来のお気持ちをいかに国民に対して説得できるかということにかかっているのではないでしょうか。

【問】 日本年金機構の採用の件なんですけれども、やる気のある人を採用して、やる気のない人はやめてもらうという話をされていましたけれども、採用基準というのは、ただやる気のある人というのは、自分で本当になくても採用の段階ではやる気がありますというように答える人もいるかと思うんですけれども、その辺の選別方法というのは何か今お考えはありますか。

【渡辺大臣】 これは採用の基本計画の中で決めていくことになります。第三者委員会をつくることになっておりますので、こちらの方も法案が成立を見ましたので人選を進めていきたいと思っております。そちらの議論に任せていくことになるかと思います。
 よろしゅうございますか。
 ありがとうございました。


平成19年6月29日(金)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 本日の閣議について、私の方からの報告はございません。
 昨日、参議院内閣委員会の方で6時間でしたか、7時間でしたか、昨日は。6時間質疑を行っていただきました。私の方としては、採決をしていただきたかったのでございますが、残念ながら、採決には至りませんでした。衆議院の質疑時間は40時間をちょっと超えたぐらいだったかと思いますが、衆議院の場合は野党案が出されていまして、こちらが13時間を超える質疑を行っています。したがって、参議院の方が衆議院の政府案の質疑を超える質疑をもう既にやっていただいたということで、改めて採決していただけなかったことは残念に思います。
 社保庁の方は、既に参議院においては衆議院を超える質疑をやっておられると聞いています。したがって、やはり最終的にきちんと結論を出していただくのが議会だと思います。強行採決という言葉は当たらないと思います。
 私の方からは以上であります。

<質疑応答>

【問】 それに関連して、今日、中間報告という形でどうも決着をつけられるというのかなというようなことになるんですけれども、それについてはどのように受けとめていらっしゃるんでしょうか。

【渡辺大臣】 どういうやり方なのかは私の方はちょっとよくわかりませんが、これは参議院の議会運営の問題でございますので、そちらの方にお任せをしたいと思っております。

【問】 民主党の方は、さっきの公務員の関連ですけれども、質疑の時間ではなくて質疑の中身が不十分だと、条文解釈をめぐって、答弁を初めやや理解できないところがあると。だからまだ採決には応じられないという主張なんですが、それについては。

【渡辺大臣】 条文解釈というのは、これは極めてテクニカルな話で、あらかじめこの条文のこの解釈について聞きたいということがあれば、きちんと短時間でお答えできるはずですよね。小川議員の質問については私は答えているはずでございまして、答弁漏れとか、そういうことは全くないと理解しております。
 昨日もどなたでしたか、条文の解釈についての御質問がありましたが、それについてもきちんとお答えをしておりますので、いずれもお二方ともこちらからの答弁漏れは全くございませんし、不正確な答弁をしたわけでもございません。したがって、そのような批判は当たらないと思います。

【問】 今回の法案の能力実績主義で導入することで、社会保険庁の体質というか、そういう霞ヶ関の体質というのは変わっていくんでしょうか。

【渡辺大臣】 これはがらっと変わると思いますね。もし、この能力実績主義の導入が10年前に行われていたならば、社会保険庁のあの無責任な体質、さぼり体質はがらっと変わったと思います。
 残念ながら、こういう改革が行われてこなかった結果、社保庁については、国家公務員制度の最も悪い見本になってしまったわけです。したがって、今回の改革案では、社保庁は公務員制度の外側に切り出すという解決策をとりました。極めて強い改革案であります。社保庁は解体をし、国家公務員の身分を剥奪をし、非公務員化してしまうということになるわけですね。
 一方、残った30万人の国家公務員の世界では、能力実績主義の導入によって、年次や試験区分にこだわらない人事が本格的に動き出すわけであります。したがって、今まで法律に書いていない、本音ベースのルールとして行われていた年功序列制度や、キャリア・ノンキャリの区別的な人事が意味をなさなくなるわけでありますから、まさしく仕事をする人はキャリア・ノンキャリアにかかわらず、年次にかかわらず昇進をしていく、給料も高くなる。
 一方、仕事をしない、さぼる公務員は、キャリアであろうが、年次が高かろうが、降格もあり得る。場合によっては、公務の外側に行っていただくこともあるという極めて真っ当な、当たり前な制度が実現をするわけであります。したがって、まさしく社保庁問題と公務員改革はワンセットの話だということが言えます。
 社保庁においても天下りがベンダーとの癒着という形で露骨に出てきたわけでありますから、まさしくこの天下り問題というのは、今回の国家公務員改革のもう一つの柱であって、天下りを根絶をするということにおいて、今回の改革は極めて貴重な、また内閣としての強い決意を示すものであります。社保庁改革と国家公務員の一体改革によって、がらっと今までの弊害は取り除かれ、公務員の世界の景色が変わっていくものと思います。

【問】 社保庁改革に絡んでですが、日本年金機構の制度設計の作業、検討作業というのが秋口から始まると思うんですけれども、働く人は全員は再雇用しないといっても、働く人たち、社保庁の人たちと同じなわけで、そういった意味で、年金記録の管理をもう任せられない、いわゆる外部に委託した方がいいんじゃないかという声がちらほら聞こえるんですが、そのあたり、制度設計、何かお考えございますか。

【渡辺大臣】 これは、法案成立すれば、第三者委員会を立ち上げて、そこでどこからどこまで民間に仕事を切り出すかという検討をしていただきます。その上で、社会保険庁職員の採用、日本年金機構における採用の基本計画をつくってもらいます。いつも申し上げますように、今の社保庁職員を漫然と日本年金機構に移行させるということはいたしません。厳格な採用計画、基本計画をつくっていただきます。

【問】 記録の管理というのはやはり法人がやるべきだとお考え、民間には委託できないという。

【渡辺大臣】 ですから、これもシステムの問題と裏腹の問題なんですね、これは。今のレガシーシステムのもとで、極めて不透明な随意契約が延々と行われてきて、あのようなずさんな年金記録の無残な状況ですよね。ですから、まさしく既にこういったレガシーからオープン系のシステムに変更するという決断が行われているわけでありますから、その業務をどこからどこまで民間に切り出すかというのは第三者委員会で厳重に議論をしていただく予定になっております。
 いずれにしても、国会周辺で労組の皆さんが赤い旗を立てて、社保庁解体反対、公務員制度改革反対、こういう2大テーマをワンセットにしてやっておられるわけですね。ですから、我々としてはぜひともこの2大テーマをワンセットで解決をしていきたいと思っています。いつも申し上げますように、与党対野党という構図というよりは、政府の中にも抵抗勢力はいるわけですね。したがって、改革派対抵抗勢力の戦いであり、抵抗勢力の中に労組も含めた野党勢力が乗っかっていると、そういう構図であるかと思います。我々は断固としてこの改革を成し遂げたいと考えています。
 よろしいですか。
 ありがとうございました。


平成19年6月26日(月)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 閣議についての私からの報告事項はございません。
 今日、参議院内閣委員会が開かれるものと思っておりましたが、聞きますところによりますと、今日は開かれないということでございます。私にとっては大変残念なことであります。せっかく会期延長をして、審議を十分尽くそうということだったのでありますが、どういう御事情で協議に応じられないのか分りませんけれども、ぜひ審議を尽くしていただきたいと思います。
 もし、審議未了廃案ということになりますと、現状が固定化されるということであります。社保庁の仕事をしない役人や、責任もとらないで渡り鳥を繰り返す歴代長官などに象徴される役人天国がそのまま温存されるということになりますから、こういう事態だけは回避をしなければならないと思います。役人天国が続いて一番喜ぶのはだれかと。それは既得権益を持っている人たちです。
 野党も天下り根絶を主張しているわけです。ところが、今、野党がやっていることは、結果的に天下り温存、仕事をせずに給料をもらうだけの役人を放置してしまうということです。そして、キャリア、ノンキャリアという身分制度に基づく古いシステムがそのまま残るということに手をかすことになると思います。
 いずれにしても、隠れた抵抗勢力が野党と結託をして法案を廃案にしようとしていると疑われかねない状況だと思います。ぜひ審議を尽くして今国会で結論を出していただきたいと思います。現状が固定化されて一番困るのは国民であります。役所の体質も変えていかなければ、社保庁のような信じがたい問題が残ってしまうということを改めて我々は考えるべきだと思います。
 私からは以上です。

<質疑応答>

【問】 先日、滋賀県での講演の際に、万が一社保庁や公務員法の改正が通らなかった場合、衆参ダブル選もというお話をされたと思うんですけれども、今おっしゃったように、公務員改革が仮に今国会で成立をしなかったという場合は、やはり総理は衆議院を解散して国民に真意を問うた方がいいというお考えでしょうか。

【渡辺大臣】 ぜひとも今国会で成立をさせていただきたいということを改めて申し上げます。

【問】 同じく講演の際に参院選は中間テストであるという発言をなさったかと思うんですけれども、参院選の結果によって安倍政権が退陣をする必要はないというふうにお考えですか。

【渡辺大臣】 ですから、政権選択の選挙というのは衆議院選挙でございます。そのことを申し上げた、ブレインストーミングとして申し上げたということであります。


平成19年6月22日(金)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 本日の閣議において、平成19年度を初年度とする規制改革推進のための3カ年計画が閣議決定されました。
 この計画は、安倍内閣において初めて策定する規制改革の計画であります。従来から取り組んできた課題に加え、地域産業の振興など、地域活性化に関する事項や再チャレンジに資する事項も重視しております。
 本計画に盛り込まれた事項は、750事項に上ります。今後、本計画が確実に実施されるよう、しっかりフォローをいたします。さらなる改革に向け、精力的に検討を行ってまいります。
 詳細については、事務方にお問い合わせください。
 私の方からは以上です。

<質疑応答>

【問】 会期の延長が今日議決されますけれども、総理は、延長の理由として、社会保険庁の問題と並んで、国家公務員法の改正、公務員法改革を挙げていますけれども、担当する大臣としてどのように受けとめられていらっしゃいますか。

【渡辺大臣】 公務員改革について国会で十分な御審議をいただくことになるのは、私にとっても大変にありがたいことであります。
 当初は、今国会での出口はないのではないかと、そういうことがごく普通の感じだったと思います。私自信も国会日程は大変ナローパスだなという感想を持っておりました。
 しかし、国会の方で、出口を見据えながら十分審議をしていただく、そういう方向で話が進んでおりますのはこの上ない感謝であります。
 私としては、公務員制度改革の第1弾として、今国会で、是が非にでもこの法案を成立させていただきたいと思っております。

【問】 総理の強い意向で延長されたということで、これが参議院選挙に与える影響についていろいろ出ていますけれども、総理の責任というところにリン クする言葉もありますが、大臣は、その辺の参議院選挙に対する影響を含めて、総理の責任という問題にも絡んでくると思われますか。

【渡辺大臣】 これは総理がおっしゃっているように、選挙向けの話ではないんですね。まさしく安倍改革の1枚目のカードとして出したのが公務員制度改革であります。小泉内閣のときに2回ほどチャレンジしたんですが、残念ながら、うまいぐあいに行きませんでした。
 安倍改革にあっては、まさしく公務員制度全般にわたる大変すごい改革を行おうとしているわけであります。能力実績主義の導入と天下り規制というのは、もうまさしく今までの公務員の本音のルールを変えてしまう、とんでもないすごいことになっていくわけでありますから、ぜひこれを第1弾として成立を期していきたいと思っています。
 その結果についての御判断を国民の皆さんに仰ぐというのは、正しいやり方ではないんでしょうか。
 ただ、この期に及んでも、この国家公務員法改正案が成立してほしくないと思っている人は結構いるんでしょうね。ですから、そういう人たちにとっては、おもしろくない話かもしれませんけれども、我々としては、まさに今の実態的なルールを変えると、天下り天国を許さない、そういう強い決意で望んでいきたいと思っています。
 ありがとうございました。


平成19年6月19日(火)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 本日、閣議前に都市再生本部会合が開催されました。新たに都市再生プロジェクトとして、国際金融拠点機能の強化に向けた都市再生の推進が本部決定をされました。詳しくは、事務方にお問い合わせください。
 また、地域のお宝発掘自慢大会が開催されます。地域活性化に貢献をしている民間事業者や地方公共団体の取り組みを広く紹介するために行います。明日16時、午後4時から官邸において、事例の発表、パネル展示などを内容とする「地域のお宝発掘自慢大会−頑張る地域大集合」と称してイベントを行います。当日は、総理にも出席をいただく予定であります。これも詳細は、事務方、構造改革特区担当でございますが、お問い合わせをいただきたいと思います。
 私の方からは以上です。

<質疑応答>

【問】 社会保険庁の問題に絡んで、総理が余りそんなだらだらやっているような人は新しい年金機構で採用しないということを言っていますけれども、これに関して、職員の再雇用の基準であるとか、あるいは採用しない場合はあっせんとか、そういったものは大臣として何か御検討されているんでしょうか。

【渡辺大臣】 これは法案が上がりましたら早速検討させていただきたいと思います。今の職員を漫然と日本年金機構にそっくりそのまま異動させるということはいたしません。きちんと採用の基本計画をつくり、その中で基準を明確にしたいと考えております。
 いずれにしても、法案が成立しなければ、延々と今の社保庁の体制が続くということでございますので、法案成立が先であります。

【問】 朝日新聞の世論調査で、国家公務員法の改正について、天下りの弊害をなくすために有効というのは23%、有効ではないという回答は59%という結果になっていましたけれども、大臣は国家公務員法の改正は、国民の理解は得られているというふうにお考えでしょうか。

【渡辺大臣】 PRがちょっと足りないんだと思います。まだ政府案のすごさがよくわかっていただけていないんだと思います。
 政府案においては、かなり厳しい天下り規制を設けています。天下り根絶法案と言ってもいいような中身になっています。
 まず、各省が人事ではめ込んでいる今のあっせんを全面禁止しちゃうわけですね。これだけでもすごいことですよ。
 次に、「渡り」あっせん、今、2回目、3回目のあっせんをやっていますが、これについても、1回目のあっせんを禁止するわけですから、2回目、3回目は当然禁止ということになります。大体、「渡り」あっせんが、司令塔が絡んでいなくて上手にできるかといったら、通常はできないのが当たり前なんです。ですから、そういうこともできなくなります。
 一方、官民人材交流センターに対する御批判が今の質問の背景にあるんだと思いますが、これは、今の天下りあっせんとは全然違うんですね。つまり、官民人材交流センターというのは、それぞれの職員がまさに役所の予算とか権限とかそういうしがらみから離れて、本人の能力と実績が正当に評価されて再就職していくということでありますから、言ってみれば、市場価格で再就職をするということなんですね。ですから、これはもう天下りとは全然似て非なるものであります。
 当然、官民人材交流センターは、離職に際しての支援だけでありますから、2回目、3回目のあっせんなんてするわけがない。ですから、今の天下りの弊害、つまり2回も3回も天下り先に行って、退職金を手にして、リスクをとらない、そういうところで、中には税金の食いつぶしを行っているような、そういう誤解を招いている団体もあるわけでありますから、まさしく我々の準備している法案というのは、天下り根絶法だということが言えようかと思います。
 こういったPRが残念ながら浸透していないところに、先ほどの世論調査の結果が出ているのではないでしょうか。我々としては、ありとあらゆる機会を使って、政府案は天下り根絶法なんだということをPRしていきたいと思っています。

【問】 それに関連して、一方で、民主の案の方については支持も高いという結果になっていて、政府案は12%、民主案は42%というふうに、比較してどちらがよいかということになっているんですけれども、この辺、民主案の方がうまく浸透されているなという気がするんですけれども。

【渡辺大臣】 要するに、その中身について、詳しい議論の結果そういう数字になっているのではないんだろうと思うんですね。つまり、あっせんの禁止というのは同じなんですよ。民主案は、とにかく役人はずっと役人であり続けるという案でありますから、そこのところが我々と根本的に違うところだと思います。ですから、定年までとにかく役人として務めさせるんだと。ですから、休職をする必要もないんだということなんですね。ですから、当然その仕事を探したければハローワークに行けと、こういう話になるわけです。
 我々の方は、官民の垣根をできるだけ低くしようと、官民の人材交流を活発にしようという発想が根底にあります。したがって、官民癒着の防止を同時に刑罰を科しながら考えているわけでして、我々の案の方がちょっと複雑なんだろうと思うんです。ですから、単純な民主案の方が国民受けはするのかもしれませんけれども、世の中はもうちょっと複雑なところがございまして、官民の垣根が高いままで行ってしまいますと、役人は役人、民間人は民間人という発想が延々と続いちゃうんですね。そうすると、お互いにこの国が進むべき方向性とか、どっちの方面へ向かって改革を進めたらいいかというのはうまくまじり合わない、そういう事態が延々と続くんじゃないでしょうか。ですから、我々としては、官民の垣根をできるだけ低くしていくと。問題認識を共有していく、改革の方向性も共通認識として持っていくという方向性を目指しているわけであります。そういったこともPRがちょっと足りないんだろうと思っています。
 ついでながら、先週末に官製談合の問題が起きました。水門談合ですね。この調査報告が出されていますけれども、企業側の関係者の方からは、元職員を受け入れているところが受注すべきだと。つまり天下りOBを受け入れているところが受注すべきだという考えもあったという供述がなされています。
 また、水門設備工事の発注担当職員が、機械系のOBの受け入れと受注を関連づけていた可能性は否定できないと、こういう調査内容も認定されています。したがって、やはりこういう問題を根絶していくには、天下り規制をきちんとかけていくということが大事でございまして、今のやり方ですと、やはり現役とOB、受け皿とのなれ合い、癒着関係がなかなか断ち消えていないという実態が、このこと一つをとっても明らかになっているわけであります。
 ですから、我々としては、ぜひこの国会で、天下り規制、天下り根絶を盛り込んだ政府案を成立させてもらえば、まさにこういったとんでもない税金の食いつぶし、官製談合のようなものを根絶できるということを訴えていきたいと思っています。
 よろしゅうございますか。
 ありがとうございました。


平成19年6月15日(金)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 閣議案件ではございませんが、政策金融改革ワーキングチームについて御報告をいたします。お手元にメンバー表があろうかと思いますが、今国会で成立した政策金融改革関連法に沿って、政策金融の監視のために設置をするものでございます。詳しくは事務方の方に聞いていただければと思います。
 私の方からは以上です。

<質疑応答>

【問】 社会保険庁の関連の問題で、また天下りの話が出ておりますけれども、大臣、以前、あっせんの禁止を前倒しでやることも考えられているということをおっしゃいましたけれども、これは何かそういう検討をするんでしょうか。

【渡辺大臣】 今国会で、国家公務員法の改正案が成立をすれば、当然、各府省において行ってきました天下りあっせんを移行期間の間どうするかということは考えるべき話であると思います。とりわけ社保庁のように、天下り問題と組織の問題が密接に絡んだ役所においては、なおさら前倒しでどうするかを考えていただきたいと思います。一義的には柳沢大臣の方で、どういうガバナンスをきかせるか、もう既にお考えのことと思いますが、法の精神が前倒しできいてくることを私としては期待をいたしております。

【問】 しかしながら、日本年金機構になった場合には、そのまま非公務員になるわけで、いわゆる今回の法案の対象には、年金機構から天下るという場合は対象にならないと思うんですけれども、その辺は。

【渡辺大臣】 ですから、それは2年先の話ですよね。ですから、移行期間というのは今回国会で国家公務員法が成立すれば、まさしくその国家公務員が施行されて、各種の行為規制がスタートし、最終的におおむね4年半後に各省のあっせんが全面禁止をされて、人材センターに一元化されるということになりますので、その移行期間においては、まさに今までやってきた司令塔機能の見直し、つまり各省人事当局によるあっせんをどうするかというのを、それぞれの分野で考えてもらうということになるでしょうね。
 ですから、年金機構ができるのは、その2年先のことであって、それまでの間にきちんと組織のガバナンスをお考えになられて、今の社保庁からの天下り問題に年金機構としてどう対応するかというのは、当然のことながら考えてもらうということになろうかと思います。

【問】 今週の初めなんですけれども、話違うんですけれども、総理が市町村合併を進めるということをお話されたんですけれども、さらに自治体の数を減らしていくということになると思うんですが、これと道州制との兼ね合いというのが、合併を進めると道州制の意義がちょっと薄れていくのかなという気もしてしまうんですが、いかがお考えでしょうか。

【渡辺大臣】 総理の御発言については、詳しく聞いておりませんけれども、道州制というのは国と地方の役割分担の根本的な見直しであります。国のやっている仕事の中で、地方がやるべきものについては、どんどん地方に移管をしていく。究極の地方分権改革であります。ですから、当然今都道府県がやっている仕事も、行政の最小単位である市町村が担っていくという流れになるはずでありますから、今よりもさらに行政の最小単位のバージョンアップを図っていくということは、論理的には極めて正して方向性ではないでしょうか。

【問】 年金の記録漏れの問題なんですけれども、いろいろな対策が政府からも出されておりますけれども、大臣は社保庁の解体後の改革を担当されていますけれども、記録漏れという問題に関連してどのように改革を進めようと考えていますか。

【渡辺大臣】 記録漏れの話は、組織の問題とITの問題と表裏一体の話だと思いますね。したがって、これはまさしく今緊急事態対応で、今国会において議員提案の法律を用意されて、その中で対応していただく話だろうと思います。
 この組織の問題については、公務員制度の問題の極めて最悪のシンボリックなケースという位置づけも可能だと思いますので、私の方としては、公務員制度改革に取り組むと同時に、私の与えられたミッション、すなわち社保庁の業務の中で、どこからどこまでを切り分けて民間にやってもらうか、そして採用の基本計画、日本年金機構における採用の基本計画をつくっていくということになりますので、そういう中でこのITの問題も考えていくことになろうかと思います。
 この話は、自民党の若手チームがe−Japan、特命チームとしてもう何年も前からこの問題を追っかけているプロジェクトがございますので、そういったところの成果も活用していきたいと考えています。


平成19年6月12日(火)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 本日の閣議についての私の方からの報告事項はございません。

<質疑応答>

【問】 公務員制度改革ですけれども、日曜に中川幹事長が安倍総理から成立してほしいと言われたという話がありましたけれども、渡辺大臣の方には安倍総理から何か改めてサミット後にお話というのはあったんですか。

【渡辺大臣】 特にございません。もともと共通認識を持ってやっておりますので、特に変わった状況になったわけでもありませんので、とにかく今国会で成立を期すという強い決意で望んでおります。というのは、やはりこの法案を廃案にしてしまいますと、今の天下り文化がそっくりそのまま残っちゃうんですね。これはもう最悪のケースですよ。ですから、我々は各省人事当局によるあっせん、これを全面禁止をする、1回目のあっせんも禁止だったら2回目も3回目も渡りあっせんも当然禁止ですから、ですからこの法案が通るのと通らないのとでは、天と地の差が出てくるわけです。ですから、我々は何としてもこの法案を通して、今の天下り、渡り天国、これにメスを入れたい、そういう強い決意です。

【問】 大臣、テレビなどでかなり現在官僚、過去官僚の抵抗があるというふうなことをおっしゃっていますけれども。

【渡辺大臣】 法案を成立させたくないと思っている人たちは多分いるんだと思います。目に見えてそういう抵抗があると申し上げているわけではありません。恐らく、ステルスでそういううごめきはあるのだろうと推測をしています。したがって、とにかく野党の方は廃案にしたい、ステルス抵抗はやっぱりこれも廃案にしたい。ということは、そこでどこかでつながっちゃう可能性もありますよね、目的においてはですね。ですから、廃案になっちゃったら、これはもう天下り天国が永遠と続いちゃうということでありますから、これは国民のためにもならないし、日本のためにもならないし、我々は天下り天国にメスを入れる、そういう決意です。

【問】 与党内にもステルスはいるような。

【渡辺大臣】 そういうどこに何がということは申し上げません。いずれにしても、社保庁問題というのは実はこれは公務員の問題なんですね。公務員制度の問題でもあるわけですから、ですから我々は社保庁改革とワンセットでこの公務員制度改革は考えていきたいと思っています。早い話が能力実績主義というものが早い段階から導入されておれば、ああいった社保庁のずさんな体質、無計画な体質というのはあり得なかった話なんですね。今までは能力実績主義というものが導入されていなかったわけですから、ですから、ああいった体質がシンボリックに社保庁には出てきたんだろうと思います。ですから、我々はまさにこういったところからメスを入れていくということです。
 それから、歴代社保長官の天下りなども、まさにこれも今回の公務員制度改革によって、一切天下りあっせんできなくなるわけでありますから、こういった渡りあっせんも全面的にメスが入るということであります。


