○:委員
●:事務局

第1回 非営利法人ワーキング・グループ

−議事録−


平成15年12月8日(月)15:00〜17:00
場所:虎ノ門第10森ビル4階

● それでは、委員の先生方がおそろいになりましたので、ただいまから「非営利ワーキング・グループ」第1回目の会合を開催したいと存じます。
 本日は、本当にお忙しい中を御参集いただきまして、本当にありがとうございました。  本日は、初めに第1回目の会合ということで、皆様方、顔なじみの先生方も多いと思いますけれども、御出席のメンバーの方々をそれぞれ御紹介させていただきたいというふうに思います。
 お手元に、メンバーのお名前を、メンバー表で配付してございますので、50音順でございますけれども、それぞれ御紹介をさせていただきます。
 続きまして、事務局の方も紹介をさせていただきます。
 それでは、この後でございますけれども、これは先般、11月28日にこのワーキング・グループの親会議に当たります「公益法人制度改革に関する有識者会議」の第1回目の会合が開かれまして、そこでこのワーキング・グループの座長については、能見先生にお願いするということで、公益法人制度改革に関する有識者会議の福原座長から御指名をいただいております。
 以後、この司会進行をお願いしたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

○ それでは、一言簡単にごあいさつ申し上げます。
 我々非営利法人のワーキング・グループでございますけれども、非営利の分野における一番基礎的な法人の枠組みをいろいろ議論するということでございまして、この上に上乗せして公益法人的なものを設けるかどうかというのは、これはまた別途親会の方で検討されるわけでございますが、何といってもその土台となる非営利法人の制度というものにつきまして、ここで専門の先生方にお集まりいただきまして御議論いただくというのが、この会議の趣旨でございます。
 そういう意味で、社会的にも、また法律的にも非常に重要な課題を検討することになります。何分、私も非力でございますので、よろしくお願いしたいと存じます。簡単でございますが、あいさつに代えさせていただきたいと思います。
 それでは、これから議事進行をさせていただきたいと思いますが、最初に、先ほどちょっとお話がありしました親会議との関係、この非営利法人のワーキング・グループの位置づけ、それから運営の仕方につきまして、事務局の方で一応検討したものがございますので、紹介していただきまして、それでよろしいかどうかということを確認したいと思います。
 それでは、お願いします。

● 口頭で説明させていただきます。
 まず、このワーキング・グループの位置づけでございますが、有識者会議の開催要領の中に、会議の下に新たな非営利法人制度について、専門的観点から検討を行うため、非営利法人ワーキング・グループを開催するとございます。これを受けて、このワーキング・グループがなっているわけでございます。
 その中で、専門的観点から検討を行うとございまして、その趣旨をかみ砕いて申し上げますと、政府として6月に基本方針を閣議決定いたしましたが、非営利法人制度につきましては、公益性の有無にかかわらない、準則で設立可能な法人制度とするということを決定しておりまして、大枠が既に決定されておりますので、今後の検討につきましては、法制的な観点から専門的御検討をいただきたいという趣旨から、このワーキング・グループがなっているわけでございます。よろしくお願い申し上げます。
 それから、運営関係でございますが、とりわけ議事の公開の関係につきまして、事務局案を申し上げさせていただきます。
 ワーキング・グループであるということと、できるだけ透明性を高めた方がいいんではないかと、両方を考え併せまして、議事概要、議事録をまず作成したらいかがかと、これにつきまして、いずれも公表してはいかがかと。それから、配付資料につきましても、原則公表ということでいかがかと考えております。
 一方で、ワーキング・グループでもございますので、会議そのものの一般の方の公開といったことは必要ないのではないかと。あるいはその都度、座長から記者会見といったことも特段必要ではないのではないかというふうに考えてございますので、記録としての議事概要等につきましては公表、会議そのものについては非公開といった運営でいかがかというふうに考えてございます。
 以上でございます。

○ ただいま、基本的な方針につきまして、事務局から説明がありましたが、いかがでございますしょうか、よろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○ それでは、これはご了承いただいたということで進みたいと思います。
 それでは、次に議題に入りまして、第1回の有識者会議で説明されました会議における検討の視点、それから検討のスケジュール等につきまして、これも事務局の方から説明をお願いします。

● 本日、お配りさせていただいている資料の有識者会議第1回関連資料一覧というのがございます。
 その有識者会議の配付資料の中で、資料の1、4、5とお手元に配らせていただいておりますが、資料の4と5につきまして、簡単に説明させていただきます。

● 後ろの方に付いております。

● 一番最後の方に付いているものでございます。
 「検討の主な視点」というのを資料4に準備してございますけれども、この公益法人制度改革検討の視点を主に4つに分けますと、公益法人制度改革の意義・目的、それから非営利法人制度の在り方、それから非営利法人制度における公益性、移行措置と、この4つ大きく分かれるであろうというふうに考えております。
 意義・目的につきましても、足腰のしっかりした改革としたいという趣旨から、主に親会に、有識者会議の方でございますが、御議論を重ねていただきたいと思っております。
 それから、非営利法人制度の部分につきましてはこのワーキング・グループで、それから公益性の部分については有識者会議本体の方でといった主な分担関係でございますが、そのように考えているところでございます。
 移行につきましては、新たな法人制度がある程度具体的になったところで御検討いただくという手順になるんではないかと思っております。
 意義・目的につきましては、後ほど、また事務的な説明がございますが、総論部分で、非営利法人制度の部分についての意義・目的というのは、こちらの方でも併せて御検討いただくということになろうかと思いますが、大まかな分担関係は、そのようなことでいかがかと考えておるところでございます。
 その中で、新たな非営利法人制度につきましては、ただいま申し上げましたように、参考でございますが、公益性の有無にかかわらず、準則主義により簡便に法人格を取得できる非営利法人制度を創設するということは閣議決定で大枠を決めているわけでございまして、その上で今後ガバナンス、組織運営の規律などにつきまして、法制的な御議論をいただくということでございますし、中間法人制度、NPO法人制度との法制上の関係を整理するということになっておりますが、まずは、現行の公益法人制度の問題点を踏まえた検討を行っていただいた上で、中間法人制度などの法制上の関係を整理していただくと。
 それから、財団につきましても、制度的課題を含め、その在り方を検討することと閣議決定がなってございます。
 有識者会議の場から、こちらのワーキング・グループへの検討課題の提示という形になるわけでございますが、1枚おめくりいただきまして、このワーキング・グループにおける検討課題ということでございますが、あくまでたたき台でございますが、「1 総論」としまして、ここに非営利法人制度の意義・理念も入ってまいります。
 それから、社団関係、財団関係の論点とございますが、詳しくは後ほど改めて御説明申し上げたいと思います。
 それから、もう一枚おめくりいただきまして「当面の検討スケジュールのイメージ」とございます。
 非営利法人ワーキング・グループにつきましては、右側の欄にございます。本日から、おおむね3月にかけまして、総論、社団関係、財団関係の論点につきまして御検討いただくと。その御検討の結果を有識者会議の方に3月に御報告いただいて、論点整理を3月末を目途におまとめいただければと考えているところでございます。
 その後は、政府税調などとの連携を図りながらさらなる検討を進め、秋ごろを目途に報告をおまとめいただければと思っているところでございます。
 その間にも、ワーキング・グループと有識者会議の間で、随時情報交換といいましょうか、情報提供が必要ではないかと思っているところでございます。
 それから、初会合の模様でございますが、これにつきましては、議事概要がその次に付してございますので、詳細な説明は割愛させていただきますけれども、議事概要の2ページ目の下の方から自由討議、フリートーキングの主な意見を拾ってございます。かいつまんで申し上げますが、2つ目のポツのところでは、中間法人など、類似の法人制度との整合を図って立法することが重要であろうということといった御意見をいただいております。
 その次のポツでも、公的な法人類型に属するものでも、民間に近い法人があり、それとのバランスを失しない制度設計を考える必要があるだろうと。
 1枚おめくりいただきますと、次のポツでございますが、世の中の動きのスピードは早く、その早い変化に対応するとともに、100 年もつような制度とするには、原則に立ち戻りながらなるべくシンプルなものがいいであろうと。
 それから、税との関係でございますが、公益の意義・内容といったものにつきましては、課税の在り方と密接に関わるものでありまして、税を念頭に置きながら議論することが大事ではなかろうかといったような御意見。
 それから、法人関係者の方からの御意見でございますが、下から2つ目、3つ目辺りでございます。法人というのは、いろんな多様な活動をしているもので、一律に考えるべきではなく、多様な活動の実態を踏まえた議論が必要ではないか。
 それから、不祥事に対処する、あるいは一握りの悪い法人をターゲットとするといったようなことよりも、法人の活動を促進するといった形で検討する観点が必要ではないかと、こういった御意見が出されていたところでございます。
 以上でございます。

○ どうもありがとうございました。親会議で議論された内容等につきまして、御質問あるいは御意見等ございますでしょうか。
 よろしゅうございますか。
 それでは、今日もいろいろ議題がありますので、そちらに移りたいと思います。
 非営利法人ワーキング・グループ、我々としてやるべき課題については、先ほど親会議の方から全体的な概要が示されましたが、これも少し詳しく事務局から説明してもらいまして、これについて皆様の御意見を伺うということにしたいと思います。
 全体が大きく3つぐらいに分けられると思いますので、総論部分と社団部分と、それから財団部分と、これを一応分けて説明していただくということにしたいと思います。 それではお願いします。

