行政委託型公益法人等改革の視点と課題」の骨子


1.現状と問題点、改革の基本理念

(1)非営利かつ公益的な事務・事業を行うとされる公益法人の中には、行政代行的な事務・事業や国から補助金等を受ける事務・事業を行うものも見られ、近年その数は増加する傾向。

(2)これらの行政委託型公益法人等は、一定の役割を果たしてきているが、一方においてその必要性や意義が疑問視される場合や、行政との関係がわかりにくい場合など、その問題点や批判も見られるところ。

(3)こうした状況を踏まえ、次のような理念で改革を実施する。

 @官民の役割分担(国の事務事業を厳しく見直し、無駄を排除)
 A規制改革の推進(民業圧迫や官需独占を排除し、民間競争の促進による経済活性化)
 B財政負担の縮減・合理化(国の事務事業の効率的な実施、無駄な経費の削減
 C行政の説明責任の確保・透明性の向上(国民に開かれた透明性の高い行政サービスの実現)


2.委託等、推薦等に係る事務・事業の見直し

(1)国が公益法人に「委託等」している検査等の事務・事業については、検査等自体の必要性も含め、国の関与の必要性等を厳しく精査。
 その上で、国の関与が必要なものについては、(国又は独立行政法人で実施すべきものは除いて)公益法人という類型にとらわれず、営利法人も含めた能力を有する者が幅広く委託等を受けられるような「能力主義」の仕組みに転換する方向で検討。

  ⇒ 法人の「類型」から「能力主義」への転換

(2)公益法人が独自に行っている事業に対して国が与える「推薦等」については、原則として廃止する方向で検討。
 ただし、法律に基づく制度・仕組の一部として組み込まれているもの(第三者認証機関の認定や、資格付与の前提となる講習の認定等)については、当該制度・仕組全体の必要性を別途検証。


3.「第三者分配型」補助金等、「補助金依存型」法人の見直し

(1)補助金等の交付目的たる事務・事業を、交付先の公益法人自ら実施していると認められない場合の具体的基準を設定し、これに該当する補助金等を「第三者分配型」と分類。
 総収入に占める補助金等の割合等について検証し、当該公益法人が補助金等なしでは存続できないと認められる場合の具体的基準を設定これに該当する法人を「補助金依存型」と分類。

(2)上記の「第三者分配型」補助金等や、「補助金依存型」法人については、その内容を厳しく精査した上で、次のような見直しを検討。

 ※ 公益法人に対する補助金・委託費等のうち、上記の措置の対象となるものは一部であり、公益法人に対する補助金等の全般についても見直しが必要ではないか。


4.国との関係が密接な公益法人に対する新たなルールの検討

 上記のような見直し作業の結果として、なお国からの委託等や推薦等を受ける公益法人、国からの補助金等を第三者に交付する公益法人、補助金等が総収入の大部分を占める公益法人については、一般の公益法人と比べ国との関係がより密接と考えられるため、行政のより一層の透明性・効率性・厳格性を確保する観点から、主務官庁や当該法人に対する新たなルールの設定について併せて検討する。


5.公益法人制度の抜本的改革の必要性

 行政改革大綱に示された改革方針は、公益法人全般を対象としておらず、また現在の国民の批判の全てに応え得るものとも言い切れない。
 今般とりまとめた公益法人総点検結果等も踏まえ、関係府省と連携しつつ、より抜本的な公益法人制度改革に向けた検討を進める。

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