平成19年6月 8日(金)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 本日の閣議について、私の方からの報告事項はございません。
 どうぞ。

<質疑応答>

【問】 公務員制度改革についてですけれども、安倍総理は公務員制度改革への意気込みを小泉内閣のときの郵政民営化となぞらえているという見方もあるんですけれども、大臣自身、公務員制度改革、それほどの意気込みでやっているというお考えでしょうか。

【渡辺大臣】 公務員制度改革は、安倍改革の1枚目のカードであります。昨年12月7日だったでしょうか、私が大臣になる前の話でありますが、総理のブレーンから公務員制度改革の素案についての提案が諮問会議でございました。そのときは、閣僚からいろいろな御意見が出て、結論を出すには至らなかったわけでありますが、次の日のメディアの扱いはほとんどベタ記事でしたね。私は当時、財政諮問会議の担当の副大臣をやっておりましたので、バックベンチャーで全部議論を聞いておりました。これはすごい提案が始まったなと正直思いました。公務員制度改革は、小泉内閣の時代に2回ほど提案されたのでありますが、閣議決定にも至らなかったわけであります。安倍改革の1枚目のカードとして出されたものが世間的にはこの程度の扱いになるのかと、正直驚いた記憶がございます。
 しかし、我々は総理と本気度を共有して今日までやってまいりました。ですから、ぜひこの我々の本気度というものを御理解をいただきたいと思います。必死の思いでやっているわけでありますから、ぜひこの必死の思いを伝えていきたいと思いますし、関係者の国会の方々には、この必死の思いをぜひわかっていただきたいと思っております。

【問】 その場合、仮に不成立になった場合、衆議院を解散してもその信を問うべきだというふうにお考えでしょうか。

【渡辺大臣】 必死の思いであることをぜひ御理解をいただきたいと思います。

【問】 社会保険庁の関係なんですが、厚生労働委員会などでも天下りについて退職金がかなりの高額だったということは指摘されていますけれども、大臣、歴代の長官の処分について改めてどう考えていらっしゃいますか。

【渡辺大臣】 ですから、これは、菅総務大臣のところで原因究明と責任の所在についての追及が始まるわけであります。恐らく今日かそこらには委員の発表があるんだろうと思いますが、そこでできるだけ早目に原因、責任、体制を明らかにしてほしいと思いますね。それに基づいてどういう責任の取らせ方をするかということを考えるべきだと思います。私が言及いたしましたのは、例えばの話でございますが、退職金、社保庁長官をやめたときの退職金の自主返納、あるいは天下りあっせんを一元化前においても自粛をする、渡りあっせんも自粛をすると、そういうことは前倒しでやったらいいのではないかということについてはかつて言及したことがございます。
 いずれにしても、この問題は、菅総務大臣のもとでの検証委員会において議論をしていくことになると思います。


平成19年6月 5日(火)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 本日の閣議前、赤城新農水大臣が待合室の入り口で立って各閣僚にごあいさつをされておられました。何となく座がなごんだような雰囲気がございました。気のせいか、閣議前の待合室は笑顔の閣僚が多かったように思いました。
 私の方からは以上です。

<質疑応答>

【問】 内閣支持率が低迷する中で、国会運営が注目されていますけれども、大臣としては国家公務員法に特に注目されておりますけれども、どうお考えでしょうか。

【渡辺大臣】 支持率の問題は、確かに急落はいたしておりますが、年金問題については粘り強く、かつ適切に、なぜこういう問題が起きたのか、そして今現状はどうなっているのか、どういう対策を政府としてはとったのかを説明していく必要があるかと思います。誤解に基づくところもあったりすると思います。例えば、5,000万件、5,000万口座というのを、5,000万人と勘違いをなされておられる方もいらっしゃると聞いています。したがって、こういう誤解を解いていくこと、心配ございませんよということを説得していくことだと思います。いずれにしても、粛々と仕事を進めていくということが大事だと思います。例えば、私の担当でいきますと、公務員制度改革、行政改革、こういうことをきちんと仕事をやっていく、使命を果たすということによって、支持率というものは味方をしてくれるようになるのではないでしょうか。

【問】 社会保険庁の関係で、解体6分割した後の組織とか人員の問題を御担当されているかと思いますけれども、改めて今の社保庁の職員を採用する基準についてどのようにお考えでしょうか。

【渡辺大臣】 一人一人の職員の雇用については私の担当ではありませんが、昨日も申し上げましたように、漫然と全員機構の方に移るということではないと思っています。したがって、きちんと今の現状から過去の失敗をどう払拭し脱却していくか、まずはこれに取り組んでもらう必要がございます。そして、私の方の担当としては、どれくらい民間に任せていくのか、どういう切り分けをやるのかということを担当するわけでありますから、その点はシビアに考えていきたいと考えています。

【問】 今後の国家公務員法の改正案なんですけれども、粛々とやるということですけれども、会期延長論も取りざたされていますが、大臣としては今後の進展をどのように望まれる考えでしょうか。

【渡辺大臣】 これは先週採決を見送った段階で円満に審議を進めていくという合意がなされたと聞いております。今週に採決はしていただけるんだろうと思っておりますが、当然参議院の方でも見通しを持ってそのような合意がなされたと理解をしておりますので、あとは国会対策、議員運営委員会の方にお任せをしたいと思います。

【問】 今の関連で、会期延長については必要はないというか、必要はあるとお考えでしょうか。

【渡辺大臣】 ですから、粛々と審議を尽くすということが大事なことであって、今から会期延長ありきということではないと思います。会期延長というのは国会がお決めになることでございますので、私の方からそういったことに言及するつもりはございません。いずれにしても、今国会での成立という強い決意を我々はかねて申し上げているわけでありますから、具体的に国会運営をどうするかというのは国会対策委員会、あるいは議員運営委員会の方にお任せをしているわけであります。


平成19年6月 1日(金)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 本日の閣議とは別件でございますが、構造改革特区計画、地域再生法に基づく地域再生計画の申請受付状況について御報告申し上げます。
 5月16日から30日までの間でございますが、申請件数は、特区が22件、地域再生が53件、合計75件ございました。
 今後は、申請された計画の精査や各府省庁の同意等の手続を進めることになりますが、7月上旬には認定できるよう事務方に指示をいたしております。細かい話は事務局に聞いてください。
 以上でございます。

<質疑応答>

【問】 公務員制度改革なんですけれども、政府与党の方でとりあえず今日にも衆院は通過させて参院に送るというような件ですけれども、成立の見通しは大分立ってきたというお感じでしょうか。

【渡辺大臣】 これはもう最初から日程的にはナローパスであるということは百も承知の上ですから。ですから、総理の決断を改めて示されたわけでございます。総理の威令が行われることが大事なことであって、まさしく今回もそのパターンであるだろうと思います。もし総理が決断されなかったら、本気度を示されなかったら、恐らく別の展開になっていたのでありましょう。
 いずれにしても、不退転の決意を政府として示したということと御理解をいただきたいと思います。

【問】 ちょっと行政とは関係ないんですけれども、今日クールビズということで、かりゆしウェア着用の閣議がございました。大臣が着てどのような感想ですか。

【渡辺大臣】 いいですね、ネクタイしなくていいというのは。私のように首なし族にとっては大変ありがたいことですね。


平成19年5月29日(火)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 本日の閣議で総理から御発言がございました。昨日、亡くなられた松岡農水大臣には農林水産行政に関する高い見識を生かして活躍していただいてきたところであり、心から御冥福をお祈り申し上げるとともに、奥様を初め、御遺族の皆様に衷心からお悔やみを申し上げます。
 松岡大臣が道半ばで亡くなられたことは、誠に痛恨の極みであります。閣僚各位におかれては、今後とも結束して国政に取り組んでいくよう改めて御協力をお願いしますとの言葉がございました。
 また、本日の閣議で産業再生機構の残余財産の分配に関する政令を決定をいたしました。
 300億円台後半と見込まれる株式会社産業再生機構の利益剰余金は、基本的には全額国庫に導入されることになります。
 詳細については、産業再生機構担当室にお問い合わせをいただきたいと思います。
 私の方からは以上です。

<質疑応答>

【問】 松岡大臣が自殺されたことについて、大臣の所感をお願いします。

【渡辺大臣】 大変驚きの一言に尽きます。
 今朝の閣議の席で松岡大臣のいつも座っておられる席には白い花が飾ってありました。改めて松岡大臣の死が現実のものであるということを思い知ったところであります。
 現職閣僚というお立場であのような御決断をされた心の内は計り知れないものがございますが、大変お悩みになったのだろうと思います。
 遺書の中身についても全く存じ上げませんので、大変驚くと同時に、心からお悔やみを申し上げる次第です。

【問】 国会運営に与える影響ですとか、政権に与える影響については、どのように考えていらっしゃいますか。

【渡辺大臣】 国会運営については、よくわかりません。政権運営について、全く影響がないとはいえないと思います。
 現職大臣が自ら命を絶つという選択をされたわけでありますから、この松岡大臣のやってこられた農政、特にWTO交渉などは余人をもってかえがたいという側面があったかと思います。
 こうしたことを考えれば、早急に農政における内外の諸課題に取り組むべく後任を決める必要があろうかと思います。

【問】 いずれ疑惑が深まって、いずれ国会で質問が続いていたケースで、こうやって自殺するということを政治家としてはどのようにお考えになられますでしょうか。

【渡辺大臣】 どのような疑惑がかけられていたのか計り知れません。我々が聞いております範囲では説明はされておられたということでございますので、なぜ死を選ばれたのか、私には計り知れません。

【問】 昨日、総理との朝の会談の中で歴代の社保庁の長官の責任ということについて明確化する必要があるという総理の発言、これを受けて渡辺大臣のところでは何かこの点について何か対応されるという。

【渡辺大臣】 まずこの問題については、内閣として国民の理解が得られるようきちんとした対応をとる必要があると思います。
 そのためには、まず所管の厚生労働大臣において適切に対応されるべきであると考えます。その上で行革推進の任にある私としても必要に応じて総理官房長官、厚労大臣とも相談しつつ、協力をしてまいりたいと思います。


平成19年5月25日(金)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 このたびの構造改革特区制度の見直しに伴い、従前の特区本部評価委員会の機能を強化・拡充いたします。新たに評価調査委員会を立ち上げ、5月29日の火曜日に第1回の会合を開きます。
 委員の内定者については、お手元にお配りした資料記載の10名であります。それぞれ規制改革あるいは地域活性化の第一線で活躍しておられる方々でありま す。私としても大変心強く、頼もしく思っているところでございます。詳細については事務局にお問い合わせをいただきたいと思います。
 私の方からは以上です。

<質疑応答>

【問】 緑資源機構について、天下りが背景だと思いますけれども、大臣の受け止めを聞かせてください。

【渡辺大臣】 報道によれば、やはりこれは天下り問題、それから、独法、公益法人問題、そして、入札制度問題などが絡んで起こったものと思います。報道でしか知りませんけれども、天下りOBが独法や公益法人等に散らばっているわけですね。そこにプロパーの職員が、言ってみればよごれ役をやって稼いでいると、こういう構図ですよ。したがって、こういう問題を解決するには、まず第一に天下り規制をきちんと強化をする、天下り根絶を行うということが大事です。今回の国家公務員法改正においては、天下りの根本になっております各府省等のあっせんを全面禁止をいたしますので、人の面から大いにこういった問題についてのメスが入っていくものと思います。
 また、独法改革は、つい先日、総理から101法人すべてのゼロベースからの見直しという観点で指示をいただいておりますので、この点についても聖域なき見直しを行ってまいります。廃止、民営化も含めた見直しを行います。
 また、入札制度改革については、もう既に進んでおりますとおり、随契から一般競争入札へ、そういった取り組みはさらに進める必要があろうかと思います。そういった総合的な観点から、こうした悪しき官製談合が撲滅をされていくものと考えます。

【問】 大臣、特区の評価委員会についての座長というか、委員長というか、それはどうなりそうなんでしょうか。

【渡辺大臣】 これは、お手元のメンバー表の中で互選をしていただくことになっています。したがって、この中のどなたかにやってもらうということですね。
 ありがとうございました。


平成19年5月22日(火)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 閣議について私の方からの報告事項はございません。

<質疑応答>

【問】 会期末まであと1カ月となりましたけれども、国家公務員法の方ですが、大臣はどういう見通しを持たれていますか。

【渡辺大臣】 ここまで来た以上は、ぜひとも今国会で成立していただきたいと強く願うばかりであります。国会のスケジュールが大変タイトにはなっていると思います。しかし、野党、民主党も対案を出してきているわけでありますから、これを審議しないということはあり得ないわけであって、駆け引きとして、例えば官房長官の取り合いで審議が進まないなどということのないように、ぜひとも政府案、民主党案、それぞれの審議を十分に尽くしていただきたいと思うんです。夜なべでも何でも、こちらは応ずる用意がありますので、ぜひ今月中に衆議院を通過するような審議をお願いをしたいと思っています。

【問】 会期のお話なんですけれども、衆議院を通過した場合は、参議院でもし成立しなければ廃案になるという根拠があるか、そういう考えなんですけれども、その辺のあたりは考慮に入れるんでしょうか。

【渡辺大臣】 ですから、出した以上は廃案にすることなく成立を期してまいりたいということであります。

【問】 政府内の一部で地方版の産業再生機構の構想があるんですけれども、大臣のお考えは。

【渡辺大臣】 これはたしか4月20日の経済財政諮問会議で地域活性化の議論をした際に、企業とか自治体、それから金融機関を一緒にした、人、もの、金の包括的、集中的枠組をつくっていこうと、そういう提案を民間議員から改めてやっていただきたいというような話があったかと思います。大田大臣の方からですね。ですから、これを受けて、民間議員サイドの方で具体的な案を検討しておられるということではないでしょうか。
 私も以前から地域産業再生機構のようなものをつくるべきだと政府に入る前から提案してきた人間でございますから、このような枠組みをつくることについては大いに賛成でございますので、次回の諮問会議で議論をさせていただきたいと思っています。

【問】 次回の諮問会議とおっしゃいますが、そうすると25日……

【渡辺大臣】 日程は言わないことになっておりますので、すみません。

【問】 産業再生機構地方版のができたときには大臣の所管になってくるんでしょうか。

【渡辺大臣】 これはわかりません。地域活性化に非常に役に立つことは間違いのないことですね。要するに、日本経済全体としての需給ギャップは解消したということになっておりますが、地域経済を見てみますと、やはり需給ギャップが依然として残っている地域がたくさんあるんですね。ということは、需用と供給のミスマッチが相変わらず続いている。デフレの状況から脱却できていないということかありますから、この需給のミスマッチを解消する、その大きな要因が借り手サイドの過剰債務問題なんです。ですから、これは必ずしも貸し手、金融機関サイドの不良債権と100%一緒ではありませんけれども、やはりこういった構造的な過剰債務体質がありますと、前向きの投資ができない、設備が老朽化する、生産性が下がる、売り上げに響くと、こういう悪循環を通してデフレから脱却できなくなってしまうんです。デフレが延々と続きますと、精神のデフレという最もまずい状況に陥ってしまいます。そうなりますと、地域経済全体が沈んでいってしまうわけでありますから、そういったところの根本問題に構造改革のメスを入れるという意味において、こうした地域産業再生機構のようなものは必要かと思います。

【問】 それに関連してなんですけれども、経産省の方で中小企業支援協議会の方の枠組みに付随する、若干異論があるように聞くんですけれども、そこら辺についてはどのようなお考えでしょうか。

【渡辺大臣】 今国会で中小企業支援協議会がさらにバージョンアップされた体制になるということは大変結構なことだと思うんですね。従来、中小企業支援協議会が十分な債権放棄を伴った再生ができてきたかというと、残念ながらそうではないと思います。ですから、新しい体制のもとで的確な事業再生ができるように体制を整えられたわけでありますから、従来極めて不十分であった債権放棄を伴った事業再生にぜひ取り組んでいただきたいと思っております。
 要は、個別の事業再生にあるのではなくて、面的な再生なんですね。例えば、観光産業のように、地域で人を呼び込むという典型的なものを考えればよくわかるんですが、個別の事業再生だけでは地域再生につながらないということが多いんですね。ですから、面的な再生という枠組みをどうやってつくっていくかということを考えなければいけないと思っております。
 私の担当は、まさに地域再生という非常に面的再生を扱いやすい担当を持っておりますので、そういう観点からも議論を深めていきたいと思っています。


平成19年5月18日(金)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 私の方からの報告事項はございません。

<質疑応答>

【問】 航空市場の自由化などを盛り込んだアジア・ゲートウェイ構想がまとまりました。それについての評価はいかがでしょうか。

【渡辺大臣】 根本補佐官のところで、新基軸も入れていい案をまとめていただいたと思っております。
 規制改革会議を預かる立場からは、提言をアジア・ゲートウェイの方に対して申し上げておりますので、その提言に基づいて今後さらなるアピールをしていきたいと思っております。

【問】 航空の自由化の部分では、羽田、成田の自由化は検討するということにとどめるなど、やや踏み込めなかった部分もあるかとも思うんですけれども、その辺の評価はいかがですか。

【渡辺大臣】 ですから、規制改革会議の立場からは、アジア・ゲートウェイの提言の後押しをさらにやっていきたいと思っています。

【問】 少し話は変わるんですが、成田空港の人事の話なんですが、社長人事の関係で、元次官を再任することについて官邸が拒否しているという報道がありますけれども、それについて大臣のお考えはいかかですか。

【渡辺大臣】 この個別の詳しい話は私全然わかっておりませんので、この件についてのコメントは差し控えますが、一般的に規制改革の必要な分野で、さらにそれを加速していかなければいけないというときに、規制の所管する省庁の御出身の方が、その重要ポストにどかんと座っちゃうと、それで規制改革が全然進まないというのはとんでもない話ですね、一般論としては。

【問】 それに関連して何らかのルールというか、そういうものを考えるというお考えはありますか。

【渡辺大臣】 ですから、これは国家公務員法の改正審議が今日から本格的に始まりますけれども、例えば、人事当局がOB、元次官のあっせんをやっておったということになれば、これアウトですよ、新法では。
 ですから、今回、成田の話は私全然知りませんけれども、新法において現人事当局が元次官をあるポストにはめ込もうといって動いたら、これはもう懲戒処分になります。
 ですから、ぜひ新法を通していただければ、こういったたぐいの押しつけ的な天下りはなくなるということでございます。


平成19年5月15日(火)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 私の方からの報告はありません。

<質疑応答>

【問】 きょう、国家公務員法の改正案の審議をしますけれども、大臣の今の感想と今後の国会に入る意気込みをお願いします。

【渡辺大臣】 きのうも総理が党幹部の皆様に強い決意を述べられたと聞いておりますが、私としてもここまで来た以上は、ぜひとも今国会で成立を期したいと考えております。
 タイトなスケジュールであることは十分承知をしております。しかし、やはり長年にわたって議論をし続けてきた問題でありますし、いつまでも出口なしの議論を延々と続けるというわけにはまいりません。来年の通常国会には全体パッケージのプログラム法案も出すことになっているわけでありますから、ぜひ今国会においては先行する2つの課題、能力実績主義の導入、そして天下り規制、この2つを主要課題とした改正案をぜひまとめていきたいと考えております。

【問】 民主党がかなり政府の案を全面的に、人材バンクを置かないというような厳しい案を制定して、その政府案は天下りバンクだということをおっしゃっていますけれども、民主党との論戦はどのようにお考えですか。

【渡辺大臣】 結局、我々の理解では、天下りというのは、各府省庁がそれぞれのセクションにおいて人事の延長線として行うのが天下りなんですね。今回は人事から再就職支援へという大転換を目指しているわけですから、これは天下りとは根本的に違うことになるわけです。官民人材交流センターというのはまさに中立的な機関であって、人事としてはめ込むというやり方では全くありません。したがって、それぞれの能力と実績が正当に評価されて民間に再就職をするということでありますから、政府案は天下り根絶案であるということが言えます。
 一方、民主党のように、再就職はやらない方がいいんだという発想で公務員制度を考えていきますと、結局、大きな政府を残すだけなんですね。私たちが目指しているのは簡素で効率的な政府です。民主党のように、とにかく勧奨退職もさせない、定年まで勤めるんだということになれば、何が起きるかといったら、今、例えば1,500万円ぐらいの方が、仮に年間2,000人やめるとしますね。こういう人たちがやめなくなってしまうということは、1,500万円掛ける2,000人で300億円です。人件費がふえ続けていくということになるわけです。300億円というと、新人1万人ですよ。大体、今、新人1万人採用しますから。総人件費を抑制し、公務員の定員を5年間で5.7%純減させようという目標は決まっているわけでありますから、そういうことについては、民主党案は非常に後ろ向きの案であると言わざるを得ません。やはり大きな政府をつくるという立場からは民主党案でいいのかもしれませんが、根本的な哲学の違いがあるような気がいたします。

【問】 非営利法人ドナー制度、この間、経済財政諮問会議で提案された。その自民党の中川幹事長がNPO法人に対する給付税制ということをおっしゃっていましたが、これは今後、政府等に検討俎上にしていくということになるのかどうか、そこら辺を。

【渡辺大臣】 これは昔からある議論なんですね。日本では非営利法人という体系が非常にばらばらだったと思います。例えば公益法人が各省庁の主務大臣の許可によって公益とは何ぞやということは決まっていたんです。そういうのは我々のもとでは主務大臣の権限を全部剥奪をしてしまうと。公益認定委員会が公 益の認定を行うというぐあいに直してきております。
 一方、NPOもまさに非営利法人なんですけれども、これなどは発展途上の段階にあるわけです。ですから、将来、非営利法人という形でひとくくりにできる体系があり得るんだと思いますが、今の過渡期の段階において、非営利法人全体を一遍に全額控除制を導入するというのは難しいかと思いますが、やはり税額控除というのは、自分の税金の使い道を自分で指定するという非常に画期的な意味のあることでありますから、歳出の削減と合わせ技で行っていく必要があるかと思います。
 つまり、独立行政法人に一般会計、特別会計から3兆5,000億円のお金が流れています。例えば、これはブレーンストーミングでありますが、1割カットしたとします。それだけでも3,500億円カットできます。5年で5割とするならば5年で半減ですね。では、そういった委託費とか補助金とか交付金とか、そういうものを削減したらやっていけなくなってしまうではないかと。そこで民間からの税額控除方式による寄附、これを私はこの間の諮問会議で独立行政法人ドナー制、非営利法人ドナー制、公益ドナー制、範囲はどこからどこまでとは申し上げませんでしたけれども、そういう呼び方で提案をしたわけであります。したがって、こうした民間からの寄附によってある程度賄う。全部ではないにしても、ある程度賄うということは、まさに民間のセンスを取り入れた独立行政法人本来のあり方を模索する上では非常にいいシステムではないかという意味で提案をしたわけでございます。

【問】 ドナー制を用いながら独法改革を進めていくということになってくるんでしょうか。

【渡辺大臣】 当然そういうことですね。ですから、ことし中に101独法の全面見直しの計画をつくってほしいという指示をいただいておりますので、これは大変重い課題です。ですから、どういうやり方でやったらいいかと思いめぐらせておるんですけれども、指示された以上はやらなければいけませんので、菅総務大臣と連携しながらやっていきたいと考えています。

【問】 ドナー制を用いることで独法の本来のあり方というのが見えてくるということですけれども……

【渡辺大臣】 それも1つのアイデアだと申し上げているんです。これですべてが解決するというわけでは、もちろんありません。

【問】 独立行政法人の見直し自体は、何か有識者の機関をつくるとか、そういう検討の場はお考えですか。

【渡辺大臣】 検討の場はもう既にございます。行政減量・効率化会議というのがあって、これは本来、独立行政法人の見直しがメーンのテーマであります。ただ、101独法全部見直しをせよという御指示ですから、この減量化会議をさらにバージョンアップする必要があろうかと思います。一方、規制改革会議でも独法の問題は取り上げていますので、今、どういう形でこの見直しの作業にとりかかるかは検討中であります。

【問】 いつごろその見直しに着手して、年内と言われていますけれども、いつごろまでに終わらせたいとお考えですか。

【渡辺大臣】 まず、今国会で政府系金融機関の日本政策金融公庫法案を、今、審議いただいています。この法案が成立次第、減量化会議のメンバーの皆様方にお集まりをいただきたいと思っています。ここで今後の進め方についても議論をいただきたいと思います。ただ、新たな任務が加わったわけですから、減量化会議も相当集中的に議論はやっていただいてきておりますが、さらなるバージョンアップの体制が必要だと思います。