● それでは、私から御説明させていただきます。
 まず、今日用います資料について、ごく簡単に申し上げたいと思いますが、お手元の「非営利法人WGにおける検討課題(議論のたたき台)」、右肩に「非営利法人WG資料1」と書いてあるもの、これの第1、第2、第3について御説明したいと思います。また、本日は、これと併せまして、その次につづってあります縦長の表でございます「非営利法人WG参考資料1」、これはどういったものかといいますと、民法の公益法人、特定非営利活動法人、中間法人、営利法人のうち、有限会社、株式会社の5類型について、おおむね資料1の順序に従って、現行法制の規律の概要を整理したものでございます。
 参考資料2が、その次に付いてございますが「財団法人関係データ」というものでございます。これについては、財団関係についての御説明の際に中身を述べさせていただきたいと思っております。
 別つづりになっておるかと思いますが、参照条文を用意させていただきました。本来、六法全書を用意すべきかというところなのですが、御参考のために、民法、民法施行法、特定非営利活動促進法、中間法人法、商法、商法特例法、有限会社法、これのワーキングに関係する部分と、事務局の方で主なものを抜粋してございます。
 表紙に※を付けてございますが、条文自体は改正後、未施行の部分も溶け込ませて反映させております。その部分については、各法の末尾に新旧対照表を備え付けておりますので、御参考にしていただければというふうに思います。
 それでは、早速、座長の御指示のありました総論の説明をさせていただきたいと思います。
 WG資料1を御参照いただければと思います。
 「第1 総論」「1 非営利法人制度を創設する意義、理念」ということでございますが、これについては御案内のとおり、また、先ほど説明でも参事官からございましたが、閣議決定の2の(1)におきまして、一般的な非営利法人制度の創設という項目の下で、法人格を一定の優遇措置と分離し、公益性の有無にかかわらず、新たに非営利法人制度を創設するとしております。
 このように、営利を目的としない団体について、一般的に適用可能な法人制度を創設することの意義、理念について、民事基本法制の一つとしての法人法制の在り方という見地を含め、御議論いただく必要があろうかと考え、論点事項と掲げております。
 ただし、親会議の第2回が12月16日に予定されております。ここで、本改革全体の意義、理念に関する議論が予定されておりますので、親会議における議論を踏まえた上で、改めてまた御議論をいただければと思います。
 なお、※といたしまして2つ「公益法人制度の改革の視点」と「非営利活動の促進の視点(+法人法制の体系的整備の視点)」というふうに掲げておりますが、これは閣議決定の改革の目的で掲げてあるものでございます。これに限られるという趣旨ではございません。
 このうち、非営利活動の促進の視点の方に括弧を付けまして「(+法人法制の体系的整備の視点)」というのを付け加えましたが、これの意味するところは、営利を目的としない団体に一般的に適用可能な法人制度を創設することによって、営利法人制度と相まって、民事法制上、あらゆる民間団体に一般的に法人格の付与の機会を与えることになるのではないかという意味で掲げております。このような観点も含めて御議論いただければというふうに思います。
 次に「2 非営利の概念」について御説明申し上げます。
 公益の有無にかかわらない、一般的な非営利法人制度を創設するという観点からは「※『非営利』の意義」について、改めて議論をする必要があるのではないか。
 あるいは、営利または非営利という用語の意味をわかりやすく整理しておく必要があるのではないかという指摘もいただいているところでございますので、これらを踏まえ、検討の項目として掲げておる次第でございます。
 続いて「3 法人の定義、名称」について御説明いたします。
 新たな法人制度を創設する場合、法人の定義が問題となると思います。公益の有無にかかわらない非営利法人ということですから、非営利の概念をベースに定義、名称を考えることになろうかと思われますが、適切な定義、名称について御議論いただけると幸いでございます。 他方、定義、名称につきましては、新たな法人制度の制度設計が明らかにならなければ考えにくい面もあろうかと思います。
 また、次の※でございますが、法人の名称を考える上では、社団形態のものと財団形態のもの及びその総称をどのようにするかという問題もあるのではないかと考えております。
 なお、現行の各種法人の名称につきましては、先ほどのWG参考資料1の1枚目、上から3番目の「定義」の欄に事務局としての整理をさせていただいております。
 続いて「4 法人の目的、事業」について、御説明いたします。
 ※の1つ目「『目的』の概念」については、現行法制上、次のような2つの意味で用いられているとの指摘がございます。
 すなわち、1つ目は、法人の行う事業の終局の目的を意味する場合と、2つ目は、法人の行う事業そのものを意味する場合があるという指摘です。これは法務省の法人制度研究会報告書の方でも、このような指摘がされております。
 この指摘によりますと、民法34条における「営利ヲ目的トセサル」という場合の目的は前者の意味で、民法37条第1号に規定する定款記載事項としての「目的」は後者の意味で用いられているというふうに解されているようでございます。
 このような理解でよいか、あるいは改めてこの点を含めて議論すべきかどうかについて御議論をいただければと思っております。
 ※の2つ目「法人が行う事業(事業目的)の内容」についてでございますが、新しい公益の有無にかかわらない、新たな非営利法人制度において、法人が行う事業の内容に関する規律を設ける必要があるかという観点から論点提示をさせていただいております。
 なお、現行の公益法人、特定非営利活動法人、中間法人、有限会社、株式会社の行い得る事業に関しましては、WG参考資料1の対比表、1枚目の上から4段目の「事業」の欄に整理を行い、関係省庁にも確認をいただいております。
 ちなみに、WG参考資料1の対比表の中で、公益法人の欄において、文字を斜体に表記しておる部分がございます。これは、いわゆる指導監督基準上の規律、要請であって、民法そのもの、すなわち法律に定められている事項ではないということを表わしておるものでございます。
 最後に「5 法人運営の電子化」について、一言御説明いたします。
 法人運営の電子化については、公益法人から要望が寄せられているところでもあり、公益法人制度の抜本的改革に合わせて、※の1つ目「法人関係書類の電子化の可否」。2つ目「議決権行使等の電子化の可否」等について御議論をいただければと思います。
 方向性等に特に異論がなければ、あるいは事務局の方で若干整理を進めさせていただくというような検討の仕方もできるのではないかと思われる部分でございます。
 以上、過不足いろいろあるかと思いますが、当面、総論部分において御説明するのは以上でございます。どうぞ、よろしくお願いいたします。

○ 一応、総論部分、それから社団、財団関係と分けて、ここだけとりあえず議論していただきますが、勿論、後で全部を見た上で、もう一回この点に戻ってくることもあるかと思います。いずれにせよ、20分か25分、あるいは場合によっては30分、議論なり次第ですが、総論の部分について皆さんの御議論をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 一番このワーキング・グループで難しいのは、実は公益法人のようなものを設けるとしたときに、それが下の土台である非営利法人制度というものの上に乗っかるような形になる可能性があり得るわけですが、そういう構造に選んだときに、非営利法人の制度というのは、どんなものであるべきかという点の検討です。
 今、上に乗っかるといいましたけれども、上に乗っかるということの意味は、公益法人も基本的には非営利法人の枠組みでもって一旦成立して、その上でいろんな条件を更に付加的に満たすと公益法人としての要件を満たすというような形になるということです。
 そういう意味では、公益法人とそれから共通の利益というんでしょうか、共益というか、あるいは中間的なというか、そういうことを目的とする法人とが、同一の法人組織の中に混在する制度としての非営利法人制度、これをどうしたらいいかということが問題となります。
 現行法のように中間法人と公益法人と全く別の組織にするという形のものは好ましくないと、共通の土台としての非営利法人というのを設けると、そういう方向で今まで議論がされてまいりまして、これがこのワーキング・グループでの一つの制約になっているわけですが、そういう制約の中でも、いろいろな法人があり得るので、そんなことを念頭に置きながら、どう検討したらいいかというのが、私としては一番難しい問題だろうと思っております。
 今の総論の中で関連づけていいますと、1の部分ですね、それ以外の部分も勿論難しい問題がございます。
 いかがでしょうか。

○ 私は、民法のことには通じていませんが、非営利法人というのは、要するに営利を目的としない法人ということで、何か営利を目的としないという消極的な基準で統一されるというか、要するに大まかに言うと、従来の公益法人と中間法人の両方がそこでカバーされることになると思うのですが、営利を目的としないという消極的な共通性というか、要素というか、そういうものがあるわけですけれども、何かもっと積極的な基準というか、積極的な要素、あるいは積極的な統一原理、統一理念というか、そういうものがやはりないと、これはこれからつくり出すということになるのかもしれませんけれども、それがないとやはり立法の趣旨を説明する場合になかなかしにくいような感じがするので、総論の1と2は、そういうことも検討事項に入っているというふうに考えて、その辺のところをどう考えればいいかと、これは抽象的な問題ではあるけれども、基本的に重要な問題ではないかと思うのですが、たしか、前の有識者懇談会では社会的貢献性という言葉が出てきたということを読んだことがありますが、社会的貢献性とか、社会的必要性とか、どういう言葉を使うのかわかりませんが、東京大学の星野名誉教授は市民社会という言葉を使っておられますが、それをもう少し法律論に翻訳して表現するとどういうことになるのかということを、考えたらどうかと思うんですけれども。