平成19年5月11日(金)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 私の方からの報告はありません。

<質疑応答>

【問】 公務員制度改革の関連法案ですけれども、昨日の総理との会食で今国会成立を目指すということでおっしゃっていますが、片山幹事長とかは国会には順番があるといような話もあったようなんですけれども、今の社保庁改革法案等いろいろと重要法案が可決されている中で、公務員制度改革法案の優先度といいますか、その辺についてはどのようにお考えでしょうか。

【渡辺大臣】 私の立場からは最優先であります。片山幹事長のお立場からは参議院の取りまとめをされる立場ですから、また別のお考えがあるのかもしれません。いずれにしても、昨日の会合は公務員制度改革を行った中枢メンバーの会合でして、その中でぜひ今国会での成立を期そうという意思を確認し合ったものでございます。

【問】 大臣の目から見て、審議時間は十分あるというふうにお考えでしょうか。

【渡辺大臣】 それはナローパスであることはわかっておりますが、これはいろいろな努力があり得るわけですから、国会の審議というのは。ですから、具体的方策についてまでは私は言及はいたしませんけれども、私の方はいつでもどこでも審議には最大限の協力をしてまいる覚悟です。

【問】 話は変わりますけれども、ふるさと納税制度なんですけれども、政府の方でも骨太に盛り込む方向ということになりましたけれども、日商会頭等から例の受益者負担という原則から言って、なかなか難しいんじゃないかと。あるいは制度的にも難しいんじゃないかという意見も出ておりますが、その辺についてはどのようにお考えでしょうか。

【渡辺大臣】 住民税の一定割合ということですから、受益者負担という原則を盾に取れば、そういう反論も成り立ち得るのかもしれません。しかし、住民といってもデュアルライフを実行している人たちはどうなんだと。政治家なんか典型ですよね。地元があって、仕事は東京に来ているというわけですから。これから二重居住をする方はもっと増えるんだろうと思います。ビジネスマンでも東京と大阪と行ったり来たりしている人はいらっしゃいますよね。あるいは、地方から東京に来て、それでまた週末地方に帰るなんて、政治家と同じ生活をしている方もいらっしゃるわけです。ですから、そういうことを考えれば、受益者負担の原則を盾にとってこれに反対するというのはちょっと今の時代に合わないんじゃないでしょうか。ですから、今の時代に合わせたいろいろな創意工夫があってしかるべきであって、余り要件をがちがちにする必要も私はないのかなという気がいたします。例えば、自分の生まれ故郷というのはふるさと納税ということなんだろうと思いますが、それ以外にも例えばとても環境配慮の政策を一生懸命やっている自治体を応援したいなんていう場合も、そういうドナー制度の対象にしていいんじゃないでしょうか。地域活性化、とても真剣に取り組んでいるなんていうのは、私の立場からはぜひ応援してやってほしいですよね。ですから、そういうイメージで、それぞれの地域のやる気を起こさせて創意工夫を促進する、そういう税制としては非常にいい税制だと思います。
 私の方は、これは所得控除であってはいけないと思うんですね。やはり税額控除でないと意味はないと思います。つまり、住民税の一定割合を自分の指定した自治体に寄附できるというのは、一種の寄附税ですよね。ですから、所得控除というのでは余りにもインパクトが薄いし、これは税金をそっくりそのまま分けるということですから、税額控除が大原則であると思います。
 ついでながら、私が財政経済諮問会議でこの前提案をしたのは、非営利法人ドナー制度、公益ドナー制度といってもいいんですけれども、自治体のみならず、例えば独立行政法人とか公益法人とかたくさんあります。特に、独法改革が私のところに総理から指示が来たわけでございますが、ここに公益ドナー制度を導入しますと、今委託費とか補助金で、言ってみれば各府省庁の子会社化している独法が、まさに自立的な人とお金の運営ができるようになっていくと思います。人の方は、御案内のように天下り規制をかけますので、お金の方の手当てはまだできていないわけでありますから、ぜひ非営利法人ドナー制度というのも検討の俎上に乗せていただくと大変うれしいですね。

【問】 ちょっと確認なんですけれども、寄附税制で税額控除というのが大体今回のふるさと納税のイメージだということでよろしいですか。

【渡辺大臣】 そうですね、はい。

【問】 今後の検討の仕組みについては。

【渡辺大臣】 これはまた後で。


平成19年5月 8日(火)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 閣議案件の報告はございませんが、私の方から1点申し上げます。
 6月1日から29日までの間、政府として規制改革の要望、特区における規制の特例措置の提案、それから地域再生に関する支援措置の提案、市場化テストの要望、この4項目について、政府として集中受付月間としております。企業や地方自治体だけでなくて、個人の方が提案、要望することも可能なのでございます。この点余り知られていないものですから、ぜひ今年は個人の方にも要望、提案をしていただきたいと考えております。
 例えば、古い民家とか町屋とかそういうちょっとレトロっぽい建物があって、そういうものを宿泊施設に使いたいといっても、今は規制があってできないわけですね。こういうところが何とかならないかとか、それから、今余ってしまっている公民館とかそういった公共施設を町おこしのために転用できないか、学校の廃校舎なんかもそうですね。そういう話とか、それから、自治体ごとに申請書の様式が異なるのでありますけれども、そういうのが大変だとか、これは例え話でありますけれども。地域活性化に役立つような身近な提案を、個人の方まで含めて、どしどし応募、要望していただきたいというお願いでございます。
 集中受付月間は6月1日から29日ですが、5月中旬から6月中旬にかけて全国26カ所であじさいキャラバンという説明会、相談会も実施をいたします。詳しくは、事務方にお問い合わせをいただきたいと思います。規制改革推進室と構造改革特区推進室でございます。
 以上です。

<質疑応答>

【問】 今、個人からの要望をどしどしというのは、ある意味で、逆に言うと、企業とか自治体からのそういった提案とかというのは、かなりもう枯渇といいますか、もう出尽くしているという感じですか。

【渡辺大臣】 いやいや、そういうことではないと思いますが、個人の提案ができるんだけれども、非常に少ないんですね。ですから、個人でもできますよと。
 御案内のように、地域活性化応援隊が何カ所かもう行っております。そういたしますと、NPOとか商工会とかそういった非営利団体の方の参加はふえてきているんですね。また、構造改革特区と違って、規制改革要望というのは、これ個人でもできるわけでございまして、そういったことは余り知られていないものですから、この際、個人のこんなことをやったら地域ががらっと変わるんじゃないかというアイデアを持っている人たちが、実はかなり埋もれていやしないかということなんですね。
 私の使命の一つに、埋もれたニーズの掘り起こしというのがございますので、この月間を機に、ぜひそういった埋もれたアイデアを募集したいということでございます。

【問】 あと、話変わりますけれども、昨日、総理が政治とお金の問題で、政治資金規制法の改正で領収書の添付を義務づけるということを指示しましたけれども、それに対しての受けとめはいかがですか。

【渡辺大臣】 正確かどうか確かめていただきたいんですが、5万円以上の領収書添付というのは、たしか事務所以外はそうなっていたと思うんですね。ですから、それにほかの勘定科目にあわせるということですから、これは至極当然のことではないでしょうか。
 ですから、事務所費だけがほかの勘定科目と別扱いになっていたというところに今回の問題点の起こる素地があったわけですから、イコールフッティングにするということは非常に合理性があるかと思います。
  前にも申し上げましたように、政治資金の扱い、会計が非常に昔ながらのダンボール会計になっているような気がするんですね。私のところでは、御参考までの話ですが、政治資金の会計ソフトを使っております。これは渡辺事務所が開発したソフトというわけではないのでありますけれども、このソフトを使いますと、非常に楽に政治資金の会計処理が可能になります。本当に、一発、たちどころに法定帳簿なんかも出てくるんですね。収支決算報告なんかも非常に簡単に出ます。同じソフトを使えば、そのほかの政治団体との連結の決算も可能になるんですね。ですから、こういうIT技術がもう既にあるわけですから、もうちょっと政治家もそういったことを考えていくべきじゃないかと思うんですね。そういうものを使えば、事務が煩雑になるとかという問題は一気に解決できるわけですから。

【問】 昨日、規制改革会議で航空政策について提言しましたけれども、大臣のお考えはいかがですか。

【渡辺大臣】 これは、アジア・ゲートウェイ戦略会議が今月中旬に最終提言をまとめられるわけです。ぜひこの提言の中に規制改革会議としての提案も反映してくださいということで出したものであります。ダッシュ7と称しまして、規制改革会議でもこの問題を7項目の中の一つに入れて議論をしてきております。せっかくゲートウェイという安倍内閣の目玉政策の提言が行われるわけでありますから、その提言の後押しをしたいと、サポーターとして提言をしたわけでございます。

【問】 市場化テストの運用方法について、若干民間の参入がおくれているのではないかというような指摘もあるようなんですが、市場化テストの運用方法について何かございますか。

【渡辺大臣】 市場化テストは、実は、太田大臣の方でおやりになっているんですけれども、私の方にも全く無関係ということではございませんので若干申し上げますと、例えばハローワークの市場化テストをやろうということで、この前、諮問会議でたしか議論をいただいたと聞いております。私は出席しておりませんでしたので、詳細は承知いたしておりませんが、これも太田大臣に聞きましたら、法改正が必要なんだそうですね。したがって、今国会は無理で、次の国会に法案を出して、法改正をした上でハローワークを市場化テストにかけると、ハローワークの業務の中の一部分だとは思いますけれども。
 ですから、そういう煩雑な手続が必要だというあたりは、今の法例上、非常に厄介なところなのかもしれません。ぜひこういうことは簡素で効率的な政府をつくるという大前提のもとで、もっとまさに効率的に行われていく必要があるのではないかという問題認識は持っております。
 具体的にどうしたらいいのかというのは、太田大臣の方と、また官房長官らとも検討していきたいと考えております。

【問】 また、全然別件なんですけれども、安倍総理が靖国神社に真榊を奉納していたことが判明したんですが、大臣の受けとめをお願いしたいんですが。

【渡辺大臣】 すみません、ちょっとその話は今朝の新聞でちらっと見出しだけしか読んでおりませんので、何ともコメントのしようがございません。
 いずれにしても、靖国神社に参拝するとかしないとか、そういう問題は個人の信条にかかわる問題、個人の宗教観にかかわる問題でもございますから、これについては総理の最初からの方針として、一切言わないということは私は正しいと思います。
 つまり、行くとか行かないとか、これは総理大臣として行うものではなくて、小泉総理の時代から個人の信条として行ってきたというわけです。ですから、行く行かないというのは、まさにそういう個人のレベルの問題と考えるのであれば、大々的にマスコミの皆さんに公開して行うものでは全くないだろうというのは正しいと思います。

【問】 別件なんですけれども、菅総務大臣が連休中にふるさと税の創設について検討会議を立ち上げるというお話をされたんですけれども、この手法も含めて地域活性化に役立つとお考えでしょうか。

【渡辺大臣】 地域活性化担当大臣としては非常にいい話だと思っております。私も連休前でございますが、似たような構想について事務方に指示をしたところでございまして、こちらは要望する側ですけれども、地域活性化税制、それをふるさと税制と呼ぶのか、ホームタウン・ドナー税制と呼ぶのか、いろいろな呼び方と制度設計はあるかと思いますけれども、自分の指定した地域に、そういった例えば住民税の一部が行くというのは地域間競争にもなって非常にいいのではないでしょうか。
 ですから、例えば地域活性化にとにかく熱心に取り組んでいるという自治体がある、あるいは活性化の一つとして、例えば9割以上が森林だなんていうところがありますね。そういうところは酸素供給料をもらっているわけではありませんので、とにかくCO2の吸収を今まで以上に進める。知床の何とか町と、名前を忘れましたけれども、要するにあそこは電気自動車しか入れないようになっているんですね。ですから、そういういろいろな取り組みがそれぞれの地域で可能なわけでありますから、そういうやる気のある自治体を応援するという意味でも、このふるさと税制というか地域活性化税制は大いにやっていくべきだと考えております。

【問】 地域活性化税制というのを事務方に指示したということですか。

【渡辺大臣】 指示しています。

【問】 指示して、今、構想を取りまとめているところだということですか。

【渡辺大臣】 ですから、今回総務省の方とも相談をしていくことになると思います。


平成19年4月27日(金)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 本日の閣議において、構造改革特別区域基本方針と地域再生基本方針の変更について、閣議決定をいたしました。
 構造改革特区基本方針については、特区本部に評価調査委員会を設置し、提案実現の過程に関与してもらうこと。全国展開の時期の弾力化など、特区法の改正を受けたものであります。
 地域再生基本方針については、2月28日に地域再生本部で決定した地域再生総合プログラムの内容を反映させるものであります。
 いずれも、地域の知恵を生かした自主的、自立的な取り組みを国が支援するためのものであり、今後も特区、地域再生の推進に積極的に取り組んでまいります。
 詳細については、事務局にお聞きをいただきたいと思います。
 私の方からは以上です。

<質疑応答>

【問】 今の特区基本方針の変更について、閣議・閣僚懇で何か御発言ありましたでしょうか。

【渡辺大臣】 特にございませんでした。


平成19年4月24日(火)

<質疑応答>

【問】 今回の閣議決定、いかがでしょう。

【渡辺大臣】 総理の威令が行われて、ここまでやってくることができて感無量でございます。
 ただ、これは閣議決定が終わったというだけですから、これから国会の論戦が始まりますので、ぜひ提出した以上は今国会で成立を期したいと思っております。

【問】 今回、これから国会審議始まるわけですけれども、野党から天下りバンクではないかと批判があると同時に、国民からも本当にこれから天下りの根絶になるかという批判があるが、これについてはどのようにお考えですか。

【渡辺大臣】 これは天下り根絶バンクといいたいですね。今まで各省が、予算と権限を背景に天下りあっせんをやってきました。恐らく、受け入れる方からしてみるとお土産を期待したり、あるいは有無を言わせぬ威圧感を感じたり、そういうことがあったのかもしれません。
 しかし、これからはそういったことは各省の人事の延長線としてのあっせんを全面的に禁止するわけでありますから、これはやり方ががらりと変わります。当然のことですけれども、受け入れる方からすれば断りやすくなるわけでありますし、またあっせんする方も、押し付けなどということは全くできなくなるわけでありますから、国民の目から見ても押し付けということはなくなるわけでありますから、これは天下り根絶センターができるということでご理解をいただきたいと思います。

【問】 国民の理解は得られると思いますか。

【渡辺大臣】 これは、非常に天下りに対して国民の不信感、とても根強いですね。ですから、ハローワークに行った方がいいという意見もたくさんあることはわかっています。しかし、考えてみますと、公務員の数を減らすという大課題を我々は抱えています。総人件費も抑制をするということも抱えているんですね。そういたしますと、とにかく全員定年まで働けるというのは理想かもしれませんけれども、やはり今の年功序列、秩序がそう1、2年で簡単にはなくならないということを考えると、やはりこの官民交流人材センターを使って民間に行っていただく方がある程度いませんとですね、総人件費抑制、あるいは定員削減、こういうリストラができないんですね。ですからこれは、言ってみれば小さくて効率的な政府を目指すリストラセンターという意味合いもあるということを、ぜひわかっていただきたいと思います。

【問】 話し変わりますけれども、東証の関連団体の理事長に関連のOBが着任するということが発表されましたけれども、渡りではないかという話しがあるが。

【問】 林正和財務次官ですね。一回どこかの理事長になってまた渡ったと。

【渡辺大臣】 事務次官をやっていた方ですか。東証の何になったんですか。

【問】 関連ですかね。自主規制機関。

【渡辺大臣】 東証はご案内のように、ニューヨークやロンドンに負けないような市場をつくろうということを、山本大臣が今一生懸命やっておられるんですね。その上場を考えています。したがってその上場をする場合に、東証というのはまるっきり普通の株式会社と同じかというと、これはやはり市場という公的な背景があるわけでありますから、当然自主規制機関というのが必要になるわけですね。ですからこれをどういう設計で仕組むかというのは、東証が考えてきたわけであります。その自主規制機関のトップになったんですか。
 ですから、今回は、国家公務員法改正が本格スタートをしたと仮定しますね。そのときに出身官庁からあっせんがあったという場合には、出身官庁のあっせんした人が懲戒処分という制裁を受けることになります。今回そういうものがあったかどうかはちょっとわかりませんけれども。

【問】 基本的に渡りはこれでなくなったと。

【渡辺大臣】 ええ、もうだって、国家公務員法改正では、1回目のあっせんも禁止するわけです。2回目、3回目のあっせんをしようがないじゃないですか。各省のあっせんを全面に禁止したんですからね。ですから、今回そういうあっせんがあったかどうか知りません。

【問】 大臣やはり国民からみる省庁の押し付けのようにみえなくもないと。しかもこういう改革案が決まる日に駆け込みのように発表することについてはいかがですか。

【渡辺大臣】 この日をねらったのかどうかちょっと聞いてみないとわかりませんけれども、いずれにしても東証は民間でありますから、民間が公的な市場のインフラを担うということで、自主規制機関をつくるわけであって、当然自主規制機関のトップや理事の皆さんというのは、そういった市場の問題をきちんと把握しておられるということが前提なんですね。

【問】 確認ですが、法案は明日中に提出されるということでよろしいですか。

【渡辺大臣】 それは明日提出と聞いていますけれども、正確には官房長官に聞いてください。


平成19年4月24日(火)

<冒頭発言>

 特に、私の方からの報告はございません。

<質疑応答>

【問】 閣議・閣僚懇で公務員制度改革については、何か言及ございましたでしょうか。

【渡辺大臣】 ございません。官房長官に聞いてください。

【問】 今晩ですけれども、臨時閣議で国家公務員法改正案が閣議決定の運びですけれども、大臣としての受けとめをお願いします。

【渡辺大臣】 2カ月前までは、ここまで来ると思っていなかった人が大部分だったのではないでしょうか。総理の威令が行われて、よくここまで来られたと思います。
 今日、閣議決定ができれば、明日国会に法案を提出いたします。提出した以上は、ぜひ成立をさせていただきたいと思っています。

【問】 法案提出で大きなステップを踏んだということですけれども、公務員制度改革の実現に向けて、一番今後の課題といいますと、どんなことが。

【渡辺大臣】 今回は、能力・実績主義と天下り規制の2点であります。これが実現をいたしますと、年功序列とか各省縄張り主義とかという法律に書いていない壁が崩れていきますので、公務員制度改革全体にいろいろな面で波及をしていくと思います。また、行政改革にも当然つながっていくことだと思います。 残された公務員制度改革の主要論点については、総理のもとに、有識者懇談会を立ち上げ、定年延長その他の問題について、骨太方針にも盛り込めるようにしたいと思いますし、また政府・与党合意に従って、来年の通常国会にプログラム案として出していきたいと思っています。

【問】 大臣、先ほど全体像について議論する総理の下の有識者懇談会について今申されましたが、あと人材バンクの中身について議論をする有識者会議も別途つくられますが、それについては、どのようにしていきたいということを改めてお願いします。

【渡辺大臣】 これは前者の方は総理のもとに置かれる、人材交流センター関係の方は官房長官のもとに置かれるということで、官房長官に聞いていただければと思います。

【問】 今回、人材バンクというか、官民人材交流センターができて、省庁の天下りは一応禁止されることになるんですが、世論調査の結果などでは、国民はこれでもまだ天下り問題の解決にならないのではないかと見ている向きが多いんですが、そのあたりはどう考えましたか。

【渡辺大臣】 やはり天下りに対する国民の不信感が相当根強いということがよくわかります。各省の人事の紐付きあっせんを全面禁止するだけでも大変な大転換になるわけなんです。でも、そういうことは、まだ天下り不信感が根強いがゆえに、その大転換が実感としてわかっていただけないというところではないでしょうか。粘り強く、この改革が大変な効果をもたらすんだというPRをやっていきたいと思っています。


平成19年4月20日(金)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 本日の閣議について私の方からの報告事項はございません。

<質疑応答>

【問】 公務員制度改革の国家公務員法の改正案について、24日に今国会の成立ということで、きのう官房長官、国対委員長、合意したということなんですけれども、今後、政府与党合意にもあります2つの有識者会議ですが、その立ち上げめどや、どのようなスケジュール感を持って当たっていくか、その辺について。

【渡辺大臣】 まず、国会に提出することがまだできていませんので、この手続をしっかり進めていくということでございます。提出した以上は、ぜひとも成立させたいという強い思いでおります。有識者会議につきましては、国会の御審議も踏まえた上での議論になりますので、今、ここでいつ立ち上げるということは、まだ申し上げられません。いずれにしても、政府与党合意、それから国家公務員法改正案に基づいて粛々と手続は進めてまいります。

【問】 総理からは6月の骨太の方針に全体関係について盛り込んでほしいと。

【渡辺大臣】 そうですね。

【問】 これについては、有識者会議とはまた別にということになるんでしょうか。

【渡辺大臣】 ですから、骨太方針は、これは6月ですから、大体中身は5月ぐらいに詰めていかなければいけないわけですね。ですから、そう時間をかけて骨太に載せられる余裕がございませんので、骨太に載せるものについては、早急に検討を開始をいたします。

【問】 きのう、専門調査会の佐々木座長とお会いになったとの報道もありますが、どのようなお話なんでしょうか。

【渡辺大臣】 私の方からは申し上げることはございません。

【問】 先ほどおっしゃいました骨太に向けて検討を始められるものは始めていくということなんですが、これはどういう場で検討するということになるんでしょうか。骨太に載せられるものについては検討を始めるということなんですけれども、何かその有識者会議で議論するのか、もしくは別途大臣の方で事務局で協議していくのか。その議論する場所というのはどちらの方でやっていかれるんでしょうか。

【渡辺大臣】 これはもう既に方向性が与野党合意で出されておりますので、論点についてはもう既に出されております。有識者会議を早目に立ち上げることができれば、そこでの議論になるでしょうし、これが遅れれば骨太に間に合わせるように、有識者会議以外のところで議論することになるでしょうし、いずれにしても、骨太方針に載せるという総理の指示がありますので、これに間に合わせるように議論はやってまいります。
 また、労働基本権の専門調査会については、これは4月中の中間取りまとめをお願いをしておりますが、これで終わりということでは全くなくて、骨太にも当然、基本権の話は入ってくるわけでありますから、この問題は引き続き4月の中間取りまとめを受けた上で、5月にも議論をしていただきますし、骨太にも何らかの方向性は示していきたいと考えております。
 ですから、秋に先送りということはないということです。専門調査会の結論が4月の次は秋だと、こういう誤った誤解があるようでございますが、それはあり得ないと。5月にもきちんと議論をし、骨太にも載せると、そういうことでございます。

【問】 そういう意味では、専門調査会に今月中に要請されている中間報告以外に、また骨太に向けて何らかのペーパーをまとめてもらいたいというお考えなんでしょうか。

【渡辺大臣】 ペーパーをまとめるというか、議論はやっているわけですから、議論の中身を詰めていっていただきたいと思います。ですから、骨太は政府がつくるペーパーなので、政府としての考えを載せてまいります。その前提として、専門調査会に御議論をいただいていますから、その議論を踏まえて政府の方向性を出していきたいと考えています。

【問】 大臣は常々基本権を認める方向で検討するんだとおっしゃっていると思うんですけれども、現時点での考え方を改めてお聞かせ願えますか。

【渡辺大臣】 ですから、これは現状維持ということはあり得ない話なので、お巡りさんとか消防士さんとか自衛官は別でありますが、一般職の非現業の職員について現状維持があり得ないとすれば、それはもう既に団結権、団交権は認められているわけですから、協約締結権と争議権が残っているだけなんですね。ですから、この2つについてセットで認めるのか、それとも別々にやるのかという判断だと思います。ですから、現状維持はあり得ないということだけははっきりしていると思います。

【問】 基本的なことなんですけれども、なぜ現状維持はあり得ないというふうに。

【渡辺大臣】 それは、基本権が制限されてきた歴史的な経緯というのがございます。占領時代、GHQ司令によってこれが否定を、制限をされたということであって、この関係が人事院制度という補完措置がなされてきたとはいえ、一体だれが使用者なのかという責任の関係が非常に曖昧になってきたわけですね。今回、能力実績主義という、言ってみれば当たり前の制度をはっきりと導入するわけです。現行でも能力実績主義の建前は掲げていますが、実態はそうなっていないと。今回はその実態的なルールにおいても能力実績主義を徹底させると、こういうことでございますから、これは今まで積み残しの議論としてあった基本権の話は、きちんと方向性だけは出しておきましょうということでございます。


平成19年4月17日(火)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 本日の閣議について私の方からの報告事項はございません。

<質疑応答>

【問】 閣議の後、戻ってこられるまでしばらく時間がありましたけれども、総理あるいは…… 

【渡辺大臣】 もろもろの打ち合わせをやっておりました。 

【問】 総理と。 

【渡辺大臣】 いえ、違います。官房長官。 

【問】 公務員制度改革についての話題に当然なったと思うんですけれども、どのようなお話をされたんでしょうか。

【渡辺大臣】 官房長官に聞いてください。 

【問】 見直し規定について、一元化の5年後とされる方針とのことですが、そのねらいについてお願いします。

【渡辺大臣】 やはり見直し規定というのは、改革を後退させてはいけないと思うんです。やはり改革のよりよい改善という視点がなければいけないと思います。したがって、一元化前に見直しを必要的にやるんだと。それは改革の後退と受けとめられかねない危うさをはらんでいると思います。運用の改善については、この間の政府与党合意文書に明らかに書いてあるわけです。したがって、これは閣議決定をするわけでありますから、それで十分担保がついていると思います。必要的見直しを法定化するというのは、やはり一元化後でなければなりません。なぜならば、一元化後でなければ、どのような形で官民人材交流センターが機能し、さらにそれをよりよくすべきかがわからないからであります。そういった観点から、私どもは党の方からの御要請に基づいて、見直し規定を入れるのであれば、一元化後にすべきだということを申し上げているわけであります。

【問】 一元化後にすべきだということについての一定の理解はあると思うんですが、5年後ということについて、設置時期から考えると合計8年ぐらいたってしまうという、これは余りにも長過ぎるのではないかという意見もあるようですが。 

【渡辺大臣】 一元化までの間は、先ほど申し上げた合意文書によって、随時運用改善は行っていくと、こういう合意があるわけです。したがって、その一元化までの間は、そういった運用改善が当然行われていくわけでありまして、法律で明記をする見直しというのは、まさに一元化後の姿についての話であるべきだと思います。5年という期間が長過ぎるというのは、大体見直し規定というのは、普通5年なんですね。ですから、そういう一般論として5年と申し上げているだけであって、これが長過ぎるとはちょっと思いませんけれども、一般論に従って5年と言っているだけのことであります。

【問】 5年の書き方なんですけれども、法案そのものに盛り込むのか、それとも附則という、一部報道ありましたけれども、この辺はどう考えているのか。

【渡辺大臣】 附則です。 

【問】 一般論に従ってということですと、今後の協議で必ずしも5年にはこだわらないということですか。

【渡辺大臣】 一般的に見直し規定というのは3年とか5年なんですよね。ですから、私の感じでは5年の方が多いのかなという感じを持っておりまして、その一般論に従ったというだけでございます。

【問】 閣議後の打ち合わせは、余り甘利さんや大田さんもお入りになっているんですが、これは公務員以外のテーマもお話になっているのですか。

【渡辺大臣】 官房長官に聞いてください。 

【問】 見直し規定について、若干すれ違いがあるようなんですけれども、政府与党合意に書いてある、いわゆる随時見直しというのは、あれは要するに運用であって、法律に書くということではないということ、それを担保したわけではないと。

【渡辺大臣】 つまり、合意文書を皆さんお持ちだと思いますので、もう1回じっくり読んでいただきたいのでございますが、法律事項というのは2ポツで書いてあるんです。要するに能力実績主義とか官民人材交流センター、また各省によるあっせん全面禁止ですね。そういった法律事項を2ポツで書いてありまして、3ポツで、今、御指摘の随時見直しという文言が出てくるんですが、この3ポツというのも、まさに運用の話を書いてあるわけでございます。したがって、そういう合意文書の整理学といいますか、そういうところに出てくる文言であって、そこに書いてあるからこれは必要的見直しの条文を明定することを約束したんだという話では全くないということなのでございます。

【問】 ちょっとだけ話が変わるんですけれども、共同通信の内閣支持率の世論調査で、支持率が先月に比べて4ポイント余り上昇しました。

【渡辺大臣】 そうなんですか、それは大変ありがとうございます。 

【問】 公務員制度改革、かなり論議を重ねてきたタイミングですけれども、支持率の上昇と公務員制度改革論議の関係についてはどのように。

【渡辺大臣】 もし関係があるんだとすれば、大変私にとってはうれしい話です。因果関係はよくわかりません。ただ、総理の威令が行われれば、支持率は間違いなく上がるということは、私は就任したときから申し上げていることなんです。したがって、支持率が上がりぎみであると、上がる傾向だと。どの世論調査でもそういった傾向が見られるというのであれば、それはまさに総理の威令が行われているといって差し支えないのではないでしょうか。


平成19年4月13日(金)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 本日、閣議前に政府・与党公務員制度に関する政府・与党協議会を開催をいたしまして、一昨日、政府・与党合意案を了承をいただきました。
 閣議については、私の方からの報告事項はございません。

<質疑応答>

【問】 念のための確認ですが、一昨日の実務者協議の後、昨日の平場にかけた内容、そのまま了承ということで。

【渡辺大臣】 全くそのまま、修正点はございません。

【問】 今日の政府・与党の中でのやりとりは、どのようなものがあったんでしょうか。

【渡辺大臣】 特に、私の方から申し上げるやりとりはございませんが、了承を得られたということだけですね、私の方から申し上げるのは。細かい点は、官房長官に聞いてください。

【問】 紆余曲折あって、やっと政府・与党合意に至ったわけですけれども、受けとめを聞かせてください。

【渡辺大臣】 これは、私が昨年暮れに大臣に着任をするときから、総理のお考えを聞いてまいりました。総理は、最初─最初って私が大臣になるとき、そのときから終始一貫変わらない強い決意を持っておられました。総理の威令が行われて、今日こうした合意に至ったものと思います。
 安倍改革の一番最初のカードといってもいい案件でございましたので、ぜひ今国会に法案を提出をし、実現をしてまいりたいと考えております。

【問】 見直し規定なんですけれども、将来的に見直ししたときに、省庁の全面協力を得ることが、省庁の関与を強化するというふうに見直される可能性というのはあるんですか。

【渡辺大臣】 見直し規定というのは、一般的に制度改正が行われる場合、大抵くっついて回る規定でございますが、制度改革を後退させるための見直し規定というのはあり得ないんですね。最初から見直し規定において、もとに戻すんだという趣旨のことはあり得ない話でございます。したがって、今回も見直し規定を置いておくべきだという御意見がございますが、私どもの立場、政府の立場としては、改革後退につながるような見直し規定は置くつもりは全くございません。したがって、制度改正、改革が前進するような見直し規定という一般的な位置づけにすべきであると考えております。
 具体的にどうするのかといったら、見直しの時期は一元化の後とすべきだと考えております。つまり、一元化前に見直しをするという規定にしてしまいますと、途中で、じゃあまたもとに戻すんだと、こういう疑いを招きかねないわけですね。ですから、そういう心配のないように、見直し規定を法定するとすれば、一元化の後で見直しを行うと。当然、それは官民交流、人材センターがよりよく機能するための見直しでなければならないということだと思います。

【問】 今日の協議会の話に戻るんですが、全体パッケージの法案に直接絡まない部分、閣議決定の話も出たようなんですけれども、どういうふうな合意に至ったんですか。

【渡辺大臣】 この点は、官房長官に聞いていただきたいと思います。

【問】 先ほど言われた一元化後の見直しにするべきだという話は、これは党側とも調整されているんでしょうか。

【渡辺大臣】 ですから、これは党側としてまとまった御意見が出ているかどうかは確かめておりませんけれども、今までの議論を聞いておりまして、いろいろな思惑もありそうでございますので、私の方としては改革後退ととられられないような見直し規定を置くべきであるという意味で、先ほど申し上げた一元化の見直しの時期は一元化の後とするということだろうと思います。

【問】 そこをそういう文言で、こういうふうな整理して、そういう文言にすべき。

【渡辺大臣】 文言は、これはテクニカルな問題もありますので、趣旨としてはそういう趣旨でございます。

【問】 これから、まずは法案の提出、その後は法案の成立に向けた審議、あるいは制度設計の詳細設計ということで、まだかなり道のりはあると思うんですけれども、それについては、大臣としてどのように取り組まれていかれますか。

【渡辺大臣】 ですから、これは粛々とやっていくしかないですね。まだ中には先送りを考える人もいないとも言い切れませんし、骨抜きを考える方もいないとも言い切れませんし、私の立場としては、そういう改革後退につながることは避けなければいけませんので、粛々とやらせていただきたいと思います。

【問】 今後の法案の閣議決定の時期なんですけれども、総理の訪米前ということで、24日が閣議決定になると思っているんですけれども、今日の中とかでも、若干間に合わないんじゃないかという声が政府内からも出ていますけれども、その辺のスケジュール感はどうでしょうか。

【渡辺大臣】 これはやればできますよ。総理があそこまで強い決意言って、語っておられるわけですから。それは事務的にできないなんてことはあり得ないですね。

【問】 今回出す法案というのは、国家公務員法改正案のほかにはどういうものなんでしょうか。

【渡辺大臣】 合意文書でも書いてありますように、一番最後のところですが、自衛隊員についても一般職の国家公務員に適用される能力、実績主義、再就職規制に関する規制に準じた内容の法案を速やかに提出するということでございますから自衛隊法ですね、これは。それから地方公務員についても、必要な法案を速やかに提出する。これは地方公務員法ですね。それから、都道府県警察出身の地方警務官においては、警察法において、国家公務員法の再就職規制にかかる規定を適用除外とし、地方公務員法と同様の規制を行うということでございますから、この関係法案ですね。このあたりかと思います。
 細かいテクニカルな話は、事務方から説明を聞いてください。

【問】 地方公務員法については、今国会はちょっと間に合わないんじゃないかという。

【渡辺大臣】 それは菅大臣に聞いていただきたいと思いますが、今国会に出すと言っておられるかと思いますが。

【問】 自衛隊法なんですけれども、そちらの方、まだこれからの検討ということだと思うんですけれども、防衛施設庁の汚職等が今回の発端になったということだと思いますが、このあたりの考えをお聞かせください。

【渡辺大臣】 自衛隊法で背広組も特別職になっているのはなぜなのかと、私もよくわからないところがあるんですけれども、確かに防衛施設庁の事件がきっかけとなって、今回の天下り規制に至るわけでございます。それは、すべての原因というわけではもちろんありませんけれども、きっかけをつくったのは間違いのない事実であると。そうすると、今回一般職の国家公務員について、これだけ厳しい規制をかけるにもかかわらず、特別職だからということで、防衛省の背広組には何の天下り規制はかけないというのはあり得ないことですよね。ですから、これは久間大臣の方で、鋭意検討をしていただいていると思いますが、背広組についても、やはり一般職の公務員と同じ規制をかけるべきであると、私はこう考えておりますし、久間大臣も基本的には同じ御認識であろうかと存じます。
 ですから、今国会において、自衛隊法を改正をして、ぜひとも一般職の公務員と同様の制度にしていただきたいと考えております。


平成19年4月10日(火)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 本日の閣議について、私の方からの報告事項はございません。  

<質疑応答>

【問】 公務員制度改革で、今日、自民党の方から対案が示されることになっておりますけれども、省庁の関与や出身省庁扱い、あと非営利法人扱い、政府と少し異なるようですが、どのように対応なさいますか。

【渡辺大臣】 中身見ておりませんので、何とも申し上げられませんが、報道が先行しているようでございますので、報道に書かれているような中身ですと、ちょっとのめないなという感じはいたします。

【問】 その場合に、今後、政府・与党の協議というのは非常に難しくなっていくかと思うんですが、見通しといいますか。

【渡辺大臣】 ですから、中身を見てみないことには難しいのかどうかよくわかりませんね。どの程度の書き方になっているのか。また、どこまでの御決意があるのか、そういったことはやってみないとわからないのではないでしょうか。

【問】 改めてになるんですけれども、今度のあっせんの対象に入れるかどうかのあたり、営利法人だけに限るのか、非営利法人と独立行政法人入れるのかというところが焦点になっていますけれども、改めてお考えをお聞かせいただけますか。

【渡辺大臣】 ですから、これは非営利法人が大半の天下り先になっているわけですから、これを入れないとしり抜けになるということだと思います。したがって、非公務員型の独立行政法人を初め、非営利法人は入れるということが正しい選択だと思います。

【問】 閣議に戻るんですが、今日、閣議・閣僚懇で公務員制度改革についての議論等はありましたでしょうか。

【渡辺大臣】 官房長官に聞いてください。

【問】 なかったというと、うそになるという。

【渡辺大臣】 官房長官に聞いてください。

【問】 あともう一点、これも改めてになるんですけれども、バンクの職員、出身省庁に関与させるかというところ、ここも、例えば党の方などは、ある程度類型別に分けて、ある程度関与を認める場合があってもいいんじゃないかというふうなことを言っていますけれども、そこはどういうふうに決断されますか。

【渡辺大臣】 党のお考えはよくわかっておりませんので、案なるものが出てきてからの話でありますけれども、いずれにしても、せっかくこういう各省庁のあっせんを全面禁止をして、こういった透明な新人材バンクをつくるわけでありますから、これはトンネル機関と言われたらアウトですね。そうならないようにすべきだと思います。

【問】 大臣の感触としてということなんですが、お考えなんですが、自民党案ということで、今、党の行革の幹部の方々がつくっていらっしゃいますけれども、自民党の総意としての考えというのは、どちらが多いと思われますか。

【渡辺大臣】 それは、平場の議論をやっていただかないとわかりませんけれども。自民党案というからには、当然、幹事長とか政調会長とか、そういったいわゆる実務者のメンバーが全員了承しているということでないといけないと思いますね。政府・与党で実務者協議をやろうということで始まったわけですよね。
 週末も、我々政府の方はじっと待っていたわけでありますけれども、残念ながら党の方から忙しいということで週末はできなかったわけですね。ですから、党の実務者案であるというからには、当然のことですが、両中川先生、幹事長、政調会長、実務者メンバーですから、このあたりの御了解をとって持ってくるものと理解しています。

【問】 話がそもそも論に戻るんですが、今回の制度設計の根幹になっています官民交流自体のメリット・デメリットというのがあると思うんですけれども。

【渡辺大臣】 やはり、官民交流のメリットというのは、役人になったら死ぬまで役人なんだというカルチャーは変えた方がいいと思うんですね。もちろん、定年まで公務員を続けるというルートがあっていいのは、そのとおりでありますけれども、もうちょっと人材の流動化があってしかるべきなのではないかと思うんです。
 つまり、優秀な人材が集まらなくなってしまうって、最近思い出したようによく言われますけれども、こういう傾向は恐らくかなり前から始まっていたような気がするんです。ですから、やはり優秀な人材に国家公務員になってもらうには、もっと魅力ある職場にならないといけないと思います。
 今回は、能力・実績主義というものを導入をして、年功序列を打破しようという試みを法案の中に盛り込みます。イメージ的に言えば、30代で局長になる、40代そこそこで事務次官になるという人が出てきたってちっともおかしくないんですね。ですから、そういう人は苦戦型人生でどんどん民間に行って活躍する、あるいは国際機関に行って活躍する。あるいは政治家になったっていいですけれども。戦前は、そういうことはあったんでしょうね。
 例えば、安倍総理の岸信介さんなどは、43歳で商工次官になっていますね。ですから、今あのような長寿社会にあっては、40代そこそこで事務次官になって、後は死ぬまで役人やり続けるんだと。70になっても事務次官やるんだというのでは、やはりもったいないんじゃないでしょうか、人材がね。
 ですから、人材は流動化をするというところが大事なことでして、下手に優秀な人たちがたくさん集まり過ぎて、スーパー護送船団方式になって、スターになれる人もスターダストになってしまうというのは、今の仕組みでありますから。そういうカルチャーを変えるというところが大事なんではないんでしょうか。

【問】 デメリットみたいなのはありますでしょうか。

【渡辺大臣】 官民交流のデメリットというのは余りないとは思いますけれども、きちんと行為規制をかければ、要するに癒着とか、そういった弊害は避けられると思います。
 ですから、今回はかなり厳しい行為規制をかけております。口利き規制で懲役3年とか、今まではそういう行為規制ないわけですから。ですから、2年間のクーリングオフがあるだけで、あとは野放図状態だったということなんです。
 今回の法案は、行為規制は刑事罰までくっついているわけですから、これは厳しいと思いますよ。ですから、そういう手段方法によって、デメリットの方は、官民、人材交流がいく場合のデメリットの方の対策にはなると思っています。

【問】 行為規制に関連してなんですが、公明党の方が現在の事前規制、暫定期間、政府の官僚で2年という、短いと。もう少し延ばしてほしいという。

【渡辺大臣】 どうなんでしょうか。まとまったお考えとしておっしゃっているのかどうかはちょっとこの前の協議ではわかりませんでしたけれども、クーリングオフに対して、シンパシーがあるのは存じております。ですから、クーリングオフ制度が果たしてうまく機能しているのかどうかの検証は必要だと思うんですね。今、2年間のクーリングオフがあって、いわゆる喪が明けたと言われますけれども、喪中の2年間をどうやって過ごすかというと、さっきも言ったように、非営利法人に大挙して天下るわけですね。そうすると、公益法人の中では、公益法人というのは民間なんですよね。民間なのに、役所の子会社みたいになってしまっていると。これはちょっと幾ら何でもおかしいのではないのかということなんですね。
 ですから、こういうのを例えば5年に延ばすという思想は、役人はとにかく死ぬまで役人なんだという、そういう思想の延長戦にあるような気がしますよね。ですから、我々のように官民交流をできるだけ活発にしていこうと、役人というのは死ぬまで役人やる必要はないんだと。民間人だって公のために尽くしたい人は役人になれるんだ。そういう制度の方がはるかに私はいいと思います。

【問】 ずっと調整続いていますけれども、当初省庁の反発とかも強かったと思うんですけれども、盛り上がってから1カ月ぐらいたつんですが、省庁の抵抗の方は、反発ですとか不安というのは弱まっていると思いますか、それとも増していますという……

【渡辺大臣】 どうなんでしょうかね。余り変わらないのではないでしょうか。

【問】 公務員の魅力ある職場にという意味で、今回の問題とは外れるかもしれないんですけれども、大臣、前回もおっしゃっていたように、国会対策で夜中まで残っているという、そういうこともやる気を失わせる原因になっている。改革に切り込むという御決意はいかがでしょうか。

【渡辺大臣】 これは、私も国会議員の一人として、じくじたる思いがありますね。本当に真夜中に霞ヶ関が不夜城のごとく、こうこうと明かりがついている。もう本当に若い人たちがへろへろになって毎晩徹夜に近い状態で残って、国会議員一人質問に立つのに、2,000人居残るんだなんていううわさが昔からありましたけれども、こういう制度はやめた方がいいですね。ですから、これは公務員制度といえども、まさしく国会のあり方、国会の慣行の問題ですよ。
 今だって、質問通告というのは、2日前に出さなければいけない仕組みになっているんですけれどもね。それは全然守られていないということなんでしょうね。2日前に出していただければ、正確な答弁を求められる場合には、きちんと答弁資料をつくって出せるわけですよね。ですから、フリートーキングなんていう国会のあり方も広まってきてはいますけれども、一方、正確な、正確さを求めたいというのであれば、前日の夜夜中に質問通告するというのではなくて、やはりきちんとルールどおり2日前に出していただくということが大事なんではないでしょうか。


平成19年4月6日(金)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 本日の閣議については私の方からの報告はございません。

<質疑応答>

【問】 きょうの閣議、閣僚懇では公務員制度改革についての話題はありましたでしょうか。

【渡辺大臣】 官房長官に聞いてください。

【問】 きのう夕方の自民党との実務者協議で示された合意文書案ですが……

【渡辺大臣】 合意文書案。

【問】 合意文書の案ですね。そういうものという認識ではないということでしょうか。

【渡辺大臣】 それに当たらずと言えども遠からずのところですね。

【問】 その概要について、自民党の方で持ち帰るということなんですが、対案を出すというふうにも言われておりましたが、その辺の動きについて、大臣はどのように見ていらっしゃいますか。

【渡辺大臣】 党の方の詳しい話は知りませんが、政府の方としては、きょう、あす、あさって、金、土、日とぜひ協議を続行してほしいということは申し上げました。ですが、きょう、あすは選挙で忙しいと、出払っておるということで、残念ながら御理解はいただけませんでした。では、投票日の日曜日はどうかというお願いをしたのでございますけれども、忙しいということですね。我々としては日曜日の日程全部キャンセルして、ぜひ協議をやらせてくださいと言ったんですけれども、残念ながら、まだ協議をやるという話にはなっておりません。

【問】 自民党の方では対案を出すということも言われておりますが、その場合、かなり対立が決定的になってしまうのではないかという懸念もありますが、それについてはいかがでしょうか。

【渡辺大臣】 基本的なところでは方向性は一致をしておりますので、まとまるものと期待をいたしております。

【問】 官房長官の方は10日に大筋合意した後にそれを閣議決定したいということを示されておりますけれども、大臣の方は大筋で合意をした後に、それを閣議決定する必要性はあると思いますか。

【渡辺大臣】 そのあたりは官房長官にお任せいたしております。私が先頭に立って調整やっているわけではございませんので、官房長官の方針に従いたいと思います。

【問】 天下りの件なんですが、総務省が近く1,300人、予算や権限などの関係のある企業に調査の結果を発表するということですけれども、この調査の結果について、大臣はどのようにお考えですか。

【渡辺大臣】 詳しくは調査結果を聞いてから申し上げますが、今御指摘になったような数字は、印象としては非常に小さいなという感じを持っています。 多分、文書などで残っているもので集計をしたものと思いますが、実際はもうちょっと多いんだろうと思うんですね。実態にはほど遠いという印象でございます。

【問】 そういう意味では、また改めて調査なりしていくという方針はあるんでしょうか。

【渡辺大臣】 だって確認できないと言っているんですから、同じことをやってもむだでしょうね。

【問】 有識者懇で、実態を把握した上でバンクの規模なんかを考えていくというふうにおっしゃっていましたが、その実態はどのようにして把握するお考えでしょうか。

【渡辺大臣】 引き続き、いろいろな手法で実態に迫っていきたいと思います。

【問】 はっきり実態がわからなかった場合には、バンクの規模はどのように判断されるんでしょうか。

【渡辺大臣】 ですから、わかった範囲でしか設計はできませんね。

【問】 例えば1,300人という規模でしたら、バンクはどのぐらいの人数で回ると思いますか。

【渡辺大臣】 1人10人とすれば130人でしょうね。20人とすれば65人。大体、自衛隊の人材バンクが年間1万4,000人のうち7,000人から8,000人を再就職、お世話していますが、大体1人10人ぐらいの規模だと聞いています。それがコストパフォーマンスとしていいのか悪いのかは検証はする必要があると思いますけれども。

【問】 少なくとも、100人程度の規模は必要という形になるんですか。

【渡辺大臣】 ですから、実態がどうなのかが大事ですよね。

【問】 まだちょっと。

【渡辺大臣】 はい。実態がまだ明らかになっていないのではないでしょうか。


平成19年4月3日(火)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 今朝の閣議について私の方から報告することはございません。

<質疑応答>

【問】 きょう午後に政府与党の協議会が、初会合開かれますけれども、政府側としてはどのような方針を示されるお考えでしょうか。

【渡辺大臣】 やはり今国会中にきちんと公務員制度改革についての成果を得る。そのためにスピード感を持って取り組んでいく。できるところから改革を進めると、こういう方向性でやりたいと思っております。

【問】 一部報道ですと、新人材バンクの名称について、再就職支援センターですか、そういった内容を提示されると。

【渡辺大臣】 名称は名は体をあらわすわけですからとても大事だと思うんですね。腑に落ちる名称がいいんだと思います。今、おっしゃられたのは案の1つだと思いますが、仮称でございます、今の段階では。

【問】 野党からは再就職支援というよりも、天下りバンクだというような批判もありますが、これについてはいかがでしょうか。

【渡辺大臣】 天下りというのは法律上の定義はございませんが、実態を見てみますと、予算と権限を背景に、各省庁が人事の一環としてあっせんする再就職を天下りというんですね。したがって、新人材バンク、再就職支援センターは、人事の一環というところを全面禁止をしてしまうわけです。つまり、各省庁のあっせん自体を禁止するわけでありますから、これはもう天下り根絶バンクという方がふさわしいと思います。