○ それは基本的に重要な事項で、本当に公益法人的なものと、それから中間法人的なものを統一的な理念でもって語れるかというのは、本当は非常に大きな問題ですね。
 私は、本当はかなり難しいと思っているんです。例えば公益法人というのは、社会福祉ですとか、自然環境保護とか、それなりにそれを全体でくくるもの、理念があると思うんですけれども、中間法人といいますか、非営利法人の中のもう一つの極である、例えば自分たちのグループの利益を追及するという団体などになりますと、これは必ずしも社会のためというのではなくて、やはり自分たちの共通の利益、そこで経済的な利益を上げるのではなくて、もう少し何か精神的な利益ですが、共通の私的な利益を追及する、そういうものが一方の極にあると思うんです。
 これら全体を積極的な理念で説明しようとすると、なかなか難しいところが本当はあると思うんですね。
 にもかからず何か積極的な理念を考えることができないかと、それをここで御検討していただくんだろうと思います。
 従来、非営利だといっていたときには、委員がおっしゃいますように、確かに消極的なメルクマールで、上がった利益を構成員に分配しないというのを唯一の基準にしていたと思うんですけれども、これは確かにそれでくくることも不可能ではないけれども、何かちょっと弱い感じが確かにいたしますね。私の方から委員の御質問に対して、今直ちに先生を納得させるようなお答えを、できませんけれども、問題点の理解は共通しているつもりでございます。問題意識は共通していると思います。
 ほかの先生方いかがでしょうか、今の点は非常に基本的な点だと思いますけれども。

○ 私も委員の問題意識を共有しているつもりでございます。
 問題となってきますのは、例えば職能団体をどうするかであるとか、あるいは地方公共団体の事務を一緒にする団体をどうするかとか、あるいは全く法人格を技術的に使う、ファイナンスの目的で使うというものもあり得るわけです。
 そういったものを果たして非営利法人の外に出してしまうのか、中に入れるのか、もし中に入れた場合に統一理念ということが非常に見えにくくなってくる。市民社会であるとか、社会貢献であるとか、あるいは生活世界であるとか、いろんな言い方があると思いますが、そこから外れるものが出てくる。
 そこで、考え方として、主たる目的はこうだというのを打ち出して、しかし、それがほかのために技術的に使われることがあるかもしれないけれども、それはそれで仕方がないというふうに割り切るか、それともさっき先生がおっしゃったような消極的な定義で、純然たる技術的なものとしてとらえるかという、そういう選択なのかなというふうに思っております。

○ ほかの方はいかがでしょうか。

○ 中間法人の目的なんですけれども、そこでいわれている共益目的の共益は経済的な利益に限られず、精神的なものでよろしいということで、そうしますと、公益から私益まで幅広くどんな利益を目的とするものでも構わないという整理になっています。そうしますと、法人の目的に積極的な意味づけをするのはなかなか難しい。
 そうしますと、法人の目的に積極的な意味づけをするのではなくて、人の結合体が自由闊達に活動できる、それがいいことであるといったところに落ち着くしかないのかなと思います。

○ 団体の存在意義みたいなところから位置づけるということですけれども、私も今の点についてもそれなりに共感を持っているんですけれども、一方で私がそういう考え方を突き詰めようとしてちょっと困ったのは、自由闊達な活動というときに、経済的な利益だけは排除するわけですね。つまり、経済的な目的の法人は別類型にしますから、非営利という形でもって、非営利の分野における自由闊達な制度としての法人という形になって、もし自由ということを言うと、本当は経済的な利益を追及する団体もそういう意味では同じなので、全部ひとくくりにして、非営利も営利も分けない方がいいんじゃないかという議論が出てくる可能性があって、それに対して一定の答えをしなければいけない。それがどう答えたらいいものかと、その点を私は悩んでいるんですけれども。

○ 多分、営利目的の場合は一応規律が別ですけれども、非営利も同じように、人の集合体の活動を促進するという意味でしたら、これは営利目的と非営利目的で分ける必要性は基本的にはないんだろうと、先生のおっしゃるとおりだと思います。
 ですから、人の集合体の活動を促進する、そうしますと営利目的でも非営利目的でも構わない。ただ、規律はもう既に営利目的については出来上がっている,こういう整理になるのかなと思います。

○ イギリスなんかですと、会社形態でもって非営利ないし公益的な活動ができることになっていますね。そこでは、特別に非営利法人という形の法人類型が必ずしもあるわけではないというふうに理解しておりますけれども、そういう制度も世界にはあり得るわけですね。
 しかし、日本では現実に一応会社法などが別にあって、それとは少し違う制度が非営利の分野では適当だろうということを前提にいたしますと、そこにおける理念と、それから構造の在り方、そんなことを追及したいというわけですが、ほかの先生方もこの基本的な問題で何かお考えがございましたら、いかがでしょうか。

○ 委員は経済的な活動をするものは除くというふうにおっしゃいましたけれども、中間法人自体が経済的な活動をすることは必ずしも除かれていなくて、そこで上がった利益を分配することを排除しているだけですね。
 さっきイギリスの例を挙げられましたけれども、日本でも現実には株式会社、有限会社でも利益を上げずに、実際に公益的な活動をしているのもありますし、逆に、中間法人でありながら、実際は、営利活動をしているものもありますので、そういう意味では、既に現場では、必ずしもそういう切り分けができない形で事実は進行しているいのではないかと思います。
 むしろ、仮にここの作業を進める上では、現在の法制と違ったものをつくるとすれば、中間法人でほとんどカバーできてしまうものですから、それでない部分をつくるとしたら、一体どこに意義を生み出すのかというのを、まず考える方が実際的かなという感じがしております。

○ 中間法人との関係という問題はもう一つあって、現在の中間法人、これそのものが非営利の全体の法人の受皿として、仮に公益法人という制度をなくしてしまった場合に、今の中間法人の制度が全体の受皿、全体というのは、共益的なものから公益的なもの全部含めたものの受皿として十分に対応し得るものなのかどうかという問題は、勿論ここで検討しなければいけない課題ですね。
 中間法人の場合には、公益法人という制度が別にあるということを前提にしながらできている制度が中間法人ですので、仮に公益法人の制度を全部なくしてしまうとしたら、全体の受け皿としてどういう法人制度がいいのか、現在の中間法人法で十分なのかというのは、検討し直さなければいけないんではないかと思うんです。

○ 民法上の名称としては公益法人というのはなくなる、非営利法人という言葉で置き換えられて、中間法人に当たるものと、公益法人に当たるものの両方を包含する概念として法令用語として非営利法人というのが出てくるわけですかね。
 そうすると、結局、中間法人というのは、特定多数の人々の共通の利益の増進といいますか促進を目的とする、それから公益法人の方は不特定多数の人々の利益の増進を目的とする、そういうふうに考えて、共通の要素を取り出すと、多数の人々によって構成される組織の活性化とか、活動を促進するとか、そういう目的と、それから他方ではそういうものが妙なことをしないように、ある程度のルールをつくるというか、そういう意味ですね。そういう形式的なとらえ方かもしれないけれども、そういうことなのかなと思うんですけれども。

○ その辺が非常に難しいんですね。いろんな国の制度でもそれなりに非営利分野というのは苦労している部分だと思いますけれども、アメリカなんかの、これは州によって全部違いますけれども、全部非営利法人という形でくくったようなところもあれば、非営利法人の中に共通の利益を追及するというので、ミューチュアル・ベネフィットというのと、それからパブリック・ベネフィットと分けているようなものもありますね。

○ ハーバード大学なんかは、ハーバード・コーポレーションというんですね。そして、理事その他の役職がいます。どうなっているのは私は調べたことがないんですが、名称はそうなっています。

○ そうですか。本当に非営利といっても非常に多様なものがあるところが、やはり一番悩みの種といいますか、難しいところなんだろうと思います。
 先ほども申し上げましたように、一方で、公益法人という制度が独立の法人類型としては、ある意味ではなくなるということを申し上げましたが、しかし、二階建てといいますか、共通の非営利法人制度の上には、公益的な活動を目的とする法人というのが乗っかる可能性があって。

○ それは、税金関係ですね。

○ はい、それだけではないにしても特にその点が重要です。ですから、そこもにらみながらといいますか。
 これから何度も、繰り返し御議論いただく点だと思います。今の点に関連して、あるいはこの総論の中のほかの項目について何か御意見があればと思いますが、いかがでしょうか。

○ 私ばかり発言して申し訳ありませんが、1つ経過措置の問題というのが、これはもっと後の段階のことかもしれませんが、今のうちから考えておいてもいい問題ではないかという感じがするんです。
 東京大学の星野名誉教授が公益法人協会の人とやった対談を見ますと、中間法人制度をつくったときに、公益法人から中間法人への移行措置を決めなかったために、移行がほとんど行われていないということを問題点として指摘しておられます。要するに崖を跳び越さなければ移行はできない。
 そうすると、そういう表現は使っておられませんけれども、私がそう思っておるわけなんですが、公益法人村という居心地のいいところにとどまっていようというインセンティブが働いてしまうということなのではないかと思います。今度は、非営利法人ということにすると、今までの公益法人というのは、恐らくは非営利法人の中に入る、経過措置でどういうふうにやるのか、新法によって、新法の下で非営利法人として登記したものと見なすとか何とかするんでしょうけれども、その場合に、その中でも特に非課税の特権を与えられるという既得権をそのまま保護するのか、それとも新たに審査し直すのかという、恐らく大変な問題が出てくると思うんですけれども。
 そういう意味で、経過措置のことですが、これは立法に伴う技術的な問題ではありますけれども、非常に重要な問題なのではないかと思います。この段階ではなくて、もっと先になったら、そういう問題も恐らくは検討すべき重要問題になってくるのではないかという感じがします。

○ 既に税の特権もあるのでその扱いとか、非営利法人に移行した場合の残余財産の分配の仕方の問題もあります。3月までにそこまでできるかどうかは別として、事務局の方でもいつごろ、どの段階で議論したらいいかについて、何か検討していますか。移行措置ですね。

● 3月までの段階で議論できることになるかどうかというのは、ちょっと我々もそこまでは手回ししていないんですが、ただし、それはここの議論だけではなくて、親会議との関係も出てきますものですから、今の段階で、3月ぐらいまでに移行措置の問題までは、我々としてスケジュール的な予定はしておりません。その後、税の問題との議論が具体的になってきたぐらいのところから、いろいろ考え始めるのが、事務局としての立場なんですけれども、ただし、場合によって、前もって議論してもらうことも、あるいはあり得るかもしれませんけれども、今のところはそんな感じで考えております。

○ 3月までに、それを集中的に取り上げて議論するという時間は恐らくないと思うんですが、ただ、それは非常に重要な問題で、別の研究会でも少し議論しておりますし、多少議論の蓄積はあると思いますので、こういう資料も皆さんにお配りしたいと思います。そういう問題もあるということを十分念頭に置きながら議論を進めていきたいと思います。

○ 商法は、余りにも現実的な話ばかりしてしまうんですけれども、中間法人法をつくりましたときは、ある意味で、非営利法人の、ある面一般法的なものをあの時点で考えてつくったわけで、しかも、それはごく最近の話ですので、むしろ中間法人法でカバーできないものがどういうものがあって、言わば中間法人法にどういう手を加えることによって、非営利法人の一般法をつくれるか、公益法人等をそこに吸収できて、その他のほかにあるニーズにも応えるものはどうやってつくれるかという観点で検討する方が、生産的というか、限られた時間で成果を上げるためには、適当なアプローチではないかなという感じがしております。

○ 実際には、非営利法人のモデルとして中間法人法がありますので、それを参考にしながらいろんな論点を議論をしていくことは、そのとおりになると思います。
 ただ、さっきも言いましたように、中間法人法自体が、使いにくいという点や必ずしも現時点で見たときに適当でない点があったり、それからもう一つは、非営利法人制度の中に、財団法人が入る可能性もあって、中間法人をただ改正するという形の議論にはならないと思います。

○ ですから、中間法人法に欠けている部分ですね、まさに財団タイプのものとか。

○ 欠けている部分と、これから議論していただく非営利法人の理念との関係で現行の中間法人法で十分カバーできるのかどうかという点も検討する必要があります。また、公益的な活動をする法人もこの新しい非営利法人として活動するのであれば、それを念頭に置いた規定などが付け加わるかもしれない。
 いずれにせよ、中間法人法があるので、それが議論のベースになることは、そのとおりだと思いますね。

○ 中間法人法との関係なんですが、今、委員は欠けている部分というふうにおっしゃったんですが、むしろ私は中間法人法で多過ぎる部分を削って、それでシンプルなものを考えていくという方法もあると思います。例えば、有限責任と無限責任と分けているとか、あるいは基金制度を設けているとか、それは必ずしも一般法として必要かどうかということだと思うんです。それプラス財団をどうするかということですから、参考にするというのは大賛成ですが、今のような視点もあるかなというふうに思いました。

○ そうすると、位置づけとしては中間法人に関する一般法として、今、中間法人法があるわけですが、民法総則第二章「法人」のところが改正されて、非営利法人の規定ができると、中間法人法は特別法になるということでね。そういうふうに理解してよろしいんでしょうか。

○ 最終的に特別法になるのか、それとももう溶け込んでしまうのか。

○ つまり、中間法人法はなくなるということも予定されるということですか。

○ 今は、中間法人法が基本法で、民法にある公益法人法が特別法のような位置づけになってしまっていますので。

○ 今はね。だけどその第二章を全面的に改正すると、第二章は今の中間法人に当たるものと、公益法人に当たるものの両方包括するわけですね。そうすると、中間法人法という法律は、第二章の特別法というか、特例ということになるんではないでしょうか、違いますか。中間法人に限っての法律と。

○ 非営利法人一般法ができてしまうと、その上に更に中間法人法というのを設ける意味は恐らくない。
 ですから、そういう意味では、先ほどから問題となっておりますように、中間法人法をにらみながら、それで足りない部分、あるいは委員が言われたような、少し多過ぎる分、そういうのを修正して非営利法人一般法というのを設ける。
 これが、民法の中にそのまま入ってくるかどうかというのは、まだ不透明でして、私は民法の中にも法人に関する基本的な条文というのは残るべきだと思いますけれども、営利、非営利法人全体についての何か基本的な条文が民法には残って、非営利法人法そのものは外に出る可能性もあるかもしれません。この辺は、私の単なる個人的な意見ですけれども、立法の仕方は、まだ全く不透明だというふうに思います。

○ 委員がおっしゃるように、中間法人法からある部分を除くということになると、その除いた部分が、言わば一般法である非営利法人法のプラスαの中間法人法としてなお残るというような形になるんでしょうね。

○ それは、特別法として残すことになりますね。

○ 実質として中間法人に関する特別規定が軸にあると。

○ それが必要かどうかということを考えた上で。

○ よろしいでしょうか。この辺は非常に基本的なところですが、皆さんの御意見もかなり違う点でもあり、何度も議論しなければいけない点だと思いますけれども、総論のところはほかによろしいでしょうか。
 それでは、次に行きましょうか。