【問】 先ほど質問がありました再就職支援センターと、これは官房長官の下に置くような組織になるんでしょうか。

【渡辺大臣】 これは、まだ最終的な詰めをやっている途上でありますけれども、どこかには置くことになるでしょうね。私の下に置いたりするとびびる人もいらっしゃるものですから、いろいろなお考えがある思います。

【問】 同様に、有識者懇談会、これについても官房長官の方に置く方向になりそうなんでしょうか。

【渡辺大臣】 それも最終的な詰めを、今、行っているところでございます。

【問】 緑資源機構の談合疑惑が、今、話題になっていますけれども、それで、こちら理事長と、あとまた理事の3人が天下りOBだということで、やはりこういう天下りのOBの理事がいるということは、ずさんな予算管理につながったのではないかとも思われるんですけれども、一方で、天下り先として、報道によると、国交省、財務省の事務方は天下り先から独法を除外するべきではないと主張しているとされているんですけれども、現実にそうした独法で官製談合疑惑が指摘されている中で、天下り先対象として独法についてはどういうふうに考えておられますか。

【渡辺大臣】 その緑資源機構の官製談合疑惑というのを、私、すみません、よくわかっておりませんけれども、独法というのは、私の理解では国がみずから主体となって直接に実施する必要のないものを独立行政法人にゆだねて業務を行っていくものだと思うんですね。したがって、公務員型は別として、大半の独法というのは非公務員型でありますから、これが天下りが行われて、官製談合に結びつくようなことがあってはいけないわけであって、これはやはり天下り規制としては、ほかの公益法人とか、認可法人とか、今、聖域なく検討をやっておりますけれども、非公務員型独法というのも、当然、その範疇に入るべきだと私は考えております。規制対象にすべきであると。

【問】 今、おっしゃった独法の関係で、公務員型は対象にするということでしょうか。

【渡辺大臣】 公務員型の独法というのは、これは業務の停滞が国民生活に重大な影響を及ぼすようなものについては、非公務員型ではなくて公務員型にしようという最初の仕切りがあったわけですね。したがって、基本権が非常に不十分な今の状況においては、公務員型と非公務員方の区別というのは、理屈の上で はあり得るわけでありますから、これは公務員型独法、すなわち特定独法については、これは除いてもいいのではないかと思います。

【問】 同様に、公益法人についても業務のあり方において区別するということはあるんでしょうか。

【渡辺大臣】 公益法人というのは民間ですからね。ですから、それが行政のアウトソースをやっているんだという理由で除かれる理由にはならんと思います。あくまで民間ですから、公益法人というのは。天下りの実態として、いきなり民間企業、営利企業に行く割合というのは1割そこそこなんですね。一三、四%ぐらいでしょうか。したがって、非営利法人、公益法人、認可法人、最近ほとんどありませんが特殊法人、政府系金融機関、非公務員型独法、こういったものを除いてしまったら、9割近くが規制対象でなくなってしまうということでありますから、これはやはり聖域なき検討を、今、行っている中で、私自身はこういったものも規制対象にすべきであると考えております。

【問】 そういった方針はきょうの政府与党協議会に伝えられる予定でしょうか。

【渡辺大臣】 そうですね、そういった議論も出てくる場合には申し上げたいと思います。

【問】 政府側の考えとして与党の方に伝えるということではないということですか。公益法人だとか独法の規制に対して。

【渡辺大臣】 これはもともと最初の骨子案の中には、営利企業や非営利法人という形でほとんど網羅されていたわけでありますから、今、突然私が思いついたように言ってるわけでもなにでもないんですね。最初の原案はそうなっていたということでございます。

【問】 原案で、まだ「○年」というふうになっていたのが幾つかありましたが。

【渡辺大臣】 このあたりはテクニカルな問題もあって、このあたりは今週中ぐらいに確定をしたいと思っています。

【問】 与党側とも協議をして。

【渡辺大臣】 与党の方も選挙で忙しいんですが、ぜひ精力的な協議は進めていきたいと思っています。

【問】 法案提出時期なんですけれども、政府内に総理の訪米前に出したいというような声があるんですけれども、その時期に関してはいかがでしょうか。

【渡辺大臣】 これは、やはりスピード感を持って進めていくとすれば、やはり連休前にきちんと手続を踏んで決定を行い、国会に提出をするというのが筋だと思います。

【問】 法案なんですけれども、この中に定年延長とか労働基本権などを盛り込んだプログラム規定を盛り込むというようなお話が出ていますけれども、これについてはどのようなお考えなんですか。

【渡辺大臣】 ですから、全体パッケージというのは大いに考えていくべきことだと思いますが、今回は、既に私が大臣に着任する前から、できるところからやっていこうということで、能力業績主義と天下り規制の2つを先行して進めるという大方針が既に決められていたわけでありますから、ここで全体パッケージ論という錦の御旗のもとに、法案を先送りしようなどという思惑が働いたのでは何もなりませんので、ですから、プログラム規定というのも、先送りに使われるプログラム規定であってはいけないと考えます。

【問】 あくまで先送りに使われるという意味合いでなければ、そういう形に何とかつくりあげていくと。

【渡辺大臣】 ですから、どういう形にするのか、総理の指示では骨太方針にほかの課題については盛り込むように検討するということでございますから、法案の中に盛り込まないやり方もあり得るわけですね、全体パッケージ論というのは。ですから、法案の中に盛り込んで、やたらこの決定がおくれるような、先送りに使われるパッケージ論であってはならないということです。

【問】 確認ですけれども、先送りにならずに連休前に法案が提出できるようであれば、そのプログラム規定というのを盛り込んだ形で出すことも、大臣としては了承できるということですか。

【渡辺大臣】 ですから、先送りにつながらないやり方であればいいですよ。しかし、中には全体パッケージ論と称して今回の法案決定を先に送らせようという思惑の人もいないわけではないと聞いておりますので、そのあたりは要警戒だなということでございます。


平成19年3月30日(金)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 本日の閣議は、私の方から報告することはございません。

<質疑応答>

【問】 先ほど官邸で各省事務次官を集めての会議があったようですけれども、どういった目的で、どのような内容だったのか教えてください。

【渡辺大臣】 これは閣僚の方から事務次官の話も聞いてほしいという御意見がありましたので、官房長官と私が出席をし、各省事務次官の皆さんに、まず官房長官の方から総理の発言、指示をどういうものであるかを説明し、その後、御意見を聞いたということでございます。詳しい話は私の方からは申し上げられませんので、官房長官に聞いてください。

【問】 大臣の方からは冒頭にはどんな御説明とか、お話はあったんでしょうか。

【渡辺大臣】 何も言いません。

【問】 官房長官からのみ。

【渡辺大臣】 はい。

【問】 冒頭以外で、中では大臣も発言はされているんですか。

【渡辺大臣】 しておりません。黙っております。

【問】 基本的に説明役は長官が説明をされて。

【渡辺大臣】 説明というよりも、安倍内閣の方針や法案の骨子等についてはもう既に各省に行っていますから、そういった中身の説明は不要でございます。したがって、きょうは主に各省事務次官の意見や提案、そういったものを聞くという場でございました。

【問】 そういう意味では、特段きょうは何か合意したりとか、そういったことは。

【渡辺大臣】 官房長官に聞いてください。 

【問】 確認ですけれども、総理の発言、指示について説明したというのは、これはこの間の諮問会議での発言という意味なんですか。

【渡辺大臣】 そうですね。16日と27日でしたか、ちょっと日付は正確ではないかもしれませんが、その説明でございます。

【問】 あと閣僚から次官にも話を聞いてくれというのは、これはきのうの閣僚懇で。

【渡辺大臣】 それは以前からの話。

【問】 きのうの閣僚懇でも出たんですか。

【渡辺大臣】 閣僚懇の話は申し上げるわけにいきませんので。以前からございました。

【問】 そういう意味で、先ほどおっしゃった骨子案等出されているということですけれども、その骨子案の内容、骨子案といいますか、この法案の内容等についてもいろいろと意見を聞いたということになるんでしょうか。

【渡辺大臣】 詳しい話は申し上げませんけれども、骨子案を含めて安倍内閣の今回の国家公務員法の改革方針についての意見あるいは提言を聞いたということです。

【問】 きょうは8時からおよそ1時間ということでよろしいですか。

【渡辺大臣】 8時から8時55分ぐらいだったでしょうか。

【問】 次官は全省庁の次官が出席したんですか。

【渡辺大臣】 そうだと思いますが。次官会議のメンバーではないんでしょうか。

【問】 骨子案についての意見や提案などがあったということなんですが、骨太の方針にも盛り込む予定になっています規制対象についても意見交換があったのですか。

【渡辺大臣】 詳しい話は官房長官に聞いてください。

【問】 先日来、事務次官等会議で政府の答弁書をめぐって異論があったということがあるんですけれども、きょうはそういったことも話題になったんでしょうか。

【渡辺大臣】 官房長官会見もあると思いますので、そちらで聞いていただきたいと思います。

【問】 細かい話で申しわけないんですけれども、この会議の名称は。

【渡辺大臣】 名称は何なんですかね。公式の会議ではありませんので、名称まではよくわかっていません。

【問】 大臣の現在のお持ちの印象として、役所側の抵抗というのはかなりおさまってきているという印象ですか。

【渡辺大臣】 そういったことも含めて、私の方からはしゃべるなと言われておりますので。

【問】 別に会議の内容とかではなくて、大臣の今のお持ちの印象はどうなのかなと思いまして。

【渡辺大臣】 全体としてですか、きょうの次官会議ではなくて。

【問】 全体として。

【渡辺大臣】 全体としては、それはいつも申し上げるように、今までやってきたことを、相当思い切って変えてしまおうということですから、それはいろいろな意見もあるし、摩擦もあるし、反発もある、不満もある、不安もあるということなのではないでしょうか。 

【問】 そういう印象というのは、きょうもまだ余り変わらない。

【渡辺大臣】 きょうの次官会議の感想とか印象は言うなと言われていますので申し上げません。

【問】 きのうの閣僚懇談会については、基本的に今後、何か次にどういった場面でやるということは特段決まっていなかったように聞いておりますけれども、次官の会議も次、どういったタイミングでやるというのは何か考えはあるんでしょうか。

【渡辺大臣】 それも官房長官に聞いてください。

【問】 中川幹事長が次官会議で異論が出たことに関連して、総理がそういう次官会議を要らないと言ったというような話を紹介していたようなんですけれども、それについては、事務次官会議要らないという話について、大臣はどう思いますか。

【渡辺大臣】 それは次官会議というのは、私、出席しているわけではないので、見てきたようなことを言うのも何ですから、コメントは差し控えさせていただきます。

【問】 会議の話は置いておきますけれども、今後のことで、有識者懇なんですけれども、4月にも立ち上げたいというふうに大臣はおっしゃっていましたが、今のところ、どのぐらいに設置するお考えでいらっしゃるんでしょうか。メンバー等人選についてはどう。 

【渡辺大臣】 これも今、政府部内で鋭意検討中でございますから、微妙な時期なんでコメントしない方がいいでしょう。

【問】 法案の提出以前に立ち上げるという可能性はあるんですか。

【渡辺大臣】 それも含めて検討中です。

【問】 有識者懇は大臣のもとに置かれるんですか。それとも官房長官のもとに置かれるんでしょうか。

【渡辺大臣】 それも今、鋭意検討中です。


平成19年3月27日(火)

<冒頭発言>

 特に、私の方から報告はございません。

<質疑応答>

【問】 公務員制度改革について、今から自民党の部会がありますが、総理からそのことについて、どのような御指示がありましたか。

【渡辺大臣】 特にその話は出ておりません、今日は。

【問】 閣議後の懇談で、ほかの閣僚から公務員制度改革については、どのような。

【渡辺大臣】 官房長官の方から、閣僚で意見を交換する場を設けるという御発言がありました。それは官房長官に聞いてください。


平成19年3月23日(金)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 今朝の閣議は、私の方から報告することはございません。

<質疑応答>

【問】 きょうの閣議、閣僚懇で天下り問題についての発言は。

【渡辺大臣】 全くございません。

【問】 27日の諮問会議までの間に自民党との調整はかなり本格的に始められているようですけれども、政府内、閣僚との調整についてはどのようにお考えですか。

【渡辺大臣】 着々とやっております。現在進行形。

【問】 現在のところの感触はいかがでしょうか。

【渡辺大臣】 不安だという話を何人かの方からは聞いております。ですから、こちらからはきちんと機能する新人材バンクにいたしますという御説明を申し上げております。

【問】 抵抗を感じますか、そういったところに。

【渡辺大臣】 抵抗というよりは、詳細な制度がよくわからないので不安だという話ですね。

【問】 そういう詳細な制度がわからないので不安だというのは、やはり基本原則を示してもなかなか解消されない問題ではないかと思うんですが、大臣としてはどのようにそれを乗り越えていこうと。

【渡辺大臣】 ですから、これは発想の大転換ですからね。今まで人事でやっていた、人事の延長線でやっていたものを再就職支援に根本的に改めてしまおうということですから、当然それは摩擦もあり、不安もあり、そういう反応が起きるのは当たり前ではないでしょうか。

【問】 バンクへの移行期間なんですけれども、大臣は常々総理の御判断だとおっしゃっているんですけれども、総理の御判断というのはいつごろに出されるメドなんでしょうか。

【渡辺大臣】 まだ別に打ち合わせしているわけではありませんが、早ければ諮問会議の席上で何らかの御判断は示されるかもしれません。まだ相談はいたしておりません。

【問】 法案には盛り込む必要があるものなのでしょうか、移行期間とかそういう。

【渡辺大臣】 盛り込む必要はあろうかと思います。

【問】 今ありました移行時期についてなんですが、大臣常々総理の判断だとおっしゃっていますが、大臣の方から諮問会議に向けて提案する予定というのはありますでしょうか。

【渡辺大臣】 特にございません。

【問】 改正案の予備的審査というのは、法制局の方はもう既に始まっているんでしょうか。

【渡辺大臣】 骨子をお渡しをしてやってはいるようです。

【問】 何か指摘を受けているような事例というのはありますか。

【渡辺大臣】 内々、いろいろ法制局は細かいですからね。細かい、それこそ事務的な打ち合わせはやっているのではないでしょうか。

【問】 先日表明された有識者の懇談会なんですけれども、これはどれぐらいの期間をかけて結論を出そうというのは。

【渡辺大臣】 これは国会の審議もきちんと反映をさせなければいけませんので、そうすぐに1カ月、2カ月で結論が出るということにはならんと思います。国会の審議を全く無視して結論を出してしまうわけにはいかないではないですか。

【問】 ある程度国会の議論を踏まえて、その懇談会の方でも議論するという。

【渡辺大臣】 そういうことになります。

【問】 人材の方はいかがですか、現状として。

【渡辺大臣】 粛々と研究をしております。

【問】 現時点で提出の時期はいつごろとお考えですか。

【渡辺大臣】 提出の時期ですか、スピード感を持って進めたいと思っております。

【問】 現実問題、3月中というのはまず難しいと思うんですけれども、4月中にはというお考えはお持ちですか。

【渡辺大臣】 当然ですね。それはできるだけ早く。


平成19年3月16日(金)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 今朝の閣議は、私の方から報告することはございません。

<質疑応答>

【問】 改めて、今、公務員制度改革の状況は、どんな感じになっていますでしょうか。

【渡辺大臣】 昨日申し上げたとおりですが、総理とは共通認識を持って粛々と進めております。反対意見があることは承知をいたしております。

【問】 省庁とか党側が反対するメリットというのは、党側、省庁側にとって、どのような点があると思われますか。

【渡辺大臣】 メリットといいますか、要するに、今の現状を変えられたくないということに尽きるのではないでしょうか。今の現状をそのままにしておくと、後世代にツケが回るおそれがあります。無駄なところが残ってしまうおそれがあります。せっかく官邸主導型の体制をつくり、省庁横断的な改革や戦略システムをつくっていこうというときに、今のままの体制を残しますと、そういう改革が進まないおそれがあります。したがって、これはきっちり問題を解決をしていく方向性で動かさなければならないと考えています。

【問】 政府内で調整を進めるようにというお話だと思うんですが、今後調整のポイントというのは、どういうふうになってくるんでしょうか。

【渡辺大臣】 省庁のあっせんを残すのか残さないのか、それを何年以内にやるのか。すべてはそこに尽きます。

【問】 大臣としては、もう完全に省庁のあっせんは残さないと。

【渡辺大臣】 省庁のあっせんを残すつもりはありません。

【問】 何年やるのかについても。

【渡辺大臣】 これは総理の御判断になります。

【問】 取りまとめる時期なんですけれども、来週あたりの見通しでよろしいですか。来週あたりには調整が終わるという見通しでよろしいでしょうか。

【渡辺大臣】 反対の強さの程度にもよろうかと思いますが、できるだけ早く決着をつけたいと思っています。

【問】 一部報道で、現在の人材バンクが受注しているパソナがですね……

【渡辺大臣】 現在の人材バンクと私が言っている新人材バンクは全く別ものです。

【問】 大臣の目指す……

【渡辺大臣】 現在の人材バンクというのは、総務省の人事・恩給局で2人か3人で動かしているシステムですよね。これが全然ワークしないということですから、4月から若干バージョンアップをされるようでございますが、私が言っている新人材バンクは、全くこれとは異質のものになります。民間を使うつもりはありません。

【問】 ただ、そこで、竹中さんの名前が出ましたけれども、取りまとめに影響はありませんか。

【渡辺大臣】 ありません。全く関係のない話ですから。今の人材バンクを延長線で使うつもりは全くありません。そもそも内閣一元化というのが基本ですから。総務省の人材バンクでしょ、今のはね。そこのところが根本的に違います。

【問】 今の人材バンクは、民間のノウハウを取り入れてやっていこうということで、パソナとやっていると思うんですが、大臣が新しい人材バンクで民間を使うつもりはないとおしゃったのは、逆に今の方向とはちょっと違うという……

【渡辺大臣】 だから、これは今のバンクが機能しないがゆえに、総務省の方でいろいろ苦心惨憺しておられるんだと思いますが、私が言っているのは、要するに省庁の人事の延長戦としてやっているあっせんを全面的に禁止すると。その代替措置として、再就職のサポートをする機関をつくろうということですから。ですから、今のように、まるっきり名前出さない、役職名出さない、どこから希望が来ているのかもよくわからない。そんないいかげんなものではだめですよね。ですから、根本的に違ったものになります。

【問】 民間を使わない、民間を使うことのデメリットというのは、そういった名前等出せないということになるわけですか。

【渡辺大臣】 だから、要するに、きちんとワークするものをつくるという前提ですから、民間をいきなりかませる必要はないだろうと言っているんです。

【問】 そういった具体的に、どのように新人材バンクを運営していくのかという部分で、自民党内等からわかりにくい……

【渡辺大臣】 だから、これは国家公務員法改革の案と中身の話ではないんですよ。要するに、運用の話ですから。話が100%固まらないと、法案改正させないんだというのは、そもそも改革をやらせたくないという人たちの言い分ではないですか。

【問】 国家公務員だけで運用していくということが大臣の今のお考え。

【渡辺大臣】 そうですね。ですから、例えば防衛省がもう既に、制服組のリタイヤ1万4,000人ぐらい毎年いますが、そのうち7,000人ぐらいの再就職サポートをもう既にやっています。いつかも申し上げたように、自衛隊というのは、50そこそこぐらいで、若年定年制ってあるんですね。早い話が、余り年をとってしまうと視力も落ちたり、仕事にならないわけだから、防衛省の制服の場合はね。ですから、そういう人たちの再就職を支援するためのいわゆる人材バンクみたいな機能を自前で持っていますよ。ですから、そういうイメージですね。もちろん、コストパフォーマンスはきちんと行政の中でやるわけですから、考えないといけませんね。

【問】 今日、ライブドア事件で堀江被告の判決が出ますけれども、もし御感想とかコメントありましたら。

【渡辺大臣】 判決の出てからの話でしょうけれども、この事件が金融商品取引法につながったわけですから、私としても今日の判決がどういうものになるのか、非常に関心を持っております。世間的には東京地検がいきなり出てきて、この事件になったようなイメージでとらえられていますけれども、証券監視委員会も、きちんとこれはずっと追っかけていたんですね。したがって、この事件をきっかけに、市場回り監視体制をきちんと強化をしていこうということになったわけでして、金融商品取引法が去年通りまして、今年の夏ぐらいに本格的に動き出すわけですから、これはとりもなおさず、投資家保護を間接的にやっていこうという制度設計になっておりますので、今日、有罪、無罪、どうなるかわかりませんけれども、私が堀江さんにお聞きをしたいのは、結果として多くの株主の皆さんが大損してしまったと、このことに対してはどういう御説明をされるのか、聞いてみたいものですね。


平成19年3月13日(火)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 本日の閣議において決定いたしました日本年金機構法案について、総理から指示がございました。日本年金機構の業務委託、業務委託の推進や職員の採用についての基本的な事項に関する基本計画を定めるに当たり、学識経験者から意見を聞くこととされております。当該部分に関する国会対応及び法案成立後の関係業務について、私渡辺に担当を任せるとのご指示でございました。
 なお、林副大臣、岡下政務官に私の補佐をするようにとの指示もございました。
 社会保険庁改革は、現下の重要課題でございます。厚生労働大臣とともに全力を上げて取り組みたいと考えております。
 私の方からは以上でございます。

<質疑応答>

【問】 今のお話に、総理の指示にありました学識経験者の意見を聞くというのは、何か新しく有識者会議のようなものを設置するんでしょうか。

【渡辺大臣】 そうですね。日本年金機構法案において、学識経験者の意見を聞いた上で政府が基本計画を策定するということになっております。この日本年金機構がみずから行う業務と委託する業務の区分、その他の委託の推進、アウトソースできるものは何かということについての基本的事項、それから、この機構の法人の職員の採用についての基本的事項、こういうものについて第三者機関の意見を聞くということになっております。
 したがって、私の方では、この法案の審議、多分これは国会がお決めになることですが、厚生労働委員会かと存じます。この国会審議の対応、それから、学識経験者の人選、つまり第三者機関のメンバーの人選、それから、法案成立後の学識経験者の会議、この第三者機関、この会議の運営、この3点について私どもに担当するようにとの指示でございます。

【問】 学識経験者の会議の設立する時期についての見通しと、あと、この日本年金機構そのものに対して大臣の基本的な考えをお伺いさせていただきたいのですが。

【渡辺大臣】 これは法案成立後になります。法案成立する前につくるわけにもいきませんので、法案成立を待ってつくるということになります。日本年金機構法案については、これは社会保険庁の解体と再生という極めて重大な課題でありますから、私も行政改革の担当でありますので、そういう観点から全力投球をしてまいりたいと考えています。

【問】 確認ですけれども、その第三者機関は内閣府に、要は大臣の下に置くという形になるんですか。

【渡辺大臣】 内閣官房におきます。ですから、私は内閣官房の大臣になるということになるんでかね。

【問】 第三者機関の人選……

【渡辺大臣】 官房でそのこういう特命事項を担当して、その大臣が、その特命事項を私が担当すると、こういう構図だと思います。

【問】 官邸でやるのかなと僕なんか思っていたんですけれども、長官とか、そのあたりでやるのかなと思っていたんですが、大臣になったいきさつというか、何かその理由があるんでしょうか。

【渡辺大臣】 よくわかりませんが、社会保険庁の解体というのは年金問題と同時に行政改革という側面も非常に強いわけでございますから、行革担当の大臣でもあります私が担当するのが首尾一貫するのではないかというご判断ではなかろうかと思います。

【問】 先ほどのアウトソーシングの基準とか、基本的な計画が、有識者の議論を踏まえた上で大体これはいつごろまでに策定というのは、大臣の頭の中にありますか。

【渡辺大臣】 まず法案成立に全力を尽くすということでございますから、それを待ってからの話になります。

【問】 話は変わりますけれども、昨日総理が教育再生の、教育委員会について地方分権にも配慮した形で是正指示権について認定した形で法案を作成するようにという指示をいたしましたが、規制改革会議のいきさつなんかもありますけれども、どのように評価なさっていますか。

【渡辺大臣】 昨日の決定、総理のお考えについて詳細は承知しておりませんが、これは、かねて私が申し上げてきましたように、地方分権と緊急対応というのは何ら矛盾することではないんですね。したがって、教育の緊急事態に対して国の会議を設ける仕掛けについては、これは妥当なことだと思っております。
 いずれにしても、全く相反するかのように見える事項でも、実はレベルが違う話なんだということが今回よくわかったのではないでしょうか。極めて真っ当なご決断だったと思います。

【問】 今、国会でも構造改革特区の法案の審議をされているかと思いますけれども、この特区の件数自体減っている現状について、大臣はどのようにお考えですか。

【渡辺大臣】 これは、なぜ減ってきているかというと、一つには、特区がオールジャパンの展開を目指す方向性がございますので、オールジャパン展開がかなりなされてきたということがあろうかと思います。
 特区のミッションのもう一つ側面は、地域再生ということでございますので、今回の特区法において、こちらの方の観点からより柔軟な対応ができるように仕組んであるところであります。
 いずれにしても、特区の提案が小粒になっているとか、いろいろなご批判もございますが、この特区が果たしてきた役割、すなわちオールジャパンの規制改革につなげる、地域再生につなげる、この両面ともさらに強化をしていく必要があるかと考えておりますので、ぜひこの特区法の改正案も今国会で通したいと考えております。

【問】 別件なんですけれども、松岡農水大臣の件なんですけれども、水道光熱費というのを野党が問題視しているんですが、一政治家として同様に政治資金収支報告書を提出している身として、ああいった高額のお金を計上していることをどう考えるかと。
 あと、安倍内閣の一員として、ああいった説明で有権者、国民の理解を得られると思っているか、この2点をお願いします。

【渡辺大臣】 私のところはパソコンソフトで政治資金の管理をやっているんですね。ですから、法定帳簿とか、簡単にできちゃうわけです。連結でも簡単に出ます。政治資金の、何といいますか、実務について、それぞれの事務所で秘書さんたちが、あるいは会計責任者が大変ご苦労されているのが現実かもしれませんけれども、こういう、何といいますか、最新のIT技術を使えば、もっと簡単に管理ができるのになと思うことがございます。ちょっとそういう点で、政治 業界、おくれているところがあるのかもしれませんね。

【問】 高額の水道光熱費が本来かからないところに計上していることについては、同じ政治家として違和感とか、不自然だなとかというお気持ちはないでしょうか。

【渡辺大臣】 ですから、これは松岡大臣が適切に処理しているとお答えになっているわけでして、それ以上私がコメントをする立場にはございません。

【問】 公務員制度改革なんですけれども、かなり自民党の方の抵抗もあって、なかなか進まないという状況にありますが、現在の進捗状況と今後の見通しをお願いします。

【渡辺大臣】 粛々と党との調整は進めております。政府内部の調整も同時に進めていくことになっておりますし、既にできるところから始めています。この話は、私の担当の中でも最重要課題の一つでございますので、私としては総理、官房長官と密接な連携をとりながら進めてまいりたいと考えております。党の 要路の方々とも連携をしていく所存でございます。

【問】 3月中の法案提出を目指すという話でしたけれども、そこは変わっていないんですか。

【渡辺大臣】 13日の国対締め切りには間に合わないかもしれませんけれども、今月中の法案提出を目指して頑張っていきたいと考えています。

【問】 13日というのは今日ですけれども。

【渡辺大臣】 そうですね。今日はちょっと無理かもしれません。
 よろしゅうございますか。
 ありがとうございました。


平成19年3月 9日(金)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 本日の閣議はいろいろございましたが、官製談合防止法に基づく改善措置要求について国交大臣より発言があり、官房長官の方から所属の職員及び関係事業者に対し、適切かつ厳正に対処してもらいたい旨の発言がございました。
 私の方からは以上です。

<質疑応答>

【問】 今の官製談合にも関係します天下り問題ですけれども、昨日、自民党の方が委員会に案を示されて、いろいろ問題も出ましたけれども、今後党あるいは政府内で調整の進め方を改めてお聞かせください。

【渡辺大臣】 まず、党との調整は精力的に進めてまいります。その上で、政府部内の調整もあわせて進めてまいりますが、昨日も申し上げましたように総理との共通認識は終始一貫変わっておりませんので、安倍総理の方針に従って粛々と進めていきたいと思っています。

【問】 関連してなんですが、昨日示された案、ねらいは天下りあっせんを禁止するというような部分が柱だと思うんですが、そのねらいというのを改めてどういった部分を改革したいというのがねらいなんでしょうか。

【渡辺大臣】 やはり、国民の方から見て、どうもこの天下りあっせんが予算と権限を背景にしているのではないかと、そういう疑念を抱かせるようなことはありますと、やはり公務員制度の信頼感の低下につながってしまいます。国民が不信感を持つと公務員のサイドもやる気、情熱、こういったモチベーションが低下をしてしまうというおそれがあります。
 それだけではなくて、官製談合などのようなど真ん中のケースではシンボリックに出ていますけれども、こういった天下りが税金の無駄遣いにつながっている。行政システムに無駄な税金が使われていってしまっている。したがって、こういったものを改革していくやり方として、川下から改革していくやり方もあります。例えば、公益法人改革とか特殊法人改革とか独法改革とか、そういうことを永遠と実はやってきているんですね。一方、川上から改革をしていくというやり方もありますね。それは公務員制度改革ではないかと思います。したがって、川下からの改革と川上からの改革と一緒にやった方がはるかに国民にとってはいいことなのではないでしょうか。
 私が総理から指示をされた使命というのは、後世代にツケを回さないように徹底した効率化と合理化を図ってほしいと、こういうことを言われているわけですから、私としてはまさに川上から攻める、川下からも攻めるという形で行政改革を徹底していきたい。
 その一環として、公務員制度改革はあると思うんですね。もちろん公務員の皆さんがやる気と情熱を持って仕事をしてもらうというのは極めて大事なことでありますから、そのモチベーションをさらに高くするためにも能力・業績主義を導入する、これは何年も前から言われていながら残念ながら全然実現していない話なんですね。
 したがって、今回はそういう積年の課題をできるところから実現をしていくということでございます。

【問】 今、大臣、公務員にも信頼がなくなるといわゆるやる気が情熱がなくなるのではないかと、逆に昨日の部会なり、あるいは関係省庁からの反発というのはその改革案を通すと公務員のやる気が失われるという反発だと思うんですが、その点についてどのようにお考えですか。

【渡辺大臣】 ちょっとそれは国民の常識とかけ離れているのではないでしょうか。今のやり方で本当にいいのだろうかと、みんな思っているのではないでしょうか。だから、公務員制度改革が何年も前から議論されているわけですよね。
 早い話が年功序列でずっと40過ぎまでいくわけですよ。課長になるのに2年ぐらいの差しかつかないんですね。でも、部長、審議官クラスになるとポストの数が少なくなってしまいますから、だからスーパー護送船団方式でやっていけなくなるわけですね。そうすると、そのたびに肩たたきという形で天下りあっせんが行われている。
 天下りあっせんで受け皿になったところに、さっきの官製談合みたいにとんでもない税金の使われ方が行われているど真ん中のケースもありますね。そこまでには至らなくとも、税金の無駄遣い等、指摘されていたような随契が随分ありましたね。ですから、これも見直しをやっているわけですね。ですからそういうことを考えれば、今のやり方を維持することが公務員のモチベーションを高めることがそんなことはこれは国民サイドから見たらちゃんちゃらおかしいよということではないですか。

【問】 天下りあっせんのために、人材バンクへの一元化という方向として、党側あるいは各省側は10年以上先に最終的にもっていくという案も出ているようでありますけれども。

【渡辺大臣】 それはよくわかりませんけれども。

【問】 大臣の頭の中にはどれぐらいの期間で最終的にもっていきたいと今お考えですか。

【渡辺大臣】 これは、10年も先に実現するというのはほとんどやる気がないということと同義語ですね。スピード感をもってこれは移行をしていくということが大事だと思います。
 最終的には総理の御判断になろうかと思いますね。

【問】 昨日、党の会合について各省、官房長と同じようなことを言っているとおっしゃっていましたけれども、党と省庁が一緒になって抵抗しているような形についてはどのように受けとめますか。

【渡辺大臣】 だって言っていることを聞いていたら、各省の幹部の皆さんが言っていることと、昨日党で出た発言はほとんど同じではないですか。ということは、どこかで相談をしているのではないかということが明らかになったということですね。


平成19年3月 6日(金)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 きょうの閣議について、私の方から申し上げることはございません。
 どうぞ。

<質疑応答>

【問】 閣議、閣僚懇で総理の発言というのは何かございますか。

【渡辺大臣】 官房長官に聞いてください。

【問】 昨日ヒアリングが終わりまして、各省が人材バンク、新たなものに移行するのも抵抗していると思うんですが、主な理由としてはどの点があるのか。

【渡辺大臣】 各省とも共通していましたことは、個人のさまざまな人事情報、このポストでこんなできごとがあった。そのディテールをよくわかっている。個人の家族関係から健康状態まで、すべて把握しているのが人事当局なんだと。ですから、これをマッチング、相手方とのマッチングに活用するわけであって、これは人材バンクでは代替できないんじゃないかと。したがって、各省の斡旋を残すことが大事なんだというようなことを異口同音に言っていましたね。ほとんど同じ紙を見ながらしゃべっているんじゃないかと思うような、そういうところがありましたので、それはちょっと違うんじゃないでしょうかと。
 例えば、企業でも子会社出向とかやっているところは幾らでもありますよね。しかし、企業の方はそれは税金を払ってやっているわけだし、またこういうことは営業部ごとにやっているわけじゃないんですね。だから、政府全体としてそういったもし再就職が必要な場合はそういったことをやる。言ってみれば裏でこそこそやるんじゃなくて、正面玄関から正々堂々と今までの経験が生かせるような、そういう仕組みをつくることが大事なことではないかということを私の方から申し上げました。

【問】 何か反対理由の一つとして、省庁への忠誠心がなくなるということがあったと思うんですが。

【渡辺大臣】 そこまではっきり言う人は余りいませんでしたけれども、突き詰めていくとそういうことなんじゃないですか。やはり再就職斡旋というのは人事の一環であるんだと。結局、これも各省庁に対する忠誠心を引き止めていく、それが現役に対するモチベーションの向上につながると、そういう発想があるのかもしれませんね。しかし、大事なことは各省縄張り、縦割り体制でいったら改革が進まないということだってたくさん今出てきているんですね。だから、私みたいな大臣がいるわけですよ。昔だったら、私みたいな大臣は領空侵犯大臣といって怒られちゃいますよ。でも、規制改革だって行政改革だって、各省横断的に今やらなきゃいけないじゃないですか。ということは、方向性としては官邸主導型の体制をいかにつくっていくかということなのであって、再就職情報の内閣における一元化なんていうのは、以前から言われていたことだし、今回はそれをさらに一歩進めて、人材バンクという形で再就職が必要な場合にはそれを内閣一元化でやっていくという方向性については、決して間違ってないと思いますね。

【問】 大臣、基本的には各省の斡旋機能は廃止して一元化するという方向だけですね。

【渡辺大臣】 将来はそうならざるを得ないでしょうね。

【問】 どれぐらいの期間的には。

【渡辺大臣】 それが今最大の問題、そのスピード感覚がね。

【問】 大臣、総理が国会でも答弁されました押しつけ的天下りの有無については、各省からはどんな話がありましたか。

【渡辺大臣】 これについては、特に押しつけ天下りをやっていますというところはどこもないわけで、大事なことは国民サイドから見て、予算や権限背景にやっている、これは押しつけのように見えちゃう天下りがあるじゃないかというところがポイントなんですね。ですから、公務員制度改革の要諦というのはいつも申し上げるように、公務員がやる気と情熱を持って仕事ができる。そのバックグラウンドに国民の信頼があるということが大事なことですから、国民が不信感を盛っちゃったら元も子もないじゃないですか。

【問】 話は変わりますけれども、きのう総理が予算委員会の中で、都の都民税の減税の関係で地域間格差の是正について言及しましたけれども、地域活性化担当大臣として何か具体策はご検討なんでしょうか。

【渡辺大臣】 これは税の話は総務大臣とか財務大臣マターですけれども、私の方で担当しているのは、例えば道州制というのがありますが、これは先の話になりますけれども、これはまさしく地方、地域が豊かになるためにはどういう国と地方とのあり方がいいか、そういう発想なんですね。ですから、地域間格差の是正というのは、昔流の金太郎あめタイプではなくて、道州制だって各地域ごとに独自性を発揮して競争をやっていこうという発想が根底にありますし、私が今やっている地域活性化政策なんていうのは、まさに地域のやる気を引き出す、地域の埋もれた可能性を引き出す、そういう発想でやっているわけですね。だから、国が昔のように押しつけて、金太郎あめ型でこれやりなさい、あれやりなさいという時代はもう終わったということだと思います。

【問】 所管外かもしれませんが、経済についてなんですが、世界的な株安が続いているんですが、日本政府の経済政策に何か影響はあるというふうにお考えでしょうか。

【渡辺大臣】 ですから、これがいつ下げどまるのかということでしょうね。当然、この前も申し上げたように、日本銀行が引き締めをさらに強めるという場合には、円の巻き戻しが起こるということが当然想定されるわけですね。去年も量的緩和の解除をやりましたときに、新興市場で2割、3割値下がりしちゃったところが続出をしたわけですよ。ですから、今回もそういったことについては十分警戒を払うべきであるということは、私はかねて申し上げたわけですけれども、現にそれが今起こっちゃっているわけですね。したがって、これが想定の範囲なのかどうか、これは日銀総裁に聞いてみたいですね。


平成19年3月 2日(金)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 本日は、閣議に先立ち、国家公務員雇用調整本部の第2回の会議を開催いたしました。平成20年度の配置転換、採用抑制等に関する実施計画を決定いたしております。
 この計画は、総人件費改革の重要な取り組みである、国の行政機関の定員純減を円滑に進めるための国家公務員の再配置、転換等の取り組みについて、2年目の平成20年度の各府省における配置転換の受け入れ目標数を定めたものでございます。具体的には、20年度について720人の配置転換を行うこととして、このうち国の行政機関における目標数を704人として、各府省の受け入れ目標数を定めたものであります。
 詳細につきましては、内閣官房国家公務員雇用調整本部担当にお聞きいただきたいと思います。
 私からは以上です。

<質疑応答>

【問】 閣議、閣僚懇では、天下りなどの話題は出ましたか。

【渡辺大臣】 今日は、そっちの方の関係は出ておりません。

【問】 省庁からのヒアリングがあったと思うのですけれども、公務員制度改革の法案提出に向けて、何かめどは立ったのでしょうか。

【渡辺大臣】 粛々とヒアリングをやって、今日中に大体終わる予定になっています。国会の都合がありますので、ちょっと最後の方はどうなるかわかりませんけれども、粛々とやっております。


平成19年2月27日(火)

<冒頭発言>

 本日の閣議におきまして、株式会社日本政策金融公庫法案及び同法の整備法案を閣議決定をいたしました。
 政策金融改革につきましては、いつも申し上げますように改革の後退は許さないという基本姿勢で取り組んでおります。行政改革推進法及び昨年6月の政策金融改革に係る制度設計の内容を忠実に法案化をし、国会に提出をいたしました。
 今後は、政府一体となって関係法案の早期成立を図ってまいります。
 私の方からは以上であります。

<質疑応答>

【問】 教育委員会の改革についてなんですが、昨日規制改革会議が第2次提言という形で教育長が専門教育というのは国が関与すべきではないと、大臣もおっしゃる伝家の宝刀的なものなどの方針、いいなという意見、提言が出ましたが、それについて大臣どのようにお考えですか。

【渡辺大臣】 これは、私は大臣に着任する前からの議論を提言の形でまとめたのだと思います。教育再生会議ができます前に教育委員会の必置規制などの問題について随分突っ込んだ議論が行われてきたと聞いています。そういう議論の延長戦で教育再生会議の結論を待って、改めて規制改革会議の立場を出したということだと思います。
 したがって、国の関与は全く認めていないということではないんですね。御指摘のように非常時対応としての伝家の宝刀というのは担保として認めているわけでありまして、ナショナルミニマムの確保とか、あるいは教育を受ける立場の子供たちの利益を守る、権利を守る、そういうことについての国の関与というのは認めているわけであります。したがって分権改革とこうした国の関与のあり方というのは決して矛盾するものではないと思います。
 法案を文科省において中央教育審議会の審議を踏まえておつくりになるわけでしょうから、地方教育行政組織法ですか、この改正案の中で規制改革会議の提案として一石を投じたということだろうと思います。

【問】 大臣のお考えとしては、その法案、法改正の中に規制改革会議の提案も十分酌み取ってほしいというお考えでしょうか。

【渡辺大臣】 私の立場は、規制改革会議を主導するとかということではなくて、できるだけ規制改革会議というのは伝統的に自由に物を言っていただくような、そういう立場だと思うんですね。中には霞ヶ関の野党クラブだなどという人もいらっしゃいますけれども、規制改革会議が自由な立場から物が言えた方が政府全体の議論も活性化をするのではなかろうかと思います。
 したがって、先週も申し上げたように、私の方から規制改革会議の議論に水を差すようなことはしたくないと思っております。

【問】 それに関連して、規制改革会議に昨日出したものには、私学への指導、教育委員会の指導も認めないというようなお言葉あったりとか、中教審で議論している地教行法の改正にことごとく反対するような内容になっているわけですけれども、そういう政府の足並みの乱れを指摘されることについてはどう考えますか。

【渡辺大臣】 これは自由な議論を法案作成の過程でしているというだけであって、政府の最終的な方針が決まったわけではないわけですから、ですから政府の方針が決まり、総理大臣が最終的な御決断をした後に、こういうことをやったらそれは閣内不統一と言われますけれども、これから決めていく過程での従来やってきた議論の延長戦で提案をしているわけでありますから、足並みの乱れとか閣内不一致とかということとは全く関係ないと思います。

【問】 地方分権との兼ね合いなんですが、非常事態の担保として認めるという御説明だったんですが、これに関して中教審でもそういった議論がなされたという教育長の人事権とか非常に幅広いところに対して中教審の中でも意見が追われたところなんで、大臣御自身のお考えとしてどういった方向性が望ましいというふうにお考えでしょうか。

【渡辺大臣】 私の個人的な考えは控えさせていただきますけれども、一般的に非常事態対応と分権推進というのは、これはもう全く矛盾する話ではないんだと思うんですね。非常にレベルの異なる話なのであって、そういうレベルの異なるものを制度設計の中で組み立てていくということは決して不可能なことではないと思います。
 いずれにしても、総理大臣がおっしゃられるように、最終的には総理大臣が御判断される場面があるのかもしれませんけれども、いずれにしてもまだ法案の最終的な姿が決まっていませんので、そういう段階での議論だということで御理解をいただきたいと思います。

【問】 話変わりますけれども、衛藤晟一さんの復党問題で公明党の選挙協力の関係、あるいはほかの落選組の取り扱いなどとの比較等について、党内からも批判が出ていますが、大臣どのようにお考えでしょうか。

【渡辺大臣】 衛藤晟一先生は、一時期私も同じ派閥にいたことがありまして、そのころ衛藤先生は社会保障のエキスパートという感じでした。たしかそのころだったんでしょうか。当時厚労部会とは言わなかったんです、社会部会と言ったのかな当時。ちょっと部会の正式な名称は忘れましたけれども、部会長が安倍晋三現総理だったんですね。ですから、社会保障で非常に闊達な議論を交わされていたのではないでしょうか、そのころから。ですから、そういう思いがあっての御判断だったと思います。

【問】 そういう個人的な思いで総理は……

【渡辺大臣】 これは個人的な思いというよりも、政治家にとって大事なことは理念と政策ですから、それは友情関係とかということ以前に、やはり志が同じだということが非常に強いのではないでしょうかね。志が違っちゃったら同じ政党にいる必要もないわけですね。ですから、何で政党をつくってそこに集まるのかと言ったら、やはり志が同じだと、理念と政策が同じだと言ったら、これは政治の離合集散としては正しいあり方なのではないでしょうか。

【問】 当選組の復党のときには、内閣支持率にも急落するような影響が見られたんですけれども、今回の衛藤さんの件に関してどのような影響があると推測されますでしょうか。

【渡辺大臣】 私は政治担当閣僚ではありませんので、そこまでシミュレーションはいたしておりませんけれども、最終的にはこれは党の方で、幹事長の方で責任を持って対応されるものだと考えています。


平成19年2月20日(火)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 本日の閣議前、総理が来られたときには、各閣僚とも一斉に立ち上がりまして、遅れる方はだれもいませんでした。
 閣議の中身は、リー・シェンロン閣下及びリー夫人の公式実務訪問説明について以下多数ございました。
 私の方からは以上であります。

<質疑応答>

【問】 冒頭紹介された閣議前の様子なんですが、大臣として総理の威令が必要だという形のことをおっしゃっているんですが、中川幹事長がおっしゃった私語等が多いということについて、どのように受けとめられているかということは。

【渡辺大臣】 私語等が多いという話はちょっと意外ですね。それは総理が入ってくるときには、皆さん閣僚は一斉に立ち上がりますしね。ただ、体重の差とか年齢の差でちょっと遅れたりする閣僚がいるのはあるでしょうけれども、それは威令が行われていないということにはならないんじゃないでしょうか。

【問】 関連ですけれども、中川幹事長がおっしゃった絶対的な忠誠心が必要、あるいは自己犠牲の精神が必要だということについて、ちょっと過剰じゃないかという反応もありましたが、いかがでしょうか。

【渡辺大臣】 それは総理がおっしゃられるように、そんなことは言われなくてもわかっていますよということじゃないですか。

【問】 となると、自民党の幹事長の認識が違うということになりますけれども、そのあたりはどうでしょうか。

【渡辺大臣】 認識が違うということはないと思いますね。いろいろと御心配されて指摘されたことでしょうからね。ですから、総理の方にすれば、それは言わずもがなの話ですよと、そういうことだと思います。

【問】 この関係で、昨日中川幹事長にお会いなるときもこの関係について意見交換されたんでしょうか。

【渡辺大臣】 この話はしていません。いろいろ政治向きの話はしておりますけれども、こういうたぐいの話はしていません。

【問】 大臣御自身で、絶対的忠誠心を持っていると思いますか。

【渡辺大臣】 私は総理から指名というか任命されましたときに、要するに将来世代につけ回しをしないように徹底して合理化、効率化を図ってほしいと、こういうことを指示されたわけですから、これが私のミッションですよね。私の使命です。ですから、その点においての忠誠心はずっと持ち続けていきたいと思っています。

【問】 大臣御自身としては、中川さんの最初の発言を聞かれたときには、特に心当たり。

【渡辺大臣】 直接聞いたわけじゃないからね。新聞報道で活字を見ただけですから、御本人がどういうシチュエーションで、どういう口調で言われたのかがわかりませんと、何ともコメントのしようがないですね。

【問】 御自身で私語とかは特に、もう全くない。

【渡辺大臣】 それは気がつきませんね。私語があって、総理が無視されているみたいなね。そんなことは全くないと思いますよ。

【問】 大臣から見て、党側がこういう発言をするとか、政府与党が一体でないかのような発言が出ることについてはどのように思われますか。

【渡辺大臣】 党の方からの御発言とは一種の親心だと思いますけれどもね。ですから、要するに、親心も時にうるさく感じることもあるじゃありませんか。そういうことだと思いますけれども。

【問】 公務員制度改革についてなんですが、総理は国会答弁の中で押しつけ的な天下りについて、ないとは言えないというような考えを示されていましたけれども、ただこの前の政府答弁では……

【渡辺大臣】 ないとは言えないじゃなくて、あるから根絶するとおっしゃっていますよね。あるから根絶するんだと。別にないものを、幽霊を根絶するなんていうことでは全くないと思いますね。

【問】 従来の政府答弁者がないという見解だったと思うんですけれども。

【渡辺大臣】 いや、ないとは言っていないですよ。要するに、省庁の方から要請をしているケースについては確認されていないということですよね。だから、あったかもしれないけれども、確認はされていないということでしょう。