● それでは、WG資料1の第2、「社団関係」について御説明をさせていただきます。
 ここでは、1から4まで、「1 法人の設立」「2 法人の管理」「3 法人の解散」「4 その他」という4項目を掲げてございます。
 1から3までは、民法典の順序に従って項目を掲げております。
 まず「1 法人の設立」ですが、更に中で「(1)設立手続」から「(3)財産的基盤の確保の要否」までの3項目で整理をさせていただいております。
 「(1) 設立手続」ですが、※といたしまして、「許可主義から準則主義となることによって、法人の設立手続において見直すべき点」というのが論点となり得るかというふうに思っております。
 この部分については、WG参考資料1における中間法人と営利法人の設立手続の概要をごらんいただきますと、許可主義、認証主義の場合との主な違いとしては、「定款の署名義務、公証人による定款の認証、理事、監事の設立段階での選任、設立時における財産的基礎の確保に関する規制、設立手続による調査」などが法律事項となっております。この辺も「準則主義の規律にならうべきである」というような方向性をいただければ、あるいはたたき台を更に準備することも可能かと思われます。
 なお、表の方では「設立無効等の訴え」というものが整理してございますが、準則法人になりますと、この点についての手当が法律でされておるということでございます。
 「(2) 社員」でございますが、まず、※の1つ目、「社員の最低人数」ということでございます。
 現行法制ではWG参考資料1の社員欄の上段のとおりとなっております。民法上明文はございませんが、「2人以上」と解されております。
 特定非営利活動法人の「10人以上」というのが若干特徴的ではないかというふうに思われます。営利を目的としない民間団体に広く法人格の付与の機会を与えるというふうに考えますと、特段人数要件を加重するということは必要ないんではないかというふうにも思われますが、その点も含め御検討いただければというふうに思います。
 なお、公益法人、特定非営利活動法人においては、「設立時の最低人数」と「解散事由としての最低人数」、これは「社員の欠亡」ということで違いがあるということもございます。
 ※の2つ目、「社員の地位、責任等」でございますが、社員の地位等について、現行法制ではWG参考資料1の社員欄の中段、下段におおむね整理したとおりでございます。
 この対比表に掲げた限度での非営利法人の社員はいずれも「出資義務・持分、地位の譲渡性がない」とされているのに対し、営利法人の場合には、「出資義務・持分、地位の譲渡性がある」というふうにされております。
 「社員の責任」についてでございますが、御承知のとおり有限責任が一般的でございます。有限責任タイプの法人の制度設計との兼ね合いで、無限責任タイプの要否が問題となるのではないかと思います。
 次に(3)でございます。「財産的基盤の確保の要否」です。
 これについては、※を2つ分けて論点を提示しております。1つ目が、「法人の設立時に一定の財産を保有することの要否」、2つ目が、「法人設立後の純資産学保有規制の要否」という点でございます。
 1つ目の点については、有限責任中間法人、有限会社、株式会社において「最低基金制度」あるいは「最低資本金制度」が採用されております。
 これに対し、公益法人、特定非営利活動法人では、少なくとも法律上は設立時の財産的基礎の確保を具体的に定める規定はございません。
 ただ、公益法人につきましては、WG参考資料1の対比表に斜体で表記しましたとおり、指導監督上、財政的基礎を有することが求められております。
 ただ、これにつきましても、具体的な額等の基準を示すものではなく、また、公益活動あるいは公益事業を達成するという目的のために、財政的基礎が求められているのではないかと思われるところであります。
 なお、法制審の会社法現代化関係部会が本年10月にとりまとめた「会社法制の現代化に関する要綱試案」では、最低資本金制度の見直しについて議論がされており、その動向にも注目する必要があろうかと思われます。
 次の※について御説明しますが、少なくともWG参考資料1に掲げた各法人については、いずれも法人成立後の純資産額保有規制というのは採用しておりません。
 公益法人に対する指導監督基準が、あるいはこれに該当すると解する余地もありますが、先ほども申し上げましたとおり、保有すべき資産額を具体的に規制するものではありません。
 なお、「会社法制の現代化に関する要綱試案」では、「会社成立後、純資産額が最低資本金額に満たなくなる事態が生じても、現行法制と同様、特別の規定は設けないものとする」というふうに、第4部、第2、1の(3)の(注)で示されておるところです。
 次に「2 法人の管理」についてでございますが「(1)社員総会」から「(6)財産状況等の開示」まで6項目を掲げております。
 (1)の「社員総会」の※の「社員総会の位置づけ」でございますが、現行法制では、WG参考資料1の社員総会欄の位置づけの部分に記載したとおり、最高意思決定機関と位置づけるか、あるいは基本的意思決定機関、法令、定款で定める事項のみ決議をするというものかに大別されております。
 どのような団体を念頭に置くかによるものと思われますが、御検討いただければと思います。
 ※の2つ目の「社員の表決権、定時総会、招集権者、招集手続、議事運営等に関する規律等」でございますが、これについても、現行法制についてはWG参考資料1の該当部分に整理をしております。
 各法人において、おおむね共通する規律が採用されており、例えばこのうちいずれかの法人を参考にということであれば、事務局でまた準備を進めることも可能かと存じます。
 (2)は「理事制度」でございます。理事制度については、※を5つ掲げておりますが、まず、上から4つをまとめて御説明したいと思います。
 1つ目「人数、任期、選解任、欠格事由、法人との関係等に係る規律」
 2つ目「理事の権限」
 3つ目「理事と法人との取引の制限に関する規律の要否」
 4つ目「法人の理事、または第三者に対する責任に関する規律の要否」でございます。
 これらもWG参考資料1の該当部分に整理をさせていただきました。
 具体的には、理事の任期を法定するかどうか、理事の権限をどのように規定するかどうか、民法タイプとするか、有限責任中間法人タイプとするか、あるいは理事の法人及び第三者に対する責任を法定するかなどについて規律が分かれております。
 5つ目は「理事会制度を法定化することの要否」を論点事項として掲げております。
 取締役会制度を法定しているのは株式会社のみでございます。公益法人に関する指導監督基準には、理事会を前提する部分、また、既存の公益法人の定款には理事会制度を置くものが多く見られるところであります。この点もどのような団体を念頭に置くかによって、理事会制度の要否について議論が分かれるのではないかと思われます。
 例えば、先ほど議論がございましたが、非営利に着目した幅広い団体を想定いたしますと、すべての団体に理事会制度を求めることは必須とは言えないのではないか。
 他方、社会に大きな影響を与え得る団体を想定いたしますと、当該団体について、適正運営の一層の確保という見地から、業務執行に対して合議体による意思決定の重要性という要請が高まるのではないかと思われるところでございます。
 なお、法制審の会社法現代化関係部会においては、株式会社と有限会社を一体化した上で、取締役会を必須としない株式会社形態を認めること等についても議論がされておるようでございます。
 (3)の「監事制度」に移りたいと思います。
 監事制度につきましては、「必置の要否」が付け加わるほかは、理事の場合と同じ論点事項を掲げております。
 概要につきましても、ワーキング参考資料の1に整理をさせていただきましたとおりでございます。
 監事につきましては、これを必置の機関とするか、任期を法定するか、権限をどうするか、責任規定を設けるか等が議論となるのではないかと思われます。
 (4)の「代表訴訟」に移らせていただきます。
 いわゆる代表訴訟に相当する制度の要否でございますが、現行法制上は、やはりWG参考資料1の代表訴訟欄に整理いたしましたとおりでございます。
 中間法人法立案時におきましては、準則法人であって、行政による監督がないということから、法人自身の自律的な規律という意味で導入されたというふうに、法制審の議事録等からは伺うことができます。
 (5)の「会計原則」についてでございますが、※の法人における会計原則の在り方についても御議論いただければというふうに思っております。
 現行法制の概要につきましては、繰り返しですが、WG参考資料1の会計原則、理事以降が2枚目でございますが、記載したとおりでございます。
 民法の公益法人につきましては、「公益法人会計基準」というものがございますが、この点についても見直しの議論が進められているようでございまして、平成15年3月に公益法人会計基準検討会から「公益法人会計基準案について」というものが公表されております。
 その中では、「一般的に公正、妥当と認められる企業会計の基準に可能な限り準拠する」というようなくだりもございます。新しい法人制度について、採用すべき会計原則について御議論いただく必要があるのではないかというふうに思っております。
 (6)の「財産状況等の開示」でございますが、※を2つに分けました。「計算書類等の開示の在り方」と、「定款等の開示の在り方」でございます。
 現行法制の概要は参考資料1の法人関係書類の開示欄のとおりでございます。
 債権者保護の観点からは法人の計算が適正に行われ、その内容が正確に開示されることが重要であることは言うまでもないと思われます。
 また、定款等、その組織に関する基本的なルールについても関係者、社員及び債権者等が確認できるというような体制が求められるのではないかというふうに思われます。
 「3 法人の解散」についてですが、「(1)解散」「(2)残余財産の帰属」「(3)合併・組織変更の可否及び手続」の3項目を掲げてございます。
 解散事由については説明を省略させていただきますが、現行法制は参考資料1のとおりでございます。
 次の※で「休眠法人のみなし解散の制度の要否」を掲げました。公益法人においては、主務官庁による設立許可の取消があり、NPO法人につきましては、所轄庁による設立認証の取消という制度があります。他方、準則法人については、行政庁の監督がございませんので、休眠法人のみなし解散の制度が置かれているところでございます。
 しかし、無限責任中間法人と有限会社については、特に制度はございません。
 法制審会社法現代化関係部会では、株式会社と有限会社の一体化により、株式会社であっても取締役の任期がない類型が認められる可能性がある点にも留意が必要かと思われます。
 (2)の「残余財産の帰属」についてでございますが、※として、「残余財産の帰属に関する規律の在り方」が議論になると思います。
 現行法制の概要につきましては、やはりWG参考資料1の該当部分のとおりでございます。
 ここにおいては、残余財産の帰属に関する規律を考える場合の基本理念は何かですとか、公益性の認定の仕組みとの関係でどのような影響を受けるかというところもございますが、まずは、公益性とかかわらない法人制度を考え、その上で公益性の認定を受けた場合における残余財産の帰属に関する規律の在り方と、土台部分との規律の在り方の整合性、あるいは橋渡しなどについて議論が必要かというふうに思われるところでございます。
 (3)の「合併・組織変更の可否及び手続」でございますが、まず、合併に関する規定の整備でございます。民法上の公益法人について合併に関する規定を整備せよというニーズには接しております。
 更に、社団と財団との合併を認めるべきかという論点も考え得ると思いますが、具体的ニーズには特に接しておりません。また、財団の在り方に関する検討をした上で議論すべき事柄ではないかとも思われます。論点の提示ということでございます。
 さらに、社団から財団、財団から社団への組織変更の手続の要否ということも検討の対象となり得るかと思います。
 これについても、現時点では具体的なニーズには接しておりません。また、財団の在り方に関する検討が先決問題だろうというふうに思われます。
 最後に4になりますが、その他です。
 「外部者による監査等」が(1)です。「大規模な法人に関する特例の要否」を※で掲げております。
 これにつきましては、中間法人制度の創設に関する要綱、中間試案の第九で取り上げられた事項でございますが、法案化は見送られたという経緯がございます。
 その際の説明は制度発足後でなければ規律の要否について何とも言えないということと承知しております。
 株式会社につきましては、規模に応じて商法特例法に基づく会計監査人による監査の制度がございます。
 民法につきましては、民法上はございませんが、「公益法人の指導監督体制の充実について」(平成13年2月9日の幹事会申合せ)によりまして、各府省は資産額の大きい公益法人に対して、公認会計士等による監査を受けるよう要請するということが定められております。
 (2)が「中間法人制度との法制上の関係等」でございます。※で「新たな非営利法人制度と現行の中間法人制度との法制上の関係」を掲げております。
 総論の部分で議論をしていただいたところでございますが、これが閣議決定で示された宿題というふうに認識しております。新たな非営利法人制度の検討が進捗した段階で、整理をしていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 (3)は、「その他」で、以上の論点を掲げましたが、このほかに新たな法人の組織運営に関する規律として議論が必要と考える事項があるのではないかということで、その他を掲げてございます。
 以上でございます。

○ ここでは、社団に関連する問題ということで、一応まとめてございます。これ以外にも、ここに書いていないことでも、こんな問題があるんではないかという御指摘や、あるいはここに掲げられている取り上げ方についての御意見、いろんな御意見をいただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。

○ 残余財産の帰属との関係で質問を。先ほどの総論の部分なんですが、総論の2で、非営利の概念というところなんですが、この営利というのは、財産を分配すること、分配を受ける権利を各社員が持っていることというふうに理解してよろしいですね。
 そうしますと、非営利ですと、分配を受けることを権利としてはいない。そうしますと、分配しても構わないし、分配を禁止しても構わないと、二通りあり得るということで理解してよろしいですね。

○ はい、そう思います。

○ それだけ確認させていただきたかったんです。

○ 今の確認のところは重要だと思うのですが、それはどっちかにするというのではなくて、2つを認めるということを言っておられたわけですね。つまり定款で分配するということを決めていいし、分配しないということを決めてもいいと。選択を認めるのが私はいいと思っているものですから、そういう意味でおっしゃったのか、どっちかに決めるということをおっしゃったのか、その辺をちょっと。

○ 非営利法人の場合は二通りあって、任意で分配するのも非営利法人の概念に入るし、公益法人のように分配を禁止するのも非営利法人。
 ですから、公益法人を含めた非営利法人一般法をつくるという観点からは、多分土台のところでは一律に禁止するという選択肢はないんだろうというふうに思っていますが。

○ そうですか。この辺の趣旨がよく分かりました。私は定款でどちらかに決めるのが、従来の中間法人と公益法人という性質の違うものを一括して規定しようとしているわけですので、少しその点はフレキシブルな内容にしておいて、自分たちが設立するときに、財産の分配は解散のときに要らないという選択をすることもできるし、分配するという選択をすることもできると、それは定款でどちらに規定してもいいというふうなやり方が実際的かなと思ったものですから。

○ 今の問題はいろんな問題があったんですが。

○ 特に、公益法人についての非課税の論点とかを考えますと、やはり分配するというのはおかしい感じがしますし、そうではなくて何々同好会なんていうのだと分配しても構わないような感じもしますし。