【問】 ということは、あるということだと。

【渡辺大臣】 ですから、予算権限を背景とした押しつけ的あっせんというのは、ただ単に要求をすることだけなのかということについての議論はありますよね。

【問】 昨日の月例経済報告なんですが、これは利上げの関係で為替について大臣から総裁に質問があったというふうにお聞きしているんですが、どのような。

【渡辺大臣】 直接利上げのことについて言及を私はしていません。一般的に金融政策が為替の動向とは無関係であるというような御説明をされているのかどうかを御質問しただけです。つまり、私の認識では、これは大いに関係のあることであって、昔から私は日米中の連結ケインズ経済と呼んでいる状況は相変わらず続いているわけですよね。つまり、アメリカ人が個人消費を支えているのは、貯蓄率がずっとマイナスなんですよ、05年くらいから。それは果たしていつまで続くかわかりませんね。ですから、いわゆる経常収支赤字、それから財政赤字、家計も赤字、これを三つ子の赤字と言うわけですけれども、アメリカの人は借金をして、生産拠点が中国にあって、日本はお金を供給し、かつ中国がもうけた黒字をさらにアメリカに環流すると、こういう構図があるわけですね。その中で日本の低金利のゆえに、アメリカのファイナンスをやっている現状があるわけですね。ですから、当然金融政策のやり方によってはこういう構造に変化が起きる可能性があるということを申し上げたんです。
 ちなみに、プラザ合意の後だったと思いますが、当時公定歩合と短期金利の低目誘導というのを両方やっていましてね、失礼しました、短期金利の誘導の方を高目に誘導しちゃったんですね。その結果、円高を加速させてしまったという苦い経験が指摘されているわけです。そのことを昨日は私の方から発言をいたしました。

【問】 それに対して福井総裁の方からどのような。

【渡辺大臣】 いつもの木で鼻をくくったような答弁でしたね。

【問】 所管外だと思うんですけれども、大臣御自身としては今回の利上げをどのように判断するべきとお考えですか。

【渡辺大臣】 ですから、要するにマーケットがおり込んでいないときに、言ってみれば裏をかくような行動に出ますと、大変な混乱が起きると思いますね。ですから、みんな納得づくでやるんだったらまだしも話は別ですけれども、とてもそういった状況にはないのではないかという感じはいたします。

【問】 先ほどの公務員制度改革についてなんですが、霞ヶ関にはまだ確認をされていないというスタンスだと思うんですが、それに対して今のところ法案策定に抵抗などは感じますでしょうか。

【渡辺大臣】 それは改革にはつきものでして、別に今回初めてというわけじゃないですからね。それはいつでもどこでもそうですよ。改革をやるときには必ず摩擦が伴うんです。


平成19年2月16日(金)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 本日の閣議は、一般案件、国会提出案件、政令、人事等ございました。
 先般、総理から御発言がありました宮本邦彦警部の殉職に伴う緊急叙勲が決定されました。宮本警部を正七位に叙し、旭日双光章を授与するものでございます。
 私の方からは以上であります。

<質疑応答>

【問】 規制改革会議が、教育委員会の扱いについて教育再生会議と全く異なる見解をまとめましたけれども、それについてどのように受けとめますか。

【渡辺大臣】 私が聞いているのは、規制改革会議は、かねて、昨年からこの教育委員会問題について議論を重ねてきていたと聞いています。したがって、教育再生会議がスタートをした時点で、再生会議の議論を待って、再び議論を再開したいと、こういうことだったと思います。再生会議の一時報告が出、分科会報告が出まして、それらを踏まえての御提言だったと聞いています。

【問】 結果的に踏まえたということで、全く見解の異なる国の関与あるいは必置義務の扱いについて全く異なる形になりまして、閣内不一致ではないかという意見もありますが。

【渡辺大臣】 かねて、規制改革会議の方ではこの問題を取り上げて積極的に議論をしてきたわけです。今回、以前の議論と何か目新しいものがあるんですかと聞きましたら、それは特にないということを聞いています。
 したがって、従来、規制改革会議の立場で、あるいは規制改革会議のミッションとして方向性を持った議論をしてきているわけでありますから、それが閣内不一致ということにはならないと思うんですね。
 例えば、国の関与という問題についても、いわば非常時対応の伝家の宝刀的な位置づけとして、国による一定の担保措置を設けておく必要はあろうと、はっきり規制改革会議の方も言っているわけでありますから、まさに非常時対応というのは、ここではどういう具体的な内容かは書いてありませんけれども、一般的に言えば、非常時対応というのは強制力を持って対処をすることですよね。
 ですから、そういう担保は、ここでは具体的な中身については書いてありませんけれども、そういった担保を設けておく必要はあると言っているわけでありますから。ですから、あとは細部の問題だと思いますよ、制度の設計の。ですから、これからそういう細部の設計をやるわけでしょうから、その場面で規制改革会議の立場としてはこういう提言をいたしますということなんじゃないでしょうか。

【問】 そうすると、規制改革会議に対して、議論の方向性を見直してもらうようなことを特に働きかけるおつもりというのはないんですか。

【渡辺大臣】 規制改革会議は、私が大臣になる前からこの問題をずっと真剣に取り上げて議論をしてきているわけです。ですから、今回の提言の中で、特に以前の議論から跳びはねた、突飛な、突拍子もない提言が出ているわけでも何でもないと思いますよ。

【問】 今回、会議の方が見解を示したのは、教育三法の改正案が通常国会に提出される前に考慮してほしい点ということで意見されたというタイミングだったんですけれども、大臣としても法案の作成作業をこれからされていくと思うんですけれども、規制改革会議のおっしゃっている方向をバックアップしていきたいというお考えでしょうか。

【渡辺大臣】 私が出した前から、これはやっていた議論なので、私の方から水を差すというつもりはございません。

【問】 前任の佐田大臣なんかは、国の権限を強化するべきだと、かなり明確なことをおっしゃられていましたけれども、大臣御自身としてはどのようにお考えですか。

【渡辺大臣】 ですから、この規制改革会議の方でも言っているように、非常時対応としての国の関与というのはあり得るんだと思いますよ。ですから、最終的にだれが非常時対応をやるのかといったら、それはやはり国がやるべきものでしょう。それは一般的に何でもそうじゃないですか。

【問】 是正勧告とか指示、指導の権限というのは、やはり国が持つべきだということですか。

【渡辺大臣】 ですから、非常時対応という概念からすれば、どういう制度設計がいいのかはいろいろ議論のあるところだと思いますよ。一般的に、非常時対応というのは、私の理解では強制力を持って対処するというイメージなんじゃないですかね。

【問】 そういう権限を文科大臣に与えてもいいんじゃないかということですか。

【渡辺大臣】 一般的に、非常時対応というのはそういうものであって、教育委員会の制度設計について私が具体的にどうこうするということではございません。

【問】 先日の衆議院の予算委員会で、総理が省庁の押しつけ的なあっせんは実態としてあったというような、従来の政府見解より踏み込んだ御発言をされたと思うんですけれども、この発言を受けて、所管の大臣として今後どのようにこの問題に対応されるか、何か具体的にありますか。

【渡辺大臣】 ですから、具体的な制度設計に当たって、予算権限を背景とした押しつけ的あっせんと、こういうことをまず定義を決めていく必要がありますよね。ですから、総理の発言を踏まえて詳細な制度設計を行ってまいります。

【問】 規制改革会議の話に戻るんですが、最終的には総理が政策を判断すると思うんですが、教育改革をめぐって、今、官邸からの再生会議と、あと文科省と、あと大臣担当の規制改革会議と、それぞれ議論を進めていると思うんですけれども、大臣としては、どのような形で教育について、政府として方向性を決 めていくのが望ましいというふうにお考えでしょうか。

【渡辺大臣】 ですから、これはそれぞれの立場で、規制改革会議も総理が諮問をして、メンバーの方々も選ばれているわけですよね、私が大臣になる前に決まっていた方々ですね。ですから、昨年からずっと議論をしてきている経緯もありますし、また、安倍内閣の目玉として教育再生会議がスタートをして、その議論が、方向性が出てきたわけでしょうから、これから中央教育審議会にかけて、その答申を受けて法案化の作業が始まるわけでしょうから、そこで今までの議論を闘わせて最終的な結論を出していければいいんじゃないんでしょうか。

【問】 規制改革会議の話なんですけれども、この時期にこういった見解を表明したねらいとか、あと、この見解を出すに当たって、大臣から指示とか、もしくは総理から指示とか、そういうものがあったのかどうかというのはいかがなんでしょうか。

【渡辺大臣】 このタイミングというのは、まさに先ほど申し上げた教育再生会議の一時報告とか分科会報告とか、そういうものが出てきた段階でこれから法案化の作業に入るということで、今まで教育再生会議の議論を注視してきたわけですよね。ですから、それが出てきたわけですから、再生会議としては議論をスタートさせたと、こういうことではないんでしょうか。私が指示したとかということはございません。

【問】 この見解について、大臣が直接ではなくても、総理や官房長官にこういったものをまとまったという報告等はされましたでしょうか。

【渡辺大臣】 それは官房長官に聞いてください。

【問】 一応確認なんですけれども、大臣としてもやはり教育も地方分権は進めていくべきだという基本的なお考えでしょうか。

【渡辺大臣】 私の立場として、内閣総理大臣から特命事項を担当せよと、こう言われて規制改革会議を担当しているわけですから、先ほど申し上げたように、規制改革会議のミッションというのがあるでしょうから、委員の皆さん方は、そういうミッションを十分に心得て議論をされているわけでしょうから、私どもから水を差すことはあり得ないと思います。

【問】 大臣の基本的なお考えとして、やはり教育というのは、地方分権というのを前提にするべきだというお考えをお持ちなのかどうか。

【渡辺大臣】 これは教育に限らずいろいろなレベルで当てはまる一般論でありますけれども、国の関与は、ナショナル・ミニマムという点では、これは必要ですよ。そして、非常時対応というような場面にあって、国が手をこまねいて何もしないということも、これまたあり得ないことなんですね。
 一方、分権の流れというのは、これは、規制改革会議に限らず、分権改革というのも、これは安倍政権の一大課題でありますから、ですから、言ってみれば相反するかのように見える要請をいかに同時に満たしていくかということが政治家のわざなんじゃないでしょうかね。

【問】 先ほどの押しつけ的なあっせんの定義なんですけれども、法案提出まであと1カ月ほどですけれども、3月の上旬の日までに間に合わせて定義づけできるんでしょうか。

【渡辺大臣】 国会対策上の期限というのは3月半ばなんでしょうけれども、一応それは念頭に置いて作業は進めております。


平成19年2月13日(火)

<冒頭発言>

 本日の閣議は港湾関係、政投銀とか商工中金とかですね。それから地域活性化関係で、地域公共交通の活性化法案とかがございました。それから、尾身大臣からG7の報告がございました。
 総理から、板橋区東武東上線ときわ台駅での殉職警察官に対する緊急叙勲の話がございました。踏み切りから線路内に入った女性を強い正義感と職務を全うせんとする強固な意思から助けようとして電車と接触し、意識不明の重態になっていた警視庁板橋警察署宮本邦彦巡査部長が、昨日、入院先の板橋区内の病院で亡くなられたことを受けたものでございます。
 私の方からは以上であります。

<質疑応答>

【問】 天下り規制についてなんですが、規制対象となる再就職先について、民間企業以外でどのような法人まで規制をすべきかというのはどのようにお考えでしょうか。

【渡辺大臣】 これも最終的な、今、詰めを行っているところであります。民間企業あるいは公益法人などに限ろうという意見もありますし、また広く独法、特殊法人、民間法人、このあたりまで入れるべきだという意見もありまして、最終的な制度設計を急いでいるところであります。

【問】 きょう道州制のビジョン懇談会が始まりますが、改めてその意義と、あと1年後に予定されています中間報告の方で、現段階でのイメージとしてはどのようなものを盛り込んでいきたいというふうにお考えなのかということをお願いしたいんですが。

【渡辺大臣】 きょう初会合ですから、きょうは地方制度調査会の報告を聞きましてフリーディスカッションをやろうということでございます。いつも申し上げるように、分権改革がまず先行して始まっていくべきであって、その総仕上げとして道州制はあるべきであると考えています。当然のことながら、中央省庁の大再編とワンセットの話になっていくわけであります。中間報告でどこまで盛り込めるかということについては、まだ懇談会開催前でございますから、懇談会開催前に私がミスリードのことを言っても懇談会になりませんので、フリーディスカッションを大いにやってもらいたいと。その上で出してもらいたいと思っております。


平成19年2月9日(金)

<冒頭発言>

 本日の会議は、私の案件はございませんでしたが、道州制ビジョン懇談会の第1回会合を2月13日火曜日、17時30分から開催をいたします。今回初顔合わせでございますから、ビジョン懇と道州制協議会の合同会議といたします。会議では第28次地方制度調査会答申についての説明をいただき、意見交換をする予定にしております。いつも申し上げますように、道州制というのは地方分権改革の総仕上げであり、中央省庁の大再編を伴う、そういう壮大な国家ビジョンでありますから、ビジョン懇や協議会の活動を通じて国民の世論喚起を行っていきたいと考えております。
 以上でございます。

<質疑応答>

【問】 ビジョン懇のことなんですが、総理の出席はあるんですか。

【渡辺大臣】 これは私の私的懇談会ですので、ございません、今のところは。

【問】 今閣議の後少しお時間をとられていましたけれども、総理とお話しですか。

【渡辺大臣】 別に総理とではありません。

【問】 公務員制度改革なんですが、公務員の再就職に関して塩崎官房長官が記者会見で、7日だったと思うんですが、ヘッドハンティングみたいなものはどうするのかと、考えないといけないということをおっしゃっていたんですが、今大臣としてはどのように扱っていこうというふうにお考えでしょうか。

【問】 今の方向性はどちらに。

【渡辺大臣】 方向性というのは、それはヘッドハンティングは今でもやっているわけで、ですから今でもやっていることをやらせないということではなくて、むしろ接触規制とか、そういった行為規制の方できちんと規制強化をやっていくということじゃないでしょうか。

【問】 接触規制を行うということは、ヘッドハンティングするということは、いずれに接触はあるわけですね。

【渡辺大臣】 その後ですよ、退職後の現職との接触規制ということはあり得るということですね。

【問】 大臣、昨日の中心市街地活性化の初認定について、今後の期待と課題について一言お願いします。

【渡辺大臣】 昨日、両市長さんのお話をお伺いしましたが、やはり大変なご苦労があったようですね。とにかく、町中活性化のためにコンパクトシティというコンセプトを持って、青森の場合には雪かき費用がばかにならないと、そういう現時的な問題もあって、住宅政策、あるいは子育て支援、こういうものとワンパッケージの政策になっているところが非常に目からうろこの話でしたね。認定をきっかけに今度は国の支援を出していくわけでありますから、ぜひ両市ともそれぞれの特徴を生かして成功事例になってほしいなと思っています。

【問】 天下りなんですけれども、一番焦点になっているのはあっせんだと思うんですが、あっせんの規制については大臣はどのように考えていますか。

【渡辺大臣】 あっせん規制は総理がおっしゃるように、厳格な行為規制をかけます。


平成19年1月30日(火)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 先ほどの閣議で、私の方から発言したのは、道州制特区基本方針についてでございます。この基本方針は決定をされました。広域行政の推進の意義、目標、広域行政の推進に関し、政府が講ずべき措置などを定めております。この基本方針に基づいて、北海道が道州制特区計画を作成することにより、4月から事務事業が移譲されることになっております。
 これに関連して、総理大臣の方からの発言でございますが、今後、北海道からの新たな提案を踏まえ、事務事業の移譲を積み重ねていき、その成果を道州制ビジョンの策定に反映させ、将来の道州制導入の検討につなげていくことが必要であり、各閣僚が先頭に立って取り組むべき旨を述べられております。これは総理発言であります。
 私の方からは、北海道の事務事業を円滑に移譲するために必要な手続を進めるよう、各閣僚に依頼する発言を申し上げました。
 次に、1点、報告でございますが、閣議の案件ではございませんけれども、構造改革特区計画、それから、地域再生法に基づく地域再生計画の認定申請の受付結果でございます。構造改革特区計画は第13回、地域再生計画は第6回であります。全国各地から認定申請が寄せられ、申請件数は特区計画の方は41件、地域再生計画が63件であります。合計104件です。
 今後、申請された計画の精査を行いまして、各府省の同意などの手続を進めることになっています。3月中には認定できるように事務方に指示を出しております。詳しくは構造改革特区推進室の方でお尋ねをいただきたいと思います。そんなところでしょうかね。
 私の方からは以上でございます。

<質疑応答>

【問】 道州制基本方針が今日決定されたわけですけれども、改めて伺いますが、道州制、今後、大臣としてどのような意気込みで進めていきたいかを。

【渡辺大臣】 道州制は、この前発表しました私の私的ビジョン懇談会を立ち上げます。それと同時に、既に各地区、各地域で運動しておられる経済界の方々などによる協議会も同時に立ち上げます。この私的懇談会の方では、3年を目途にビジョンを策定をいたしますので、大体1年をめどに中間取りまとめといいますか、方向性を打ち出す予定になっておりますから、そうしたことを通じて、大いに国民の理解を深めていきたいと思っております。

【問】 ビジョン懇談会なんですけれども、初会合の日程等、決まっておりましたら。

【渡辺大臣】 初会合の日程は、今月が今日明日しかないので、2月中には行いたいと考えています。できるだけ早く。

【問】 特区のフォローアップをビジョンに反映させていくということで、特区のフォローアップについては年度ごとにということになっておりますけれども、そうすると、ビジョン懇は1年間は特区の成果なり実情というものを議論の対象になかなかできる材料が乏しいということが出てくるかと思うんですが、その辺はどのようにお考えですか。

【渡辺大臣】 北海道も新たな提案をされると聞いておりますし、実際の北海道の成果が出てからでないと議論が始まらないということではないんだと思うんですね。特区先行ではありますけれども、道州制というのは、いつも申し上げますように、地方分権改革の総仕上げでもありますし、同時に、中央省庁再編にもつながっていく壮大な国家ビジョンでありますから、このビジョンの検討は特区の成果と並行して進めていけるものと考えております。

【問】 柳澤厚生労働大臣が女性は子供を産む機械だという受けとめをしたんですが。

【渡辺大臣】 私のおやじもよく失言で失敗していましたけれども、もうちょっと閣僚というのは発言は慎重に行うべきであると思います。

【問】 今日、閣議で総理から閣僚各位に対して発言を注意するような、そういう指示、お願い等はあったんですか。

【渡辺大臣】 特にそういう話は聞いておりません。

【問】 昨日の諮問会議についてちょっと伺いたいんですが、公務員制度改革について、仕事とワンセットになった天下りの根絶と、総理の指示をペーパーの方にも掲げておられましたけれども、具体的に行為規制の中でそれをどのように反映させていくおつもりでしょうか。

【渡辺大臣】 昨日も申し上げましたように、これは総理の施政方針演説にも入っていることなんですね。ですから、この施政方針演説に従って、私が公務員制度改革の具体的な設計を指示されているわけでありますから、まず、不正なあっせんなどについては、これは刑事罰で処断するということになろうかと思います。また、不正まではいかなくとも、不適切なあっせんという場合には、これは懲戒処分、こういう仕切りで考えるべきだと思っています。具体的な類型などにつきましては、今、鋭意検討を進めているところでございます。

【問】 もう国会始まりましたけれども、スケジュール的には、例えば骨子がいつぐらいには取りまとめたいとか、そういった見通しはありますでしょうか。

【渡辺大臣】 国会対策的な観点からいけば、3月15日が期限ということになっておりますので、一応そのスケジュール感覚は念頭にはございます。こういう極めて政治的な対立があり得る重要法案については、過去にもずれ込むことはあったようでございますが、国会対策も考えれば、一応3月半ばの提出を目指して検討を進めていきたいと思っております。

【問】 それと、政策金融の新たな機関についても昨日説明がありましたけれども、子会社化は法改正をしないとできないようにするという大臣の明言があったようですが、法の中で具体的にどのように担保していくおつもりでしょうか。

【渡辺大臣】 これは、ちょっと私の昨日の説明がミスリードだったかもしれませんが、恐らく昨日皆さんも紙を持っておられると思うんですね。この紙にも落としてありますけれども、国際金融業務は、国際協力銀行という名称を用いるが、あくまで部門の名称であり、子会社ではないわけですね。ですから、これを仮に子会社にするというもくろみがあったとすれば、それは法改正をしないとできないことですよと昨日私は申し上げたかったのでございます。
 したがって、子会社化できないという文言が法律案に入っているわけではございません。要するに、子会社化をもくろむのであれば、法改正あるいは別の法律案をつくって国会に出さないとできませんよという意味でございます。

【問】 原案では、組織形態については定款で定めるということで、財務大臣等の判断によっては、事実上の子会社も可能……

【渡辺大臣】 できません。

【問】 それはできない。

【渡辺大臣】 できません。法改正が必要になります。定款で子会社をつくることはできません。

【問】 ビジョン懇の日程ですが、2月上旬というのはちょっと難しいですか。

【渡辺大臣】 ビジョン懇、とにかく私1人でやるものじゃないものだから、十何人かいらっしゃるものですから、一通りご了解はいただいたんですけれども、じゃ明日集まってくれと私が号令をかけて集まれるという体制でもないので、できるだけ早目にやらせていただきたいと思っています。決まったらすぐに報告はさせていただきます。

【問】 労働基本権の件なんですけれども、昨日の諮問会議でのペーパーでも4月中の専門調査会の中間報告を待ってということだったんですが、結論はいつぐらいまでに出すというような目標というか……

【渡辺大臣】 結論は、そんな出口が延々と続くということはあり得ないわけでして、論点が山のようにたくさんありますから、その中で特に重要といいますか、先に論ずべき論点については佐々木座長の方でそういったものをピックアップしていただいて、4月中に何らかの形で中間報告を出していただけるものと思っています。
 したがって、最終結論は、中間報告のできぐあいによるんじゃないんでしょうか。中間取りまとめと称して大体9割方固まっている場合もございますし、中間報告、文字どおり中間の場合もございますし、ですから、中間報告を踏まえて出口のスケジュールは考えていきたいと思っておりますが、そんなに時間をかけるつもりは私はございません。

【問】 先ほど柳澤大臣の発言について、ちょっと戻っちゃうんですけれども、大臣、常々総理の威令を示すことが必要だとおっしゃっていましたが、これだけ閣僚の失言が相次ぐのは、総理の威令がなかなか届いていないということなんでしょうか。

【渡辺大臣】 だから、総理は昨日の本会議でもおっしゃっていましたけれども、柳澤大臣に対して厳重注意をされたわけですね。それに対し、柳澤大臣は、本会議場でも謝罪をされたわけですし、いろいろな機会を通じて不適切であった反省の弁を述べられていると思うんですね。ですから、総理の威令が行われていないということでは全くなかろうと思います。きちんと総理がそういった発言に対して厳重注意をし、ということは、我々に対して発言は十分注意するようにという、こういうメッセージでもあろうかと思いますので。

【問】 今後はなくなりますか。

【渡辺大臣】 ですから、これはきちんとそれぞれの閣僚が適切な発言をしていくことが大事だと思います。


平成19年1月26日(金)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 本日の閣議は、一般案件、国会提出案件がございました。
 私の方は、閣議決定事項ではございませんが、かねて皆様に報告しております道州制ビジョン懇談会の設置について、御報告申し上げます。
 道州制ビジョン懇談会を今月中に立ち上げたいと、かねて申し上げてまいりましたが、そのメンバーが決まりました。メンバー表はいっていますか、ごらんのとおりでございます。ビジョン懇と同時に道州制協議会というのも立ち上げたいと考えております。これもメンバー表がいっているかと思いますが、こちらの方は各地域で、もう既に道州制のオピニオンリーダー的な立場で活躍しておられる皆様に御参画をいただいております。本日確定をいたしましたので、御報告をさせていただきます。
 ビジョン懇の方は、2月に第1回の会合を開催する予定になっております。国民の理解がまだ深まっていない状況でございますので、このビジョン懇や協議会を通じて大いにPRを図ってまいりたいと考えております。3年を目途に、道州制の明確なビジョンを打ち出す予定になっております。詳細については、内閣官房副長官補室に、坂さんの方にお問い合わせをいただきたいと思います。
 次に、地域活性化ナビゲーターの報告をさせていただきます。
 まず、かねて申し上げていたように、今年度中に熊本それから宮城に、ナビゲーターを派遣をいたします。熊本会場の方は、富士川一裕さん、この方は熊本まちなみトラスト事務局長をやっておられます。宮城会場は、清水慎一さん、JTBの常務さんであります。それぞれの会場に、政府の方からもかなりの人数が参りまして、いろんな御相談、御質問にお答えをさせていただく予定になっております。
 それぞれの地域に埋もれた宝物がたくさんあるんですね。したがって、こういう宝物の掘り起こしを、いかに上手にやっていくかと。頑張り過ぎてへろへろになって、夕張市みたいにならないように、失敗事例も含めて抱負なデータベースを蓄積をいたしておりますので、そういったもの、つまり「埋もれた宝物掘り起こし伝道師」とでも言うんでしょうか、そういう感じで、このナビゲーターを活用していただければと思います。
 大体、民間から200名以上、さらに国の職員を含めますと、総勢600名以上の登録が見込まれております。この数は、もうちょっとふえるかもしれませんね。例えば「観光カリスマ」などと言われる人たちは、当然このナビゲーターの一角を担っていただくことになろうかと思います。
 私の方からは以上でございます。

<質疑応答>

【問】 道州制ビジョンの方なんですけれども、開催スケジュールで「2月」となっているんですが、もうちょっと細かい日にちがわかっていたら教えていただきたいのと、あと協議会の方は、これはいつごろに開催して、どういうような形でやっていくんでしょうか。

【渡辺大臣】 場合によっては一緒にやることも考えております。懇談会と協議会とですね。大体ペースとしては、月一で考えております。19年度中、ですから来年度中にも、論点整理としての中間報告は行いたいと考えております。

【問】 初会合は2月に開催と、もうちょっと……

【渡辺大臣】 2月のスケジュール、ちょっとまだ固まっておりません。固まりましたら、御報告いたします。

【問】 あと懇談会メンバーの人選なんですが、どういうようなねらいで、こういうメンバーにされたのかということについては。

【渡辺大臣】 懇談会のメンバーは、いろいろな方の御意見を聞きまして、専門にこの問題を研究しておられる方、それから国民の理解が深まっていないという実情をかんがみれば、ごくごく一般的な認識をお持ちの方、各種取りそろえてお入りをいただいたということでございます。

【問】 この懇談会と協議会ですが、先ほど性格を若干御説明いただいたんですが、もう少し、そのそれぞれの役割分担について詳しく御説明いただきたいなと思います。

【渡辺大臣】 ビジョン懇の方は、まさにビジョンを打ち出す3年を目途に、ビジョンを打ち出すビジョン部隊なんですね。協議会の方は、もう既に相当各地域で、この問題の国民運動的なものを展開しておられる方々でありますから、引き続き、そういった運動をPRもかねて展開をしていただきたい。ぜひ、その運動の過程でいろんな見識をお持ちでしょうから、ビジョン懇の皆様方と一緒に議論をしていただきたいと、そういうような感じでございます。

【問】 要するに、地域での議論もしてもらうし、それをまた東京へ持ってきてということもあるわけですね。

【渡辺大臣】 そういうことです。

【問】 それは当然……。

【渡辺大臣】 フィードバックもしていただくということですね。

【問】 これもやはり大臣の私的な諮問機関……。

【渡辺大臣】 制度的にどういう位置づけか、ちょっと後ほど事務方に聞いていただきたいと思いますけれども。

【問】 ビジョン懇が策定するその報告と、あと政府が策定しようとする道州制ビジョンですけれども、この関係といいますか、中間報告をビジョンに反映させるという形になるんでしょうか。

【渡辺大臣】 ですから、ビジョン懇は私の私的な懇談会でありますから、そこでいろいろなビジョンを出してもらいまして、それを中間報告をし、政府の方とも相乗作用で、いろいろ意見交換もやる場面も、いずれ出てこようかと思います。いずれにしても、問題が相当、壮大なスケールの問題でありますから、これはその私的ビジョン懇のビジョンが、そっくりそのまま国のプランになるとは申し上げませんけれども、いずれにしても、国民の皆さんの理解を深めていくことも極めて大事なことでありますから、このビジョン懇のいろいろな提案や思い描くプランが、相当いい方向で議論が展開されていければいいなと思っておりま す。

【問】 別件なんですけれども、昨日、自民党の行革本部の方で、中央省庁改革委員会というのが設置されました。中央省庁の再編についての議論をすると。以前にもございましたけれども、そういった具体的な動きが党の方で出てきている中で、政府側として、この問題についてどのように対応していくお考えでしょうか。

【渡辺大臣】 特に総理、官房長官から具体的な指示は受けておりません。党は党で、こうした問題についての認識をお持ちになって、行革本部でおやりになると思います。
 いずれにしても、この省庁再々編の話というのは、前にも申し上げたかもしれませんが、いきなり組織論から入るのではなくて、いろんな機能から考えていって、場合によってはかぶっている機能もあるかもしれませんからね。ですから、それは効率的でない、合理的でないというところも、省庁再編から随分時間がたっていますから出てくると思うんですね。ですから、当然その行政改革や分権改革をやる過程で、避けて通れない話だと思っております。
 私の担当しております先ほどの道州制ビジョンをつくるに当たっては、当然これは中央省庁の再々編という問題も、これはその中の一部の話になってくるわけですね。ですから、今、安倍改革がやっておりますことは、ばらばらにやっているわけでは全くなくて、地方分権改革も行政改革、公務員制度改革も、道州制ビジョンも、全く相互関連をしながら進んでいると、そういうことが言えるのではないでしょうか。

【問】 それとまた全然話が違うんですけれども、民主党の角田参院副議長が、選挙費用の問題で、やめるやめないということで党側ともめて、まだ決着がついていないような状況ですが、どのようにごらんになっていますか。

【渡辺大臣】 ちょっと私、新聞報道でしか、この問題よくわかっておりませんので、論評は控えておきます。

【問】 先週、官房長官とお会いになられた際に、内閣としてのリーダーシップ、あと威厳というものが必要だと―威令ですか、すみません。もう少し具体的に大臣のイメージとして、どのような方向性を打ち出していくか、その手法としてどういうものが必要だというふうにお考えかということをお伺いしたいんですけれども。

【渡辺大臣】 それは別に、私が官房長官に進言したとかいうことではなくて、私の思いを述べただけでございますけれども、官房長官に伝えたという意味じゃないですよ。
 やはり総理の威令が行われるということが大事だと思うんですね。つまり、総理が正しい権力の使い方をおやりになると。つまり、その権力に基づいたリーダーシップを発揮をされるということが、総理の威令が行われると私は理解しておりますので、そういうことがきちんと行われるようになれば、安倍内閣の指導力、リーダーシップというものがはっきり国民に見えてきて、ついででありますけれども、支持率も上昇するんじゃないでしょうかという趣旨で申し上げたのでございます。

【問】 おっしゃったことに関して、もう少し具体的にお伺いさせていただくと、例えば過去にあった事例で、こういうときにこうすればよかったとか、今後、大臣所管以外の政策でも結構なんですけれども、こういう形で進めていけば、そういうリーダーシップを発揮できると……

【渡辺大臣】 私も今、閣内におりますので、政治評論家にそっちの方は任せておきたいと思いますが。


平成19年1月19日(金)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 今日の閣議は、一般案件、国会提出案件、政令、人事等にわたっております。
 私の担当では、道州制の政令がございました。道州制特区推進法に基づいて、同法の施行期日、北海道特定広域団体と定めること、道州制特区推進本部に参与会議を置くことなどを定める政令を決定したところです。道州制は特区推進本部を開催をし、区域基本方針を閣議決定するなどのことを、本年4月から事務事業を円滑に委譲できるよう必要な手続について北海道とも連携して進めてまいります。本部はおおむね今月中に開催をいたします。その後は北海道から新たな提案をいただき、事務事業の委譲を積み重ね、道州制特区の取り組みの成果について国民がそのメリット実感し、道州制に関する国民的な議論が深まることによって将来の道州制の実現につなげてまいりたいと思います。
 以上でございます。

<質疑応答>

【問】 省庁再々編の件で、安倍さんとか塩崎さんが必要性については前向きな御発言を昨日されているんですけれども、大臣自身は必要性についてはどのようにお考えになりますでしょうか。

【渡辺大臣】 これは橋本行革以来相当時間が経過しまして、今の体制をさらに修正するということは当然だと思います。ですから、この議論は大いにやっていくべきだと思います。この議論には私も積極的に参加をしていきたいと思います。

【問】 例えば、菅総務大臣は情報通信省ですとかいった具体的な発言をされているんですけれども、大臣は何か積極的という意味で具体的にお考えの部分はございますでしょうか。

【渡辺大臣】 今日具体的に述べる玉は持ち合わせておりませんけれども、全般的に見てやはり変えた方がいいと思われるところが多々あるような気がいたしますので、大いにこの議論が盛り上がることを歓迎したいと思います。

【問】 例えば、政府として成案を得るべき早く議論を、参院選前にそういったものが国民に示せるように急ぐべきであるとか、そういうお考えについては。

【渡辺大臣】 スケジュール感覚は持ち合わせておりませんけれども、党の方でも議論していくことを決定されたようでございますから、政府の方でもどこが中心になるかわかりませんけれども、議論はすべきだと思います。

【問】 党の方では行革本部に再々編の委員会を設置することのようですけれども、政府の方でも行革本部を中心に検討することになるんじゃないかと思うんですけれども、その点いかがでしょうか。

【渡辺大臣】 そのあたりは、特に総理、官房長官から具体的な指示はまだいただいておりませんので、何とも申し上げられません。

【問】 それと、与党の一部幹部からは、何でもすぐに組織をいじりたがるのは悪いくせだというような、ちょっと批判的な発言も聞かれるんですが、その辺はいかがでしょうか。

【渡辺大臣】 その議論は大昔からあるんですね。橋本行革のときにも組織いじりをやっても真の行革につながらないんじゃないかという議論はさんざんした記憶がございます。組織をいじることによってうまくいっている例などもあるんだと思うんです。縦割り型が相当連携が深まったというところもあると思いますし、やはり行革と組織論とは全く別物ではないし、切っても切れない関係にあるのではないでしょうか。

【問】 道州制に関してなんですけれども、昨日全国知事会が道州制に関する基本的考え方等をまとめました。地方分権を重視する、それから中央省庁の解体再編という見直しも含めた……解体再編。

【渡辺大臣】 都道府県のね。

【問】 中央省庁です。そういった見直しも含むものでならなければないというふうに明記していますが、政府に対する提言も含んでいらっしゃるようですが、その点についての大臣のお考えをお聞かせいただけますか。

【渡辺大臣】 道州制につきましては、私の私的懇談会を立ち上げて3年を目途にビジョンを打ち出したいと考えております。
 当然、そこでのコンセプトは地方分権改革の総仕上げとして、道州制を考えているわけでありますから、知事会の方向性と全く違う方向を向いているということはあり得ないと思っております。
 知事会の中では御異論もあったようでありますけれども、それは都道府県が最終的になくなってしまう話なんで、異論を唱える知事がいても不思議はなかろうと思います。
 一方、御指摘のように、中央省庁においても相当の国のあり方が変わるわけでありますから、まさしくこれは国家の壮大なビジョンという位置付けで論議をしていきたいと思っています。

【問】 大臣、行革という観点から言いますと、先ほどの省庁再編の議論なんですが、政府をスリム化するという方向での議論が望ましいというお考えなんでしょうか。

【渡辺大臣】 やはり、政府というのは一体何のためにあるのかということを考えれば、キャッチコピー風に言えば、小さくて強い政府、いざというとき役立つ政府ということになるのではないでしょうか。レトリックとしては、効率的な政府とかいろいろな言い方があろうかと思いますけれども、政府が頭でっかちになって、決していいことはなかろうと思います。

【問】 道州制の関係なんですけれども、導入を前提とした議論は慎重にすべきだということのお話に近い方に来ているわけですけれども、それについては大臣はどう思いますか。

【渡辺大臣】 慎重だという御議論が一部あることは聞いておりますけれども、それはやはり現在、都道府県の経営をやっておられる皆様にしてみれば、その基盤がなくなってしまうというわけでありますから、そういう慎重な意見が出てくるのはわからないわけではないと思うんですね。
 しかし、この国の抜本的なあり方、統治の構造も含めて、考えるのであれば、やはり道州制というのは一つの大きな国家の大改造でありますから、これは構造改革の総仕上げ的な意味も含めて、大いに議論をし、実現を図っていくべきであろうと思います。

【問】 ちなみに、就任されて一月弱なんですけれども、地元に帰られたときとか、そういった県はなくなってしまうのかと、そういった不安とか声は聞かれますか。

【渡辺大臣】 そういうことを述べてくる人は私のところには余りいらっしゃいませんけれども、県がなくなってしまうんですけれども道州制は賛成ですかという質問をしたら、それはと思う人が多いんだと思うんですね。
 しかし、今の中央集権的なあり方を根本的に改めて地域間で切磋琢磨が起こり、国は必要最小限度機能を担って基本的に地方に任せるべきことは地方でやってもらうということに賛成ですかと聞いたら賛成と答える人が多いのではないでしょうか。
 ですから、この議論が余り深まっていないのが現実でありますから、先ほども申し上げましたように、この道州制特区推進本部というのを立ち上げますし、また私的懇談会も立ち上げますし、そういった機会を通じて議論を深めて、国民の理解を得ていきたいと思っています。

【問】 もう一点、昨日のインタビューでおっしゃいました私的懇談会の下につくられる評議会……

【渡辺大臣】 下というか、横並びというか、そういう位置付けは余り詳しく考えておりませんけれども。

【問】 それはどういった目的でどういった方々に集まってもらうということを考えていらっしゃるんですか。

【渡辺大臣】 こちらの方は国民運動に携わってもらえる方とか、それぞれの地域で道州制問題を考えておられる方とか、いわばそれぞれの地域のオピニオンリーダー的な方々に御参集いただいて、PRも兼ねた評議会的なものとして組成したいと思っております。

【問】 例えば、地元、地域の経済界なんかで道州制の推進の運動をやっていただく。

【渡辺大臣】 そうですね、そんなイメージの方も多かろうと思います。


平成19年1月16日(火)

<冒頭発言>

 今日の閣議は、一般案件、政令、人事等でございますが、大半は閣僚の皆さんの海外出張の報告でした。マルドメ派の私としては、報告事項はございませんでした。
 以上でございます。

<質疑応答>

【問】 政治資金の事務所費の扱いが問題になっているんですけれども、大臣ご自身の政治団体、資金管理団体は、事務所費として飲食費とか冠婚葬祭費など、施行規則には明示されていない支出を事務所費としたケースがあるかどうか。

【渡辺大臣】 架空経費はございません。事務所費の内訳で、今年あたりは平成18年の速報値といいますか、改めて調べてみたんですが、一番多いのは通信費ですね。NTTに払う電報代、電話代等々が一番多うございます。それから、郵便局に払うはがき代とか、切手代とか、そういうのが通信費に含まれます。それから、家賃、それから、地元の方ですと自動車保険が結構な額になりますね。したがって、全部領収書のとれるものばかりでございますから、架空経費のようなものは一切ございません。

【問】 角田参院副議長が2001年の参院選で陣営側が約2,500万円の政治献金を集めながら、収支報告書に記載していないことが弊社の取材でわかったんですが、政治資金規正法に抵触する疑いもあり、これについての受けとめと、あと、松岡大臣、伊吹大臣の事務所費問題など、こうした一連の政治と金の問題についてどのようにお考えでしょうか。

【渡辺大臣】 ですから、この角田参院副議長の話はちょっと私は全然知らないんでございますが、政治資金の透明性を図るという観点からは、もうちょっと工夫があってもいいのかなという気はいたします。したがって、事務所費の勘定科目をもうちょっと分けるとか、例えば、先ほど申し上げたように、家賃とか、通信費とか、それから、保険料とか、秘書の弁当代とか、そういった勘定科目を分ける工夫はあってもいいかなという気はいたしますね。

【問】 経常経費について、今、政治資金規正法では領収書の添付を必要としていないんですけれども、それは必要とする改正をした方がよいと思われるでしょうか。

【渡辺大臣】 ですから、まず領収書は勘定科目を細かく分ければ、ではその次に領収書をどうするかという議論になっていくのではないでしょうか。

【問】 道州制についてなんですけれども、あさって18日に全国知事会が、知事会としての道州制のあるべき姿という統一見解をまとめまして、行政改革より地方分権を優先させるという道州制であるべきだという考え方のようなんですが、政府に対する提言も考えていらっしゃるようですが、それについての大臣のお考えをお聞かせ願います。

【渡辺大臣】 まだ知事会のご意見等は聞いておりませんので、知事会会長様が近々お見えになるようでございますから、よく話を聞きたいと思っております。
 なお、私の方の私的懇談会の方は今、人選も最終調整をやっているところでございますので、今月中には立ち上げることができようかと思います。

【問】 日銀の利上げ観測が出ていますが、これに関して大臣の所見をお願いします。

【渡辺大臣】 これは、日本のデフレ脱却と利上げがどういう関係があるのか検討が必要であろうかと思います。

【問】 仮に、利上げしても経済状況に影響しないという見方はできませんでしょうか。

【渡辺大臣】 そういうご意見もあろうかと思いますが、私、担当を外れてしまいましたので、多少領空侵犯になる可能性がありますので、発言は控えさせていただきます。

【問】 昨日、教育再生会議の分科会の方で教育委員会の見直し案についての素案がまとまったんですけれども、小規模な教育委員会をすべて統廃合するということも盛り込まれていますが、大臣としては、規制改革を担当する大臣として、どのようにその教育委員会の見直しにどういう考えで取り組んでいくか。

【渡辺大臣】 この議論は、中馬大臣のころから行われている議論でございまして、教育委員会は一体どうなっちゃっているんだと、そういうところに問題認識の根本があったと思うんですね。したがって、必置規制について特区構想でやっていこうというところまでは話が進んでいるわけでございますから、教育再生会議の議論も横目で見ながら、この問題は引き続き考えていきたいと思っております。

【問】 公務員制度改革についてお願いしたいんですが、自民党の中川幹事長が法案について、議員立法も検討する旨の発言をされたんですが、このまとめと政府内の検討の状況をお願いいたします。

【渡辺大臣】 議員立法の話は私は全然聞いておりませんので、政府としてはきちんと方針に従って今国会中に法案を出したいと考えております。


平成19年1月9日(火)

<冒頭発言>

 おはようございます。
 本日の閣議は、一般案件が3件、それから、防衛庁が防衛省昇格に伴って人事案件が数件ございました。
 以上でございます。

<質疑応答>

【問】 総理から発言はありましたか。

【渡辺大臣】 総理からは、閣議の席上では、海外出張の件についてご発言があったと思います。今日からご出発ということでしたね。

【問】 今おっしゃいました防衛省の昇格なんですけれども、行革という面からも、行政組織の変更ということで、かかわりもないわけではないんですけれども、どのように受けとめていらっしゃいますか。

【渡辺大臣】 これは行革以前に日本の国家のあり方、防衛庁では日本の安全保障体制に不備な点が出てくるではないかと、そういうことから長年にわたって大変な議論を積み重ねた結果でありますから、これはまた行政改革というレベルとはちょっと違った趣のことではないかと認識しております。

【問】 ただ、省になったということで、組織としてかなり今後肥大化していくんじゃないかという懸念もあるかと思いますが、その辺いかかでしょうか。

【渡辺大臣】 肥大化の懸念というのは、これは憲法に従ってシビリアンコントロールの体制がきちんとできていれば全く心配はなかろうと思います。

【問】 実際公務員を増やさなきゃいけないような状況になることもあるかと思うんですけれども、それに対してはどのように対応されていきますか。

【渡辺大臣】 公務員を増やさなければいけない事態というのは、ちょっと私はそこまで認識しておりませんが。

【問】 話は変わりますけれども、今週末に自民党の中川幹事長が、公務員の労働基本権を含め公務員制度改革の大綱を今年5月までにつくりたいというご発言がありましたけれども、政府として、労働基本権について、スケジュール的なものを含めてどのように考えていらっしゃるんでしょうか。

【渡辺大臣】 労働基本権については、政府の方としては、有識者懇談会ですか、ちょっと名前は正確でないかもしれませんが、それをつくって今検討している途上でありますから、政府は政府で検討してまいります。ただ、党の方とは、政府与党は一体でありますから、与党との連携は重く考えていきたいと思っております。非公式な協議は今週ぐらいから始めていきたいと思っています、与党の方とね。

【問】 労働基本権も含めて。

【渡辺大臣】 全体パッケージの中でどこから優先すべきか、そういった問題も含めてやっていきたいと思っています。大綱は党の方でおつくりになるわけでして、それはそれで結構なことじゃないでしょうか。

【問】 通常国会に提出される方針を示されている法案の中身なんかも含めて与党と協議していくと。

【渡辺大臣】 当然そういうことになります。


平成19年1月5日(金)

<冒頭発言>

 新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いをいたします。
 本日の閣議は、人事案件が5件ということでございました。私自身の人事案件もございましたので、そのところでは私の署名はいたしておりませんでしたというようなところでございます。

<質疑応答>

【問】 大臣ご自身の人事については、閣議、その後の閣僚懇談会で何かごあいさつ等なさったんでしょうか。

【渡辺大臣】 ごあいさつはさらっと、総理の方からご紹介をいただきましたので、よろしくお願いいたしますとごあいさつをいたしました。

【問】 今日、年が明けて初めての閣議だったんですけれども、閣議や閣僚懇談会で総理の方から何か閣僚の皆様にお言葉というか、ごあいさつはありましたでしょうか。

【渡辺大臣】 総理の方からは、年頭のごくさらっとしたごあいさつがございました。詳しくは官房長官の方からご説明されると思います。

【問】 今年最初の記者会見ということで、年末にも同じような形で伺ったことになるんですけれども、今年はどういった年にされたいという意気込み、具体的な政策などを含めて伺えればと思います。

【渡辺大臣】 私の担当が安倍改革の中の一つの柱になっておると思いますので、例えば公務員制度改革などにおいても、改革後退とならないように全力投球で頑張っていきたいと思っております。

【問】 昨日の総理の記者会見、伊勢神宮の記者団のぶら下がりでも、道州制についてかなり積極的な姿勢を示していましたけれども、道州制、前の佐田大臣は私的懇談会をつくって始めるんだということを言っていましたけれども、その見通しというか段取りみたいなものはどうなっていますでしょうか。

【渡辺大臣】 道州制の懇談会は早急に立ち上げたいと思っております。おおむね3年を目途にビジョンをつくる予定になっておりますので、これもこの国のあり方の大枠を決める非常に大事なビジョンになるかと思います。これらについても、懇談会の人選について早急に取りかかりたいと思っております。

【問】 大臣就任1週間少したたれまして、いろいろ整理されたと思われるんですが、今のところ特にこういった分野に早急に取り組みたいとか、従来の方針と違って、もし独自性を発揮されたいというような分野等がありましたら、ご紹介いただきたいんですけれども。

【渡辺大臣】 独自性を発揮するといっても、私は安倍内閣の内閣府特命担当大臣でありますから、総理の指示に従ってやっていくだけのことでございます。したがって、路線が根本的に元大臣と異なるとか、そういったことはなかろうと思っています。いずれにしても、公務員制度改革についてもこれから具体的な問題を 詰めていく段階になりますので、そうしたことについては積極的にかつ早急に話を詰めていきたいと思っています。

【問】 公務員制度改革ですが、根本的な方向というのは路線は違わないとしても、細かい部分といいますか、具体的なテーマの部分については多少これまでと考え方が変わっていくということもあり得るんでしょうか。

【渡辺大臣】 それはないと思うんですね。経済財政諮問会議で去年12月7日ぐらいだったか、総理の方から指示を受けておりますので、要するに仕事とワンセットになったあっせんは根絶をしたい、こういうことでありますから、そういった点も踏まえて公務員制度改革の具体案づくりに着手をし、なおかつ諮問会議への報告を早急に行ってくれと、こういうご要請がございますので、まずそこで報告をし、また与党においてもこうした問題点は長年議論されてきておりますから、与党との連携もよくとりながら、次の通常国会での法案の成立を目指してやっていきたいと思っております。

【問】 通常国会への提出するというのは、そうすると、それは公務員制度改革……

【渡辺大臣】 公務員制度改革。

【問】 天下りと……

【渡辺大臣】 能力実績主義の徹底といった内容ですね。行為規制とですね。

【問】 佐田元大臣のときにも、行為規制を出す際に現在の退職後2年間の禁止規定というのを残すかどうかという部分の議論がありましたが、それについては。

【渡辺大臣】 これもこの前の会見で申し上げたように、行為規制がきちんと機能するというんであれば、2年、5年ルールというのは必要なくなるわけですよね。ですから、そこのところの検証ができるのかできないのか、そのバランスの問題だと思っております。

【問】 やはり行為規制を導入するから直ちにそこで2年、現在の規定を外すというのではなく、やはりある程度の期間残して検証する必要はあるということなんでしょうか。

【渡辺大臣】 ですから、直ちに廃止をするだけの担保が得られるのであれば廃止をしてもいいと思いますけれども、まだそこまでの段階には至っていないのではないでしょうか。