○ イメージとして、例えば残余財産、条文の書き方は別として非営利法人としては、残余財産を構成員に分配しても構わないという趣旨のルールといいますか規定が法律レベルにはあって、ただ、公益性の認定を受けるためには、今、委員が言われたような分配を禁止しなければいけないと、そういうような法制というのが考えられるわけですね。
 そういう意味では、分配するのと分配しないのを両方含んでいて、それは何を目指すかによって、それぞれの法人が選択できると。条文の書き方はまた別として、そういうことが実質的にはあり得るんだと思います。この点では、お二人の御意見は矛盾していなかったと思います。

○ その分配というのは、残余財産の分配ですか。

○ 残余財産です。

○ つまり、残余財産という形で、実質的に収益分配、利益を分配するということになると、営利との境目がはっきりしなくなってくる。その結果、営利法人の規制を潜脱するために使われるおそれがないかどうかという議論があり得ると思うんですが、そこは商法の学者として、委員はよろしいですか。

○ それは、今まで問題は問題なんですけれども、既に現行の中間法人法自体が定款の規定で、残余財産の分配の形であれば分配をすることも可能なように規定をしていまして、ですから、実質的な脱法はできますね、既に現在でもね。

○ 委員にちょっとお尋ねしたいんですけれども、残余財産の形ではなくて、途中で分配をすると、それも任意でやるというのは、これは非営利法人の概念から。

○ 少なくとも外れるんではないですかね。

○ 抵触して、それは許されないと考えるわけですか。

○ そう思いますけれどもね。

○ そこは、どちらかに決めておくべきではないでしょうか。これが今後どういう形で問題になるかわからないですけれども。

○ もしくは、そこまで認めるんでしたら、既に非営利法人という形で実質的な営利活動ができることになりますから、それを前提に、規定をつくらざるを得ない。
 ですから、もしそこまでのものをつくるんでしたら、実質的に営利法人とある程度パラレルなルールをつくらざるを得ないということになってきます。

○ 今までは、残余財産以外の途中での利益分配というのは考えていません。ただ、残余財産の分配についても、社員の当然の権利としてではなくて分配することはあるということですね。

○ 概念を一応かためておかないと、頭の中でそれぞれ思っていることが違いますと、議論がかみ合わなくなることが考えられますので、一応、従前は営利目的というのは、構成員が権利として分配請求権を持っているという意味で使っていたと思います。

○ ただ、定款などで最後の残余財産の分配についての請求権を仮に社員に認めても、これが非営利に反するのかどうかというのは、また別の問題だと思うんです。

○ それも言葉の使い方で、権利といっても、実際は株式会社だって現在でも株主総会の多数決を経ないと利益を受け取ることができないわけですから、そういうことをいうと相対的なんですね。もしくは定款に書けば分配できるというようなことになれば、定款変更の手続をすれば、非営利法人だって分配できるのかということになってきてしまいますから、そうするとかなり連続的な話になりますね。
 アメリカ、あるいはドイツも若干それに関する規定はあるんですけれども、たとえ多数決でも奪うことのできない利益の分配請求権があるんだと、アメリカの判例は一応そういう考えを取っていまして、そこが最低限違うのかということになるんですが、日本でも恐らく株式会社の定款に利益の分配を認めないということを書いても、これは多分定款無効なんだと思うんですけれども、ただそれぐらいのレベルの違いだけなのかのということになると、非常に連続的な話になってくる。
 更に言えば、配当という形を取らなくても、理事者への報酬その他の形で、実質的な利益配当をすることだって可能でありますし、現に今、それが非営利法人で問題になっていると思っていまして、それを含めて考えなければいけないのではないか。実質的な利益の分配が一体どこまで許されるのかどうかということだと思います。

○ いろんな概念を整理しなければいけないというのはおっしゃるとおりで、一応株式会社と同じように、利益が出たときに、それを配当として請求できる権利があるかどうかという問題と、それから途中で適当な利益の処分という形で任意に分配する問題と、それから最後は残余財産の分配ですね。
 この営利、非営利の基準で利益を分配しないというときの利益を分配しないという意味は、私も余り詳しく調べたことはありませんけれども、どうも国によって少しずつ違って、日本は中間法人のときも社員に権利として利益の分配請求権、残余財産の分配請求権を与えるのは、やはりまずいという意見が強かったんではなかったでしょうか、中間法人の議論のときもですね。
 しかし、アメリカのミューチュアル・ベネフィットのコーポレーションの場合には、社員に残余財産の分配請求権を与えるのは、決して非営利性に反しないというような議論もあって、なんか日本は非営利性の問題に関しては非常に厳しいという感じがしたんですが、それはともかくとして、どの段階の問題かということと、どの程度の権利性を与えるかという問題と、その両方の切り口から整理するということになるんでしょうね。非営利法人というときに、委員のおっしゃるように、脱法的なのはまずいということはそのとおりで、どういう形でそれを一方で押さえるか。

○ それはまた持分を認めるか、認めないか、それから持分の払戻請求権を与えるかどうかと、実質的に非常に大きい問題がありますね。

○ 非営利法人ですと、持分を認めれば――それもありだと思うんですけれども――事実上法人が配当しても構わないかどうかというところが一番難しいところで、考え方によって、それは禁止というのもあり得ましょうけれども、禁止するとすると、ガバナンスの関係にいろいろと響いてくるんだと思いますね。

○ ただ、広い意味での非営利法人、中間法人の中に協同組合ですとか、それから相互会社のように持分の払戻を認める法制を採っているのもありまして、実は現行法どうなっているかということを考えてみると、相当バラエティーがあります。

○ そういう意味では、持分の払戻みたいなのを認めるかどうかというのは、恐らく結論は、先取りしてはいけないけれども、余り好ましくないという意見が多いとは思いますけれども、論点として議論として入れておいた方がいいかもしれませんね。

○ あと付け加えさせていただくとすると、社員の権利、少数社員権や個々の社員の権利ですね、財産の調査権等です。

○ そうですね、社員の権利の問題がありますね。

○ 代表訴訟なんかは入れていただいていますけれども、それ以外にも、あるいは情報開示を求める権利とか、いろいろあり得ると思います。

○ 今、情報開示とおっしゃったのは、少数社員の権利としてですか、それとも非営利法人一般についての情報開示の問題ですか。

○ 一般はここにある程度書いてありますので、むしろ社員としてどこまで情報開示等を求めることができるか。小規模な営利法人ですと、単独社員権等として、帳簿閲覧権、その他の情報開示を認める権利があって、大会社における制度的な財務情報の公開などと違った形で、むしろ社員権としての情報開示請求権の方が実際上重要なことがあります。まさに非営利法人などでは、むしろそういう形で社員がどこまでチェックできるかということが、実際上大事な問題です。

○ いろんな訴訟も起きていますね、現在の公益法人あるいは権利能力なき社団で問題になっているのかな。いろんな形でもってマンションの管理組合だとか、そんなところで問題になっています。社員の地位という形では書いてありますけれども、もう少し今の社員が持つ権利をどの程度与えるかと。

○ それと並んでといいますか、一般としての情報公開というのが、ここで入ってくるのかどうかと。

○ 公益法人等になると財産状況等の開示だけでなく、活動状況の開示なども求められるかもしれませんね。

○ これも非営利法人の理念に関連する問題で、難しいところなんですね。公益的な団体であれば、それでよさそうな気がするし、自分たちの共通の利益を追及する団体であると、余り開示しろというのはおかしいという感じがするし、そういう意味では、一応御指摘いただいたように、情報開示の問題というのも論点としては先ほどの財産状況のところの開示のところで併せてでも結構ですけれども、項目としては議論いたしましょう。
 ほかにいかがでしょうか。

○ 4の(3)のその他に関係にするんでしょうか、先ほどちょっとお話が出た、消費生活協同組合の持分などのお話とも関係があると思うんですけれども、一般的な非営利法人についての見通しができていくにつれて、消費生活協同組合とか、宗教法人とか、特別の規律が現行の民法の中間法人法以外で与えられている法人について、細かなところについて整合性を一応チェックしておくべき問題はないのかということは、かなり技術的な話になるかもしれませんけれども、論点として御留意いただいた方がよいのではないかと考えます。
 それは、民法の規定が準用されている部分が多うございますから、法制的にもチェックが必要だと思うんですが、実質的に見ても、かなり共益的なもので、持分的な色彩のものが現行法制上ありますが、しかし中間法人は持分は考えないという前提できていて、現行法自体がちょっとふぞろいになっているようなところが、更に今回詰めていったときに、また横並びで見ておくべき段階、時期があった方がいいのではないかという考えです。

○ そうですね。

○ 委員のおっしゃるとおりだと思いますが、ただ、最初からそれに拘束されるとかえって議論しにくいですから、まずつくって、それで後でまた考えてみるという辺りでしょうか。

○ 勿論、終わってからでよろしいんだろうと思うんです。最初からやると、何か全部ぐちゃぐちゃになってしまうおそれがあるのは確かでしょう。

○ ここでは、できるだけ大目に取り上げておいていただければ、実際に3月までに議論すべき問題と、それ以後議論すべき問題と整理できますので、挙げていただければと思います。
 それでは、また後でお気づきになって、いろいろこういう論点もあるということがありましたら、私なり、あるいは事務局の方にお伝えいただくということでお願いしたいと思います。
 では、第3の財団関係の方についてお願いします。

● それでは、引き続きまして、資料1の「第3 財団関係(社団と重複する論点を除く。)」の部分について、若干御説明をさせていただきたいと思います。
 4まで4つ項目を掲げてございます。ただし、タイトルに書きましたとおり、社団と重複する論点は除いております。理事、監事制度ですとか、財産状況の開示等々につきましては、社団の方で議論したものを、財団のときにまたどうするかという議論はあるかと思いますが、本日の洗い出しの段階では除いております。
 「1 公益を目的としない財団法人制度の要否」についてでございます。
 ※に準則主義によって設立され、公益性を要件としない財団形態の非営利法人制度の要否ということが、まず問題になろうかというふうに思っております。
 民間非営利活動の促進という観点からは、法人格付与の形式によって、区別する理由はないのではないか。現在の財団法人は、民間非営利活動の重要な一翼を担っているのではないか。
 また、社団と財団というものの区別は相対的なものではないかというふうに考えると、あるいは非公益の財団法人があってもおかしくはないのではないかというふうにも思われます。一方で、財団は自律的な運営組織を持ち得ない形態であり、得ないというと言い過ぎかもしれません、制度設計の問題かもしれませんが、このような法人の設立を準則で認めることは問題ではないか。簡便に財団設立を認めると制度の濫用のおそれが高まるという指摘についてはどう考えるか等々が問題になろうかと思われます。
 財団については、入口から大きな問題点があるのだと思いますが、どうかよろしくお願いしたいと思います。
 「2 基本財産制度」を掲げました。※の「いわゆる基本財産制度の要否、その意義、要件、処分等の基準」を論点として掲げました。
 「公益法人の設立許可及び指導監督基準の運用指針」におきましては、「財団法人の基本財産は財団法人の人格の基礎であり、公益活動を行うための収入の基本となる重要な財産であることから、その管理運営に当っては、これが減少することは厳に避ける必要があるとともに、更に公益事業のために資する価値を生ずるよう活用しなければならない」とされております。
 他方、民法には、基本財産という概念は特に掲げられておりません。新たな非営利法人制度において、財団形態のものを認め、その財団形態のものの中に基本財産制度なるものを法定するというふうに考えた場合には、一体どのような制度趣旨に基づいて基本財産制度を設けるのか、その要件はどうするのか、処分等の規律が問題となるかと思われます。
 次の※ですが、「最低基本財産額の要否、規模」を掲げました。基本財産制度を仮に設けるとした場合、「その最低額を法定すべきか」が引き続いて問題になるものと思われます。
 ちなみに、現行の財団法人における基本財産の状況をWG参考資料2に整理をしましたので、御参照いただければと思います。
 1枚目の(1)の基本財産規模別財団法人数でございますが、財団法人は、現在、1万3171法人 、15年度のベースでございますが、そのうち1億円を超える基本財産を有するものが、真ん中の基本財産規模別法人数の、右の四角2つ、約5600余りございます。
 他方、500 万未満の小さな財団法人もございまして、約1807ほどというような状況になっております。
 次に、(2)で年間収入構成を掲げました。表と円グラフは同じもの、表を円グラフにしたものでございます。
 先ほどの説明で、運用指針においては、財団法人の基本財産は人格の基礎であって、公益活動を行うための収入の基本となる重要な財産であるというふうな理解がされておるところですが、実際のところ、この二重で囲った財産運用収入の財団法人の年間収入の割合を計算してみますと、円グラフの四角で囲みました2.4 %にとどまるというのが現実でございます。最も多いのは、円グラフの事業収入が60.6%でございます。
 転じて、社団が右の円グラフでございますが、ほぼ社団法人と財団法人と同じような年間収入の構成になっているというふうに思われます。
 次の※が「基本財産維持義務」でございますが、運用指針では減少することは厳に避ける必要があるとされており、取り崩しが原則として禁止されております。
 ただ、例外的に取り崩しが認められた場合に、これを填補、補充する義務というのは、特に指導監督上も規律がないようでございます。
 基本財産制度を設けるかどうか、その場合に基本財産維持義務等々についてはどう考えるか等が問題となろうかと思います。
 なお、この点につきましては、現在、総務省におきましても、基本財産制度の在り方を含め「公益法人の効率的・自律的な事業運営の在り方に関する研究会」を開いて、議論が進められておるようでございます。そちらの議論等も参考にできるのではないかというように思っているところでございます。
 「3 評議員(会)制度」でございますが、「評議員(会)制度の要否、位置づけ等」を※で掲げております。
 評議員につきましては、御承知のとおり、民法上の制度ではなく、指導監督基準上の制度です。指導監督基準上は、「財団法人の理事等の執行機関を客観的立場から牽制し、業務執行の公正、法人運営の適正を図る機関として、評議員及び評議員会を設置する必要がある」というふうにされております。
 WG参考資料2を1枚めくっていただきますと、評議員関係のデータを掲げております。
 現行の財団法人のうち、評議員制度がある法人は1万法人に上っておりまして、約77%の財団法人が評議員制度を置いておるという状況になります。
 ただ、これを法律で定めるという場合には、何のために評議員会を置くのか、その位置づけ、議決機関なのか、諮問機関なのか、評議員会の機関設計をどうするか、評議員の選解任、欠格事由、任期、人数及び権限についてどう考えるか等々が問題になるかというふうに思われます。
 「4 寄附行為の変更」について御説明します。
 ※の寄附行為の変更の可否及びその手続に関する規律であります。
 民法上、寄附行為の変更に関する規律はなく、解釈上、寄附行為に変更を可能とする規定がある場合には、主務官庁の許可を得て寄附行為の変更ができるという解釈運用がされておるところでございます。
 新たな財団法人制度において、寄附行為の変更を可能とする場合、その要件、限界についてどう考えるか、その際、設立者意思の尊重と寄付行為の変更の必要性との関係をどのように調和させるべきか等々が問題となろうかと思われます。
 「5 その他」でありますが、以上のほか、財団形態の非営利法人の規律として社団形態の法人と異なる規律を設ける必要がある事項として、どのようなものがあるかについても御議論いただければというふうに思います。
 以上でございます。

○ それでは、財団関係の方でございますが、ここはかなりいろいろな問題点があると思いますけれども、いかがでしょうか。
 最初に、私自身の方からの質問ですけれども、議論の仕方といいますか、ここのワーキングで議論する中身なんですが、仮に中間的な非営利の財団一般というのは設けないと、やはり公益的なものに限定すべきだというふうになったときにも、財団法人の在り方というのは、やはり議論しておいた方がいいということでしょうね。
 つまり、公益的なものだから、親会議の方でやるのかというと、そちらでは組織の細かいことはやらないので、こちらでやるということなんでしょうか、ちょっとその点だけ確認したいと思います。

● まず、基礎になる部分をこちらの方で御議論をいただいた方が、実際はまた有識者会議の方で公益性に絡めての御議論になると思いますけれども、そこでいきなり初めてというよりは、まず法制的な御議論を経た上での方が親会議の方でも議論しやすいんではないかと思っております。

○ さっきの入口といいますか、1のところで、今言ったように公益に限定すべきだということになってもここでは議論するということになると思います。
 今の点も含めてで結構ですけれども、ほかの点、財団法人につきまして、いかがでしょうか。

○ その1の問題なんですが、総論のときに委員のお話で主に社団を念頭に置いて二階建てというお言葉があったと思うんですが、あれは社団の場合には二階建てで最後まで行けるかどうかともかく、発想としてはよく理解できるとして、二階建ての発想が財団についても貫徹されるという姿と、財団には貫徹されなくて、言わば社団について二階建てがある隣りに小さな一階建ての附属建物みたいな財団があるというイメージと、2つの在り方の両方を、今のところは両にらみで検討を進めていくと、そういうふうに受け止めてよろしいですか。

○ そうですね、財団の場合の立て方は、今おっしゃったように2つだけなのかもどうかもよくわかりませんけれども、そういうことです。
 いずれまた集中的には議論したいと思いますけれども、中間的な財団というのを認めていいのかどうかというのは非常に大きな問題で、私はあるところで、公益信託の議論をしていたときに、公益信託も準則主義に移ったときに、非営利の中間的な信託はどうなるのかを検討しました。信託はもともと連続的で、別に中間だとか、営利とか、非営利という区別さえもないのですが、公益信託だけ特別な規定が幾つかあるわけです。
 それとの議論との関係で、公益信託の場合には受益者がいないというタイプが普通なわけで、それが公益信託だと言われているぐらいで、中間的な目的で受益者がいないというタイプの信託をつくっていいかどうかという問題を立てて議論したんです。これが中間的な財団法人をつくっていいかどうかという問題と大体パラレルです。
 参考のためにご紹介しますと、今のような受益者がない中間的な信託というのは、信託の世界では目的信託というふうに言いまして、資産流動化のための器に使ったりしますが、最近では、それを積極的に認める国も出てきています。
 ただ、受益者がいませんので、受託者を監督するガバナンスの構造が弱いと。受託者は何でもできて、全然誰からも咎められないというようなところに問題点があったり、それからもう一つ、もう少し私は大きいと思うのは、例えば受益者は特定しないで、しかし実際にはある集団、自分たち親類、家族のために財産をつくって、実際上、その家族たちが使う、家族世襲財産みたいのをつくってしまうようなものですから、そうなると問題があるのではないか、その点は注意しなければいけないという話をしたことがあります。
 財団法人も同じような問題があって、公益ならば目的に拘束されて、ある意味で永久に続く財産というのも、これも余り永久では困るかもしれませんけれども、あってもそんなにおかしくないけれども、今のように中間的な目的で拘束されて、だれも手を付けられない財産というのは、果たして適当なんだろうかというような問題があって、私は個人的には消極的なんだけれども、ただ、使い方の範囲を限定すれば何かニーズがあるのかもしれない。さっき言った資産流動化のための器とかですね。

○ 中間法人の場合は人の集まりですね。財団法人の場合に、小説に出てくるような昔の殿様が明治時代に、その藩の出身者のために、何か財産を提供して、そして教育に必要なお金を財産から出すというふうな一種の給費制度と申しますか、そういうのは、一種の中間的な財団ということになるのですかね。今は藩なんてありませんけれども、何か特定の人が財産を出して、自分の関係のある特定の人の子弟に奨学金を出すというふうなものを構想したとしたら、それは中間的な財団ということになるんですか。

○ それは限界が難しいんですけれども、例えば県ぐらいの単位になりますと、県人会みたいなものですけれども、こういうのは恐らく、不特定多数の人間がそこにいるということで、公益的だとされるんでしょうね。旧藩ということになるとなんか範囲が限定されそうですけれども、どうでしょうか。公益の方に引き付けて考えていいのか、そうではないというふうに考えるか、さっき信託の話をいたしましたけれども、イギリスの判例では、ある特定の企業の従業員のために財産を信託して、受益者というのは決めないで、その社員たちのレクリエーション施設などの目的で使っていいというような財産を信託にするのは、目的信託だからだめだとされたのがあるんです。つまり、公益ではないとされたと。藩ぐらいになるとどうなるかということですが、限界は微妙ですね。

○ おっしゃるとおりで、中間的な財団をつくった場合に、濫用の可能性として、さっきおっしゃった世襲財産であるとか、あるいは財産が固定化してしまって、だれも手を付けられなくなってしまうとか、そんな問題があるけれども、しかし、現実のニーズというのは、委員がおっしゃったように、不特定ではないけれども、多数の人のために財産を使いたいと、それを何とかできないかということだと思います。
 今、企業の話がありましたが、ある学校の同窓会に対して寄付をして、その目的で使うということもあり得るわけですね。そうしますと、中間目的の財団法人を一般的に認めるかどうかというよりも、むしろ特別なものといいますか、公益の概念とも絡んでくるんですけれども、公益とは言えないかもしれないけれども、ある特殊なものを認めることができるかどうかと、そういう議論の立て方の方が現実的かなという感じがしますけれども。

○ 私も特定なものに限定してというのは、そういう趣旨なんですけれども、なかなか限定の仕方が難しくて、これは今ここで議論しなくてもいいことですけれども、果たしてそういう非営利の財団法人というものが、うまく制度として設けられるかどうかということですね、そこはまだ議論があると思います。

○ 任意の社団があるとすると、シンメトリーの観点からは非営利の財団というのがあっても、おかしくない感じもするんですけれども、その辺はよくわかりません。

○ 先ほどの社団の議論と絡むんですけれども、社団の場合に公益目的、何かいい目的ということを要件にしない、切り分けをしないとしますと、人の集まりの活動、それ自体がいいこと、促進すべきことと考えるしかないのではないでしょうか。
 そうしますと、人の活動のためには、財政的な基盤が必要で、そうすると、財団も人の活動を促進するためのもので、そこに意義があると考えてそんなにおかしくはないという気がするんですけれども、それと同時に、先ほど事務局で準備された円グラフがありますけれども、財団と社団では、ほとんど財産構成が変わっていない、違いは、社員がいるかいないかだけで、財団の方は社員はいないけれども、理事がおり、評議員会がある。そうすると、どれだけ違うんだろうかという気がします。ただ、家族のための永久財産を作り出し,相続税がかからないようなことに利用されるおそれがあるといわれている点も、社団法人でつくってしまえるのかどうかというところが問題になってくるのかなという気がするんです。
 ただ、そのとき財団法人をつくる積極的に意味づけがどこに求められるのかというところが一番考えなければいけないことかなという気がします。

○ 社団の方は、東京大学の大村教授の論文がありますけれども、個人の活動の支援といいますか、そういう制度として法人制度を位置づけると、人の集まりである団体というのは、比較的積極的に正当化できるんですけれども、財団については、財団を特別の目的でつくり出して、その目的のために拘束することになりますが、これはちょっと違う位置づけが必要なんだと思いますね。ただ、実際に社団と財団がそんなに違わないじゃないかと言われると、それはそのとおりなんですけれども、本当は、私は日本で財団と社団の区別があいまいになっているところに実は問題があるんだと思いますけれども、それはともかくとして、両方の側面がありますね。つまり、社団と似ているという面と、やはり財団は少し違うので、何か別な正当化が必要なんではないかというのと。

○ 今と同じことなんですが、さっき委員がおっしゃった中で、人の集まりを保護するということなんですが、それは社団の場合にはストレートですけれども、財団の場合は、財産を拘束することによってというわけですから、間接的ですね。ですから、ちょっと議論としては2種類あるのかなという感じはいたします。

○ 財団制度をもしつくるとすると、その目的をはっきりさせないといけない。次のガバナンスなどもそれによって影響してくると思いますので。

○ 入口の点ですごく大きな問題があるので、これは引き続きまた議論したいと思いますけれども、今の点でも勿論結構ですけれども、ほかの点も含めていかがでしょうか。

○ 今、もう既に話題に出ているんですが、信託との関係を財団制度を議論する際に、どういうふうに取り扱うのかということがあると思うんですけれども。

○ 今まで出てきた議論の中では、信託があるから財団は要らないじゃないかという議論が一時期あったのですが、ただ、これはそうではないということが大体理解されていると思いますので、そういう問題は余り議論する必要はないと思います。そうすると、信託との関係というのは、どういうことになりますか。

○ 公益信託と、それから公益的な財団法人との関係をどうするかということなんですけれども。

○ 信託の方から見ると、法人制度が非営利法人制度というのをベースにして、その上に公益性の認定されたものが公益法人になるという構造になったときに、信託、今は公益信託という条文がありますけれども、それをどうしたらいいかという議論はあるんですけれども、これは信託を議論する場で議論されるでしょうが、我々のワーキング・グループで議論すべきものとしては、例えばどんなことを議論したらいいでしょうか。

○ 両者の機能分担。

○ 機能分担みたいなものですか。多少、さっき申し上げたことと関係するかもしれないけれども、仮に非営利の中間的な財団というのは認めないという議論をするときに、その正当化として、その部分は信託でやればいいからというような議論はあり得るかもしれませんね。ちょっと委員が言っている趣旨とは違うかもしれませんけれども、いろんな機能分担という意味では、そういうものも入っているかもしれない。
 どこかで、時間があれば、そういうことも議論しましょうか。

○ 現実には、さっきから議論が出ていますように、社団法人と財団法人はほとんど違わない形で利用されていて、どこが両者の選択で意義が違ってくるかというと、やはりガバナンスの在り方で、財団の方がガバナンスが容易というか、そういうことで選択されている部分が非常に多いと思います。ですから、やはり一番中心的な問題はガバナンスだと思います。

○ 今の委員の御指摘は全くそのとおりで、3のところに評議員制度というのがありますけれども、これは財団法人のガバナンスという形で位置づけて、もっといろんな問題をここで取り上げた方がいい。その一つとして評議員会制度というのがあるんだと思います。
 基本財産制度というのも、なかなか難しいですね。財団法人だから何かあっていいだろうという気は一方でするけれども、ただ、財団法人といえども、基本財産の運用収益だけでもってやっていくことができない時代だとなると、事業をしなければいけなくて、そうなると、社団法人や会社と近づいてくるし、ここでもさっきの会社の議論の影響というのは、何かありそうな気がします。

○ 財産を一定期間に全部奨学金などで使ってしまって、一定期間になったら消滅してしまうというのは、私は悪くはないような気はしているんですけれども。

○ そうですね、期間限定したような。

○ 第三者の利益を損なってはいけませんけれども、そこは情報開示なりで、そうすると一定期間の財産は10年で使い切るとか、一向におかしくないような気がするんですけれども。

○ 今でも本当は可能なんじゃないですか。

○ それは主務官庁が許可するかは別として。

○ 法律上はいいんでしょうね。

○ 民法上はできると思います。

○ 特に奨学金を寄付する財団では、財産がなくなればおしまいだというだけで、そんなに第三者を害するわけではありませんから。事業をやっていますと、学校だとか、そういうのをやっていると別だけれども。

○ 今は、そういうのを信託でやっているわけですね、財団だと使えないから、信託で取り崩しの方は賄っていると。

○ 諸外国で公益信託があるところで、財団法人制度があるというのは、ごく普通なんでしょうか、片方あればいいじゃないかという気もするんですが。

○ アメリカの場合のファンデーションというのがそうですかね。ですけれども、むしろアメリカは少し特殊なのかもしれないですね。
 イギリスは、財団というのはないですね。専ら信託でやっていますね。ですから、そういう意味では2つの制度があるということは当然ではないということになります。
 そういう意味では、委員の言われた2つの機能分担というのは、財団制度を位置づける際に議論してみる方がいいかもしれません。
 ほかにいかがでしょうか。
 よろしいですか、それでは財団法人につきましても、また後でお気づきになった点がありましたら、事務局の方に御連絡いただければと思います。
 全体の議論のたたき台について、また今日の議論を踏まえて整理していただいたものを次回以降議論することにしたいと思います。
 今後の予定の方に入ってよろしいでしょうか。
 では、今後の予定の方を御説明いただけますか。

● 一番最後のペーパーで、まず、次回の御案内でございます。12月24日でございます。午前10時から12時までの間ということで、場所につきましては、この場所以外にほかによい場所があれば探そうとは思いますが、ということで、ちょっと追って変更あり得るということで、後ほどまた追って御連絡差し上げたいと思います。場合によって、また引き続きここということもあり得ましょうかと思います。
 議題につきましては、総論と社団関係検討ということで、総論につきましては、意義、理念などにつきまして、有識者会議の方が16日に先立ってございますので、議論の模様などもお踏まえいただきながら御議論いただければと思っているところでございます。

○ それでは、本日はどうもありがとうございました。また、次回以降もよろしくお願いいたします。


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